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長編、長文支援スレ

70</b><font color=#FF0000>(cwYYpqtk)</font><b>:2003/08/30(土) 02:09
(私を想ってくれるひとがいたんや…… それもこんな近くで)

 嬉しさと申し訳なさが交じり合った感情が、少女のこころを
ゆっくりと満たしていく。
 胸が熱くなって、息が苦しくなる。
 
「おませさんやなー 正太君は…… 」
 にっこりと笑おうと思ったのに、声が詰まってしまう。涙が溢れ出して、
頬を伝って、ぽたぽたと地面に落ちる。
 白いハンカチをぐっしょりと濡らしても、まだとまらなくて、
正太君をびっくりさせてしまった。
「私のこと、忘れんといてな…… 」
 大阪は、泣くだけ泣いて、ようやく落ち着くと、精一杯の微笑を浮かべた。
 少年が勢いよく首を縦に動かしたことを確認すると、肩にそっと
両手を載せる。
 そして、ゆっくりと顔を近づけ、滑らかな頬に唇をのせた……

「ほなら、さよならや…… 」
 大阪は、両親が呼び出したタクシーの傍から大きく手を振った。
 正太君は、桜色に染まった頬に右手をあてたまま、遠ざかっていく
車をじっとみつめていた。


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