ヤード・ポンド法における長さの単位である。元々は、両手を左右にいっぱい伸ばしたときの幅に由来する身体尺である。特に水深の単位としてよく用いられている。尺貫法の尋に相当する単位であることから、日本語では「尋」と訳されることがある。中国語表記では「?」であり、他のヤード・ポンド法の単位と違い中国語側の漢字に口偏がついている。
ここから派生して、英語でfathomは「測る」(measure)という意味の動詞としても用いられ、さらに「真相を究明する」(get to the bottom of)や、「理解する」(understand)といった意味にもなる。
1850年代のミシシッピ川では、この方法で水深を測り、ファゾムの整数部を古い言葉で呼んでいた。例えば2(two)のことはtwainという。船の下に2ファゾムあるときは"by the mark twain!"と言っていた。昔ミシシッピ川で水先案内人をしていたアメリカの作家サミュエル・クレメンズは、ここからペンネームをマーク・トウェインとした。