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たれこみスレ

3名無しタン(*´Д`*)萌え〜:2005/03/05(土) 20:10:38
御堂岡物語 第二章「出会い」
みおみおみお   2000/04/03(月) 01:46

そういえば、自分は上月のことをあんまり知らない。どこに住んでると
か、なにをやってるとか。ただ、大学生で6つ年下で、あとはよく知ら
ない。浪人をしたとかいう話は聞かなかったから多分今年あたり就職活
動なのに、そんな話も聞かない。知ってるのは携帯電話の番号くらい
だ。でも、上月も同じくらい自分のことをしらない、とそう思ってなんとな
く、ため息をつく。

上月と出会ったのは病院だ。暑い夏の日、妹の見舞いの帰り。
喫煙所に座って、タバコを吸おうとしたら、火がなくて、隣でタバコを吸っ
ていた人に火を借りた。それが上月だった。
それから1ヶ月くらいたって、また喫煙所で上月に会った。
ふっと視線がかみ合って、軽く会釈する。
それからまた1ヶ月。もう一度、会った。
「よく…お会いしますね」
上月から話しかけられた。
「あ…はい ワラ」
「お見舞いかなにか?」
「ええ、妹の…ずっと入院してるんで…あなたは?」
「…兄の、見舞いに」
交わした会話はそれだけ。そしてまた1ヶ月後、上月に会った。
「おなか、空きませんか?」
また始めに話したのは上月だった。
「え?」
「この近所にうまい定食屋があるんです。どうです、一緒に」
そういえば、おなかが空いている、と立ち上がった上月を見上げると彼
はふんわりと笑った。
「僕は、上月っていいます。上月、澪。あなたは?」
「え…御堂岡、です ワラ」

自分をホモだとか思ったことはない。普通に女と恋愛してきたし、セック
スもしてきた。で、なんでこういうことになってるのか、と言われると困
る。どうしてこんなことやってるんだ、と言われてもそうなってしまったも
のは仕方がない。
自分は上月のことを好きなのか、と考えてみて、でもよくわからない。
初めての夜、もちろんうまくなんかいかなくて、でも、上月の苦しそうな
顔がとても綺麗で、無理矢理なかに押し入った。じんわりと目元に涙を
ためた上月が小さなかすれる声で自分を呼んで、それだけでぞくぞくと
背筋になにか寒気みたいなのが走って、あっけなくそれは終わった。
服を着ながら、後悔しないの、と上月に聞いたら上月はゆっくりと首を
振るから、どうしてこんなことになったのかなんて考える暇がなかった。


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