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練習スレ
109
:
世にも名無しさん
:2006/03/19(日) 19:44:17
炸裂音とともに、怪物の動きが止まり「穴」から耳障りな奇声が響き、その異形の少年は彼女の真横の地面へと倒れこんだ。すると、舌なめずりのような音とともに、顔のついたあの円筒部分が、貝の外に飛び出したまま絶命した。赤い血か水か、顔面の裂傷から漏れる液が木造の床を濡らし始めた。
永瀬は、化け物の体液に覆われた小銃を投げ捨て、焦点のあわない目で数秒間、その異形の亡骸を見ていた。そしてようやく息も切れ切れに、壁を頼りに廊下に立つと、老父に投げ捨てられた拳銃を拾い、死人のような表情で母屋の表へ向かった。
外に出ると既に日が出ており、多少霧に視界が遮られているものの、懐中電灯無しでも行動する分には支障は無かった。拳銃を片手に、永瀬は納屋の裏側へ走った。すると、木材や農具が置かれているプレハブに、二人乗りの業務用軽トラックが横付けして止められていた。彼女はトラックに駆け寄ると中を覗いた。どうやらイグニッションキーはかかっていないようだ。それを確認すると、農具置き場から大型の加圧式の農薬散布器を引きずり出し、窓ガラスに叩き付け、ドアロックを解除しドアを開放した。
運転席に潜り込み、イグニッションを取り外し、配線を露出させると、対極の線同士を接触させ、エンジンスターターを作動させた。エンジンの駆動音を確認すると、線を結びつけイグニッションを閉じ、運転席に乗り込み、ドアを閉めた。ギアをローに切り替え、サイドブレーキを外すと軽快な音を立て、永瀬の運転する初期型アクティが納屋の前を抜け、山道へ出た。
軽トラックは赤い土を撒き散らしながらも、十分な馬力で下山していった。すると、彼女の視線の中で何かが動いたような気がした。ふとサイドミラーに目をやると、母屋の方でごそごそ何かが動いているのが見えた。先程殺害したはずの貝の化け物がゆっくりと母屋から出てきているではないか。彼女は戦慄したが、とにかく今は下山することしか頭においてはならない気がし、そのままアクセルを踏み込んだ。
ふと標識が目に入った。
------小字浦郷 この先2km
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