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長編、長文支援スレ

72</b><font color=#FF0000>(cwYYpqtk)</font><b>:2003/09/28(日) 20:13
魔夜〜2〜

「王女様、舞踏会用のドレスが仕上がりましたわ」
 年が8つほど上の、侍女兼教育係が笑顔をみせている。くりくりとした鳶色の
瞳が魅力的で、活発なひとだ。
 私は彼女のことを親しみと、多少の諧謔を込めてこう呼んでいる。
「ばあや、本当なの」
「はい。王室お抱えの機織り職人が、先程届けに参りました。お召しに
なりますか? 」
「ええ、勿論」
「少し、お待ちくださいね 」
 彼女は、黒髪をまとめたポニーテールを揺らしながら、軽やかに身を翻すと、
部屋の外へと飛び出していった。

(どんな意匠かしら…… )
 ばあやが戻ってくるまでの間、いろいろなドレスを着た自分を想像して……
 頬が紅くなった。
 少し、背伸びをしているような気もする。もう少し、大人っぽくなりたいとは
思うけれど。
 暫く待っていると、再び扉が開き、ドレスを大事そうに抱えた女性が
中に入ってくる。

「王女様。こちらですわ 」
 ばあやは傍に近づくと、素早く私の衣服を脱がしていく。
 自分で着替えをしないなんて…… 世間の人は笑い出すと思うし、ハーゴンを
倒す為の、長い旅に出てからは、もちろん論外なことなのだけど……
 王国が正常に機能していたその当時は、疑問に思うことはなかった。


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