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長編、長文支援スレ

453名無しnoゆうな応援2-3-2/8</b><font color=#FF0000>(HajiDrTM)</font><b>:2003/09/21(日) 12:27
 「わーわーわーっ! そ、そんなことないない! いや待ってたんだよ二人がいつ来て
 くれるのかなーって、ほんとほんと! やー、うれしいなぁー!!」
 「………うそ」
 ぎくぅっ! まいなちゃん、どこでそんなお兄ちゃん殺しの目線を覚えてくるの?!
 「う、うそじゃないうそじゃない!」
 「んと、だって…、そのおべんと…ひっく、ひっく」
 僕の手元を指差す ゆうなちゃんのお顔は、悲しみと絶望の涙に濡れている。う、何か
とっても罪悪感が。
 「だ、だからその、こ、これは…そうっ! 係の人が持ってきてくれたから、食べないん
 だけど、中味だけは見とこうかなぁ〜、なんて…」
 「ぐすっ…ふぇ、ほ、ほんと、おにいちゃん」
 がくがく。僕は鞭打ちになるんじゃないかという程、激しく首を縦に振る。
 「ひっく…ふに………。んと、えと、うん! なら、いいよぅ、おにいちゃん♪ いっしょに
 おべんと、たべようよぉ〜」
 今泣いたカラスがもう…、いやいや、ゆうなちゃんならカラスじゃなくって…何だろう?
 打って変わって、にぱぁっと笑顔になった ゆうなちゃんと まいなちゃんに手を引かれて
テントを離れた。グラウンドの広々した外周、ふさふさとした芝地は、家族連れや老人会、
友人同士の集団など、様々な人たちが群れていた。みな、和やかに笑ったり話したりしな
がら、お弁当を広げている。
 人々の間を縫うようにして、両腕にぶらさがった双子と一緒に本部テントの正面反対側
あたりまでやって来た。
 「…ん? やあっ、来たね、先生!」
 「あら、遅かったわね? ああ、そうそう。雅文(仮名)さん、先ほどは娘たちの危ない所
 を…。有り難うございました」
 大きな男性の声と、優しそうな女性の声が同時に飛んできた。
 「あ。これは朝倉さん、ご無沙汰してます。お母さんも。お二人ともお元気そうで」
 僕は微笑んでいる朝倉夫妻に会釈する。ゆうなちゃんと まいなちゃんの、ご両親だ。
 お互い知らない仲ではないが、そこは常識ある(?)社会人同士。ちゃんとご挨拶位は
するのだ。


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