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長編、長文支援スレ3

61</b><font color=#FF0000>(cwYYpqtk)</font><b>:2003/10/13(月) 02:08
 なんて言葉を返したらいいか、分からない。
 王宮という温室の中で、大切に育てられた為だろうか。
 私は、一種の修羅場に対処する術を全く知らず、ただ呆然と、立ち尽すことしか
できなかった。

 暫く、無言の時が過ぎた後――
「王女さま 」
 ばあやは私を見つめたまま、微笑を浮かべた。
「御耳が汚れていましてよ」
「えっ」
 思いもかけない言葉に、反応できない。
 ばあやは、呆然としている少女に構うことなく、くるりと身体を反転させると、
軽やかな足取りで遠ざかり、部屋の奥の引き出しを開いて、中から耳掻きを
取り出した。
 それから、ベッドの上にすとんと腰を下ろすと、声をかける。
「お掃除させていただきますわ」
「そ、そうね」
 和解を求めてきた…… のだと思う。
 私は、素直に彼女の太腿の上に頭をのせた。

 ばあやの衣装越しに、温もりが伝わってくる。弾力のある太腿の感触は、
どんな枕よりも、しっくりとくる。

 さわっ……
 微かな音が鼓膜を揺らす。
 気がつくと、ばあやの左手が素早く動いて、私の髪をかきあげている。
「王女さま…… いつも可愛らしい御耳をされていますわね」
「耳に、可愛いも何もないんじゃない」
 あまのじゃくな私は、かわいくない返事をする。
「あらあら。最近は、お言葉まで小憎たらしくなられてしまいましたこと」
 からかうような口調でいうと、ばあやは、右手で摘んでいる耳掻きを、
ゆっくりと動かした。


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