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たれこみスレ

4名無しタン(*´Д`*)萌え〜:2005/03/05(土) 20:11:00
御堂岡物語 第3話 前編 「火遊び」 (1)
hehahehaheha   2000/04/08(土) 03:35

(あのさ、折角連載してやってんだから興を殺ぐようなこと
すんじゃねーよ精薄が。今回は長いので上から下に読め)

日曜日、えみみはひとりで街を歩く。
男がえみみにふりかえる。一人や二人ではない。誰もえみみを男性だと思わないからだ。ショーウィンドウに映る自分の姿を、えみみはちらりとのぞいた。ストレートボブ、アイライン、マスカラ。頬紅はなしで、唇は淡いピンク。フェイクファーのハーフコート、スカートは黒のタイトミニ。踵の太いロングブーツ。
十代の、少女。彼女がこっちを見つめ返している。
黒揚羽も安東清も厭已も知らない、えみみの秘密だった。少女になることは、一種のゲームにすぎない。外観で人を判断する人間たちへの挑戦、あるいは、自分自身に対する改革だろうか。
「ねえ。彼女。ひとり?」
今日もまた、30前後とおぼしき男がえみみに声をかけてきた、またいつものように、それを無視してやり過ごそうとする。が、男は執拗だった。えみみの声は高いので、声を出してもまず男性だとばれることはない。しなを作らずとも、えみみは女の子そのものだった。
「待ってくれ、君、高校生だろ? 映画見に行かない? お昼まだなら何でもおごるからさ、つき合ってくれよ」
「気が乗らない」
えみみは男に目をやって言った。
ぞくぞくする。まさか必死に男性をくどいているとは思いもよらないだろう。なんてバ
カなやつ!
「メンドいことは無しだ。俺の目、節穴じゃないゼ。君、男だろ?」
男は少し声を落として早口に言った。
えみみの歩調がゆるまる。
見破ったのは、彼が初めてだった。えみみはその男をまじまじと見た。
「いいだろ? さ、ここの店に入ろうよ ワラ」
男はえみみの肩をさっさと抱くと、角にあった喫茶店に入っていく。仕方ないな、と
えみみは思った。


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