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長編、長文支援スレ

108瞳を開けて:2003/08/30(土) 22:18
 …………!
 突然の落下感に全身がビクンと跳ねて、それでわたしは目を覚ました。
 その途端、激しい眩暈が襲ってきて、ふたたび瞳を閉じる。
 何か――とても怖い夢を見ていたような気がするのだが、思い出せない。
 ひどく頭が重い。全身がだるい。
 風邪かしら。困っちゃうな。明日は、お父様と遠乗りにいく約束をしているのに。お父
様とご一緒できるのは、本当に久しぶりですもの。取りやめになんかしたくない。
 熱い紅茶でも飲めば気分もよくなるかも――そう思って、お付きの女官を呼ぼうとわた
しは手を伸ばす。
 いつもベッドのサイドテーブルに置いてある呼び鈴へ。
 でも、そこには何もなく、わたしの手は空を切った。
 何より、手を伸ばしたときの違和感……。
 肩の関節があり得ない方向へ曲がるような、そんな感じがした。
 何かがおかしいと頭の中で警鐘が鳴る。
 わたしが横たわっているのは柔らかなわたしのベットじゃない。とても固い――もしか
して、石の床?
 辺りには、何かが焦げるような臭いが漂っている。ううん、それだけじゃない。その中
には鼻を突く臭気も混ざってる。
 この臭い……知ってる。昔、ムーンペタの街の西まで遠乗りしたときに、遠くに毒の沼
を見たわ。その時に嗅いだのと同じ臭い。
 胸の中にじわじわと嫌な気持ちが広がっていく。
 全身が震え出すのがわかる。
 そうだ、わたしは知っている。この瞳を開けたときに、いったい何が映るのかを。


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