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長編、長文支援スレ
41
:
香坂アリス 退場SS(1/2)
:2003/09/25(木) 23:21
「5! 4! 3! 2! 1! 0! 終了〜〜〜!!」
司会のカウントダウンとともに本日の投票、そしてアリスとアスカの試合が終わった。
ステージの上では、司会を挟んでアリスとアスカが最後のアピールを終え、互いに向き合った。
「……負けられないわ。負けられないのよ、アイツと当たるまでは絶対に。」
場内の喧騒にかき消されるほどの小さな呟きだったが、アリスの耳にははっきりと聞こえた。
「……私だって、みんなのためにも負けられないのよ。」
その言葉をアリスはぐっと噛み殺し、客席に向き直った。
声には出さなかったものの、アスカにはアリスの言わんとした事が分かっていた。
「さぁ、これから集計です。結果が出るまでしばらくお待ちください。」
ステージの照明が落とされ、軽やかなBGMが流れ出す。
アリスとアスカは、薄暗いステージからそれぞれの控え室へと戻っていく。
「お疲れさま、アリス。」
「おねえちゃん、すぐにお茶を淹れるね。」
「あ、ありがと。」
透矢からタオルを受け取り、ソファへと体を預ける。その表情には疲労の色が濃く、勝負の激しさを物語っていた。
「結果発表の衣装、どうするんだ?」
「そうねぇ……、どうせもう勝負は終わったんだし、どれでもいいわ。そうだ、透矢が選んでよ。」
「僕のセンスで選んでもいいのか?」
思いもしなかった答えに、ドキッとする。
「もちろん、変なのを選んだら『変態』から格上げして『ド変態』の称号をあげるけどね。」
「ばっ! バカ。大勢の前で恥ずかしい格好させる訳ないだろ。……ほら、コレ。」
顔を真っ赤にしながら差し出した服は、ここコロシアムに来た時に着ていた服だった。
ステージで映えることを意識していない、何の変哲もない普段着。
アリスはそれをひったくるように受け取る。
「なんでこれなの? もっと可愛らしい服ならいっぱいあるじゃない。」
「このほうがアリスらしいと思ってさ。確かに着飾ったアリスは可愛いよ。だけど僕は、素顔のアリスが一番だと思うんだ。」
「んな、なにナマイキ言ってんのよ。……照れるじゃない。ほら、着替えるんだから出てってよ!」
「わっ! 分かったから押すなって。」
照れたアリスに無理やり追い出され、仕方なく扉にもたれかかる。
「ふぅ……。あとは結果発表か。う〜〜、ドキドキするなぁ。アリス、勝てるかなぁ……。」
そうやって、今日一日を振り返ってみる。
「さ、行くわよ。……きゃっ!」
「えぅわぁ!」
アリスがドアのノブをひねった途端、ドアが勢いよく開いて透矢の体がアリスを襲った。
「きゃー! おねえちゃん! 遠矢さん!」
透矢の体はアリスはもちろん、その後ろにいたマリアまでをも押し倒した。
「あいテテテ……。な、なによ、もう〜〜。……あ、マリア、大丈夫?」
「え? うん、ちょっとお尻を打ったけど、平気だよ。そういうおねえちゃんこそ平気?」
「う、うん。大丈夫。……透矢ぁ、あんた何て事するのよ。」
何が起こったのか全然理解していない透矢のおでこを平手でペチンと叩く。
そこでようやく状況を理解した透矢が、慌てて立ち上がった。
「へ? あ、ゴメン。大丈夫? 怪我はない?」
「えぇ、大丈夫よ。……って、そうじゃないでしょ! アンタねぇ、ドアにもたれかかってりゃこうなることくらい分かるでしょ。」
「う……、ゴメン。」
アリスの言うことに反論出来ず、がっくりとうなだれる。
「さ、最後のお勤めに行くわよ。」
「あぁ、わかった。」
慌ててアリスの後を付いて行く。と、その時隣に並んだマリアがそっと耳打ちした。
「透矢さん、アリガト。おねえちゃんね、さっきまですごく落ち込んでたんだよ。」
「そ、そうなんだ。」
「コラぁ、なにコソコソ話してんのっ!」
「何でもないよ!」
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