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長編、長文支援スレ

462名無しnoゆうな応援2-4-3/5</b><font color=#FF0000>(HajiDrTM)</font><b>:2003/09/21(日) 14:06
 ゆうなちゃんを探しながら行列の動きを追う。列は、トラックに沿ってグラウンドの端の
ほうから進み、コーナーを廻って今、本部席のある正面ストレートにさしかかっていた。
 いないなあ、ゆうなちゃん。見落としてるのかな?
 列中央を行く巨大な山車が、正面ストレートに入ってきた。
 シューッ! と音がして、山車の天辺付近から白いスモークが噴きあがる。バンドの曲
が一段と高く響き、金管楽器が陽射しに煌いた。山車は小刻みに震えて、その頂上の
ほうが大きく、花弁のように四方に開いた。
 「…あ」
 白と金の混ざり合うモニュメントの中から、輝くばかりの真珠色をした小さな人型が現
れる。
 頭上に燦然と輝くティアラを飾り、月光で織ったのかと思わせるローブを纏い、背には
天を指す翼を広げ、まどろみを邪魔されたように愛くるしい目元をコシコシとこすり、不思
議そうに小首をかしげ辺りを見回す、秋の午後、蒼穹と清冽な風と光の中に立ち現れた
小さな女神。
 「………。ゆうな…ちゃ、ん?」
 ちょっと驚いたようにすくみ、すぐににっこりと溢れんばかりの笑顔で小さく人々に手を
振るのは、まぎれもなく、ゆうなちゃん。いや、小さな女神さま…。
 僕はふらふらと立ち上がり、ただ一点をみつめながら、吸い寄せられるようにトラック
の脇まで歩み寄った。
 周りの人々からも、ほぅっと溜息の漏れるのが解る。
 …けど、どっかで見たことがあるような…? そう考えたとき、僕は、我に返った。
 ああ! あれは! 上村家門外不出の品、「少女神の羽衣」!?
 まだ、ゆうなちゃんにも まいなちゃんにも、アレだけは見せたこと無いのに!
 あ、あんなものまで持ち出してたのか、僕に無断で。ぐぅ、後できつ〜〜くお仕置きして
おかないと。………でも。………、よく似合ってるなあ、ゆうなちゃん。
 山車、いや、白と金の女神の座がちょうど本部前にやってくる。ゆうなちゃんが、すぐ
僕に気付いてちっちゃな手を一生懸命に振っていた、その時。
 ぎしっ…、がこっ! グラグラッ!
 「?! ひゃんっ!?」
 「ええっ?!」


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