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長編、長文支援スレ

42香坂アリス 退場SS(2/2):2003/09/25(木) 23:21
 ついに結果発表の時がきた。アリスはステージの中央でアスカと並んでいる。
 そしてステージの袖では、透矢とマリアがじっと見守っている。
「結果発表です。
  1位、 159票 惣流・アスカ・ラングレー、
  2位、 101票 香坂アリス。
  惣流・アスカ・ラングレーの3回戦進出ですっ!」
 結果は、かなりの大差でアリスの負けだった。
「そ、そんな……。」
 アリスの全身から力が抜けていく。
 ゆらり、ゆらり……ゆっくりと体が揺れ、そして膝から崩れ落ちる。
「危ないっ!」
 透矢が咄嗟に飛び出したものの、とうてい間に合う距離ではない。
 だが、そんなアリスの肩を支えたのは、対戦相手のアスカだった。
「アリス! おい、しっかりしろ!」
 慌てて駆け寄り、アスカからアリスの体を奪うように抱きかかえる。
「……と、透矢? 私、負けちゃった。負けちゃったよぅ……。」
 透矢の胸に顔を埋め、号泣するアリス。そんなアリスを、透矢そっと抱きしめた。
「あの、アスカさん。ありがとうございます。」
 透矢に続いて飛び出したマリアが、飛鳥に礼を言う。
「ふん、相手に怪我されちゃ後味が悪いだけよ。」
「でも……。」
「マリア……。あの、アスカさん。とにかく礼は言わせてくれ。アリスが倒れそうなところを助けてくれて、ありがとう。」
「だからアタシは……。」
 しつこく礼を言おうとする透矢達に言い返そうとするが、それを遮るように透矢が続ける。
「それと、いい勝負だったよ。この先、頑張れよ。」
「あ? えぇ、言われなくてもそうするわよ。」
 やがて司会の終了宣言がかかり、ステージのライトが落とされる。
 さっきまで泣いていたアリスは、いつのまにか小さな寝息を立てていた。
「……帰ろうか、マリア。」
「そうだね。私、荷物を持ってくるから表で待ってて。」
「あぁ、分かった。」
 控え室に荷物を取りに戻ったマリアの後姿が見えなくなると、すっかり寝入ってしまったアリスを抱きかかえた。
「23時間も緊張しっぱなしだったもんな。今はゆっくり休むといいさ。」


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