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長編、長文支援スレ

470名無しnoゆうな応援2-6-1/3</b><font color=#FF0000>(HajiDrTM)</font><b>:2003/09/21(日) 18:38
「はじめてじゃないけどはじめてのうんどうかい 〜星影清けき夕暮れに〜」

 僕たちの住む、市内全域が参加しての大運動会が終わった。
 秋の日が早々と暮れ色を深めていく。
 結局、今年の総合優勝は市内北地区になった。ゆうなちゃん まいなちゃんの参加した
南地区は、惜しくも総合二位。けど、まいなちゃんは参加した競技で一等を五つも取った
し、ゆうなちゃんも…、別の意味で「活躍」したみたいだから、いい、のかな?
 大会の閉会式は、総合順位発表の後も部門賞やら何やら、延々一時間も続いた。
 その後、運営係の人たちに挨拶したり、簡単に救護テントの片づけをしたりしていると、
辺りはすっかり暗くなっていた。片付けも一段落ついたのを確かめて、僕は周りの人たち
に暇を告げた。ほっと息をついてから、あ、っと忘れていたことを思い出した。
 しまった。確か、閉会式の前に、双子が「いっしょに帰ろ、おにいちゃん」と言ってたなあ。
星が瞬き始めた空を見ながら、思わず頭をかいた。…さすがに二人共、もう帰っちゃった
だろうな。約束すっぽかして、怒ってるかな。
 そう思いながらも念のためにと、お昼時に朝倉さん一家がいた方へ、人気の無くなった
グラウンドをぶらぶら歩いていった。ぶるっ。風が肌に冷たくなってきたな。
 すると…。
 「ん? やぁ、遅かったね、先生」
 「あらあら、雅文(仮名)さん、お疲れ様」
 ……朝倉夫妻の声だ。ってことは…、まさか、今まで僕を待っててくれたのか? 慌てて
暗がりに目を凝らす。穏やかな表情の朝倉夫妻が、芝生に敷いたままのレジャーマットに
座っていた。
 「す、すみません! お待たせしちゃったみたいで。待っててくださると知ってれば、もっと
 早く切り上げるんでした…」
 「いやいや、気にしないで先生。実は娘たちがね、頑として動こうとしなくて…」
 「そうそう、二人とも雅文(仮名)さんといっしょじゃなきゃ、帰らないーって。ちょっと待ち
 くたびれちゃったみたいだけど」
 朝倉夫妻の座っている間、シートの真ん中に、双子が向き合ってコロンっと丸ぅくなって
いた。お揃いのジャージを着て、大きなバスタオルに包まり、スヤスヤ寝息を立てている。


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