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スタンフォード監獄実験とは? -続き-
ttp://prison.holic-maker.jp/top/es/es02.htm
服従と支配
そして実験二日目にして、とうとう一人の囚人が精神的に衰弱し、実験からの途中離脱を求めた。
しかし驚くべきことに、この段階で既に、看守らは自分達の役割を極めて真剣に自認しはじめていた。
彼等はその囚人を解放させまいとして”男は衰弱したように見せかけて、ウソをついているに違いない”と、研究者らに話して男を離脱させることに反対したのである。
そしてこの事態を知った囚人らは、いよいよ看守側に憤慨した。
彼等はもはやこの”刑務所”から逃げ出すことが出来ないと確信し、再び大きな暴動を引き起こしたのである。
これらの事件が起きる最中、独房においても幾度かの単発的な反抗が発生したが、それは最初の暴動のような、組織的なものには発展しなかった。
また途中から入獄したある被験者(彼は途中まで予備の囚人として待機していた)は、看守の態度を知るなりすぐにハンガーストライキを行ったが、逆に罰として真っ暗な独房へと押し込められ、数時間をそこで過ごすことを強要された。
そして看守らは他の囚人らに対して、彼を独房から出す交換条件として毛布を渡すこと、より粗末な囚人服に着替えることなどを要求したが、囚人らはそれを拒否し、結果、更なる囚人間の対立を生んだ。
しかしこれら実験において不可解であったのは、時折、実験中の施設を被験者の家族や友人といった見学者が訪れて、実験の様子を見学していたにも関わらず、彼ら訪問者の誰もひとりとして、刑務所内で起きている問題に気づかなかったということである。
ある時には牧師が施設を訪れ、監房を回って一人一人面会を行ったが、やはり目立った苦情はなかった。
これが一体いかなる為か、真相は定かではない。
つまり囚人側は、実験と関係のない外部の人間に対しては、本音を漏らすことや助けを求めることは恐らく可能であったにも関わらず、そうしなかったのだ。
また例えば、看守側の人間が決してそうした苦情をもらさないよう、囚人側に命令していた(例えば苦情を漏らした場合は、面会後に体罰を加えるといったように)としても、何も囚人側はそれに盲目的に従う必要はなかったはずである(何故ならば彼等は涙を流してさえ、途中離脱を訴えたのだ)。
しかし彼等がそうしなかったのは、恐らく看守の仕打ちを恐れたためであり、それは即ち、彼等の間で実験という枠組みを超えて、看守と囚人という主従関係が、強固に成立していた事を示唆していると言える。
つまりこの段階で、既に囚人側の被験者はあたかも本物の囚人のように従順な服従者へと変貌し、そして看守側もまた、日を追うごとに自分たちの”責任”に対して真摯になり、彼等囚人を決して釈放(=途中離脱)させまいと、支配的に、さながら本物の看守へと変貌していたのである。
情況の囚人
しかし実験開始から六日目、当時ジンバルド博士の恋人であった大学院生、クリスティーナ・マスラシュが刑務所を訪れたとき、実験は突然の結末を迎えた。
彼女は監房を見て回るなり、その悲惨な実態を敏感に察知して博士に強く抗議したのである。
彼女の抗議に対し、ジンバルド博士がすぐに対処したのは、彼女の主張が理にかなったものであると判断したからなのか、あるいはまた彼女が博士にとって恋人であった為であるのか、定かではない(彼女は現在ジンバルド博士の妻である)。
しかしいずれにせよ、博士によれば”訪問者のうち唯一、そしてはじめて中止を求めた”彼女の要請により、実験は遂に中止されたのである。
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