■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■
投稿するまでもないSSスレ 5/5- 1 :名前が無い程度の能力:2006/12/27(水) 23:05:15 ID:Oyb7IHcY0
- 創想話に投稿するまでもないSS用スレ。
理屈なんていらない、東方に熱い想いがあるというなら
とにかくそれをぶちまけろ! 長編・短編どちらもOKだ!
前スレ
投稿するまでもないSSスレ 4/4
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/6306/1152798704/
投稿するまでもないSSスレ 3/3
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/6306/1129200914/
投稿するまでもないSSスレ 2/2
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/6306/1114858168/
投稿するまでもないSSスレ
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/6306/1101876013/
関連サイト
プチ東方創想話ミニ
ttp://cgi.www5d.biglobe.ne.jp/~coolier2/sss/anthologys.cgi
SSを書いている人へ
なぜ自分が書いたSSが評価されないのか
どうしてイタイヤシと叩かれなければならないのか
U-1ってなに?って思ってる人
こうすれば、貴方のSSは生まれ変わる
『 メアリ・スー 』 テストで自己診断。これで皆は貴方のSSにメロメロだ!!
ttp://www.imasy.or.jp/~hir/hir/marysue/marysuefaq_j.html
ttp://iwatam-server.dyndns.org/column/marysue/
関連スレ
【ボクとあなたの】東方キャラとイチャつくスレ6【幻想郷】
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/6306/1161648280/l50
SSの実力向上を目指すスレ 第3話
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/6306/1137562560/
幻想郷のキャラをいぢめるスレ 2
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/6306/1164364079/
【こんなSS】貴方に合うSSを探すスレ【ありますか?】
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/6306/1146881361/l50
- 2 :名前が無い程度の能力:2006/12/27(水) 23:14:33 ID:6kUAKgyk0
- 乙
- 3 :名前が無い程度の能力:2006/12/27(水) 23:16:19 ID:UZg5QDAY0
- >>1乙です〜
- 4 :名前が無い程度の能力:2006/12/27(水) 23:26:39 ID:qZYREDY.0
- ノ ./:::ヽ、 l
r''"´ 〈::::::::::`丶、__,,,.. -ォ 、 \
l /´ヾl「 ̄ ̄`Τ´ ,' \ ヽ
ノ ノ::.r'7^゙、 l: ,'\ l:....:. ヽ:.....:./ また新スレか! めでたいものだよ!新スレは!!
. / ゙y´ :{ ヽ /ヽ ∟...}イ |:::::λ:l::::::j
. 〈 {l N-‐''゙ 〈 〉 ヽl::::/リノ::: ( 知れば誰もが称えるだろう! >>1乙と!
ヽ!: リ、| ,.-‐-、. `Y:| ィ'" ̄ヽリノ /:::::::: i
|l: / ヽ_イ......._ノ |:l ヾー┬''゙ /:::::::::: | >>1の様でありたいと!
|l ∧ ``T´ |! _,」 〈:::::::::::: ',
. }!. { l', ゙r──‐┬'"´ レ''"`7!::::: :: ヽ 故に祝福される! このスレの誕生は!
ノ::. l ドf ̄`ヽl ,_,. ===-、, 。 ,'::|!:: \
(:.:::::} ト-゙、 {l::r'"`:i:'"`lリ ゚ ノ::::'、: ',頑張りたまえ! >>1乙!
. ヽ::l: !:::::::ヽ ヾ、__,〃 ,イ:::::::::\ ト、i
/:::|:: | l:::::::r=辷_、 `二二´ /_」`!::::::::〈` | リ私もこのような出番なら大歓迎だ!
./::::::::|:: |{ |::::::::ト----:\ ,ィ'゙二..イ::::::::::::ヽ ,'
.{_|:::::::l:::. ヾ`ー':::l:.:.:.:.:.:.:.:.:.、`''''''''i゙| 「:/| :.:.!:::::::::::::_ノ /
`>::ヽト、 `ー、::|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ\:.|.| |(_」:.:.|::::::::::f´:::::::'- 、
(:::::::::::::`ヽ l{く:.:.:.:.:.:.:.:.:rへノ:.|.| |:.:| /:.: ̄`ー!、_:::::::::、_)
`ヽ;:;: -''"|ノ`ー.:.:.:.:.:.:.:.\「:.:.:|.| |:.l/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`'':: 、|
- 5 :名前が無い程度の能力:2006/12/27(水) 23:34:37 ID:3HhDtaDM0
- >>1乙
- 6 :名前が無い程度の能力:2006/12/28(木) 07:58:46 ID:qMiwgkD6O
- 1乙
短い取ったのな
- 7 :名前が無い程度の能力:2006/12/28(木) 21:21:26 ID:89nv3lQQ0
- 書かせてください。
今日も、青い空が気持ちが良い。
こんなことしたって、賽銭は入らないが、この掃除だけは欠かせない。
「ごめんくださーい!」
境内のほうから声が聞こえた。
声をかけること自体、魔理沙ではないことだけは、確かだ。
しょうがない。顔を見せて、話を聞こう。
「なに?私はいま掃除中で、忙しいのよ。」
と、そこに居たのは赤い髪の中華服。これはめずらしい。
「どうしたのあなた?門番クビにでもなったのかしら?」
「違います!あのね、さっちゃんがヒドイんですよもう。
あ、さっちゃんていうのは咲夜さんのことで、
この前も私がちょっと、ほんのちょーーーっとお昼寝してただけなのに
いきなりナイフであんなコトや、そんなコトをそりゃあもうエラい勢いで…」
「あー、はいはい。そういうことね。何かと思ったわ。」
いきなり、身振り手振りで涙ながらに語り出すからビックリしちゃった。
なんだ、いつものことじゃない。
「あなたの言う、ほんのちょっとしたお昼寝で、
咲夜がナイフであんなこと、こんなことをしてくるのでしょう?
それだけ、あなたが咲夜に見守られているからじゃない。
つまり、それだけ、大切にされているってこと。」
「でも、いつも私だけナイフで…ナイフであんなことこんなこと…」
「それも、あなただからでしょう。
まぁ、そうこうしている間に…ほらきた。」
目を空へ向けると、そこには瀟洒なメイドがこちらへ向かってくるところだった。
メイドは降りて来るなり、眼光一閃、中華服の娘をにらみつける。
「美鈴!」
「は、はぃっ!」
「あなたは、こんなところでサボタージュして!さっさと帰るわよ!」
「は、はぃっ!でも、咲夜さんがナイフであんなことこんなことするから私…うげっ!」
メイドは、話を聞くまでもなく、中華服の襟首を後ろからつかみ、
そのまま空へ飛んでいく。
「お邪魔したわ、霊夢。今度来るときは、美味しい茶菓子でも持ってくるわ。」
「ええ、もちろん。今度は、ちゃんと首輪でもつけておきなさいね。咲夜。」
振り返りざまに、そのまま湖の方へ飛んでいく。
私は箒を片手に、右手を軽く振る。
「さっちゃんか…。
あ、そういえばあの子にお賽銭入れてもらうのを忘れてたわ。」
はぁ、とため息を一つ。でも、まぁいっか。
さて、掃除の続きでも始めよう。
今日も、青い空が気持ちが良い。
元ネタ
ttp://rmserver.ddo.jp/%7Ehappyft/nikki.htm 12/27日記より
- 8 :名前が無い程度の能力:2006/12/29(金) 10:58:33 ID:qGHeUj2c0
- とりあえず>>1乙
新スレ記念に一本書いたら激烈にぐもんネタバレだった俺ガイル
変わりに小ネタ投下
魔:「よう門番、仕事納めに来たぜ」
中:「すっかり本職と化してますね・・・・・・」
魔:「だがそれがいい」
中:「良くないですよ!気持ちよく年を越すためにもここで落とーす!」
魔:「ならこちらも年納めで手加減しないぜ!」
中:「それはこちらのセリフよ!覚悟なさい!」
〜〜少女弾幕中〜〜
パ:「相変わらず外は騒がしいことね」
咲:「そうですわね」
パ:「・・・・・・咲夜」
咲:「なんでしょう?」
パ:「掃除の邪魔だからって時間止めて私をどかすの止めて欲しいんだけど」
咲:「じゃあ自力で動いていただかないと」
パ:「今忙しいから嫌。そもそも掃除なんかいらないわよ」
咲:「だーめーでーす。こんなときくらい大掃除しないと」
パ:「年末年始くらい休めばよいのに」
咲:「従者にそんなもの必要ありませんわ。さあ、そこも掃除するからどいて・・・・・・」
ドカーン!
中:「これ以上いかせるかー!ドラゴンスクリュー!」
魔:「なんの!弾幕はパワーだぜ!閃光魔術!」
中:「くっ、まだまだ!雑技団式トペ・スイシーダ!」
咲・パ:「・・・・・・」
魔:「うおりゃー!恋符『ファイナルマスターロック!』」
中:「ちょ・・・・・・ちょっと・・・・・・ギブ!ギ・・・・・・あ」
魔:「おお」
パ:「貴方たち・・・・・・」
咲:「来年を迎えたくないようね・・・・・・」
皆で食べた年越し蕎麦はちょっぴり血の味がしました。
・・・いつものことかもしんない。
来年も楽しく猪突猛進で行けるといいな。
美鈴
咲:「・・・・・・ぼたん鍋にしてやろうかしら?」
- 9 :名前が無い程度の能力:2006/12/29(金) 12:27:41 ID:d0/v8xAM0
- >>8
弾幕じゃねぇw
ってかファイナルマスターロックってどんな技なんだろう……
- 10 :名前が無い程度の能力:2006/12/29(金) 13:01:30 ID:7mFjH/P6O
- エキサイティング東方思い出した
- 11 :名前が無い程度の能力:2006/12/29(金) 14:12:43 ID:qGHeUj2c0
- >>9
説明しよう!
マスターロックとはWWEのクリス・マスターズの決め技でその人間離れしたパワーを生かした
た だ の 羽 交 い 絞 め
(プロレス用語で言うならフルネルソン)である!
名前もさることながら魔理沙とある意味でタイプが似通っているので採用。反省はしていない。
- 12 :パチュリー先生のなぜなに相談室:2006/12/30(土) 10:33:29 ID:mUndBpCs0
- ある日のこと、紅魔館の門番が居候の魔女を訪ねた。
「で、相談って?」
「はい、パチュリー様。実はですね」
美鈴は語る。
ある日魔理沙に「中国は胸がでかいなあ」と振られたので、
「こんなもん重いし肩こるし邪魔なだけですよ」
と返したら青筋を浮かべた魔理沙に「てめぇは持たざる者を冒涜した……!!」
とファイナルスパークを叩き込まれた。
その次、霊夢に「美鈴は胸が大きくて良いわね」と言われたときに、
「いやあ私なんて全然たいしたことないですよ。もっと大きくなりたいですね」
と心にもないことを言ってみたら、「マスクメロンじゃ不満だってか!!!
西瓜みたいになりたいってか!!!随分と贅沢だなおい!?」
と言われて冬の寒空に湖へ叩き込まれた。
いっそ開き直って、咲夜さんが自分の胸を恨めしそうに見ているときに、
「羨ましいですか?へっへーん、いいでしょ。でもあげませんよ」
と言ってみたら、人間海栗の刑に処せられた。
「つまりですね、胸の話になると愚痴でも謙遜でも自慢でも、なんと言おうが
角が立つんですよ。これ以上胸のことで酷い目に遭わない方法はないでしょうか?」
話を聞き終えた紫の魔女はつまらなそうに本のページをめくりながら答えた。
「あるわ」
「そうですよね、ないですよねやっぱりそんな都合の良い方法……あるんですかっ!!?」
「……相談しに来ておいてなんでそこで驚愕するのよ。あんたのことが分からないわ」
大仰に驚いた美鈴を半眼で睨み付けると、美鈴はえへへと笑って誤魔化した。
「すみません、駄目元のつもりだったんで。それで、その方法って何ですか?」
魔女は黙って読みかけの本に栞を挟むと、立ち上がって引き出しを引っかき回し始めた。
「……美鈴、アマゾネスって知ってるかしら?」
パチュリーがそう言うと、その手に持たれた忌まわしき丸ノコ型スペルカードが
冒涜的な叫び声を発しながら回転し、その狂気じみた威容を見せつけたのであった。
終われ
- 13 :名前が無い程度の能力:2006/12/30(土) 12:39:35 ID:TsRrtq420
- ちちをもげ!
- 14 :名前が無い程度の能力:2006/12/30(土) 13:20:56 ID:ljLvsqFc0
- 何この宇宙の窮極の中心からか細いフルートの音色と下劣な太鼓の乱打が聞こえてきそうなハヴェw
- 15 :名前が無い程度の能力:2007/01/01(月) 03:58:50 ID:owBqejvI0
- ア「何で貴方達はこんな時間に人の家に来るのかしらね?」
魔「こんな時間だからだ」
霊「おやつに良い時間よね」
魔「ああ。お茶と茶請けがあれば充分だ」
ア「まったく・・・ブツブツ」
魔「ん? なんだ、この棚にある薬は」
霊「やめときなさいよ」
魔「ああ、何。ちょっと見るだ・・・うわっ!?」
ガチャーン!
霊「きゃっ!?」
ア「何!? 何の音よ!?」
魔「あー、すまん、霊夢、アリス」
霊「もー・・・冷たいじゃない」
ア「あーっ! 実験中の薬!」
霊「毒じゃないでしょうね? 勘弁してよ」
ア「毒じゃないけど・・・」
魔「そうか、ほっとしたぜ」
ア「ほっとしないでよ。霊夢、なんともない?」
霊「そう言われても・・・」
魔「何の薬なんだ?」
ア「感情を持つ自動人形を作成する為のものよ。式神の理屈を応用して、
数式の代わりに薬品の分子構造を・・・まあつまり、人形にロジックと運動機能を与えるわけ」
霊「私は式神なんかになりたくないんだけど」
ア「所詮は研究中の薬だし、無生物の人形を対象にした分、本物の式には遠く及ばないわ。
生き物の心や運動を支配することはないはずよ」
霊「そうであることを願うわよ」
魔「いやーまったくだ。はっはっは」
ア・霊「あんたが笑うな」
魔「ところで、ロジックを仕込んだ人形はどうやって動かすんだ?」
ア「移動フローを口で伝えればいいのよ。こんな感じで。
定義・ラベルA、博麗音頭を踊れ、ジャンプ・ラベルA、以上。ね?」
魔「ふーん、わかりやすいが面倒だな。それだと永久に博麗音頭を踊りそうだが」
ア「その辺は今後の研究次第で」
霊「きゃっ!? わあっ」
ア「霊夢!?」
魔「お、おい。効いてるじゃないか。博麗音頭を踊ってるぞ」
霊「ちょっと、やめて。うわっ」
ア「霊夢には効いてないみたい。きっと服や装飾品に効いたんだわ」
魔「服や装飾品は人形じゃないんだが」
ア「リボンや巫女服全体でおおよそ人の形をしてるし、材料も同じじゃない」
魔「そんなんでいいのかよ」
霊「うだうだ言ってないでとめなさいってば! きゃああ」
ア「命令は無限ループだもの。薬がキレるのを待つか、服を脱ぐしかないわ」
霊「もーしょうがないわね! よっ、と」
魔「おお、誰も来てないのに服が博麗音頭を踊ってるぜ」
霊「あーもう、大切な一張羅なのに!」
ア「今日の所は私の服を着て帰ればいいじゃない。服はあとで返すわよ」
魔「ああ、それで手を打つぜ」
霊「あんたじゃないでしょーが!」
魔「冗談だ」
霊「はあーあ」
霊「まったく、昨日はまいったわ。そろそろアリスの家に行かないと・・・」
魔「また行くのか? 昨日行ったばかりじゃないか」
霊「服を取りに行くんでしょうが! 本当ならあんたがとってくるべきなんだけど!?」
魔「いや、わかったわかった。とってきてやるから・・・ん? カラスか?」
文「号外ー、号外だよー」
バサッ
霊「またか。本紙より号外のが多いんじゃないかしら」
魔「まったくだ、どれどれ・・・」
文々。新聞・号外
アメノウズメの再来か!? 〜巫女、踊りながら脱衣〜
(写真・一糸まとわぬ姿となった巫女・霊夢氏(人間))
霊「いやーーー!!?」
- 16 :名前が無い程度の能力:2007/01/01(月) 07:42:46 ID:vvJXlkHY0
- ぐもんしきネタ投下ー
咲夜「…」
阿求「一応こんな感じです。どうでしょう」
咲「吸血鬼ハンターか…面白いわね」
阿「…実際のところはどうなんですか?」
咲「どっかのブン屋みたいね。教えない」
阿「うー」
咲「…これだとナイフの腕に関する記述が具体性に欠けるわね…」
阿「何か実演していただけると書きやすいんですが…」
咲「お安い御用よ」
咲「じゃ、いくわよ」
阿「(メイドの上に林檎…距離は20間ほど…この距離をナイフで射抜くと…)」
サクッ (額HIT)
咲「…」
阿「…失敗…ですか?」
咲「いいえ、成功よ(汗」
阿「失敗ですよね!?」
咲「誰も林檎に当てるなんて言ってないわ」
阿「じゃあなんで林檎乗せたんですか!?意味ないじゃないd」
咲「じゃかあしい」チャキッ
阿「ひえぇ ぼうりょくはんたい〜」
- 17 :名前が無い程度の能力:2007/01/01(月) 11:25:41 ID:eGpV7zVo0
- >>15
ホンとどこにでも居るなこのカラスw
そしてその新聞一枚くだs(夢想封印
>>16
やっぱそんなんが事実かwww
- 18 :名前が無い程度の能力:2007/01/01(月) 13:40:06 ID:/ESjlkfg0
- それでも咲夜さんなら…頭の上に乗ったリンゴに傷一つ付けずに美鈴をハリネズミに出来るはず…
- 19 :名前が無い程度の能力:2007/01/01(月) 14:56:45 ID:dEsDTFxg0
- 焦ってるドラ○もんのように、山ほど投げてもなぜかリンゴは無事。
妖精メイドはハリネズミ。
でも妖精なので平気。
- 20 :名前が無い程度の能力:2007/01/02(火) 01:07:19 ID:n76NMkDs0
- 『美鈴最強伝説』
本来は人間の成長に、妖怪はついていけない・・・・はずだった
だが此処に、人間と共に成長する妖怪が居た
その名も華人小娘『紅美鈴』
度重なる魔法使い『霧雨魔理沙』の襲撃
外れる事の無いナイフを投げる紅魔館メイド長『十六夜咲夜』
年々魔法の威力が上がり、年々ナイフの切れ味が鋭くなり、感じるのは命の危機
ある年に美鈴は死の覚悟をするけれども、彼女の体は諦めなかった
魔法に耐えられるように、ナイフに耐えられるように成長
いや、それは妖怪であると言う点から言えば進化であったのかも知れない
切磋琢磨、もとい削られる日々年月がどれほど過ぎた頃だろうか
魔理沙と咲夜の能力も最高期を向かえ、美鈴の苦労も死んだほうがマシだと感じるほどであった
だが、そこで人間である二人の成長が終わった
正確に言えば若さではなく熟練の域へと達しようとしていたのだが、美鈴の進化は何故か止まらなかった
そんなある日、美鈴に向かって魔理沙がお馴染みのスペルカードを放った日
いつもの如く『ひょわー』などと言って目を回し墜落する美鈴を脳裏に浮かべる魔理沙
魔理沙は別に慢心している訳でもなかった、これは言わば日常の出来事に組み込まれている事なのだから
そして、異変
スペルカードの激突で起こった爆発から出てきたのは、無傷の美鈴
そう、ついに美鈴の防御力が魔理沙のスペルカードを殆ど無効化するほどまでに高まったのだ
「・・・・あれ? 」
「・・・・へ? 」
魔理沙と美鈴は、二人そろって不思議そうに首をかしげる
魔理沙は無傷である美鈴に、美鈴は当たった筈なのに痛くない魔理沙のスペルカードに
明らかに何らかの異変が起こっているのだと気づいたのだろう、その場を沈黙が支配した
けれどもそんな事を許さぬとばかりに、美鈴に向かってロードローラーが突き刺さる
何処から持ってきたのか、何時投げたのかなどと言う突っ込みは瀟洒に無視するであろう咲夜が登場
されどロードローラーは、美鈴に触れた途端に砕け散った
「・・・・あら? 」
「・・・・痛くない」
美鈴の体が訴える、美鈴は体からの訴えを受け取る
美鈴は『もう大丈夫! 』と訴える体の言葉を受け取った
確かめるように右手を握り締め、静かに息を整える
理解した、感知した、自覚した、認識した、全て証明された
「なら、これでどうだ! 」
「これを、避けきれるかしら! 」
魔法の光、ナイフの軌跡
「あぁ、これが」
美鈴の呟きに、魔法とナイフは彼女に触れる事も出来ずに砕け散る
「これがっ! 」
手を振るえば、それだけで魔理沙と咲夜が吹き飛ばされた
「これがトライフォースの力! 」
時代はとらいわいとぷりんせす
・Wiiが売り切れていた、求聞史紀も無かった
むしゃくしゃして書いた、反省はしていない
- 21 :名前が無い程度の能力:2007/01/02(火) 17:55:37 ID:aUlGVSNg0
- 博麗神社
「あれ?確かこの辺にしまっといたはずなんだけど…」
「暇だぜ暇だぜ暇くて死ぬぜぇ」
「勝手に人んちに上がりこんで何やってんのよ。」
「あー霊夢。とりあえず茶くれ」
「戸棚にあるから自分で淹れなさい」
「んで、どのくらい入ってたんだ?」
「何がよ」
「正月だぜ。賽銭の5円や10円入っててもおかしくないだろ」
「そういや見てないわね」
「よし、せっかく暇だし見ようぜ」
「しょうがないわねぇ。というかあんたは入れたの?」
「当たり前だろ」
「ご開帳〜♪」
「なんで魔理沙が楽しそうなのよ。あげないわよ」
「宝箱とかあける時ってわくわくしないか?」
「大したのもは入ってない気がするわ」
・氷玉
「のっけから凄いもんが出てきたな」
「こんなことするのは⑨くらいのものよね」
「…落とし玉…?」
「何か言った?」
「いやなんでもない」
・鉄下駄
「重っ!! ん、名札ついてる」
『益々のご活躍と幻想郷の繁栄を願って 八雲紫』
「おまえに修行しろってことか?」
「…たぶん地に足をつけろってことね…」
・五寸釘+藁人形
「正月早々縁起でもない…」
「見られたら効果ないんじゃなかったか?」
「とりあえず元の持ち主に返しといてくれる?」
「了解だぜ」
・茶葉
「あら気が利くわねー」
「止めといた方がいいと思うぜ。白玉楼マークの封がしてある」
「…とりあえず春の花見のときにグーで殴る」
・文々。新聞(元旦付)
「新聞受けじゃないっての。」
「『永遠亭の人口(ウサ口?)が500人を突破』『冬将軍現る』『紅魔湖七不思議④』…」
「記事はいつも通りね」
「ん、なんかチラシ挟まってる。珍しいな」
・夜雀の屋台串焼きサービス券
「ミスティアか。商売熱心だな」
「たまにはここじゃなくて屋台で呑みたいわねぇ」
「人間のお客様は適用外って書いてあるぜ」
「そうかよし入れ知恵した兎含めてシバく」
・座布団
「「…山田!?」」
「ていうかなんで賽銭が一銭も入ってないのよ〜」
「まぁ博麗神社だしなぁ。」
「ん?まだ何か入ってる」
・陰陽玉
「…魔理沙?」
「…はい?」
「あなたお賽銭入れたって言ったわよね」
「…待て待て慌てるなこれは孔明じゃなくて萃香か紫のわn」
「問答無用!!」
―――霊符「夢想封印」
- 22 :名前が無い程度の能力:2007/01/05(金) 09:58:08 ID:ZX.K4WXU0
- 「あーはっはっはっは♪ 会場の子供達は、一生私のバックコーラスにしてくれるわ〜」
「大変、妖怪帝国のヤツメライよ! みんなでヒストリエを呼んで!」
『助けてヒストリエ〜!!』
「みんながピンチだ! ハァク、タク!」
解説しよう!
上白沢慧音は改造獣人である。
彼女はムーンライトベルトをフルムーンにすることにより、歴史獣神ヒストリエに変身できるのだ!
その間実に1フレーム!!
「歴史獣神ヒストリエ!」
どーん。
「出たわねヒストリエ! 今日がおまえの最後よー」
「子供達を一生奴隷になんて許さないぞ、ヤツメライ! 必殺ハリケーンミキサー!」
ひょい。
「ああ! ビタミンAが抜けて目が見えない」
「八目鰻を食べなかったことが徒になったわね。大人しくやられるが良いー」
ゲシゲシ。
「たぁいへん! みんな〜、ビタミンA不足のヒストリエにヤツメライの場所を教えてあげて!」
「まっすぐー!」
「もう少し右だよ〜」
「ああ、そこ違う」
「そこかヤツメライ! 三種の神器の力を今ここに! ムラクモソード!!」
「ぐわー。今日はこれくらいにしておいてやるわ〜」
「ば〜かじゃねえの!?」
どーん。
「みんなありがとう! ビタミンA不足で危ないところだったよ」
「みんなもビタミンAが不足しないように、好き嫌いしないで人参や八目鰻を食べようね」
『はーい』
ヒストリエ……慧音
司会のおねえさん……妹紅
ヤツメライ……ミスティア
- 23 :名前が無い程度の能力:2007/01/05(金) 11:51:12 ID:YCwLB2k60
- それにしてもこの蓬莱人、ノリノリである
- 24 :名前が無い程度の能力:2007/01/05(金) 12:04:01 ID:2fba1wOI0
- そして衣装とセリフに赤面しながらリハーサルをする半獣
- 25 :名前が無い程度の能力:2007/01/05(金) 19:03:59 ID:QN.ImZKw0
- でも慧音は本番には強いと思うんだ
- 26 :名前が無い程度の能力:2007/01/05(金) 19:52:05 ID:NMkZvzhY0
- 失敗した歴史をなかったことにするからな
- 27 :名前が無い程度の能力:2007/01/06(土) 21:27:53 ID:gv9q8xbk0
- フ「もー、お姉様のバカッ!」
チ「んー? 何よ騒がしいわね」
フ「何だ、妖精かー」
チ「うーん、あんたは吸血鬼? この辺じゃあ、あの館に住んでる吸血鬼しか見かけないけど」
フ「私もそこの吸血鬼よ。あんたが言ってるのはお姉様のことね」
チ「ふーん、妹なんだ。で、何がバカッなのよ?」
フ「妖精には関係ない事よ!」
チ「何さ、人がせっかく聞いてやったのに。じゃあ良いわよ」
フ「・・・私が妖怪の山に行きたいって言ったら、お姉様が危ないからダメって言うのよ!
私はお姉様より力があるのに! あの山の妖怪は知恵が働くから、
私じゃ策略にかかって一コロで痛い目見るって!」
チ「ふふん、なるほど。あの山に行きたいのならあたいにお任せね!」
フ「えー、あんた妖精なのに、私でも無理だって言われてるところに行けると思ってるの?」
チ「あの山の麓にはよく行くし、山には知り合いだって住んでるんだから!」
フ「へー! じゃあ一緒に行けば大丈夫ね」
チ「あの山に行くなら準備が必要よ。今から言う物を持ってきて早速出発!」
フ「オッケー!」
チ「んー、木陰に沢、気持ちいいわねー」
フ「気持ちいいけど・・・こんなとこなら私一人で大丈夫だよ」
チ「ふふん、甘いね。ほら、早速岩場よ」
フ「岩場?」
チ「こういう所はね、両手両足のうち一カ所ずつ動かす三点倒立が鉄則なの!」
フ「・・・逆立ちで登るの?」
チ「・・・ど忘れよ! 三点なんとか! とにかく、こうやって
岩場に体がくっつきすぎないように・・・確実に・・・ふぅ、登るわけよ」
パタパタパタパタ
フ「飛べばいいんじゃないの?」
チ「・・・アイシクル・アイゼン・キーック!」
ズゴン
フ「キャン! ・・・何すんのよ、この妖精!」
チ「あんたの為よ」
フ「・・・へ?」
チ「あんたが山に敬意を払わないから・・・自然の友である妖精のあたいはこうするしかなかったの!」
フ「そーなの?」
チ「そうでなきゃ・・・吸血鬼を攻撃するなんて怖いことするはずないじゃない!」
フ「そ、そっか! 私が間違ってたわ、チルノ!」
チ「分かればいいのよ! さあ、行こう!」
フ「うん!」
文「あら、チルノさん・・・それにフランドールさんじゃないですか」
チ「あ、文」
文「珍しい組み合わせですがいったいこんな所で何してるんです?」
フ「この妖怪の山の山頂を目指してるのよ」
文「へー。そういうことならお任せください」
チ「へ?」
文「お二人ともしっかり捕まっててくださいね!」
びゅわー
チ「うわー!」
フ「はやーい!」
文「はい、つきましたよ。そこの標識が一等三角点です」
フ「飛んだらいけないんじゃあ・・・」
文「確かに部外者が上空にあがると妖怪に狙われて危険です。
でも山に住まう天狗の私なら問題ありませんから」
フ「ふーん。でもとにかく山頂についたよ! やったね、チルノ!」
チ「ぶつぶつ」
フ「どうしたの?」
チ「・・・苦労して登った山にリフトの山頂駅とかあるとむかつくわよね・・・」
フ「?」
文「はて?」
- 28 :名前が無い程度の能力:2007/01/06(土) 21:47:45 ID:uyvHI4GU0
- がんばれチルノw
- 29 :名前が無い程度の能力:2007/01/09(火) 01:15:11 ID:Lgl79nxA0
- チルノは考えていた。
どうやったら霊夢をギャフンと言わせられるのか。
悔しいが霊夢は強い。
万全の態勢でなくても、普通の霊夢に挑むのはあまり具合が良く無さそうだ。
となれば、霊夢がかなり調子の悪い状況を狙うべきだ。
それはどういう場合だろう。
チルノは考え、羅列してみた。
れいむが弱いときはいつかリスト
びょう気のとき → いつびょう気になるかわかんない
よる、ねているとき → よるは暗いからやだ
よっぱらってるとき → へろへろなのに、きゅう血きにかったのを見た
かわやのとき → 完全そうびだし、すぐにたいせいをたて直しそう
おふろのとき → はだかでそうびなし、しかもさむさによわい。
しかも人げんははだかをはずかしがる ◎
「よし、お風呂の時を狙うわよっ」
作戦は決まった。
チルノは早速、霊夢が風呂を炊き、入浴するタイミングを待った。
夕方、カラスの鳴き声が響くころ、霊夢は巻を持って釜に火をかけていた。
「あーあ、暗くなっちゃうのは計算外だったなあ」
暗いのが怖いチルノは、落ちていく日を不安げに見つめながら、
それでも風呂が炊きあがって霊夢が入るのを待っていた。
やがて、風呂場の洋燈が灯き、ザパァ、チャプンと水の音がした。
距離が遠くてわからないが、人影が揺らめいているようだ。
恐らく霊夢が入浴しているのだろう。
近づいて確認しようかとも思ったが、あの鋭い勘に感づかれては元も子もない。
チルノは奇襲をしかけることにした。
「まずは風呂場を壊すわよ! 食らえ! ヘイルストーム!」
ドドドドゴォ!
雹の嵐が風呂場に降り注ぎ、古びた木製の一角はたちまち粉砕される。
「続いて、パーフェクトフリーズ!」
狙いは更衣室への扉だった。そこさえ凍り付かせれば、霊夢は装備を回収できない。
加えて、斜線上に霊夢がいれば、一糸まとわぬ人間、しかも冬の黄昏時、
たちまち動けなくなり、全身凍傷になるはずだ。
とその時、
ビュワッ!
勝利を確信していたチルノに深紅の閃光が降り注いだ。
「うわわわぁっ!?」
距離が離れていたこともあり、辛うじて回避したチルノはあたりを見回すと、
明らかに普通でない大きさのコウモリが何百とチルノを取り囲んでいた。
「ひっ!? コ、コールドディヴィニティー!」
チルノは咄嗟にスペルを放ち、それらを30匹程度氷玉にしたが、
大勢は変わらず、たちまちコウモリが群がってきた。
「妖精風情が、やってくれたじゃない」
聞こえた声は明らかに霊夢のものではなかった。
コウモリがチルノの背後に集結し、人型になると、
それは禍々しい翼を持つ、紅い悪魔−レミリアであった。
「どういうつもりかしら?」
レミリアはチルノを羽交い締めにすると、キバをむき出してチルノの頬をかじるふりをした。
「ひ・・・」
チルノは想定していない事態にパニックを起こし、スペルを発動させた。
「ふ、フリーズアクトレス!」
ギュオッ
「こ、こら! ちっ」
レミリアは回避する為上空に舞い上がり、続けて手元に紅い槍を生み出してチルノにターゲットしようとした。
しかし咄嗟のあまりレミリアは忘れていた。今は夕刻であることを。
傘も持たず、裸のママであたりの樹木より高く飛んではいけないことを。
「しまったぁー」
レミリアは夕陽を全身に浴び、たまらず墜落した。
頭をかかえておびえていたチルノは、相手が攻撃を回避したことには気付いたので
キョトキョトと周りを見回したが、上までは見ていなかった。
その為、真上から落ちてくる吸血鬼の直撃をさけることはできなかったのだった。
トンテンカン、トンテンカン
金槌で釘を打つ音が聞こえてくる。
グツグツグツ
居間では鍋が煮えている。
「れ、霊夢・・・もう食べましょう?」
素裸のレミリアが震えながら言った。
「だめよ。あのバカが壁の応急修理を終えたら一緒に食べましょう」
霊夢はそっけなく言った。
「寒いんだけど・・・それにあいつのせいでここの風呂は壊れたのよ」
レミリアが寒さに牙をカチカチ鳴らしながら言うと
「あんたは更衣室を吹っ飛ばしたでしょ。おまけに自分の服まで。寒いなら私の巫女服でも着てなさい」
霊夢は答えた。
「祝福された巫女服なんて着たら全身火傷しちゃうのよー」
レミリアが絶叫すると
「難儀ねえ」
霊夢はため息をついた。
- 30 :名前が無い程度の能力:2007/01/09(火) 12:55:33 ID:qJgBWfRE0
- なぜレミリアはカリスマが欠損しているのだろうか
- 31 :名前が無い程度の能力:2007/01/09(火) 13:27:02 ID:dzHHh11Y0
- つ 容姿
- 32 :名前が無い程度の能力:2007/01/09(火) 13:51:14 ID:A6DcHIfM0
- つ「考え方が幼い」という求聞史紀の記述
- 33 :名前が無い程度の能力:2007/01/09(火) 13:52:14 ID:yIo6VP7Y0
- 髪の毛が青いから
- 34 :名前が無い程度の能力:2007/01/09(火) 14:05:35 ID:ZDEoLy.w0
- 吸血鬼=カリスマの具現ってぐもんに書いてあるのにw
やっぱり問題なのはスペカの命名が(全世界ナイトmry
- 35 :名前が無い程度の能力:2007/01/09(火) 15:24:00 ID:JGGo2N/20
- どことなくベジータっぽいから
- 36 :二人で紅魔郷:2007/01/09(火) 17:37:48 ID:0qHWNFo20
- 「英吉利牛は?」
「ないわよ」
「私の命を懸ければ止められる。でもその必要はないわ。」
「やる気のない門番ね」
「通してあげるから今の発言は伏せておいて」
(通したらやる気のないのが分かるんじゃない?でも言うと面倒ね)
(これで霧も止まる…。)
「使う魔法は貴方たちの好みに合わせてあげるわ」
霊夢、無言で殴る。
「これが無の魔法…」
「納得してるぜ」
後ほど、図書館の中で体を鍛える魔女の姿が見られた。
「あれだけ多くの時を止めたのに…」
「お前は私の時と一緒に、無意識に自分の時も止めていたんだ」
「今の私の限界なのよ。身に余る技は、鏡返しを使われたらお手上げ」
「ちょっと忘れ物を取りにいってくる」
「今頃?」
霊夢と吸血鬼はどちらも譲らない。
そろそろ命を懸けることになるかもしれない…
どちらもそう思い始めていた。
険しい戦いの中、魔理沙が戻ってきた。
「吸血鬼には十字架だ!」
魔理沙はこの旅で出会った、金髪の妖怪を抱えていた。
「私の負けだわ」
- 37 :名前が無い程度の能力:2007/01/09(火) 23:52:52 ID:yIo6VP7Y0
- ここ最近テクニシャンが増えてきて書けない側の俺には嬉しい限りだ
- 38 :名前が無い程度の能力:2007/01/10(水) 21:00:03 ID:FI1yP5A.0
- 「すいません。お豆腐を」
「いつも通りかい。ちっと待ってくんな」
妖夢は、ごとんと音を立てて入れ物を置く。水浴びに使えそうなタライである。
「ヘイ! 豆腐一丁!」
丸ごとだが一丁は一丁。
「お勘定です。……毎回丸ごとで済みません」
「や。食ってくれるなら丸ごとでも何でも良いけどよ」
見た感じ、強制労働させられる少女である。幽霊を連れていなければそれ以外には見えないだろう。
「うー、ナンマンダブナンマンダブ……」
連れていたら連れていたで時折拝まれる。お迎えに来たわけではないのだが。ご老人は拝みながら去っていった。
タライを頭に乗せる。天竺風味だが御利益は薄そうだった。他の持ち方には難があるので仕方ないのだが。
「紫様タッパーくれないかなぁ」
そんなタッパーはないと突っぱねられたが。大きな豆腐に合う大きなタッパーはあるべきだろう。理不尽である。
そんなものがあれば、外は大きな豆腐を食らう餓鬼道に相違なくなることに妖夢は気づき、正気に返った。
「それではこれで!」
「まいどー!」
豆腐を頭に乗せたまま飛び上がる。頑張ろう。明日は味噌樽追加だ。……くじけそう。
- 39 :名前が無い程度の能力:2007/01/11(木) 22:26:04 ID:evCfr4qQ0
- 「道具屋、ついにできたわよ」
胡散臭い薬屋が入ってきたいきなりそんな事を言い出した。
「ついにできた、だと?どんな薬なんだ?僕は君にいかなる薬の作成も依頼した覚えはないが」
「当然よ、趣味で作った薬だもの、はい『豊胸薬』明日からただで入荷させてあげる、お金になるわよ」
「疑わしいな、ただで胸が大きくなるわけないだろう?ましてや君の薬だ、何が狙いだ?」
「賢しいわね、そうね、この薬は確かにただで胸が大きくなる薬じゃないわ、そんな薬つまらないもの」
「そんなことだと思った。」
「ええ、この薬はね、羞恥心を胸の大きさに変換するのよ」
――――そんな話が某古道具屋で行われたのが一ヶ月前
それから程なくして幻想郷にはとあるヒーローの噂が流れ始めた。
- 40 :名前が無い程度の能力:2007/01/11(木) 22:36:22 ID:evCfr4qQ0
- 例えばそれはこんな話である。
某転生少女が夜桜見物に歩いていた時
「キィー、」
そんな声を出す全身黒タイツの変態集団に囲まれた。
「え?なにこれ、新種の妖怪?」
つぶやく少女に向かい集団の奥から怪しげな中国人が出てくると
「ふへへおいしそうなおじょうちゃんたべてやる(←投げやりかつ棒読み)」
そんなことを言った、ぶっちゃけ異常事態には違いないがやる気がない、というかナイフが頭に刺さっている。
囲まれてはいるもののむしろ相手集団から助けてくれ!というオーラが漂っている
「えっと、大丈夫ですか」
「え?あ、はい、すみませんつき合わせちゃって、もうちょっとで終わりますから」
そう小声でつぶやく中国人の背後で
「そこまでよ、怪人ちゅうーごく」
「なに?きさまは、だれだ(棒読み)」
「あなたに名乗る名前はないわ、魔法少女、マジカルさくやちゃん、参上!!」
とうっっという掛け声とともに飛び降りるマジカルさくやちゃん、というか名乗ってる!と突っ込むべきなのだが
そのカラフルでピンクでミニな原色系コスチュームといい、背後で「いっそころして」とつぶやく豊かな胸を持つ吸血鬼の幼女といい
突っ込みどころばかりで正直どこに突っ込んでいいのかわからない。
マジカルさくやちゃんは見るも痛々しいポーズを決めると
「さあ安心して、私がきたからにはもう大丈夫」
などとのたまうので
「いや、むしろあなたが出てこないほうが」
そう少女は口に出すがマジカルさくやちゃんは絶好調でとまらない、ものの数十秒で怪人というか哀れな人たちをやっつけると
「いけない、また助けを呼ぶ声が」
そんなことをいって去っていった・・・・というような噂である
- 41 :名前が無い程度の能力:2007/01/11(木) 22:48:02 ID:evCfr4qQ0
- そして現在に至るというわけだ。
目の前には
「この薬全然効かないじゃないの!」
とつかみかかるメイド長と
その背後でいつの間にかDに迫ろうかという勢いで胸が成長している吸血鬼の少女がいる。
「あんな恥ずかしい思いをしたのに全然成長しないだなんて詐欺よ」
いや成長してるだろ、君の主人が
「毎日ポーズの練習までしたのに」
ノリノリじゃないか君、だからだよ、年甲斐もなく学生服を着たら
お世辞でほめられて本気になって喜んでいるおばさんくらい輝いていたって噂だし
「納得いかないわ、かくなるうえはあなたに責任をとってもらいます」
「は?ちょっとまて、僕に何ができる」
あまりの展開についていけない僕に向かいメイドの少女はこういった。
「新番組『まじかるさくやちゃんS(すたー)』のナレーターよ。本気でやりなさい」
僕は最終回に出てくるであろう悪の薬師を呪うことにした
- 42 :名前が無い程度の能力:2007/01/11(木) 23:58:20 ID:UUEDvx4U0
- もっと他に方法があっただろう、咲夜さん……
たとえば全裸で歩くとか。
たとえば全裸でお茶を入れてくるとか。
たとえば全裸で門番と話すとか。
たとえば全裸で妖怪退治するとか。
たとえば全裸で人を浚うとか。
たとえば全裸でスッパテンコーと戦うとか。
たとえば全裸で時を止めないでナイフを集めてみるとか……
それよりお嬢様も飲んでいたのか。薬。
- 43 :名前が無い程度の能力:2007/01/12(金) 00:12:02 ID:PRTe5kdk0
- はじらうお嬢様とその乳。
ああ、なんてギャップだ。
- 44 :名前が無い程度の能力:2007/01/12(金) 05:21:05 ID:G7UKpAt20
- お嬢様がロ巨に……
- 45 :名前が無い程度の能力:2007/01/12(金) 22:20:21 ID:LyuIoWZY0
- 魔理沙が作った魔法薬を飲んで気がついたら僕の体と魔理沙の体が入れ替わっていた。
「へんなことするなよ」
真っ赤になりながら僕の顔でそんなことをいった魔理沙があまりにもオカマくさかったので目をそらしながら
「わかったよ」
と返事をして数時間後、当然ごとく体の汚れを落とそう入った風呂場で見下ろした体を見て僕は思う
「貧相な、悲しくなるくらい貧相だな」
少しは楽しみにしていたが期待はずれもいいところだ。僕はつまらなくなったのでそれから数日間本を読んですごした。
そして数日後、やけに血色のいい僕が腰を抑えながら店内に入ってきた。
「待たせたな、体を戻すアイテムもらって来たぜ」
魔理沙はそういうと僕に一粒の錠剤を手渡す。飲めということらしい
それじゃあと互いに目配せしながら薬を飲み数時間後、意識を取り戻した僕は何故か
「「「「ねえ霖之助さん、私のこと責任とってくれるわよね」」」」
そんなことをいう霊夢、咲夜、幽々子、阿求に何故か囲まれていた。
「はじめてだったんだからね、博麗の巫女を汚したんだから当然よね」
「私の全てはただの従者としてお嬢様に捧げるはずでしたのに、女性としての私を取り戻させるなんて責任とってくださいますよね」
「この前は突然だったけど燃えちゃったもの、今夜も・・・いいでしょう」
「私が逆らえないのをいいことに・・・あなたのやったこと幻想郷で永遠に消えない記録にしますから」
なにやら大変なことを魔理沙はしたらしい
「おい、魔」
『頑張れ、私は知らないぜ(←メモ)』
あんまりだ。気のせいじゃなく目の前の4人からはさっきが発せられている。
背後で巨大な閃光が発せられたのを見ながら魔理沙は
「うーん、偶には男になるのもいいかもな」
そんなことをつぶやいた
- 46 :名前が無い程度の能力:2007/01/12(金) 23:37:49 ID:X2/jGXpA0
- 魔理沙が変な事しとるーー!?
どうでもいいけど、何故その4人なんだ
一瞬人間かと思ったけど、ゆゆ様いるしなー
趣味といわれれば納得するしかないけどw
- 47 :名前が無い程度の能力:2007/01/12(金) 23:46:22 ID:Mo55hbcY0
- よーしパパこーりんコロシチャウゾー
- 48 :名前が無い程度の能力:2007/01/13(土) 00:08:48 ID:FMenc2Jg0
- さすがに香霖に同情するwww
- 49 :名前が無い程度の能力:2007/01/13(土) 02:01:53 ID:J0AF6yQ20
- ttp://scapegoats.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/dust/box/dust_0680.xxx
うわぁ、投げやり投げやり……。
- 50 :名前が無い程度の能力:2007/01/13(土) 14:41:31 ID:eLrWzqBs0
- その後真実が発覚し4人に詰め寄られる魔理沙
うん、これ以上はネチョスレ行きだな
書かないけど
- 51 :名前が無い程度の能力:2007/01/13(土) 22:01:08 ID:gz20BS1E0
- 永琳にうちの門番を有能になるよう改造してもらって一ヶ月。
今日も紅魔館の門で光の柱が立ち上がる。
改造から帰ってきた元無能門番が取り掛かった地脈改造の効果はとてつもなかった。
あらゆる自然界の気が美鈴の体に流れ込み、相手の攻撃を相克し相生する
攻撃を受けるたびに無効化、気の増幅がおこり極度に高まった気は天をも割り地を砕く
侵入成功者0、まさかここまでになるとは
「想像以上ね」
咲夜は呟くと門に向かい歩き出す。
「あ、お疲れ様です咲夜さん」
陽気に手を振る美鈴の脇でボロボロになるのは霊夢と魔理沙、
今日は二人掛かりかと思いつつもそれでも突破できないことに驚愕を禁じえない
「本日もお二方様いらっしゃいましたけどどうしますか?」
「そうね、お嬢様が退屈しているから中へ案内することにするわ」
「はい、わかりました。それじゃあ」
いいながら美鈴の周りでは集まった気が渦を巻き風を起こす。
すると傷ついていたはずの霊夢と魔理沙の体が回復していく
「今度からはきちんと手順を踏んでから来てくださいね、二人とも」
背後で笑いながら手を振る美鈴に振り返らず歩いていると霊夢が
「どういうこと?あの門番化け物みたいに強くなっているじゃないの、魔理沙のファイナルスパークまで効かないなんて」
私はついに私のナイフ投げまで通じなくなったことを思い出し
「知らないわよ、永琳に聞きなさい」
そう答えるのがやっとだった。美鈴は本当に有能になった、しかしそれは紅魔館において私の居場所が奪われてゆくという意味でもある。
「咲夜、今日は休んでていいわよ」
最近そういわれるのが増えた。元々人間である自分がいることが異常なのだと思っても
「咲夜、今日は休みだって言ったでしょう」
でも譲れないものはある、だからかもしれない
「いやです。お嬢様のそばにいさせてください」
そういってしまったのは、そしてお嬢様は
「じゃああなたクビよ、美鈴がいればもうあなた要らないもの」
それは私に落ちるような感覚を与え、そして・・・
遠くで今日も鳴り響く爆発音で目が覚めた。
「全く、あまりに有能なのも無能なのも困り者よね。」
と呟くと着替えに手を伸ばしていると飛び込んできたメイドの一人が侵入者の到来を告げる。
私はそれに答えると今日は美鈴に優しくしてあげようと思うのだった。
- 52 :名前が無い程度の能力:2007/01/14(日) 17:26:29 ID:1/uhF//60
- 「うどんげ」
「どうしたんですか、師匠」
「おかしいわ」
「何がですか?」
「これを見なさい」
永琳は鈴仙にいくつかの写真を見せた。
写真に鈴仙が映っている。
ちょうど下着が見れる構図で。
「これ……!?」
「あら、間違えた」
目にも止まらぬ速さで写真を隠し、永琳は違う写真を3枚取りだした。
「ちょっと師匠!!今のは」
「いいからこれをみなさい」
「これ?」
鈴仙が写真を見る。
写真にはある妖怪が映っていた。
「リリーじゃないですか」
「ええ。前の花の事件のときのね。これが白玉楼で撮った写真。こっちが桜の下で撮った写真。こっちがここで撮った写真」
「それがどうしたんですか?」
「判らないかしら?何かおかしいと思わない?」
「えーと……このリリーは黒いですけど、他のリリーは白いですね」
「惜しいわね。おかしいのはこれよ」
と、永琳が一枚の写真を指さす。
「ここで撮った写真ですか?」
「そう。桜の下のリリーは、他の妖精と同じく、黒くなってるでしょ?」
「ええ」
「普通は白いのに、そこだけ黒い。それは周りの妖精と同じくね」
「はい」
「なら、ここに出てきたリリーは、うさみみをつけてるべきじゃない?」
「……はい?」
「外では妖精が白いからリリーも白い。向こうでは妖精も黒いからリリーも黒い。ここではうさみみが標準装備なのに、彼女はしていない」
「あの……耳のことなら、師匠たちも……」
「これでは宇宙の法則が乱れるわ」
「いや、乱れませんよ」
「というわけでうどんげ。なんとかしてリリーにうさみみの必要性を伝えてきなさい」
「そんな事言われても、今は冬ですよ?それにもうその異変はあと50年以上経たないと……」
「じゃあ仕方ないわね」
(あれ?珍しい……)
「貴方がリリーになりなさい」
「はい?」
永琳は鈴仙にリリーコスプレセットを手渡した。
「なんですかこれ!?いったいどこから……」
「貴方は幻想郷のコスプレ担当として、法則を乱れさせない義務があるわ」
「あるわけないですよ!!そもそも今、私がコスプレしてどうなるんですか!」
「私が喜ぶ」
「というわけで妹紅さん。しばらく私になってください。はいこれ」
鈴仙は妹紅に鈴仙コスプレセットを手渡した。
「いや、意味がわからないんだけど」
- 53 :名前が無い程度の能力:2007/01/14(日) 18:42:38 ID:0gSWYQcU0
- 十六夜咲夜はパーフェクトメイド(完全な女給)である。
そんな彼女でも知らないこともある。
「おかしいわね」
「あら、咲夜さんどうしたんですか」
「ああ、美鈴。
ちょっと調べてみたら料理に使う量より多く食材仕入れているみたいなの」
「別に少し余るぐらいいいじゃないですか」
「そこなのよ問題は。
それなら余ってないとおかしいのに食材自体は全部なくなっているの。
もう、こんなこそこそ量をごまかさなくても足りないならちゃんと言ってくれればいいのに」
「ごまかしたのはよくないことだと思いますけれどみんながんばってるのですからここは許してあげませんか」
「……しょうがないわね。
この件に関わったのは反省文書いてもらうぐらいにしてそれでこれから食事量ふやすわ。
……それにしてみんなお野菜が好きなのね。
なすににんじんにきゅうりになくなったのお野菜ばかりだわ」
「……」
「あら、どうしたの美鈴急に土下座なんかして。
ひょっとして美鈴も食べていたの」
「お願いです咲夜さん。
そんな純粋な瞳で汚れきった私を見ないでください」
十六夜咲夜はパーフェクトメイド(完全な乙女)である。
そんな彼女だから知らないこともある。
- 54 :名前が無い程度の能力:2007/01/14(日) 19:27:26 ID:jq.7NBvs0
- こっそり浅漬けにして食べていたとはパーフェクトメイドにも預かり知らぬことであった
こうですか?
- 55 :名前が無い程度の能力:2007/01/14(日) 19:31:00 ID:j.Sk9gqg0
- いや、マジでわからなくて小一時間考え込んでしまった。
- 56 :名前が無い程度の能力:2007/01/14(日) 19:42:36 ID:I1G8yibk0
- こっそり動物でも飼ってるのかと思ってたぜ
- 57 :名前が無い程度の能力:2007/01/14(日) 20:13:11 ID:u0pBsQsw0
- 秒で理解してしまった
いったい おれ(ry
- 58 :名前が無い程度の能力:2007/01/14(日) 20:36:00 ID:gOVMXQZI0
- >>57
よう俺!
- 59 :名前が無い程度の能力:2007/01/14(日) 21:15:23 ID:2QafMRY20
- 普通に分からない。
ひょっとして詳細に書くと板のルールにひっかかるような事か?
- 60 :名前が無い程度の能力:2007/01/14(日) 21:18:42 ID:A8hxdcos0
- 余るはずの食料は、食糧事情が良くない美鈴がガメていて、
けど咲夜はそれに気がつかずに心配だけして、
いたたまれなくなった美鈴
だと思う・・・
- 61 :名前が無い程度の能力:2007/01/14(日) 21:20:24 ID:MSllH6P.0
- 深読みのヒント:無くなった野菜は細長い物ばかり・・・
- 62 :名前が無い程度の能力:2007/01/14(日) 21:20:32 ID:I1G8yibk0
- いやいや>>59-60、君達は純真なままでいてください
- 63 :名前が無い程度の能力:2007/01/14(日) 21:22:12 ID:Z3GmoQi20
- >>60が正解。
にしておこう。俺は被弾したくない。
- 64 :名前が無い程度の能力:2007/01/14(日) 21:23:28 ID:/gRAOxTs0
- 女だらけの場所で、なすににんじんにきゅうりといったら、用途は食べる以外にないだろ?
どっちの口かはしらんが。
これでわかったろ。
わかってください。お願いします。
- 65 :名前が無い程度の能力:2007/01/14(日) 21:23:49 ID:JOk5nni.0
- お前等わざとだろ?
なぁ、わざとだろ?
やめろよ、俺だけが汚れてるなんて事無いよな?
無いよな?
>>57
>>58
居たー!!よ、よかったぁ
- 66 :名前が無い程度の能力:2007/01/14(日) 21:24:20 ID:A8hxdcos0
- まてまてまてまてwww
そういうことなのか?www
- 67 :名前が無い程度の能力:2007/01/14(日) 21:27:20 ID:I1G8yibk0
- 本当に素だったとしたら君達はパーフェクトメイドだ
- 68 :名前が無い程度の能力:2007/01/14(日) 21:35:16 ID:2QafMRY20
- >>62
すまん、俺は入れないでくれ……。
>>64かな?とちょっとでも思ってしまったのでその資格はない……。
板のルールとして駄目ってのはそういう意味。
- 69 :名前が無い程度の能力:2007/01/14(日) 21:44:16 ID:A8hxdcos0
- 全然気がつかなかった俺は一体・・・
- 70 :名前が無い程度の能力:2007/01/14(日) 21:46:31 ID:gOVMXQZI0
- >>69
そのまま綺麗な心でいるべきだ。
- 71 :名前が無い程度の能力:2007/01/14(日) 21:48:26 ID:ktJ4xVws0
- なすの時点で気付いた俺はもう駄目だと思う
- 72 :名前が無い程度の能力:2007/01/14(日) 21:50:46 ID:bnsUmwJ.0
- お野菜の時点でわかった俺はもう腹切ったほうがいいよな
- 73 :名前が無い程度の能力:2007/01/14(日) 22:35:01 ID:u0pBsQsw0
- 一緒に地獄へ堕ちよう?
- 74 :名前が無い程度の能力:2007/01/14(日) 22:49:10 ID:t/2oShKs0
- やさぐるまさん乙
- 75 :名前が無い程度の能力:2007/01/14(日) 22:49:22 ID:5Xj3uYTM0
- え、普通に夏野菜のカレーじゃないのか?
ほら、こっそり作ってさっきゅんを驚かそうとかそんなの。
- 76 :名前が無い程度の能力:2007/01/14(日) 22:58:01 ID:IEhReKbc0
- すぐにピンときた俺は汚れきっている…
- 77 :名前が無い程度の能力:2007/01/14(日) 23:20:09 ID:En2RpoxU0
- 2回くらい読み直してわかった。
パーフェクトメイドの訳を変えている辺り芸が細かい。
- 78 :名前が無い程度の能力:2007/01/14(日) 23:31:55 ID:lq97mjvw0
- 流れも含めてメチャクチャワロタ
- 79 :名前が無い程度の能力:2007/01/15(月) 01:36:03 ID:UfO.mLDc0
- ここのってまとめちゃダメなのかな。
ジャンルというか、分類したりしたら楽しそうだけど。
・・・んな時間ないけどさOTL
- 80 :名前が無い程度の能力:2007/01/15(月) 02:04:23 ID:9SuZHcgE0
- 文「ふう、困りました」
霊「何、聞こえよがしにため息ついてるのよ」
文「聞いてくれますか?」
霊「聞かせたいんでしょ、まったく」
文「実は、天狗の新聞全般なんですが、人間の新聞にシェアを奪われつつあるのです」
霊「あんたの新聞は元々シェアなんてないじゃないのよ」
文「そんなことはありません。発行部数だって配布数だってかなりのものです!」
霊「配るだけならね」
文「うぅ・・・そうなのです。人間の新聞は、『購読数』が増加中なんです」
霊「お金を出しても読もうとする人がいるわけね」
文「その通りです」
霊「私は買ってないけど・・・人里の新聞って瓦版の延長じゃなかったっけ?」
文「以前はそうだったのですが、最近、人間の取材力が極端に増大しているのです。
幻想郷中に拠点を設け、継続的取材、定期的連絡を維持して、
最新の情報を提供しているようなのです。強者が護衛について、妖怪の山にまで
拠点があるんですよ! あそこは天狗の領分なのに! ぜえぜえ・・・
いくら私が速く飛べたって、所詮は線なのです。点と線が構築する面状のネットワークには
対抗しようがないのです」
霊「ふーん。・・・天狗だって社会性の妖怪なんだから同じ方法で対抗すれば良いんじゃないの」
文「無理ですよ。天狗のヒエラルキーは競争によって成立しているのです。
非常時ならともかく、日常で誰しもが協力し合うような性分ではありません」
霊「難儀ねえ。どっちにしても、あんたが音頭をとって集団を使うしか、対抗できるわけないじゃない」
文「そこなんです。人間に対抗できる群れが必要なんです。
でも妖怪はみんな自分勝手ですし、協力してくれる可能性はまずありません」
霊「妖怪が無理、人間はライバル、ならアレしかないじゃない」
文「幽霊ですね! ・・・無理ですよ、コミュニケーションの手段がありませんし」
霊「ワザと避けたでしょ。幽霊じゃなくて、もっと大量にいる奴よ」
文「・・・妖精ですか。それこそ無理ですよ。妖怪以上に自分勝手で我が儘なのに」
霊「妖怪より扱いは簡単なはずよ。裏表はないし、相応の利益を提供してやれば協力も得られそうよ」
文「うーん・・・物は試し、ですね。ちょっとやってみますか」
文「はい、新聞です」
霊「何よ、元気ないわね。こんなに厚い新聞が出来たのに」
文「妖精を使ってみたんです。口車に乗せれば、結構頑張ってくれるんです。でも・・・内容を見てください」
霊「へー、どれどれ」
1.川の木の根本にお花がさきました
2.人里の太郎君が、氷の妖精のいたずらですってんころりん、さあ大変
3.太陽と月と星の妖精が、力をあわせて宵闇の妖怪を木にぶつけました
4.魔法の森の近くのリンゴがとてもおいしい! ないしょだよ
霊「・・・・・・・・・可愛らしいじゃない」
文「ページが多いので刷るのが大変だったんですが・・・部数が増やせるとおもいますか?」
霊「あきらめなさい」
文「そんなあ」
- 81 :名前が無い程度の能力:2007/01/15(月) 10:36:18 ID:rU.8kdT20
- 文が配達しに来てくれるなら永代購読も侍さん
- 82 :名前が無い程度の能力:2007/01/15(月) 13:47:22 ID:ApBprzaI0
- >>80
萃香の事かとオモタ
ピーピングマスターだからネタも豊富に持ってそうだ
- 83 :名前が無い程度の能力:2007/01/15(月) 15:56:58 ID:Iv.GJRbE0
- 永夜抄イージーにおいて輝夜から本物の満月を取り戻し、
エキストラへの道を開いた魔理沙とアリス。
だがそれは輝夜の巧妙な罠であった……。
〜〜BGM エクステンドアッシュ〜〜
EX慧音「待っていたぞ、満月の夜にやってくるとはいい度胸だ」
魔理沙「肝試しだからな」
EX慧音「あの人間には指一本触れさせない!」
チ ー プ ケ イ ブ ド ! ! ! ! ピピピチューン
EX慧音「はっはっは…おめでたい奴らだ」
BAD ENDING No.0
ノーマル以上をクリアーしてから挑戦しよう
- 84 :名前が無い程度の能力:2007/01/15(月) 16:52:47 ID:b2kE1oCM0
- ボムなんぞ使ってんじゃねえ!!って言いそうなけーねですね
- 85 :名前が無い程度の能力:2007/01/15(月) 16:54:09 ID:C2tdlcuc0
- なんやかんやで相手は死ぬな
- 86 :名前が無い程度の能力:2007/01/15(月) 16:58:04 ID:G3Qdwg9M0
- バルバかよwww
- 87 :名前が無い程度の能力:2007/01/15(月) 18:08:15 ID:yRwrGcd.0
- >だがそれは輝夜の巧妙な罠であった
ここまで読んでクリムゾンネタかとオモタ
- 88 :名前が無い程度の能力:2007/01/16(火) 00:25:31 ID:qr7WfzKM0
- 『門番への挑戦者達』
紅魔館には、弾幕ごっこではなく武術を得意とする人間や妖怪が腕試しにやって来る事が度々ある
「幻想郷空手は無敵だっ! 」
「功夫が足りてない、美鈴パンチ」
「ぐはっ!? 」
「人体にある七百八の秘孔のうちの一つを突いた。貴様はもう」
「妖怪だって、美鈴チョップ」
「あべしっ!? 」
「えりーぜのy」
「急所を前面に出してどうするの、美鈴キック」
「もんたなっ!? 」
「確かに少しはやるようだが、幻想郷では」
「前口上が長すぎる、美鈴アッパー」
「じょんばっ!? 」
「紅い悪魔? ボコボコにしてやんよ」
「お嬢様の悪口は危ないから止めなさい、美鈴デコピン」
「ずぁ!? ・・・・き、今日はこれ位にしといてやるか」
「君の資料は全部記憶済みだ。これも資料通r」
「マッガーレ、美鈴スネーク」
「り、理屈じゃない! 」
紅魔館では、まだまだ沢山の腕っこき達を待ってるぞ★
- 89 :名前が無い程度の能力:2007/01/16(火) 00:36:13 ID:Pc4wyRp.0
- 微妙に格闘技じゃないのが混ざってるw
- 90 :名前が無い程度の能力:2007/01/16(火) 00:37:59 ID:tq2Hu2960
- セクシーコマンドーは幻想郷行きにッ!?
- 91 :名前が無い程度の能力:2007/01/16(火) 00:45:20 ID:7RrxNAuw0
- 北斗の券と、ボコボコにしてやんよのAAは解ったがそれ以外はわからなかったぜ…
- 92 :名前が無い程度の能力:2007/01/16(火) 01:01:00 ID:FFlj1x/M0
- 最後に至っては戦闘テニスだな
- 93 :名前が無い程度の能力:2007/01/16(火) 01:05:10 ID:pYZZh2mE0
- >確かに少しはやるようだが、幻想郷では
これは快傑ズバットかいな?「日本じゃあ2番目だ」とかいいつつボゴボゴにするやつ。
- 94 :名前が無い程度の能力:2007/01/16(火) 05:25:01 ID:wcPD5xmE0
- 最初のソレは極限流か
- 95 :名前が無い程度の能力:2007/01/16(火) 07:10:55 ID:bayLkzPY0
- えりーぜのyってのは
エリーゼの憂鬱って言ってな
とってもトレンディ・・・な技だ
出展はセクシーコマンドー外伝すごいよマサルさん
- 96 :名前が無い程度の能力:2007/01/16(火) 10:25:44 ID:bdqoj78Q0
- 乾程度じゃダメだが、小春なら通じそうな気がする
- 97 :名前が無い程度の能力:2007/01/16(火) 11:13:31 ID:yQpPO8K6O
- >80
かわいらしいw
- 98 :名前が無い程度の能力:2007/01/17(水) 01:12:49 ID:ea251Tzw0
- 今試合している爆裂波動球テニスなら、弾幕戦だってできる気がする。客席爆破してたし。
というか、あの作者はどうしたんだろうか。変な方向に吹っ切れたか。
- 99 :名前が無い程度の能力:2007/01/17(水) 07:19:34 ID:fOYuiYO20
- http://blog.with2.net/link.php?407689
- 100 :名前が無い程度の能力:2007/01/17(水) 19:58:30 ID:Itdrz12A0
- 『あるところに完全で瀟洒なメイド長がいました。
メイド長はとてもやさしく気立てがよく胸も完全で瀟洒だったので同僚から伸びる手がつきません
メイド長の周りにはいつもピンク色のやさしい空気で包まれていました。
そんなある日でした。メイドの主人の妹がいつも優しいメイド長にお返しをしたいと思ったのは
しかし頭のネジが少し外れた彼女には何をしていいのかわかりません、しかし聞いたのです。
「どうしたらメイド長みたいに大きくて美しい胸になるんですか?」
「あら?いきなりどうしたの?胸なんて大きくても邪魔なだけよ。肩もこるし」
「だって・・・うらやましいんですもの」
「こら、あなた手を伸ばしちゃ、だ、だめ、あぁ」
メイド長の胸は感度も完璧なので一瞬でメイド長は押し倒されてしまいます。
そして妹様はこれだと思いました。
ある日のことでした。
メイド長とその主が優雅に猥談をしていると妹さまがきてこういうのです。
「いつもやさしいからお礼がしたいの」
そんな妹様の上目遣いにK.Oされそうになりながら恐縮するメイド長の前で
妹様は・・・
「咲夜の胸の無駄な肉、壊れちゃえ」
メイド長の胸の肉の崩壊点を手の中に移動握り締め壊したのです。
ひざから崩れ落ちるメイド長を見て慌てたのは彼女の主人である吸血鬼でした。
「安心なさい、私に手にかかればあなたの胸を元に戻すことなど」
主人の目の中にメイド長の巨乳になる運命が集まり夢という名の形を成し始めました。
「あ、ああ、お嬢様、ありが」
「姉さま、邪魔しちゃだめ、そんな運命壊れちゃえ」
しかし人の夢は儚いのです。もともとあった胸の肉を奪われ元に戻る運命さえ奪われたメイド長は
それ以来「鬼」と呼ばれ皆に恐れられたのでした。』
「そのメイド長って咲夜だろ、中国」
「え?違いますよ、名前もないただのメイド長の話でして」
「あなた、一回、咲夜って名前でメイド長の子と呼ばせてるもの、気づかなかったの、私かえるわ」
「待て霊夢、私も帰るぜ、じゃあな、また来るぜ」
「あれ?今日はお嬢様に会わなくていいんですか?って早いなあ、もう見えなくなっちゃいましたよ
・・・・・(トントン)あはは、誰が肩をたたいてるんですか」
「楽しそうね、美鈴、仕事中に」
- 101 :名前が無い程度の能力:2007/01/17(水) 20:16:11 ID:Lbjz72T20
- メイド長の子
読み直して理解した
書き込む前に誤字の確認はしようぜ
- 102 :名前が無い程度の能力:2007/01/18(木) 22:37:26 ID:hvYTcKsU0
- うぃ、ひっく。
んー、あたいと似た鎌持ってるあんたは誰だい?
なんだ、やっぱりあんたも死神かい。
それにしてもやつれて疲れた顔してるねえ。
何? 主人がマイペースで疲れるって?
100年ごとに復活するはずが、気分で復活するから困る?
いいじゃないか、あんたは何年かに一回働けばいいってことだね。
あたいなんて毎日だよ。ちょっとでも休めばすぐにお小言ときたもんだ。
でもまあ、そこまで骨っぽくなるまでやつれるんだから大変なんだろうねえ。
ご主人ってどんな奴なんだい?
何、吸血鬼だって? 幻想郷にもいるねえ、子供っぽいのがさ。
へー、それが写真? うわ、渋いナイスミドルだねえ!
うちのはこれだよ。
え、うん。確かに背が低くて胸も小さいよ。へー、あんたこういうのが好みなんだ。
好き者だねえ。
あたいなんか、そっちの渋いご主人に仕えてみたいよ。
え、あんたも?
よし、じゃあ試しに交換してみようじゃないか。
なーに、同じ死神なんだ。バレやしないって。
ま、うまく稼いでおくれよ。
ぜーぜー、すまない。あの仕事はあたいには無理だ。
体中に鉄の鞭を受けてミミズ腫れだらけだよ。
ガチのバトルなんてごめん被るよ。
何? 四季様の元でのんびり働けて楽しい?
花に囲まれて幸せ?
何言ってんだい。あんたの城だって
毒の弾を吐いたり花弁から上半身が生えてたりする
花に囲まれてるじゃないか。
やっぱりあたいは船頭が天職だよ。
元に戻ろうじゃないか。
え、やだ?
そんなこと言わずに、ねえ、頼むよ〜。
- 103 :名前が無い程度の能力:2007/01/18(木) 22:40:52 ID:9LHKO/gQ0
- なんというベルモント…この小町は間違いなくデス様
- 104 :名前が無い程度の能力:2007/01/19(金) 01:45:26 ID:YVhof6qo0
- ジャンプアクションでいきなり超弾幕を展開された
ベルモンドも可哀想になw
- 105 :名前が無い程度の能力:2007/01/19(金) 10:20:58 ID:iKv3ReNk0
- 乞食王子だな。
- 106 :名前が無い程度の能力:2007/01/19(金) 11:08:20 ID:ibA1ZlSM0
- シャフトに文句言えシャフトにw
しかし放蕩息子が殴りこみに帰ってきたりと確かに苦労の連続だな。
PCエンジン版が一番かっこよかったよ。
- 107 :名前が無い程度の能力:2007/01/19(金) 13:02:12 ID:fJtIPX5A0
- とりあえず小町っちゃんが鉄の鞭を受けてひぃひぃ言ってるシーンうp
- 108 :名前が無い程度の能力:2007/01/19(金) 13:48:57 ID:T1xlzjVU0
- むしろ聖(ry
- 109 :名前が無い程度の能力:2007/01/19(金) 19:38:22 ID:WEZYHfxQ0
- >53の人ネタを借りるぜ
十六夜咲夜はパーフェクトメイド(完璧な侍女)である。
ゆえに美鈴がごめんなさいと言ってからも自ら原因を調べていた。
とはいえ他のメイドたちに聞いても一様に逃げていくので外部の人間に聞くことにした。
「いらっしゃい、今日は何が入用かな?」
「別に買い物に来たわけじゃないんだけどちょっと聞きたいことがあるの」
(略)
「なるほど、つまり必要量以上に買い込まれる野菜が何に使われているか知りたいと」
香霖堂の店主はあまり気の進まない表情をしながらも
「じゃあこれをもっていくといい、最近手に入れたんだがね。これはいいものだと思う
しかし詳しいことを聞くなら・・・霊夢が適任だと思うよ、霊夢もはまってるから」
そして霊夢の元へたどり着くと事情を説明
「え?私に聞けって、うーん誰にも言わない?」
「もちろんよ、あなたに聞いたなんていったら恥ずかしいもの」
「わかった、じゃあ奥にいらっしゃい」
「ありがとう霊夢、教えてくれて、でもあれはいいものね」
「そうよ、でも私がこんなことしてるなんて秘密だからね」
「あら、これからは私もするのに」
「でも秘密なの」
「了解、ありがとう霊夢、じゃあね」
そして神社から帰ること数日後、その日も咲夜は自室の奥で野菜を手でぐちゃぐちゃとかき混ぜていた。
しかし咲夜は思う、何か違うと、だから再び誰かに聞くことにした。
- 110 :名前が無い程度の能力:2007/01/19(金) 19:49:33 ID:WEZYHfxQ0
- 門番の肩をたたき
「ねえ、美鈴、この前のお野菜の件調べたんだけど」
「は、はぁ・・・・・うぇぇぇぇぇぇっ!!だ、誰に聞いたんですか?」
「香霖堂の店主と霊夢に・・・霊夢は実演して教えてくれたの」
「あ、あの紅白巫女がですか、うわぁ、意外だ」
「でね、私も最近始めてみたんだけど・・・なんか霊夢みたいにうまくいかないのよね、
だから美鈴に見て悪いところもらおうかって」
「は、はいぃぃぃ!私が見るんですか?」
「見ているだけじゃ嫌なら・・・手伝ってくれてもいいわよ、何しろ私初心者だからうまくいかなくて」
「あ、あの、どうして私なんですか、もしかして二人きりでとか」
「もちろんよ、だって恥ずかしいもの、だけど美鈴ならいいかな・・・・ってどうしたの鼻血出して」
そして二人で歩くこと咲夜の部屋まで
「あの咲夜さん、優しくしますから」
「別に厳しくてもいいわよ、それよりドアの前じゃなくて奥へ来て、誰かに見られたらまずいもの」
「そ、そうですよね、それじゃあ失礼しまーす」
部屋に入った美鈴は普通はしないはずの匂いに違和感を覚える。
「咲夜さん?もしかして」
「あらやっぱり気づいた?さっきまでやっていたものだから、ほらいいもの見せてあげる」
「さっきまで、ですか?」
「ええ、ほら見て、恥ずかしいんだから、霊夢に言われたとおり、手で野菜をかき回してるんだけどうまくいかなくて」
「え?あの何やってるんですか咲夜さん」
「何って糠漬けよ、みんな余分にもらってヌカ漬け作ってるんでしょう?
きゅうりにナスににんじん、みんなヌカ漬けの材料だって霖之助さんが」
「そ、そうですか、あ、確かにいい壷ですね・・・・う、うわーん期待したのにー」
「あらやっぱり問題あるの?って美鈴、どうして泣きながら走って逃げちゃうのよ、おかしいところ教えてよ」
十六夜咲夜はパーフェクトメイド(完全な乙女)である。
そんな彼女だから勘違いすることもある。
最後に・・・・門板はネチョ禁止です。
- 111 :名前が無い程度の能力:2007/01/19(金) 20:00:53 ID:.LuiobG20
- これはなんというパーフェクトメイドww
- 112 :名前が無い程度の能力:2007/01/19(金) 23:37:05 ID:xlMC7s860
- ごめんすげえオチ読めたww
霊夢の時点でどこか読めたw
でもナイス。
- 113 :名前が無い程度の能力:2007/01/19(金) 23:49:10 ID:teseEMSQ0
- オチが読めなかった私は、心が汚れきっているな……
- 114 :名前が無い程度の能力:2007/01/20(土) 00:53:39 ID:H6hQpIeg0
- あきゅー取材中@魔法の森
コンコンコン
アリス「こんな時間にどちら様かしら」
ガチャ
阿求「こんばんわー 稗田阿求と申します」
ア「あら、お久しぶりなのかしら。いらっしゃい」
阿「魔理沙さんの家を探していたんですが迷ってしまって…」
ア「いくら稗田でも地図無しじゃ無謀ね。今夜は遅いし泊まってく?」
阿「お邪魔しまーす」
阿「こちらがアリスさんのとこですね」
ア「今度は妖怪側の仲間入りね」
阿「阿耶の時のには英雄伝のほうに載っていましたね」
ア「なんか違和感あるなぁ…」
阿「妖怪と一緒にされるのは心外ですか?」
ア「んー…人外呼ばわりされるのはちょっとさびしいかな。まだ半分人間のつもりだし」
阿「しかし先代のときに見たときはまだ背も同じくらいだった気がするのになぁ…」
ア「…やっぱり人形を操ってるときは弱点よね」
阿「お母様は相変わらずお元気なんですか?」
ア「なんとかして弱点を補う必要が…」
阿「…アリスさん?」
ア「人形の伝達系統に…」
阿「もしもーし(変わってないなぁこういうとこ)」
ア「少しレーザーの出力を抑えてでも…」
阿「…寝ますね…おやすみなさーい」
- 115 :名前が無い程度の能力:2007/01/20(土) 01:47:04 ID:36co0xbw0
- 両方速攻でオチが読めた俺は勘が鋭いだけだ
きっとそう、そうだよな
- 116 :名前が無い程度の能力:2007/01/20(土) 01:49:42 ID:36co0xbw0
- >>114
面白いなー、アリスの反応もいい。
この設定だとアリスはパチェより年上になるのか
- 117 :名前が無い程度の能力:2007/01/20(土) 06:40:07 ID:H6hQpIeg0
- アリスの出自もいつ生まれかも書いてないのでこういうのもありかなーと
でも魔法使い歴はパチェの方が上。
- 118 :名前が無い程度の能力:2007/01/20(土) 13:59:01 ID:TendRHJg0
- 「霖之助さん新年おめでとう。今年も一方的にお世話になるわ。ところでそれいい茶葉ね。
ちょっと借りるわよ」
「よぉ香霖、本年も開幕ダッシュと同時にラストスパートだ。そんなわけでお年玉替わりの
マジックアイテムは末広がりの十八個でいいぜ」
「⑨歴と新歴をごっちゃにすれば年に二回もお正月がくるじゃない! まったくアタイってば
のーべるね!」
「無礼講なのかー」
「他人のお年玉も私のもの」
この時期になると知り合いやらご近所さんやらが押しかけてきて騒がしいことこのうえない。
彼女たちは年始参りにかこつけた略奪者で(まあ年初めに限ったことではないのだけれどより
一層容赦がない)頼んでもいないのに毎年正月早々から店の風通しをよくしてくれる。
待て。最後の一人はちょっと大人げない。
もちろんこの程度のことは予想済みだ。
被害が避けられないのであれば最小限にしてやればいい。
霊夢は茶葉や茶菓子さえ置いておけば満足するし魔理沙は目端が利く分、中級者向けのフェイク
に簡単に引っかかってくれる。
妖精や妖怪の類いは目立つものや色合いの派手なものに魅かれるからわざとらしく表に出して
おけばいい。
今回も先日箱単位で大量に拾った「ぽーしょん」とやらを喜んで持ち帰っていった。これに関して
言えば在庫処理ができて助かったくらいだ。
こんな場所でこんな商売をしていれば自然と『狙った相手に狙ったものを取らせる程度の能力』は
身に付く。
商売というのは相手の欲しがるものを用意することが大切で、言ってしまえばその価値などあろうが
なかろうがかまわないのだ。
溺れる人間相手なら藁だって高値で売れる。そういうことだ。
- 119 :名前が無い程度の能力:2007/01/20(土) 14:00:12 ID:TendRHJg0
- 「あらあら酷いお年玉もあったものね」
不意に姿無き声が響いた。
僕は手元の本から視線を上げる。
「……彼女たちは皆、自分の望むものを持っていったさ」
「ものは言いようねぇ。貴方がそうさせたのでしょう?」
くすくすと少女のような、それでいて艶のある笑い声。
声だけだ。本人は相変わらず影も形もない。
「姿くらい見せたらどうだい」
「うふふ、ごめんなさい、寝起きなのよ。殿方の前に出るのはちょっとねぇ」
「そういえばいつもなら冬眠の時期だったね。今年に限ってどうしたんだい?」
「頑張って起きてきたのよ……すぐに寝直すけど。その前に私もお年玉をもらわないと不公平でしょう?」
公平不公平を持ち出すなら一方的に奪われるだけの僕の天秤は誰が釣り合いを取ってくれるのだろう。
もちろん傾くからこその天秤ではあるのだけれど。
「生憎だけど目ぼしいものは全部持っていかれてしまったよ。あるのは我楽多だけさ」
「くふふ。悪徳商人の貴方がとっておきを隠匿していないはずがないわ。そうでしょう?」
神隠しの主犯に悪徳と言わせるとは僕も出世したものだ。
「その言い草酷いな。これでも僕は幻想郷一の公正明大な商売を標榜しているんだよ?」
「そう。それじゃあ……隠し金庫なんてもちろんご存知ないはずね?」
耳元で囁くような甘い声がした。
思わず動揺しそうになる心を叱咤する。落ち着け。⑨OOLになれ森近霖之助。
ここで気取られるわけには行かない。
僕は眼鏡に指を当てながら努めて冷静な声で返す。
「もちろんだとも。なんのことだかさっぱりわからないね」
「くふ、くふふ。奥間の南向きの窓、すぐ下の畳。私の声がしたときに、貴方ほんの一瞬だけ目を
遣ったわね?」
やはり見逃してはいなかったか。
その言葉の通りに咄嗟に奥間に目を向けかけて―――それこそが紫の狙いだったと気づいた。
途端に部屋のあちこちから鈴を鳴らすような笑いがいくつも重なる。
「くくくふふ、それでは戴いてまいりますわ。向こう一年両隣。隅から隅までスキマなく、
良いお年を、霖之助」
ふっつりと糸が切れるように。紫の気配はそれで消え失せた。
大掃除も終わったばかりだというのに畳を挙げる破目になった。
板間を掘り下げたスペースはものの見事に空になっていた。
- 120 :名前が無い程度の能力:2007/01/20(土) 14:01:07 ID:TendRHJg0
- 寒いと思ったらいつの間にかに外は雪だ。
宵闇の中に粉雪が舞う光景は、まあ幻想的といって差し支えない。
こんな天気では来る客も来ない。……つまり、普段から客足の遠いこの店にしてみれば
何をかいわんや、だ。
初商いは早々に諦めて、酒でも呑みながら読書に励むとしよう……と思った矢先に扉が開けられる。
「おこんばんわ、霖之助」
「こんばんわ紫。いつもそうして正面から入ってきてくれると助かるんだけどね」
「難しい注文ね。美味しいお酒を前にして我慢しなくてはいけない程度には難しいわ」
そういって微笑む紫はいつもの胡散臭い道士服ではなく、黒地に藤の花をあしらった晴れ着に
身を包んでいた。
魔理沙ではあと十年たっても着こなせないであろう艶やかなそれは、けれど彼女にはよく映えた。
まあ僕が見立てたのだから当然だろう。
「……ふむ。よく似合ってるじゃないか」
「あら嬉しいわ。私がもう四百歳も若ければ素直に頬を染めてあげたのだけど」
結い上げた髪を小さく揺らして紫が言う。
四百と来たか。それを多いとみるか少ないとみるかは……止めておこう。
好奇心と死んだ猫の境界に進んで足を踏み入れるほど僕は生に飽いてない。
「ところで霖之助、この振り袖、誂えたようにぴったりだわ」
「そうだろうね。誂えたから」
「……まあ数字の出所については後でうちの式を締め上げるとして……そうなると私が隠し金庫に
気付くのを貴方は見越していたということかしら」
「まあこんなところでこんな商売をしていればね」
狙った相手に狙った物をとらせる程度ことは、できる。
「お年玉?」
「正月だからね」
「そう。なら、ありがたく受け取っておくわ」
そしてこれは私から、と提げていた包みを挙げてみせる。
「藍がなかなか台所に入れてくれなくて難儀したわ」
ついカッとなってスキマ落としにしちゃったわ、などと物騒なことを続ける。
とっくに締め上げてるじゃないか、式。
「君のお手製とはまた珍しい。そのまま洗濯と掃除もすれば明日から夏日になって霊夢が異変の
解決に乗り出すかもしれない」
「失礼な物言いですわ。罰としてお酒はそちらで用意してね、霖之助」
紫の目はストーブの上で燗してある徳利に向いている。
「言ったでしょう? 美味しいお酒を前にして我慢しなくてはいけないのは、難しいのよ」
確かにそうだ。しかしあれは一応、僕の秘蔵とも言える逸品なんだが。
それに二人で呑むには結構な量がある。
だが、まあ、それもいいか。
どうせ幾日もしないうちに嗅ぎつけた小鬼か天狗が難癖付けて持っていってしまうのだ。
多少の深酒だって許されるだろう。なにせ、正月なのだ。
しかし僕から二品、君から一品じゃやっぱり秤の釣り合いは取れていないな。
小さくこぼすと、紫は妙に人懐っこく微笑んで僕の猪口に酒を注いだ。
「あら、傾くからこそ動くものもありますわ。人も物も、お酒もこうして」
なるほどそうかもしれないと思った。
だから僕は商売人なのだ。
- 121 :名前が無い程度の能力:2007/01/20(土) 14:02:15 ID:TendRHJg0
- おまけ
「ところで私が今年も冬眠したままだったらあのお年玉はどうなったのかしら? 幽々子行き?」
「僕の隠し金庫は百八個まである」
「……え?」
「この店が忍者屋敷になる前に起きてきてくれて助かった」
顔が紅いよと指摘すると。
お酒のせいよと彼女は拗ねた。
音速が遅い正月ネタな上に長くてすまん。
- 122 :名前が無い程度の能力:2007/01/20(土) 14:20:36 ID:9VJzDrZE0
- 香霖と紫はアダルティックな雰囲気が似合うな。
後一応 公正明大 ×
公明正大 ○
- 123 :名前が無い程度の能力:2007/01/20(土) 14:24:21 ID:yg559qmE0
- すげー
gjです。
- 124 :名前が無い程度の能力:2007/01/20(土) 14:28:31 ID:4OCnyOaI0
- ⑨OOLな香霖カッコヨスwwwwwww
- 125 :名前が無い程度の能力:2007/01/20(土) 14:32:31 ID:oMtFYUD60
- いつもなら速攻で香霖を殴りに行くところだが、こうも巧く書かれると殴りづらいじゃないか……
だ が し か し 百 八 式 波 動 拳 !
_ _ .' , .. ∧_∧
∧ _ - ― = ̄  ̄`:, .∴ ' ( )
, -'' ̄ __――=', ・,‘ r⌒> _/ /
/ -―  ̄ ̄  ̄"'" . ’ | y'⌒ ⌒i
/ ノ | / ノ |
/ , イ ) , ー'>>香霖/´ヾ_ノ
/ _, \ / , ノ
| / \ `、 / / /
j / ヽ | / / ,'
/ ノ { | / /| |
/ / | (_ !、_/ / 〉
`、_〉 ー‐‐` |_/
- 126 :名前が無い程度の能力:2007/01/20(土) 14:56:50 ID:36co0xbw0
- すげーうまい、こんなん絶対かけねー
- 127 :名前が無い程度の能力:2007/01/20(土) 16:18:12 ID:hYFDKXSk0
- >「ところで私が今年も冬眠したままだったらあのお年玉はどうなったのかしら? 幽々子行き?」
まさかこの二人両方と?
しかも互いに公認で?
もしかしてこの香霖ものすごいやり手?
さて、殺りに行くか
- 128 :名前が無い程度の能力:2007/01/20(土) 17:27:50 ID:gtdnp6EY0
- ゆかりんサイズの和服をきれるのはゆゆ様くらいってことじゃないの
- 129 :名前が無い程度の能力:2007/01/20(土) 18:02:57 ID:KuFgJEX60
- GodJob!!
駄菓子菓子、こーりん頃ス!
- 130 :名前が無い程度の能力:2007/01/20(土) 18:32:22 ID:uqKrGWkU0
- ただの日常のくせに腹の探り合いなんかしてしっかり盛り上げるし、
随所に散りばめられた言葉遊びも洒落てるし、
オトナの領域に突っ込んじゃいそうなハラハラ感に見事弄ばれた感じもあり、
ああもう本当にありがとうございましたっ
- 131 :名前が無い程度の能力:2007/01/20(土) 20:11:26 ID:TendRHJg0
- >>122-130
コメント多謝。
こっちでまったりアダルト(性的でない意味で)な幻想郷でも書けたらいいなと。
ところで地の文って頭一文字下げた方が見やすい?
- 132 :名前が無い程度の能力:2007/01/20(土) 20:14:09 ID:gtdnp6EY0
- 今のままでも特に見にくいとは感じないぜ
- 133 :名前が無い程度の能力:2007/01/20(土) 20:47:45 ID:uqKrGWkU0
- 言われてみれば確かに>>119あたりとか、結構みっしりして戸惑った印象も。
段落の先頭にスペースいれつつ、もう少し段落をまとめるといいんじゃないでしょーか。
今だと、文章が意味的に一段落していようがいまいが、
句点(。)の後で機械的に改行してる印象があります。
- 134 :名前が無い程度の能力:2007/01/20(土) 23:41:11 ID:Ks5zH6ag0
- 激しくGJ
- 135 :名前が無い程度の能力:2007/01/20(土) 23:45:50 ID:2dMK7Fso0
- 一瞬、月影某を思い出して憂鬱になった。
たわ言だ。すまん。
- 136 :名前が無い程度の能力:2007/01/20(土) 23:47:26 ID:GzUnsteY0
- >>135
どんなネタでも作る人によって面白くもなり、不快感を催す物にもなり
ってわけだな
- 137 :名前が無い程度の能力:2007/01/21(日) 01:40:15 ID:f61SkFDA0
- >>133
おっけーね。次はその辺も考えて書いてみるー。
- 138 :名前が無い程度の能力:2007/01/21(日) 15:58:34 ID:ifB1B/wk0
- 『世界の法則』
外の世界
「人間は一人だと寂しがり、二人居れば敵対し、三人居れば派閥が出来ます」
俺達
「一人でも何処かで誰かと繋がっていて、二人居れば盛り上がり、三人居ると少し気まずい」
幻想郷
「一人でも特に気にはしないけれど、二人居れば三人目が出来、それ以降は夢物語」
- 139 :名前が無い程度の能力:2007/01/22(月) 00:21:12 ID:YPw0UI/M0
- まさに鼠算式
- 140 :名前が無い程度の能力:2007/01/22(月) 00:36:34 ID:Lm2BBw2g0
- アリス
「一人でも特に気にはしないけれど、二人居れば三人目が出来、それ以降は夢物語」
こうすると、何かこう、さもしい一人芝居的になる。
- 141 :名前が無い程度の能力:2007/01/22(月) 19:33:07 ID:ynzH0N1I0
- ※この話に出てくるキャラはそのキャラを演じている役者さんです
魔「お疲れ様ー」
スタッフA「お疲れ様でーす」
スタッフB「あ、魔理沙さん。お客さんが来てますが……」
魔「んあ?……あいつらか。ちょっと会ってくる」
銀「こんにちはぁ」
魔「よぉ、ついさっき撮影が終わったところだ」
銀「……またすごい格好ですねぇ」
魔「ああ、今のあたしは普通の魔法使いさ」
蒼「それにしても髪を下ろすだけで雰囲気ががらっと変わりますね」
魔「そりゃそうだろ。お前たちが一番なじんでるのは巻いた状態だからな」
真「その格好も十分似合ってるのだわ、ねえ」
翠「ほんとです。やっぱり芸暦(ピー)年はだてじゃないです」
霊「誰と話してるんですか?」
魔「ああ、ちょっと前に別の番組で競演した子たちだ」
銀・真・蒼・翠「初めまして」
霊「あ、もしかしてあのドラマですか!?やった!役者やっててよかったなぁ」
銀「……あのぉ」
魔「気にするなって。この子、あたしと競演するって知って気絶したらしいからね」
霊「あ、それは言わないでくださいよ!」
元ネタは「水銀燈の私生活」から。髪を下ろした雛さんが魔理沙っぽかったので。
- 142 :アリスの部屋:2007/01/22(月) 22:54:42 ID:TR9ktORI0
- 「さて今週もアリスの部屋のお時間がやってまいりました。
毎週私のお友達と楽しくお話しするこの時間、今週は通りすがりの魔界神さんとその従者のメイドさんがおいでです」
「いやあれは拉致と言うのではないでしょうか」
「あはは、夢子さん冗談きついですね、ところで今回はどうして幻想郷に」
「あのね、あのね、今日は私の娘を探しにきたの、ありすちゃんっていってね
もうすっっっっっっっっっごーーーーーーくかわいいの」
「あ、そうですか、あなたはオレンジジュースでも飲んでいてください」
「うわーい」
「ところでアリスさん」
「何でしょう夢子さん」
「ぶっちゃけ今の気分を教えてほしいのですが」
「たぶんあなたと一緒よ、苦労させるわね、ほらそこ!こぼさない」
「だったら帰って来て下さい、神綺さまテーブルにこぼれたのなめないでください」
「嫌よ、・・・もうどうしてコップいっぱいのジュースのほとんどを服にこぼすの」
「ふ、ふえ夢子ちゃんたち怖い」
「まあ気を取り直して神綺さんは一応魔界神だとか」
「そうだよ。そして人妻」
「え?結婚してたんですか」
「嘘?結婚してたの、って夢子も知らないの」
「アリス様もですか?し、神綺様それじゃあ旦那様つれてきて魔界神代わってもらいましょう、うんそれがいいです」
「それには私も賛成ね、というか誰なのよお父さんって」
「えーっとね・・・・・・誰なんだろ?こう見えても私もてもてなんだよ」
「いやそれはいいですから、魔界が救われるかの瀬戸際なんです」
「待ってね、うーんと『りんちゃん』かなぁ、それとも『ようちゃん』かなぁ、それとも・・・」
「いいから思い出して、大事なことでしょう」
「あ、そうだった、あのね、最初に人形作ったの、それに魔力を通してね
動くようにしたのが始まり、私魔力だけは馬鹿みたいにあったけどとろいから友達いなくてさびしかったの」
「「は?」」
「でも同級生のゆかりんとかゆゆちゃんとかは男の人にもててね
私もよくお持ち帰りされちゃったけどそれだけだったなあ
でね、ある日理想的な男の人の人形作って旦那様にしたの
でも壊れちゃっておっきなお城だけ残ったから寂しくなってメイドさん作ったの、それが夢子」
「・・・・・」
「でもね、やっぱり寂しかったから一生懸命娘を作ったの、それがアリスちゃん
でもアリスちゃんもお友達がいないと寂しいでしょう、それからはアリスちゃんのためにいっぱいお友達作ったの
でもアリスちゃん魔界から出て行っちゃって・・・・うぅ、お母さんさびしいよぉどこにいるのー」
((ここにいるだろ))
「き、気を取り直しましてそれでは今週はそろそろお開きのお時間です、また来週」
- 143 :名前が無い程度の能力:2007/01/22(月) 23:07:16 ID:TR9ktORI0
- おまけ
「はぁーまさか気づかないとは思わなかったわ。迷子になってないてるなんてどこの母親よ
仕方ないんだから・・・・・そうね、た、たまには昔の格好で魔界に帰ってもいいかもね」
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「神綺様、神綺さまってば、どうしたんですか黙り込んじゃって」
「夢子、私あれでよかったのかしらね」
「え、素じゃなかったんですか」
「馬鹿ね、アリスの前で私がどうなるかなんてわかってるでしょうに」
「まあ確かに、普段は有能かつカリスマにあふれてるんですけどね、
アリス様がかかわると実力の一割も出せない・・・ってやっぱり気づいてたんですか」
「当たり前よ、あのこは娘で私は母ですもの
気づかないほうがどうかしてるわ、あの可愛らしさ・・・・・・私の頭はあの子のことを考えるだけで桃源郷に旅立つの
うふふありすちゃん、いっしょのおふろ、ほら背中流してあげるからね、
頭が一人で洗えなくてもママが洗ってあげるわ・・・ふふふふ」
「相変わらずだめ親ですね」
「でもきっとこれでアリスちゃんも帰ってきてくれる。今度はもう逃がさないわ」
「はぁ、神様、どうして私にこのような試練を」
「馬鹿ね、幸せになるためよ、あなたもそのために生まれたのよ、さあ帰るわよ
魔界の子供たちが私を呼んでるわ、」
- 144 :名前が無い程度の能力:2007/01/24(水) 21:50:23 ID:BAb2Kf8o0
- 橙「藍様のしっぽ、お日様の匂いがするよ(もふもふ)」
藍「そ、そうか?
ずっと縁側で茶を飲んでいたからかもな」
紫「ところで知ってる?
干した布団からよく「お日様の匂い」がすることってあるけど、
あれの正体ってダニの死骸の匂いなのよ」
橙「……」
藍「……」
紫「風情のある匂いよねぇ……(もふもふ)」
- 145 :名前が無い程度の能力:2007/01/25(木) 07:49:31 ID:AT/7bvz6O
- >>144
マジで!?
- 146 :名前が無い程度の能力:2007/01/25(木) 08:36:45 ID:z/kRwxUwO
- >>144
絶望した!
- 147 :名前が無い程度の能力:2007/01/25(木) 14:27:38 ID:xUPI8LmA0
- >>144
かずいー!俺の記憶を消してくれー!(⊃д`)
- 148 :名前が無い程度の能力:2007/01/25(木) 18:07:30 ID:856xABo60
- 別に紫外線殺菌されてりゃぁ、あんな肉眼で見えない小さい虫なんぞ気にもならんがな
そんなことでウダウダ言ってたら、カビや菌の力で作るチーズや味噌も全部食えなくなる
- 149 :名前が無い程度の能力:2007/01/25(木) 18:14:56 ID:FXB9etQE0
- 気持ちの問題だ。
というか、「お日様の匂い」を心地いいと感じてきた文化への衝撃だ。
- 150 :名前が無い程度の能力:2007/01/25(木) 18:53:25 ID:QYVmfS9k0
- パシャ、パシャ、パシャ
「ああ、メイド長いい表情してますね。今度は胸をもっと強調するように」
「えっと、こう」
「ああ、いいね、グッときますね」
パシャ、パシャ、パシャ、パシャ、パシャ
「あのレミリア様。一体どういうことですか。突然私の水着写真を撮るなんて」
「これは紅魔館の今後に関わる重要な仕事よ」
「はあ」
「はい、美鈴。これ飲んで」
「パチュリー様、ありがとうございます」
ゴク、ゴク
「おいしかった……て、なんじゃこりゃ」
「胸が小さくなる薬。安心して一日で元に戻るから」
「戻るかどうかも大事ですけど何で胸小さくされないといけないのですか」
「重要なことなのよ。けど、いまいちね。スタイルが悪くなっても美女認識するには十分ね。小悪魔、ちょっと町まで行ってできるだけ野暮ったい服を買ってきてくれる」
「わかりました」
「だから結局何やってるんですか?」
「今度紅魔館のメイドを増員しようと思ったのだけどパチェがそのやり方にけち付けてきたの」
「レミィはあさはかよ。『偉大なる闇の王に仕えたいものよ集え』そんなの見て誰が来るというの。所詮多くのものにとって大事なのは己の利。利を強調するような内容でないと」
「は、はあ……」
「だから私は考えたの。今撮った写真とこれから撮る写真を並べて『私は紅魔館で働いてこれだけ綺麗になりました』という文言を……」
「それ詐欺じゃないですか!」
「私はこれからやってくる少女に夢を見させているだけ」
「そんなに夢見させたいならパチュリー様が被写体になればいいじゃないですか」
「嫌よ、薬が切れなかったどうするの」
「実験してなかったのですか」
「はあ、まあいいですけど。紺なのに胡散臭いのに引っかかるような妖怪はどこにもいないですし」
「ずいぶん言ってくれるわね。引っかかるのが来たらどうするの」
「絶対いませんから。もし来たらその子にメイド長の地位譲ってもいいです」
「大きく出たわね。いいわ。一ヶ月以内に誰も来なかったら小悪魔あなたにあげる。レミィ、あなたが証人になってね」
「わかったわ」
それは突如やってきた人間の少女が紅魔館の新たなメイド長になる三日前のことであった。
- 151 :名前が無い程度の能力:2007/01/25(木) 19:35:19 ID:iUCyxReQ0
- >>150
綺麗にっつうより、大きくなるから来たんだな。
絶対。
でも来たのは妖怪ではないから、賭けはどうなるんだ?
- 152 :名前が無い程度の能力:2007/01/25(木) 23:44:55 ID:sPapvU/Y0
- >賭け
さくやんがパッド長になったようなので、釣り合いを取って小悪魔が美鈴の内縁の妻になるくらいで
- 153 :名前が無い程度の能力:2007/01/28(日) 22:30:00 ID:./SJ4Cnc0
- マジックアイテムそう呼ばれるものがある。
たとえば魔理沙に作ってあげた八卦炉もそれである。
こういっては自惚れてるかもしれないが僕はそういったものを作るのが得意だ。
ゆえに永遠亭の薬師にそのアイテムの作成を持ちかけられたとき僕は不覚にも歓喜した。
僕が唯一挫折したのがその眼鏡だったからだ。
彼女が思いついたのは弟子の能力かららしい
いわく波長の位相がずれれば物体同士は干渉できない
そして臆病かつ聡い彼女の弟子は彼女が尻や胸を触ろうとするたびに
位相をずらし触れなくするのだという
あらゆる薬品を作り上げる彼女とマジックアイテム作成の得意な僕
手を組めばこうなることがわかっていた。とはいえこの完成品のなんとまばゆいことか
某光の3妖精の協力もあり完璧な出来といっていいだろう
洗剤と眼鏡、一見なんでもない組み合わせだが
洗剤は洗った服の位相の一部を消失させる。
眼鏡は消失した位相でものを見る。するとどうなるか
服だけが透けて見えるのだ。
これまでの失敗を思い出す、服どころか肌まで透けて骨と内臓組織だけの人間に見える眼鏡
そもそも透けすぎて何も見えない眼鏡、しかし今回は違う洗剤と眼鏡のコンビネーションならば
絶対に服だけがすける。そしてすでにお得意様たちには無料で配っている。
「さあ来たまえ」
僕がそうつぶやきながらわくわくして待っていると幽霊の向かってくる気配がした。
「キター!!!」
幽々子か、あのグラマーな肉体がついにこの目で見れるのだ。
いや妖夢かもしれない、成長途中の発展途上の肉体はそれはそれでいいものだ。
そして店の戸が開くと・・・・
そこには頑強な老人が立っていた・・・・・・裸で
「はじめましてというべきかな、わしは西行寺家に仕える魂魄妖忌と・・・む、いかがなされた
大丈夫ですかな」
妖忌さんは立ちくらみを起こした僕を心配したのだろう近づいてくると僕の肩に手を回し支え起こす
ちなみに目の前には妖忌さんの立派過ぎるイチモツが迫っている。やめてくれ、お願いだから
「ふむ、ここでお会いしたのも何かの偶然でしょう、今日一日私があなたを看病して進ぜよう」
僕はたくましすぎる腕に包まれながら自室に運ばれ・・・気絶した。
- 154 :名前が無い程度の能力:2007/01/28(日) 22:33:05 ID:l04vstP60
- アッー!www
- 155 :名前が無い程度の能力:2007/01/28(日) 23:02:05 ID:8vqmJVwM0
- >>153
ちょwwwww
- 156 :名前が無い程度の能力:2007/01/29(月) 16:18:07 ID:qNaSimVM0
- 吾輩は猫である、名前はまだない。
「お前の名前は橙だ」
あ、そうですか藍様。というわけでやり直し。
吾輩は猫である、名前は橙。
どこで式神になったかというと、マヨヒガのお屋敷。
なんでも床に陣が書かれたところで、女がわくわくした目でこっちを見ていたことだけは記憶している。
吾輩はここで初めて妖怪というものを見た。
しかもあとで聞くと、それはスキマ妖怪という妖怪中で一番物臭な種族であったそうだ。
このスキマ妖怪というのは冬になると冬眠するという話である。
しかしその当時は何という考えもなかったから、別段おかしいとも思わなかった。
ただ彼女がこちらを見て撫でてくるので、何だかフワフワした感じがあったばかりである。
撫でられながら少し落ちついてスキマ妖怪の顔を見たのが、いわゆる妖怪というものの見始であろう。
この時妙なものだと思った感じが今でも残っている。
第一ふさふさの耳と尻尾をもっているはずの身体になにもなく、つるつるしてまるで人間だ。
その後妖怪にもだいぶ逢ったが、こんな片輪は意外と多かった。
のみならず顔の真中があまりに突起している。吾輩もだが。
そうしてその穴の中から時々ぷうぷうと煙を吹く。どうも咽せっぽくて実に弱った。
これが人間の飲む煙草というものである事はようやくこの頃知った。
家計を逼迫するのでほどほどにして下さい、紫様。
- 157 :名前が無い程度の能力:2007/02/03(土) 01:18:09 ID:y5um7Ytc0
- 『攻撃は最大の防御』
、′ 、 '、 ′ ' ; 、
. ' '、 ____ . ・
、′・. ' ; ' | 霧雨家 |・"
'、′・ '| ̄ ̄ ̄ ̄" '、
'、′ '、 (;;ノ;; (′' ・. '、′"
'、′・ ( (´;^`⌒`.・ " ; '、′・
、 '、 '・ 、´⌒,;__ ;`ヾ,;⌒) ヽ从⌒ ;) `⌒ ヽ
、(⌒ ;;;:;´'从 ;' ;:;;) ;⌒ ;; :) )、 ヽ
( ´;`ヾ,;⌒)´_]皿皿[-∧-∧人 )⌒:`.・ ヽ ,
′': ;゜+° ′、:::::. ::: ´⌒(,ゞ、⌒) ;;:::)::ノ
_____
(´、、☆, , `)
, ´ ⌒⌒⌒⌒ヽ
|,L|\L|ヽ|/ゝノ|
ii TO Oアii |
.,§ゝ ー "§.| |
ノノ,−、`, ̄ |><|ヽ|
,´/ i,_,_,ノ、 ~∞~ )_ノ(`、
レ(⌒)ノ/` Ξ iヽ´ノ
 ̄ // ̄ ̄~i`i`
/ ii/ゝ
ゝ__,______/、__)
(_ノ´ ヽ_ノ
魔理沙「門番ってレベルじゃねぇぞ!」
- 158 :名前が無い程度の能力:2007/02/03(土) 01:20:38 ID:y5um7Ytc0
- あ・・・・・・・誤爆した
ごめん
- 159 :名前が無い程度の能力:2007/02/03(土) 01:33:06 ID:wAsaFExQ0
- いや、いいんじゃない? これはこれでw
- 160 :名前が無い程度の能力:2007/02/04(日) 09:24:33 ID:/dLKoxWI0
- ある意味投稿するまでもないショートショートだよな
- 161 :名前が無い程度の能力:2007/02/04(日) 13:34:04 ID:rljjaH1o0
- パチェ「そう、いつものように本を読んでいたのよ。
そして最後のページを読み終えると次の本を探しに本棚へ向かったわ。
そこで見てしまったの、居眠りしている小悪魔を…
いえ、小悪魔自体は珍しくないんだけれど今日は違ったわ…
頭にから生えていた羽が取れていたの…
いえ、正確じゃないわね、アレはカチューシャだったの…
そして良く見てみれば背中に生えている羽も…服に縫い付けているものだったのよ…
自慢じゃないけど私はいつも本を読んでいるから自分の腕より遠くのものは良く見えないわ。
だからあまり小悪魔の顔をじっくりと見たことは無かったんだけど…
よく見て見ればその顔は、うちの門番そっくりで…
いや、門番の中国っぽいのだったのよ!
小さいのか中くらいなのかはっきりして欲しいわ、全く…
まぁ、大きいのだけれども。
とにかく事の次第を確認しようと門番を起こそうとしたら
急に意識を失っちゃって…」
パチェ「という夢をみたのよ」
小悪魔「紅い髪しか共通点ないじゃないですか、というか私の顔くらい覚えておいて下さいよー」
パチェ「ところであなた、その元の顔が分からない位にへビィメタルなメイクはどうしたの?」
- 162 :名前が無い程度の能力:2007/02/08(木) 21:46:51 ID:JcoZHako0
- ちょwwwwクラウザーたんwwwwwww
- 163 :名前が無い程度の能力:2007/02/09(金) 12:51:53 ID:yjKnn7BY0
- きみはあそこにいくんだよ。
「犬の幽霊が姫にまとわりついている?」
「いえ、どちらかというと戯れついているんですが……ちっちゃいし可愛いし害はなさそうなんですけど、
でもどうしても引き剥がせないので」
走って報告に来たらしく、軽く息を乱しているウドンゲにお茶を用意してあげながら、私は続けて訊ねた。
「朝のご挨拶をしたときにはそんなことはなかったわね。そのあとかしら」
「はい。姫様は、今日はいつもと違う竹林の北端まで散策されていたそうなんですけれど、そこで
見つけたとおっしゃってます」
この部屋に窓はないが、体感でわかる。今はもう夕刻だ。
姫の周囲に異変があったというのに私に届くまで半日近く掛かっていることになる。ウドンゲが
気付かなければもっと遅れただろう。
姫に限っては「万が一」もありえないけれど、この危機管理意識の低さはどうしたものか。
白磁も及ばぬあの肌に、射干玉をも凌ぐ翠の黒髪に。
傷のひとつも付こうものなら、私は現在手を付けている研究をすべて中断しておやつのキャロットケーキを
キュロットケーキへと変異させる禁断の薬の開発に着手しなければならないだろう。
永遠亭崩壊の恐れがあるためできれば使いたくない手段だ。私としても苦渋のあまり思わず胸が
躍ってしまう選択だが、姫の安全には代えられない。
まあ差し当たっては、姫の側付きに今後は連絡を一層密にするよう厳命することで手を打つとしよう。
「それで? 見つけた犬幽霊に懐かれたの?」
「そうなんです。随伴に付けていた警護には目もくれず姫に一直線だったとか。あ、お茶ありがとう
ございます」
一息にお茶を飲み干して、ウドンゲは少し落ち着いたようだった。
八意印の鎮静剤は無味無臭、即効性ありと三拍子だ。ついでに混入しておいた胡蝶夢丸試作⑨号が
今晩ウドンゲをサイケデリックな七色の世界に誘ってくれることだろう。
こういった悪意のない悪戯が人生を豊かにするのですわ、とは過日に会ったスキマ妖怪の弁だ。
真理ではないが、まあ道理くらいではあるだろう。
- 164 :名前が無い程度の能力:2007/02/09(金) 12:53:51 ID:yjKnn7BY0
- 「その犬なら僕も見た」
不意に死角から飛んできた声に、ウドンゲの耳がピョンと跳ねる。
この部屋は内壁に陣を張っているから、波長が聞き取れていなかったのだろう。慌てて居住まいを正す。
「あ、ご来客中でしたか。失礼しましたっ」
「いいわよウドンゲ、かしこまらなくて。我楽多拾いのついでだとアポイントもなくやってきて言外に茶を
寄越せと催促するような相手に礼を尽くす必要はないわ。生えかけのタケノコ程度に思っておきなさい」
「……それは僕が言ってこそ角が立たない台詞じゃないか? それから我楽多拾いじゃない、商品の仕入れ
と言ってくれ」
むっつりと文句を言ってくる。
「円満だけでは人間関係は回らないものよ。歯があって噛みあうからこその歯車でしょう?」
「君には今度滑車というものを見せてあげよう」
「あ、香霖堂さんでしたか。こんにちわ」
軽口の合間にウドンゲは律義に頭を下げていた。我が弟子ながら人間が出来ている。
兎だけど。
「ところでここまでどうやって? 姫様が遠出されるので今日の竹林は特に迷いやすくなっているん
ですけれど」
「ピンクの服を着たうさぎに案内してもらったよ」
ウドンゲの顔が非常に複雑な変化を見せた。どんな心理状態にあるのかとても興味深い。
「あの……なにかされませんでしたか? 変な健康法を吹き込まれたり『この壺はいいものだー』とか購入を
勧められたり」
「いいや? 普通に世間話をしながら連れてきてもらったよ」
「ええっと、じゃあじゃあ……」
どうしても納得がいかないらしい。麗しい信頼関係だ。
「詐欺師に騙されないためにはね、ウドンゲ。自分もまた詐欺師になればいいの。学校では教えてくれない
生活の知恵よ」
「詐欺呼ばわりとは心外だな。ところでこんな言葉を知ってるかい? 『人は自分と同じ欠点を他人の中に
見つけるとそれを責めずにはいられない』。外の書物の一節だ」
「あら初耳だわ」
「こんなのもある。『人は年老いて悪い手本を見せられなくなると良い説教を垂れたがる』」
「傾聴に値するわね。ところで貴方のお店には鏡は置いてないのかしら」
私たちの表情は至って涼しいものだ。間に入ったウドンゲ一人がおろおろしている。
そのウドンゲも霖之助が湯呑みの中身を側にあった水槽にぶちまけるとさすがに目を剥いた。
が、水槽のアオダモがみるみるうちに枯死するのを見て凍りつき、一拍置いて私に掴みかかってくる。
「ししし師匠、お茶、さっきの、私のお茶!」
もう泪目だった。
「ああ、隠し味に垂らしたお醤油のこと?」
「醤油でアオダモが枯れますか! あとそれは全然隠し味じゃありません!」
「大丈夫よ。なにがあっても貴方には月の頭脳がついてるわ」
「それ犯罪宣言じゃないですかあ! うわーんやっぱり一服盛ったんだぁ!」
いい反応だ。嬉しくなる。これでウドンゲも次からは警戒するようになるだろう。
無防備な獲物を狩ってもつまらない。逃げてくれない相手では追い詰めようもないのだ。
霖之助の絶妙なアシストには感謝するが、あれは絶対にわかってやっているのだろう。
何しろ私たちはまだまだ若いのだから、悪い手本を見せなくてはならないのだ。
- 165 :名前が無い程度の能力:2007/02/09(金) 12:55:09 ID:yjKnn7BY0
- 「ええと犬の幽霊の話だったわよね? 霖之助はどこで見たの?」
ウドンゲが息切れしたところで話を再会させる。
「無縁塚から南に下った辺りだったね。しばらく前のことだが、たぶん同じものだろう」
頭に地図を思い描いた。そうなると、結構な広範囲を歩き回っていることになる。
「ただ、あれは幽霊じゃない」
「え?」
声は部屋の隅で畳の目を数えていたウドンゲから上がった。
さっきまで泣いていたので振り向いた目は紅い。いやいつも紅いか。
「で、でも実体はありませんでしたよ?」
「前に見かけた時、名前が『視え』た。用途もあった。犬の姿をしてはいるが、おそらく付喪神に近い性質に
なっているんだろうね」
もっともらしい口調で言う。
しかし彼の話は真理には近くても真実からはほど遠いことが多々あるので、得られた情報には遠心分離の
必要がある。
「付喪神ねぇ……古いものなの?」
霖之助はお茶を−−残念ながらごく普通のものだ−−すすりながら首を振る。
「いや違う。式神には命令となる『式』とそれを憑ける『核』があるだろう。あれはそれぞれ独立しているが
同一のものでもある。同じように霊としての側面とモノとしての側面を同時に有しているんだ。元々は
バラバラだったのが幻想郷に送られてきた時に一つになったんだろうね」
話が胡散臭くなってきた。
顔に表れていたのか、霖之助はいささかムッとした口調で続ける。
「つまり、事象が現象になったんだよ。個々のモノではなく、それも生物と無生物が一揃えで幻想になると
いうのはよほど強い結びつき、すなわち物語があったからだ。ひょっとしたら外の世界では−−−」
「はいはい、その辺の話は寝物語にでもしなさい。それで結論は?」
「……以前に紅魔館の魔女の蔵書をのぞかせてもらう機会があってね。その時に読んだ何冊かの外の本と、
こちらのお姫さまに懐いているというので概ねわかった。アレの用途は『星の世界へ往く』。名前は−−−」
小さく言葉を切って。
「クドリャフカ」
姫は外にいらっしゃった。
竹林の入り口にほど近いそこからは空がよく見えた。
西に肩を下げ始めた太陽は地上のことなど何も関心がないかのような投げやりっぷりで今日という日を
灼いてゆく。藍色が滲み始めた東に目を向ければ、いくつか気の早い星が瞬き始めている。
その向こうにうっすらと、澄んだ眉月を見ることが出来た。
最後の陽射しに炙られた地面からは青臭い匂い。それは上昇気流に乗ってひゅるひゅると空の高いところ
にまで上がっていく。
世界は巨大な舞台装置のようだった。冷たさを孕んだ風も背後の竹林も足元で揺れる草も全てが書割
みたいで、主役たる姫に控えている。
「……あえかなる人、いと美しうて居たり」
いつの間にか側にきていたてゐが古い−−そして懐かしい書の言葉を持ち出す。
その通りだ。姫は美しい。そしてその美しさに、私たちは捕らわれずにはいられない。
声が姿が仕草のひとつが、心を縛り溶かし縫い止める。
姫を称える全ての言葉は無粋だ。その美を例えるにはまだこの世にはない言葉を生み出す必要がある。
ただそれだけで全てを許される美しさがあるのだと、私は姫に逢って初めて知った。
それを知り得た幸運に、感謝しない日はない。
「あら永琳にイナバ。店主さんも」
姫がこちらに気付いて相好を崩す。薄紅の裾がどこまでも優雅に翻る。
その足下に件の亡霊犬が戯れついていた。
- 166 :名前が無い程度の能力:2007/02/09(金) 12:57:21 ID:yjKnn7BY0
- 「ふぅん。外の世界の、ね」
一通りの説明が終わって、姫は亡霊犬の−−霖之助の言葉を信じるならば外の世界で初めてこの星の
外へと出た生命の−−癖のある巻き毛に指を絡ませながら小さく頤を揺らす。
ウドンゲの報告にあった通り、大人しく賢い犬のようだった。姫に撫でられ嬉しそうに鼻を鳴らしている。
「それはわかったけれど、どうして私に懐くのかしら?」
「たぶん、君から一番強く月の気配がするからだろう。その犬が使われたものも含め、一連の実験の最終
目標は人を月に送ることだったらしいからね」
「そう……月へ」
頷く姫の背後でウドンゲが表情を固くする。彼女には少し、辛い話かもしれない。
「ねえ、香霖堂。それでコイツ、星の世界に出ていって、最後はどうなったのさ」
会話に割り込んできたのはてゐだ。
こんな無礼をするのも許されるのも彼女くらいのものだけれど、その声はどこか答えを知っているか
のようだった。
「実験は成功だったようだよ。見事に周回軌道……この星の回りを巡ってみせたらしい。犬は、そのまま
地上に戻らずに果てた。もちろん、月になんて行っていない」
「まあそうでしょうね」
私は頷く。実験動物の末路なんて、そんなものだろう。
だからてゐの、あんたもウサギだったらよかったのに、という呟きに同意はしない。憐れみも覚えない。
ただ敬意を払う。その身が残した結果に、学求の徒として。
姫はしばらく無言のままに撫で続け、それからついと身を起こした。
「店主さん。このコ、名前なんていったかしら」
「ライカ。スプートニク2号。いくつか呼び方はあったみたいだけれど、一番強く認識していたのは−−そう
呼ばれたいと願っていたのはクドリャフカだ」
そう、と小さく首肯して。
「それではクドリャフカ。改めましてご挨拶を」
姫が一歩身体を引き、居住まいを正す。
それだけで辺りの空気が変わる。風までもその身を止める。
一秒が、その七十五分の一の刹那が、弓引くようにギリギリと引き絞られてゆく。
天地万物遍くが、宇内万物悉くが姫に傅く時間となる。
「私は輝夜」
どんな楽師でも再現不可能な透き徹る声。
「貴方が目指した、あの孤天に浮かぶ大地を統べる月の姫。月の全てが私を称え、私の全てが月を満たす。
私の在るところが−−−いいえ、私こそがすなわち月よ」
ただひとひらの揺ぎもなく言い放ち。
そして、膝を折った姫は、その小さく温かい毛むくじゃらをそっと胸へと掻き抱く。
「褒めて遣わすわ。貴方は見事、私に届いた」
姫の指が、一枚のスペルカードを握る。
−−これ、今度会った時にびっくりさせようと思ってこっそり練習してたの。
−−でも貴方に一番に見せてあげるわ。
「願わくは−−−“月まで届け、気高き煙”」
Possessed by Phoenix
朱が、爆ぜた。
噴き上がる炎が瞬きも許さぬ間に姫の身体を包む。緋色の光が辺りを舐める。
今この瞬間だけ、世界が昼を取り戻す。
半ばまで宵に染まった空を切り裂かんとばかりに立ち昇る火柱は荘厳な墓標にも見えて、ひどく終末を
喚起する光景でありながら生命そのものを強くイメージさせた。
命はすべて紅に還り、また赤の中から生まれてくるのだ。
火の粉が舞いかかるのを払いもせず、私は朱の中に消え逝く姫を見つめ続ける。
目を逸らすことなど、出来ようものか。
胸を満たすのはただ喜びばかりだ。目も眩むような至上の恍惚と喜悦に息が詰まる。
四肢の先までを侵すこの圧倒的な充足を、他のなにが埋められるだろう。
ウドンゲ、てゐ、貴方達も見ているかしら。
あれが、あれこそが我らが主君。永遠なるかな、蓬莱山輝夜。
やがて炎が消え果てて。そこにはいつもの通りの汚れひとつない姫のお姿だけがあった。
我が主はほんの少しだけ空を見つめ、それから「おなかが空いたわ」と小さく笑った。
- 167 :名前が無い程度の能力:2007/02/09(金) 13:00:41 ID:yjKnn7BY0
- 幻想郷縁起に項目の追加が必要になるなと残して、霖之助は帰っていった。
里の稗田家に寄っていくとのことだったけれど、姫直々の夕餉の誘いを断ったあの男は万死に値すると思う。
今度機会を見て全身の毛が蛍光ピンクに点滅する薬を盛ってやろう。目に優しくない店主として天狗
新聞の三面を飾るといい。
いや、それともあの一帯になんとなく購買欲が減退する薬でも散布するか……これは無駄ね。いつ行っても
真っ当なお客を見たことが無いし。
食事を終えられてから姿の見えない姫を探して歩いていると、廊下向こうの屋根の上に夜風にたなびく
黒髪が映った。
慌てて庭に出る。
「姫、そんなところにいらっしゃったのですか」
地を蹴って飛ぶ。
姫は屋根瓦の上に敷布を置いただけで、供もなくただ座していらっしゃった。
眉が曇るのが自分でもわかる。
「そんなお恰好ではお身体が冷えます」
「いいのよ。十世紀ぶりに殿方に袖にされた事実を噛みしめていたところなの」
二〇〇〇飛んで八通りの香霖堂消滅作戦が私議会で採択された。全会一致だ。
あのあばら屋が幻想郷の朝を迎えることは二度とない。
「申し訳ございません、姫。たった今急用に思い当たりましたので私はこれで」
「いやね永琳、冗談よ。店主さんには申し訳ないけれど、今夜の本命はあちら」
形の良い姫の指が彼方を指す。
音の少ない夜だった。静寂の緞帳が竹林一帯に降りている。
冷たい輝きをちりばめた空は、漆黒というよりも濃紺に近い。
その中に浮かぶ、細く薄絹のような月の白。 かつて誰かが捨てた白で、いつか誰かが目指した白だ。
どういうわけか、その白がいつになく映えて見えた。
「月見、ですか」
「ええお月見。ほら、貴方も座りなさいな」
「では失礼いたします」
敷布に落ちた姫の月影を踏まないように気をつけながら脇に控える。
「こんなにゆっくり月を眺めるのは久し振りよ」
「そうですか……そうですね。私もです」
一時、目を臥せる。
あの地の名を口にすることすら憚られた日々が、確かにあった。
「遠いわね、やっぱり」
「はい」
あの月までの正確な距離を私は瞬時に並べてみせることができる。
けれどそんな数字では測れない、真空でも極低温でもなく、三途の川よりも深く昏いものが彼方と
此方を隔てていることを、私は知っている。
かつて私と姫はそれに別たれていた。
別天地。空を見上げればそこにあるというのに、あれはまるで異世界なのだ。
あの小さな命のことを思う。
「私たちが捨てたあの月に……行きたかったのでしょうか」
「捨てる神あれば拾う神あるとも言うわ。捨てた故郷でも誰かが目指してくれたのだから……悪くは
無かったのかもしれないわね」
目を細め、姫が中天の月を仰ぎ見る。
ほの白い月光を滑らせるそのお姿は、まるでなにかに祈るかのようで、どこか非現実的なほどかぐわしく、
月の都におわしたあの頃と何も変わらない。
- 168 :名前が無い程度の能力:2007/02/09(金) 13:01:33 ID:yjKnn7BY0
- 胸の片隅にかすかに乾いた痛みがあった。
「……ふるさとは遠きにありて思ふもの」
「そして悲しくうたふもの、帰るところにあるまじや、ね。なあに永琳、駆け落ち千年目にして郷愁?」
「……魅力的なキャラ造形の基本はギャップにあると物の本に書いてありましたので、少し感傷的な側面
など演出してみました」
私の言い分を聞いた姫は、難儀な性格ねえと楽しそうにおっしゃって。
「いいわ。甘えなさい」
この世に悲しいことなんて一つも無いといったような笑顔で私の肩を抱き寄せる。
呼吸ひとつもままならないうちに、私の頭は姫の膝の上にあった。
一瞬で思考が沸騰する。
「ひ、姫!?」
「素直じゃない子にお仕置きー」
ととん、と。楽器を弾くかのように姫の指が頬に落ちる。静かになさいということらしい。
そういわれてしまっては私はもう身じろぎも出来ない。
「こうして横になっていると変な意地を張れないんですって。なんて言ってたかしら、『ナントカが
聞こえる』という外の本の知識だそうよ。店主さんが教えてくれたの」
あの陰気眼鏡め……先ほど練り上げたプランを放棄。今度なにか薬以外のものを手土産に莫迦話でも
しにいくとしよう。
「永琳は天才なのに不器用ね。本当に素直じゃないったら……折を見て自分に付ける薬でも作りなさいな」
幾度となく髪を梳く姫の指が、途方もなく心地よい。
「姫、年をとった人間は説教をしたがるようになるのだそうですよ?」
「もちろんよ。過ごした時間を根拠もなく振りかざして無体に若者を罵倒できるのは年寄りの特権よ。
なあに、貴方は違うの? これは種族的な趣向だと思っていたのだけど」
私の精一杯の抵抗に、このうえもなく愉快といった様子で姫は切り返す。
千年の時を共に渡って、それでもこの方はまだ私の知らない顔を見せる。
今日だけで何度目かになる姫に仕える喜びを噛みしめながら。
私は身体の力を抜いて、体重を預けた。
さっきまでよりも姫の温もりが感じられる。羊水の中で眠る胎児はこんな気持ちなのかもしれない。
「あら。わかってきたじゃない」
「せっかくの機会ですので」
「ふふ。存分に堪能しなさい。二度と普通の枕で寝れない身体にしてあげるわ」
「そうなったら私は毎晩姫の部屋に通わなくてはならないですね」
「そのときには永琳にも難題ね。そうね、天才だから五百個くらい解いてもらいましょうか」
「あんまりです、姫……楽勝ですけど」
「じゃあ一個目ね。さっきの説教云々の台詞を今度閻魔様の前で言いなさい」
「あんまりです、姫」
それから二刻もそうしていただろうか。
月を眺めるままに、姫が竹の葉鳴りのような穏やかな声でふと囁かれた。
「懐かしくても、いいのよ?」
子守唄のようだと思った。
「寂しくても、哀しくても、泣いても、いいの。故郷を求める心があっても、それを後ろめたく思う必要なんて
ないわ」
ああ姫の目はどこまでも確かだ。
それがなかったといえば、きっと嘘になる。月。うまれたところ。
だからこそ、いいえと。
姫の膝の上で首を振れない私は、ただ短く返した。
「姫。姫はおっしゃいましたね。姫こそが月なのだと」
「ええ」
「……ですから、ここが私の故郷です。生きる場所も帰る場所もここにあります」
胸の深いところが温かかった。
身体はあの月で生まれた。けれど心は、この月で生まれた。
私の中心には姫という月が在る。
「宙の月へは……代わりにあの子に行ってもらいましょう」
そうね、と。
優しく優しく、月明かりのようにやわらかに主人は笑って、私はもうそれだけで満たされてしまうのだ。
月はここにある。ここに、永遠(とわ)に。
- 169 :名前が無い程度の能力:2007/02/09(金) 13:05:59 ID:yjKnn7BY0
- あとがきだかなんだか。
アダルト幻想郷第二段……アダルト?
前作なんかメじゃないくらい長くてすまん。
- 170 :名前が無い程度の能力:2007/02/09(金) 14:47:49 ID:9CNvJisE0
- 感服
- 171 :名前が無い程度の能力:2007/02/09(金) 15:06:15 ID:F4yZYEx.0
- 凄い。起立して全力で拍手です。何も言えることぁありません……。
- 172 :名前が無い程度の能力:2007/02/09(金) 16:19:13 ID:OqUo.y2A0
- クドリャフカと聞いて同じ犬が元ネタの犬耳娘を(ry
良いナァ、暖かい永遠亭だなぁ…
- 173 :名前が無い程度の能力:2007/02/09(金) 17:24:45 ID:E13uNrUw0
- クドリャフカで某FLASH思い出して泣くトコだった・・・
掛け合いも秀逸。これが創想話だったら100点突っ込むのに。
- 174 :名前が無い程度の能力:2007/02/09(金) 18:37:57 ID:lWo836rM0
- 投稿するまでもないってレベルじゃねえぞ
創想話につっこんだら確実にレート11.0超えだろ
- 175 :名前が無い程度の能力:2007/02/09(金) 19:07:53 ID:ULH3PPxY0
- 点数なんてどうでも良い
素直に感動した
- 176 :名前が無い程度の能力:2007/02/09(金) 21:20:44 ID:6cKCT0Ec0
- GJ。
- 177 :名前が無い程度の能力:2007/02/09(金) 23:01:05 ID:mkdevnqs0
- クドリャフカという名前に、無条件で鳥肌が立ってしまう今日この頃。
なんか、永琳と霖乃助が互角に戯れている感じで素敵でした。
- 178 :名前が無い程度の能力:2007/02/09(金) 23:06:06 ID:YBIUIClU0
- 俺は神をみた。
- 179 :名前が無い程度の能力:2007/02/09(金) 23:12:09 ID:6FPuN/NI0
- >164の香霖と永琳の掛け合いの時点で感動。
もう、永琳の描写が素敵過ぎます。
- 180 :名前が無い程度の能力:2007/02/09(金) 23:13:34 ID:jJoJ5hh20
- かぐやさま、かっこいい・・・
- 181 :名前が無い程度の能力:2007/02/10(土) 10:58:10 ID:0Qqx99.E0
- 輝夜の圧倒的なカリスマと
香霖永琳の高度な掛け合いに感動しました
- 182 :名前が無い程度の能力:2007/02/10(土) 16:46:04 ID:v7HuaWMY0
- 良作age
- 183 :名前が無い程度の能力:2007/02/10(土) 17:03:31 ID:7G8o9D1g0
- GGGGGGGGGGGJ
- 184 :名前が無い程度の能力:2007/02/10(土) 17:04:14 ID:ExWAcmuE0
- どちらかというと壊れ系な永琳を平然と受け止めて余りある輝夜の態度がカリスマの極致を演出してるんだよな……。
- 185 :名前が無い程度の能力:2007/02/10(土) 23:20:55 ID:4SFm7ha.O
- こ、このカリスマは飛び抜けてる!
まじぐっじょーーぶ!!
本当、すげえ
- 186 :名前が無い程度の能力:2007/02/12(月) 02:15:51 ID:EPxwCAKo0
- 雪女と香霖堂
僕が暗い店内でその行為を楽しんでいる時、戸口から入ってきた人影があった。
「お邪魔するわ」
僕はあわててそれを隠したが、間に合わなかった。
彼女はそれを見て、くすりと笑う。
「あら、まずい時に来ちゃったかしら」
「ああ。とてもまずいから帰ってくれると大変助かる」
毒づくが、彼女は気にした様子も無い。
むしろ嬉々として、僕の背中にまとわりついた。
「うふふふ」
「何がおかしいんだよ」
「駄目よ、一人でそんなことしちゃ」
言いながら、彼女は細い指先でそれをなぞる。
僕は彼女の手を払いのけた。
「ほっといてくれよ」
「二人なら、もっと楽しくなると思わない?」
「思わないね。とにかく、君がいると寒くてそれどころじゃないんだ。出て行ってくれないか」
「そう…」
彼女は一瞬残念そうな表情をしたが、すぐにまた笑みを浮かべた。
「それなら…私が暖めてあげるわ」
- 187 :名前が無い程度の能力:2007/02/12(月) 02:16:45 ID:EPxwCAKo0
- 彼女の目から、いつもの穏やかさが消えた。
獲物を狙う鷹のように、鋭い眼光が僕を射抜く。
「いやだから帰ってくれと…」
「ねえ」
彼女が手を重ねてくる。
刺すような冷たい空気とは裏腹に、その手は暖かく、そして柔らかかった。
「私にも…」
しなやかな白い指がなめらかに動き、僕のそれをそっと撫でた。
僕はようやく気づいた。
自分が彼女にとって単なる獲物に過ぎないことを。
捕食者の圧倒的な欲望の前には、被食者のささやかな抵抗など、何の意味も成さないことを。
僕は観念して、次の言葉を待った。
「白いの、ちょうだい」
一つしかないハーゲンダッツのバニラ味を彼女に渡すと、
彼女はようやく冷え切った室内の温度を元に戻してくれた。
全く、女ってやつは食い意地が張ってるんだから。
- 188 :名前が無い程度の能力:2007/02/12(月) 04:25:14 ID:2SNAM7k.0
- こ、これはまさしくちょっと大人スレ行き…ッ!
- 189 :名前が無い程度の能力:2007/02/12(月) 04:48:52 ID:QwUTy.060
- ttp://coolier.sytes.net:8080/th_up2/src/th2_4750.txt
思ったよりも長くなってしまったので
主役:美鈴
- 190 :名前が無い程度の能力:2007/02/12(月) 10:11:54 ID:eG3WyFdo0
- お約束ネタだがこれはこれで。最後の限りなくどうでもいいオチに吹いた。
- 191 :名前が無い程度の能力:2007/02/12(月) 10:42:11 ID:PgCqlgR.0
- 名前は出てないけど、やっぱこれはゆかりんなんだろうなと。
こーりんとゆかりんはお似合いだ。
- 192 :名前が無い程度の能力:2007/02/12(月) 11:22:58 ID:rbd8gpqQ0
- このマジンが今まで叶えた願いというのが気になる が、GJ
- 193 :名前が無い程度の能力:2007/02/12(月) 12:23:27 ID:nMGnpkpE0
- >>170-185
コメント多謝。
カリスマなぐや様がみたかったので自己補給。
創想話に投稿すると点数とレートに右往左往する小市民な自分があっさり
想像できてしまうのでこちらでまったりこっそりと。
- 194 :名前が無い程度の能力:2007/02/12(月) 13:17:55 ID:vNE2fdt60
- >>191
>>186-187のことなら、くろまくじゃね?
>君がいると寒くてそれどころじゃないんだ。
>刺すような冷たい空気とは裏腹に、
>彼女はようやく冷え切った室内の温度を元に戻してくれた。
ってあるし。
- 195 :名前が無い程度の能力:2007/02/12(月) 13:43:57 ID:vNE2fdt60
- っと、それ以前にタイトル見れば一発でくろまくだとわかるか。連投スマン。
- 196 :名前が無い程度の能力:2007/02/12(月) 16:18:00 ID:vgZZ6kJE0
- そういえば昔冬眠中の紫=レティという説があったような。太ましさとk(スキマと寒波
マジレスすると口調と珍しい組み合わせだからってのもあるだろうなあ。自分もラスト3行でくろまくと気づいたクチだし。注意力不足。
それはともかく、>>186-187,189GJ。
3つ目の願いは読めたが、最後のオチで吹いた。
- 197 :名前が無い程度の能力:2007/02/12(月) 18:00:23 ID:EuWEkKuI0
- 求聞史紀で知り合いっぽいコメントあったしね
暖房があっても入ってこようとすれば入ってこれるのかも
- 198 :名前が無い程度の能力:2007/02/13(火) 21:48:21 ID:yL75grS20
- 『駄目だ駄目だと言われると』
「ワンコイン、っと」
幻想郷における『コンティニュー』と言う行為を、不思議に思った事はないだろうか
やり直し、再チャレンジ、続けてもう一度
そんな行為を誰も深くは考えず、出来るからやるとだけしか思わない
だが、この『コンティニュー』を危険視する者が幻想郷に居た
その者の名は、四季映姫・ヤマザナドゥ
通称、閻魔のヤマさん
彼女はこの『コンティニュー』と言う行為が、生前の罪を深くするのではないかと考えていた
やり直せると言うことは、失敗しても大丈夫だと考える者が増えるのではないか、と
幻想郷にそんな事を考える者は居なかったが、彼女は深く考えた末に説教をする
事前にこう言う行動はいけないのだと、こう言う行為は悪い事なのだと教えておけば大丈夫だと信じて
「あら、それじゃあコンティニューね」
「あっ、コンティニューしなきゃ」
「こんな時はコンティニュー」
「コンティニュー出来ない、そんな風に考えていた事が私にもありました」
「コンティクション! ・・・・風邪かしら? 」
「決め台詞が言えなくなっちゃった」
「コンティニュー出来ない物など、あまり無い! 」
「ワンコインってレベルじゃねーぞ! 」
「この一枚でっ! やり直せるっ! やり直せるんだっ! 」
「今年のコインは豊作だぎゃんね、うっはうはだびょんよ」
「私のコンティニューはまだ108回あるぞ」
「コンティニューは友達さ! 」
超広まった
この後コンティニュー監視センターと言う建物が作られて、幻想郷で
コンティニューする度に何処からとも無く閻魔様そっくりの妖怪『ヤマさん』が現れては
説教をしにくるが現在は胃炎でお休み中
代わりに死神そっくりの妖怪『コマっちゃん』がやって来るも、あまり効果は無いとか
・元ネタ『リセットさん劇場』(動画)
- 199 :名前が無い程度の能力:2007/02/14(水) 01:46:33 ID:XvQAaua60
- 通り抜け無用が何とやらってやつだなw
6人目はフランドールか?
- 200 :名前が無い程度の能力:2007/02/14(水) 21:19:33 ID:.4kJI3PU0
- >「決め台詞が言えなくなっちゃった」
うぎぎぎぎぎぎぎぎぎgggggg
- 201 :名前が無い程度の能力:2007/02/14(水) 22:46:19 ID:LIoBPd2A0
- とある屋敷の奥には立派な診療所がある。
とはいえ患者は兎ばかりなのだが・・・
その中に唯一のそれ以外に属する患者が戻ってきた診療所の主に声をかける。
「永琳殿、このたびは失敗されたようですな」
「相変わらず化け物じみていますねあなたは。そこから動いていないでしょうに
ほとんどのことを把握しているのですから、こうしてベッドに縛り付けておく意味がどこまであるのやら」
ため息をつく永琳は目の前の老人に背を向けながら答える。
老人はベッドの上で厳重に呪縛術、結界術、などの封印をかけられているのに
全くそれを意に介することがない、いや封印した永琳自体気づいているのだ。
彼に対してあらゆる呪縛は意味を持たないと
かつて彼がこの屋敷に来たとき
竹林にかけた迷いの呪法を無視しまっすぐ訪れた挙句
自分のあらゆる結界、攻撃術を気合一つで吹き飛ばし
姫の奥の手である須臾の能力を使った高速移動さえ柳のごとく交わし
一方的に蹂躙した挙句治療の申し込みをしてきた
断るという選択肢などなかった、永遠さえ彼の前にかかれば一瞬に化す
意味不明、理不尽の化身、絶対的な武、それが
「何、孫とわが主の気配を感じましてな」
魂魄妖忌だった。
「あたり、ひどい目にあったわ、まあおかげで外に出れるって事もわかったけど
あなた会わなくてもよかったの?」
「ははは、そうにもいきますまい、そのためには早く先生にわが病を治してもらわねばいけません」
いわく、ある日朝起きたら自らの体の衰えを自覚した。もはや私に剣はない、主の前でも立ち上がることはできないのだと気づいてしまったのだ。
ならば未熟とはいえ孫に後を託し自らは一刻も早くその病を治し復帰するのみだとか
正直治すことなら今すぐにでもできることだ、しかしそれをしてはいけないと永琳の心が常に言い聞かせるのだ。
この老人は危険であり脅威でしかないと
「ねえ、あなたは剣を取り戻したとしてどうするのかしら」
答えはわかっている、しかし永琳はもう何回目かもわからないその問いに
「なに、私は孫と主のために剣を振るいたいのです、だからあなたの力を借りにきたのです」
「そうね、そうだったわね」
永琳は取り出しかけた薬を机の引き出しにしまうと振り返る
その薬のビンには『倍亜愚羅』と書いてあった。
- 202 :名前が無い程度の能力:2007/02/14(水) 22:51:10 ID:X40LeKwk0
- バイアグラかよwwww 衰えと剣でなんとなく予想はついていたが・・・w
- 203 :名前が無い程度の能力:2007/02/14(水) 22:51:18 ID:Ld4NH3v60
- なにこの台無し感wwwwwww
というかグレイズしすぎだwwwwwwwww
- 204 :名前が無い程度の能力:2007/02/14(水) 22:53:31 ID:ywTIiVY60
- 剣ってそれの事か馬鹿野郎wwwwwww
- 205 :名前が無い程度の能力:2007/02/14(水) 23:13:43 ID:lv5Tgxyg0
- >姫の奥の手である須臾の能力を使った高速移動
これなんて疑似瞬間移動による防御無視攻撃?
竜の紋章のペンダントでも飛ばすんですか。
- 206 :名前が無い程度の能力:2007/02/14(水) 23:16:35 ID:hufUHTtM0
- >私は孫と主のために剣を振るいたいのです
まてまてwwwwwwwwwwwwww一体どう振るつもりなんだwwwwwwwwwwww
- 207 :201:2007/02/14(水) 23:19:04 ID:LIoBPd2A0
- つっこみどころ満載でお送りしました。
- 208 :1/2 やおい:2007/02/15(木) 02:01:57 ID:emUbbp2A0
- ザアアア・・・
「いやあ〜、雨〜〜!?」
森の上を、夜の散歩としゃれ込んでいた彼女だったが、突然の雨に中断された。
やむをえず森の中に降り、大樹の根本に腰をおろす。幸い茂った枝や葉が、雨を防いでいた。
「まいったわね。こうまで急に天気が変わるなんて・・・」
ぴっぴっと翼をふり、水滴をとばす。服もちょっと湿った程度ですんだようだ。この程度ですんだのは不幸中の幸いというやつだろう。
本格的に濡れてしまったら文字通り命に関わる。濡れた服というのはそれだけ危険なのだ。
「ふう、これじゃ止むまで動けないわね。ここじゃ誰か迎えにきてくれても気がつかないだろうし・・・」
同居人を思い浮かべる。
「ひゃああ〜・・・」
そこに、もう一人が空から落ちてくるように飛び込んできた。先客には気がつかなかったのか、そのまま幹の反対側に飛びこむ。
「ひぃ〜、まいったなあ。これじゃ動けないよ・・・」
「こんばんは」
誰だかわからないが、袖すり合うも多生の縁、声をかけた。
「うひゃっ ビックリした。あなたも雨宿り?」
「ええ、ほんと、参ったもんだわ」
「だね〜・・・」
さあああ・・・・・・
雨音が柔らかく響く。
「ゆ〜めは、か〜ぜ〜・・・」
と、幹の背後の彼女から歌声が聞こえてきた。
「あなた〜のこえ〜 ひびけ〜・・・」
「素敵な歌声ね」
「あっ、ごめんね。私歌うの大好きで、つい・・・」
「いえ、素敵な声だわ。続き、歌ってくれない?」
「そう?じゃ・・・しあわ〜せ〜と〜・・・」
彼女はそのまま聞き入る。歌にはさして造詣のない彼女だったが、その歌声には素直に聞き惚れた。
ゆっくりとした静かなテンポも、いまの雰囲気に良く合っている。
「・・・すべて〜おもい〜つなげ〜・・・」
「・・・すばらしいわ」
「そう?ありがとう。うれしいな。普段私が歌ってると、うるさいとかやめろとか良く言われちゃうんだよねぇ」
「あら、酷い話ね。こんな素晴らしい歌なのに・・・芸術を解さないなんて可哀相だわ」
「そーそー。いい遊び場の近くに、神経質っぽいのが住んでてね〜、まったくぅ」
「そう、抗議が必要かもね・・・あら、雨、あがったみたい」
「あ、ほんとだあ。また降らないうちに、今晩はもう帰えろっと。それじゃあ〜」
「ええ、それじゃ」
- 209 :2/2 だからなんだと言われてもコマル:2007/02/15(木) 02:02:59 ID:emUbbp2A0
- 「・・・ということがあったのよ」
「まあ、そうだったのですか」
レミリアは、咲夜に、森であったことを話していた。
「素敵な歌声だったわ・・・。尊敬に値するわね。まったく、なんで名前聞かなかったのか。自分が信じられないわ」
落ち込むレミリア。
「それだけ素敵な歌声なら、きっと聞けば判りますよ。私のほうでも歌の上手い方を探してみますわ」
「ええ。是非もう一度聞きたいわ・・・って、外がうるさいわね・・・」
紅魔館の近くが小物妖怪達のたまり場になっているらしく、甲高い声がよく聞こえてくるのだ。
だからといって別にどうということはないのだが、ときどきやたら耳についてイライラすることがある。
「咲夜、追っ払ってきてちょうだい」
「判りましたわ」
足早に咲夜が出て行く。
「はあ、あの声の主は何処の誰なのかしら・・・」
「でね、でね、私の歌をすばらしいって言ってたんだよ!」
ミスティアが、遊び仲間であるチルノたちに、夜にあったことを力説していた。
「え〜、でもミスティアの声ってなんかキンキンするんだけど」
「良く通る声って言ってよ! まったく、げいじゅつをかいさないひとは・・・」
「なにそれ?」
リグルが難しい言い回しに首をかしげる。
「さあ?あの人がそういってた」
「あなたたち!」
「うわあ!メイド人間!」「でた〜」
「遊ぶのはいいから、もっと紅魔館から離れなさい!うるさいんだから、もう」
「そっちが細かいんだよ〜、もう・・・」
「いこ、ミスティア」
「うん、べ〜だ」
- 210 :名前が無い程度の能力:2007/02/15(木) 02:04:24 ID:GAqq0vtA0
- 理屈が気になる俺はきっと無粋
- 211 :名前が無い程度の能力:2007/02/15(木) 04:14:04 ID:7Y0K2AyQ0
- 今日、僕は素晴らしいアイテムを手に入れた。
「衣服が透けて見える」眼鏡、最高だ!素晴らしい!
僕はこの眼鏡を手に取った瞬間から心が沸き躍る感覚に襲われた。
早速試着する。ふむ、度数が違って見えなくなるという心配はなさそうだ。
僕は早速本日休業の看板をかけ、意気揚々と外へと出かけた。
おお、渡りに船か、いや、棚からぼた餅・・・
何を言ってるんだ僕は、冷静じゃないな、いや、冷静になれるはずが無い!
どうしたんだ!亡霊嬢に吸血鬼にに蓬莱人に魔理沙に・・・その他多数!
沢山の少女達が仲良く向こうからやってくるではないか!
ああ、こんな幸運はもう滅多に無いことなんじゃないのだろうか、
しかし僕は紳士、いきなり飛びかかろうなんて真似はしない、
冷静に、そう貴人「ジェントルマンの忠告」?何か違うか、
とにかくここは、丁寧に挨拶から入ろうではないか!
「やあ魔理沙、皆と一緒に今日は宴会かい?」
そして眼鏡のレンズを通して彼女達に微笑みかける、さぁ!薔薇色の世界が・・・
「変態が!お嬢様になんてものを、地獄に堕ちろ!」
「汚らしいものを見せ付けるな、変態!」
「貴方のような変態は神も見捨てたって事よ!」
「とうとうそこまで堕ちたのかよ香霖!」
怒号と、慟哭の入り混じった破裂音、
閑静な郷でこういった喧騒が絶えることは決してない
- 212 :名前が無い程度の能力:2007/02/15(木) 09:45:06 ID:Oj0WFHio0
- >>211
ワラタw
そっちが透けて見えるのかよ!
- 213 :名前が無い程度の能力:2007/02/15(木) 14:31:09 ID:/4BBjLeI0
-
「…と、いうわけで氷精連合と暇人同盟で雪合戦することになったぜ」
「どういうわけか知らないし暇人でもない」
「人が店番している所を引っ張り出してこれかい?」
「まぁ、そんな瑣末なことはいいじゃないか。やるからには勝ちに行くぜ」
「聞いてないし」
「やれやれ、一戦終わったら帰らせてもらうよ」
「簡単な作戦を立てたぜ。私達の陣地を地区A、中央を地区B、敵の陣地を地区Cとする。
開戦と同時に私と霊夢が弾幕を張りつつ地区Bに突進。その間に香霖は地区Bの脇に抜けて隠れて待機。
弾数が心許無くなってきたら地区Aに向かって戦線を下げていく。
敵は⑨だからノコノコついてくる所を香霖が後ろから狙撃して挟み撃ち。
いい具合にいっぱいいっぱいになった時に私か霊夢が旗をとってきて勝ちだ。どうだ完璧だろう」
「なんというかあんまり魔理沙らしくないわねぇ」
「勢いに任せて正面突破するかと思ったけど違うようだね」
「冬が本業の相手だし、さすがの私も雪玉で魔砲は撃てないからな。この作戦は香霖が肝だから頼んだぜ」
「後ろから地区Bを攻めればいいんだね」
「そうだな、あまり戦線を下げると万が一ってこともあるから地区Bの境辺りには止めたいぜ」
「場所を特定されるといけないからいろいろと動き回って地区Bを攻めるよ」
「ああ、香霖は弾幕ごっこ苦手だから見つかったら逃げられないだろうしな」
「魔理沙、僕のとるべき行動をもう一度まとめて教えてくれないか」
「なんだ?香霖は物覚えが悪いんだな。開戦から香霖は地区Bの脇に隠れて待機。
敵をやり過ごして後ろから地区Bを狙うんだ。特定されないように隠れながら移動するんだぜ」
「ああ、すまない。少し考え事をしていた。待機してからのことをもう一度頼むよ」
「もう、ちゃんと聞いてくれよ。香霖は後ろからいろいろ地区Bを攻めてくれって言ってるだろ。頼むぜ」
「ああもちろんだよ魔理沙っっ!!!なんなら今すぐに……」
__
r"ゝt/b .\ 「...\ = 、 ,,。.、 ,-^-、
゙、,,gf.-'^ .._-^ .l! l. .。 .。--。 1 ] .ヽ:l ^、 ./ .;./
_ l.____,,,,,,,,,,;;:l__ ____,,。 ||ヒ゛l. [ 。=.-t ゝ 」 | r,,.。r:"__ __...。.-─-、_
|ゝ.;…、.。┌─ ゝ -、、 |"[.|x;;゜[ [ .ヽ-、 (゛ _,,.。J ーー、 |ヽ.l(、 X゜ :l.."^.\ \
___`、 り""_└____./ ./ ./] .|./f ] .。.-─" __ノY"`、=.- .l─= `、 「 .l .l゜メ..ヨ | r゛ .;/
] )=--゛"^^^^^^^゜_^ヽ。 Y^ x 」 ]。ヾ^^^ .l ゜ './。 \_:l;; .ヽ、1 ] .l! ,il〈 _゜ヽ ゜ ^ /゜
! ./^/ ^^^゙、..__,,....ノ ゜'゚。.ヽr゜r─------゜=。 ..l、__,, __,,゙、|.-- ] | l. ](、イ f .l。.、/
ヽヾ ヽ-:`、 / ..l 1ヽ`、 \-、.\゜ー。../ ,,./ `、 t-._ 」 | \ [ 」
ヽ .ヽ ||ヽ -、,,__,,..t ヽ ..l'" ,,。rヾ \`、^゜ ] f .l!
.。r'^__/"""" ^'" .\。_____,,.....。-ヾ ^^^ .\、 / [ .l!
ヾ---tヾ ゜ ゝ./
「いきなり何するんだよ霊夢。香霖が原形とどめてないぜ」
「まったくもう、危なっかしいんだから」
「??なんのことだ?」
- 214 :名前が無い程度の能力:2007/02/15(木) 15:17:52 ID:/otnJlR.0
- こーりんさんよぉ…
- 215 :名前が無い程度の能力:2007/02/15(木) 15:29:03 ID:Wv16NY120
- 香霖……貴様と言う奴は……
- 216 :名前が無い程度の能力:2007/02/15(木) 15:33:06 ID:6KVV4cK20
- 見える・・・見えるぞこーりんの顔が・・・・・
男の欲望に満ちた目をしておる・・・・・・
- 217 :名前が無い程度の能力:2007/02/15(木) 21:29:27 ID:PP98Nnr60
- >213
しかしそれでも彼は正しいと思う。
- 218 :名前が無い程度の能力:2007/02/15(木) 21:54:29 ID:PP98Nnr60
- 「失礼するわ」
「いらっしゃい、おや今日はお付のメイドは連れていないのかい?」
「ええ一人でお出かけなの、
というか咲夜にプレゼントをしようと思うのだけれど何かいいものないかしら」
「なるほどきっと喜ぶと思うよ、というかその言葉だけで十分かもね」
「駄目よ、それじゃ私の気がすまないし・・・何より面と向かってこんなこといえないわ」
「ん、どうしてだい」
「だって恥ずかしいもの」
真っ赤になってそうつぶやく吸血鬼の主人に僕は背を向けごそごそとアイテムをあさる。
確かこの辺に・・・と、あったあった。
「じゃあ恥ずかしがり屋のお嬢さんにいい物を上げよう」
「いや私じゃなくて咲夜にあげたいのだけれど」
「いいや君でいいのさ、咲夜は君の従者であることに誇りを持っている
だけど君も咲夜に対して面とは迎えなくとも感謝の気持ちを伝えたいのだろう
ならこれを使うといい」
・・・
・・
・
「?お嬢様?これはなんですか?」
「カセットレコーダーよ、中にあるカセットというものに音を吹き込むのよ
そしてそれはいつでも聞けるの、後で部屋帰ってからでも聞きなさい」
「?そうですか、でもありがとうございます。うれしいですわ」
「いいのよ、お礼なんだから、咲夜いつも感謝してるから」
カチッ
『いいのよお礼なんだから、咲夜いつも感謝してるから』
「ば、馬鹿、部屋に帰ってから使いなさいっていったでしょう!
今日はもう休んでいいわ」
「お嬢様、ありがとうございます」
・・・
・・
・
『「ほらここを押してだね、もういいよ何か言ってごらん」
「え?えっと、えっと・・・咲夜、大好き、えっとずっとそばにいてね
私わがままだけど・・・えっととにかくこれからも、ああ、もう全然いいたいことがまとまらないじゃないの」
「うんもう十分だろ」』
キュルキュルキュル
『「え?えっと、えっと・・・咲夜、大好き、えっとずっとそばにいてね
私わがままだけど・・・えっととにかくこれからも、ああ、もう全然いいたいことがまとまらないじゃないの」』
キュルキュル
『「咲夜、大好き、えっとずっとそばにいてね」』
「・・・・お嬢様、私もです」
- 219 :名前が無い程度の能力:2007/02/15(木) 22:00:12 ID:Wv16NY120
- ええ話や(;∀; )
- 220 :名前が無い程度の能力:2007/02/15(木) 22:08:05 ID:oTnY/Sl.0
- 「美鈴大好き、ずっとそばにいてね」
キュルキュルキュル・・・
「美鈴大好き、ずっとそばにいてね」
キュルキュルキュル・・・
「美鈴大好き、ずっとそばにいてね」
キュルキュルキュル・・・
「美鈴大好き、ずっとそばにいてね」
キュルキュルキュル・・・
「美鈴大好き、ずっとそばにいてね」
キュルキュルキュル・・・
「美鈴大好き、ずっとそばにいてね」
キュルキュルキュル・・・
「美鈴大好き、ずっとそばにいてね」
キュルキュルキュル・・・
「美鈴大好き、ずっとそばにいてね」
キュルキュルキュル・・・
「美鈴大好き、ずっとそばにいてね」
キュルキュルキュル・・・
「美鈴大好き、ずっとそばにいてね」
キュルキュルキュル・・・
「っ・・・うっ・・・くぅっ・・・ひっくぅ・・・」
「お客さーん、看板だよー」
- 221 :名前が無い程度の能力:2007/02/16(金) 15:21:17 ID:n54PU3.Y0
- パチュリー・ノーレッジは悩んでいた。
また、魔理沙に本を持っていかれた。
最近では自分が席を外している時を見計らって本を持っていくため、来たことにすら気づかない。
留守を任せている者も、いることはいるのだが…。
「肝心の猫イラズはあれだしね」
「お呼びですか〜」
どこからともなく現れた赤髪の少女がパチュリーに言葉を返す。
パチュリーの忠実なる下僕・小悪魔である。
小悪魔が両手で持ったトレイの上には、湯気を立てる紅茶のカップが二つ。
「呼んでないわ」
「ではこのお茶はお下げします」
「呼んだわ」
「……」
小悪魔は笑顔を崩すことなく、カップを置いた。
一つはテーブルの上に。
一つはパチュリーの頭の上に。
「この紅茶、熱いから気をつけてくださいね」
「そんなに熱いの?」
「一兆度くらいあります」
「あらやだ、小悪魔なんて名乗ってるけど、あなたほんとは宇宙恐竜だったのね」
見かけは楽しげに談笑しつつ、微動だにせず小悪魔を見つめるパチュリー。
僅かにでも動けば、頭の上の一兆度の紅茶がこぼれて大惨事である。
冷めるまで待つと言う手もあるが、冷たい紅茶を頭からかぶるのはそれはそれで嫌である。
というかこの場合、一滴でも紅茶をこぼせば自分の負けである。
パチュリーは身体が少しでも動かないよう、静かに唇を噛んだ。
- 222 :名前が無い程度の能力:2007/02/16(金) 15:22:31 ID:n54PU3.Y0
- 「小悪魔」
「はい、なんですかパチュリー様?」
小悪魔は満面の笑顔でパチュリーに向き直る。
こんな純粋無垢で悪意の欠片もない笑顔を見て、誰が彼女を悪魔なんて思うだろう。
「…わたしが悪かったわ。この紅茶をどけて頂戴」
「えっ?あらやだわたしったら!いつの間にパチュリー様のZUN帽の上にカップを!」
白々しい。
しかしその言葉を口にすれば、もう一つカップを乗せられかねない。
パチュリーは黙ってカップをどけてもらうことにした。
「おいしいわね、一兆度の紅茶」
「でしょう?何といっても一兆度ですから」
「……」
後日、パチュリーは全く同じ手口で小悪魔に復讐した。
『一兆度の紅茶なんて、蒸発するに決まってるじゃないですか』
小悪魔はそう言って、頭の上のカップをひょいと掴んでどけた。
その際に数滴の紅茶がこぼれ、着ていた服に落ちてシミをつくった。
お気に入りのネグリジェを汚され、パチュリーは泣いた。
- 223 :名前が無い程度の能力:2007/02/16(金) 15:24:20 ID:n54PU3.Y0
-
Ex またある日のお茶会
「小悪魔、砂糖をとって頂戴」
「かしこまりました。いくつお入れします?」
「三個」
「三個か!?甘いの三個ほしいのか?三個…イヤしんぼめ!」
「燃えるゴミに出すわよ」
「すいません調子こきました」
小悪魔をゴミに出すならば、燃えるゴミというより萌えるゴミだと思うのだが、どうか。
- 224 :名前が無い程度の能力:2007/02/16(金) 16:56:07 ID:8Jg5tdvY0
- サクッとジョジョネタが出るこあに吹いたw
- 225 :名前が無い程度の能力:2007/02/17(土) 00:29:42 ID:vgPpODjM0
- 部屋の扉の前には
「幻想郷少女保護連盟第二回総会」
と書かれている。
ちなみにこの部屋、時間、空間的にも断絶されている上、天文密葬法&簡易型結界符(ただしスキマ妖怪製)により
完全に外界から遮断されている。あくまでもさりげなく少女を守ろうという意味で少女たちにこの会議の存在を知られてはならない
それゆえの措置である。けしてやましいことが行われているわけではない。
「さて今回は私からかしら」
前に出て語りだすは冥界の主、マダム・ザ・バタフライ(独身)
「この前私のところで修行している庭師がどうしたら立派な大人になれるんですか?
と私に質問したの・・・だから私思ったとおり行動したんだけどそれ以来私と口を聞いてくれないの
どうしたらよかったかしら」
そう言ったのを聞き参加者は一様に手元のフリップにマジックでなにやら書き込む。
何を隠そうこうすることこそこの会議の意義である。
自分が正しいと思う行動をそれぞれが素直に書き、それを批評しあう、そうすることで自分たちの姿を見直そう
という意味である。
「皆さん終わったかしら、では・・・オープン」
「「「「「たっぷり教え込む」」」」」
何をとは誰も書かない、お約束だからである。
それぞれが見せ合うフリップは「今回も」全会一致である
「やっぱり全会一致ね、となると私は正しかったようね。じゃああの子が怒ったのはなぜかしら」
「それは私がお答えしましょう、キーワードはずばり『ツンデレ』です。」
先ほどからそのふかふか尻尾に数人に手を伸ばされては「それは私のお稲荷さまだ」と答える
マジシャン・オブ・テンコーはその明晰な頭脳を活かし解説を始める
あまりにも長いので割愛するが結論から言えば
「つまりスキンシップ(=肌のふれあいの意)がまだ足りないのです。さすればデレ期にはいるかと
この方程式がそう答えを出していますから」
なるほどじゃあうちのお嬢様も『ツン期』だったのね、などと感心した声が聞こえる
「では私か・・・実は私には式がいるのだがその式が居間でテレビというものを見ながらその真似をしてだな
魔法少女でリリカルなわけだ、もう私はたまらなくなって・・・・うぁぁぁぁぁぁぁぁ今からお前たちにも
その映像を変換して送り込む・・・だ、だめだもう、我慢できない」
異変は次の瞬間起こった。
パーフェクトメイドの脳内で
ブレインオブエターニアの脳内で
食いしん坊万歳の脳内で
Callin'の脳内でその光景がそれぞれ向けに変換され流れた。
もうギャラクティカファントムでウィニングザレインボーで銀河が泣いて虹が砕けた
そしてよれよれになりながら全員パネルを持つと合図無しにそれを開く
「「「「「 」」」」」
またしても全員一致、但し何も書いていない
「僕としたことが言い表す言葉がわからない」
「皆もそう思ったのね、もはや言葉じゃない、」
「これにきずかず月の頭脳と呼ばれていたとはね」
「歌聖とまで呼ばれた私が全くうかつだったわ」
「もはや私の方程式でもあらわせないのだがただひとつわかったことがある」
「「「「「我々は真理に到達した」」」」」
ブラボー、万歳、快哉、ハラショー、飛び交う歓声の中
その光景をスキマと6対の瞳は見ていた。
- 226 :名前が無い程度の能力:2007/02/17(土) 00:31:50 ID:epyRSMX.0
- 何か久しぶりに来たwwww
しかも見られてるwwww
- 227 :名前が無い程度の能力:2007/02/18(日) 02:09:39 ID:sq/OcxIA0
- 湖の中心には島があり、そこにはとても古い時代に建てられた広大な洋
館が建っている。既に史跡とされているこの建物は、歴史的な価値も薄い
ために、周囲の住民に忘れられて久しい。
かつては壮麗な姿を誇っていたと思われるその館は、壁面も尖塔も全てが
赤く塗られていたと伝承には語られていたが、現在は色がほとんど剥げ落
ちて、材質の地味がむき出しになっている。
内部は想像よりも荒れ果てており、ねずみと蝙蝠の巣窟になっていた。
あちこちにくもの巣がはられ、歩くと埃が舞い上がる。
住人がいなくなってから経過した年月の長さが思われた。
広い構内には驚くほど物が少なく、おそらく年代物の家具などは全て以前
の住人が持ち去ったか、盗賊たちが取っていったと思われる。
私はここに失われた上代の魔術知識を求めてやってきたのだ。
この館はかつて幻想郷と呼ばれていたこの地域一体を支配していた強大な
力を持った吸血鬼が住居としていたという。
日の光の差込まない暗黒を燭台の光をたよりに降りていくと、封印された
地下室を発見した。いかにも吸血鬼が好みそうな雰囲気が漂っている。
盗賊たちも、この部屋の封印だけはとけなかったようだ。
私は伝え聞いたとおりに、我が一族に残された開錠の呪法を試した。
扉が音を立てて開いた。
カタコンベのような部屋の中心には、凝った意匠の施された大きな棺が安
置されていた。表面を観察する。棺おけには錠前がかかっていない。
私は好奇心に勝つ事ができず、その棺の蓋に手をかけたのだ。
「れみりゃ」
棺の中から現れた少女は、自分のことをそう呼んだ。
- 228 :名前が無い程度の能力:2007/02/18(日) 02:10:14 ID:sq/OcxIA0
- 屋敷内の図書館で我が家に伝わる家紋と同じ図柄を見つけ、それが始祖の手
による手記であることを知って、私は狂喜した。
偉大なる始祖の残した記録によれば、私が棺の中から出した少女は、幻想郷
の伝説に謳われる大吸血鬼その人であるらしい。
吸血鬼として生きる永遠の年月の間、親しくなった人間との別離に耐えら
れず、彼女は一定の周期で記憶をリセットし、幼児化する手段を取ることに
した。手記にはそう綴られていた。
これを書いた始祖はれみりゃの友人であったらしい。
彼女のことを気にかける文面を手記のそこかしこに見つけた。
変化は残酷だが、不変である事もまた残酷だ。
どれほどの時間、気の遠くなるような歳月を、彼女はこの屋敷で孤独に過ご
してきたのだろうか。手入れのされていない荒れ放題の館全体に降り積もっ
た年輪を見てきた私は背筋の寒くなる思いを覚えた。
れみりゃの思考や行動は完全に幼女のそれになっていた。私の血の中から
始祖の匂いを感じとったのだろうか、よくなついてくれている。
一定の期間で記憶が消去されるという術の解法を私は探ったが、館の図書室
の本を手当たりしだいにあさっても手がかりは見つからなかった。
しばらく試行錯誤した結果、私はれみりゃ本人に聞いてみるのが早そうだと
いう結論に達した。
私は半ば好奇心から、半ば同情から彼女の記憶を取り戻す試みを始めること
にした。
記憶を取り戻せたら、彼女は不老不死として生きた最初の世代の歴史を語っ
てくれるだろうか。そして歩んできた歳月にふさわしい精神を取り戻した時、
彼女に伝えてあげたいと思う。
もう人間は皆不老不死を実現し、あなたがともだちを失うような事態は永遠
に訪れないのだと。
記:ベチパ・ノーレッジ二世 A.D. 2725 Jun 7
- 229 :名前が無い程度の能力:2007/02/18(日) 19:52:44 ID:nwSRZbDc0
- 東方っぽいSFしてるなー
パチェ子孫泣いた
- 230 :名前が無い程度の能力:2007/02/18(日) 23:45:18 ID:ZilVnChI0
- 〜 ホットケーキにしましょう 〜
魔:「腹減った…れいむー。お米が食べたいよう。」
霊:「ないわよ。」
魔:「なんだよー。この神社は本当に何もないなあ。」
霊:「無礼者。っていうか台所事情はアンタんちの方がましでしょ?アンタがおごりなさいよ。」
魔:「それが…新しい魔法のキノコの実験に失敗して、畑をつぶしちゃったんだ。」
霊:「ああ?どうやったらキノコで畑がつぶれるのよ。」
魔:「野菜に取り付くキノコだったんだ。」
霊:「あいかわらずきもいわね。」
魔:「……。」
魔:「それはキノコのことだよね?」
魔:「本当になにもないのか?米がなけりゃお菓子でもいいぜ。」
霊:「ずうずうしいわね、どこの王妃よ…あ!」
何か気づいたように、納戸を探り始める霊夢。
霊:「でかした、魔理沙!たまにはいいこと言うのね。」
魔:「え?何?私は割りといつもいいこと言ってるぜ?」
霊:「米は無いけど、ホットケーキの粉があった!」
魔:「おお!こんな難民キャンプみたいな場所にもそんな高尚な食料があるんだな。」
霊:「難民を生んだ歴史にあやまれ。あんたからこんがり焼いてあげようか?」
魔:「滅相もないぜ。」
霊:「つくるぞー!」
魔:「おー!」
上機嫌でホットケーキの粉をかきまぜる霊夢。
魔:「れいむー」
霊:「ん?」
魔:「キノコ入れようぜ。」
霊:「は?ホットケーキにキノコ入れるなんて、聞いた事ないわよ。」
魔:「なんだとー?お前知らないんだろ。このキノコは・・・」
霊:「食べると等身が伸びるとか?」
魔:「よく知ってるな。」
霊:「おんみょうだまをくらえ!」
霊夢は陰陽玉を投げつけた。マリサに4回ヒットしてみょんのダメージ。
魔:「あう」
霊:「そんなスーパーなキノコ食ってヒゲ生えたらどうしてくれんのよ。」
魔:「その陰陽玉は神社の宝物だろ?大事にしなきゃ駄目じゃないか。」
霊:「大事にしてるよ…ってもともと投げつけるための武器だから。それに今のは陰陽玉の意思。」
魔:「意思?」
霊:「キノコばかり食ってるから、頭の中まで菌糸がはっているんじゃないのか?と、言っている。」
魔:「な、なんて口の悪い意思だ!」
霊:「人間だったころの俺だったら、おまえなんか筍と一緒に狩ってるところだ、とも言っている。」
魔:「なまいきなおんみょうだまめ!…人間だったの?」
霊:「そう。超イケメン。」
魔:「い、いけめん!?幻想郷ではついぞ見ることのない…」
魔:「彼氏になってください!」
おんみょうだまに抱きつく魔理沙。
魔:「そして部屋を片付けてください!」
霊:「彼氏に何を期待している?」
魔:「部屋を片付けてくれたり、フランス料理を作ってくれたりするんだろ?月九で見たぜ。」
霊:「どこぞの指揮者様?」
魔:「13枚。私は和食です。」
霊:「聞いてないし。」
- 231 :ちょっとブラック(1/2):2007/02/19(月) 00:32:53 ID:pVh/V9Hc0
- 私は今、逃げに逃げてこの部屋にたどりついた。
私が住む広大な屋敷の一角。かつては倉であったとおぼしき古い地下室。
戸を閉める。閂をかける。一息つくと様々な思いが浮かんでくる。
どうしてこんなことになってしまったんだろう……。
私はその日珍しく新しいアイデアが浮かび、
早速それを実行に移したところであった。
私は商売に関しては決して人後にひけを取るものではない。
今まで通り、その商売は私達に収入とちょっとした名声と、
その他諸々をもたらしてくれると思っていた。
誰もやらず、彼女達に特に問題が無いのであれば少なくともこの幻想郷で
やっていけないということは無い。
私達はそれを作り、そして香霖堂に持ち込み、それは瞬く間にちょっとした評判となった。
そんなある日、彼らはやってきたのだった。
理由ははっきりしていた。鴉天狗が新聞で不要に宣伝したためだ。
とはいえ彼女達は笑って聞き流してくれていたし
大したトラブルになるとも思っていなかった。
だが彼らは私達も彼女達も標的にしていたようだ。
突然襲われた私達は対抗しようとしたが彼らには何故か太刀打ちできず、
私達は散り散りになってしまった。
- 232 :ちょっとブラック(2/2):2007/02/19(月) 00:36:13 ID:pVh/V9Hc0
- そして事の張本人たる私、因幡てゐはこの永遠亭の片隅に閉じこもっている。
閉じこもってかれこれ一週間。空腹も限界だ。
頭がぼんやりしている。姫さまたちは大丈夫だろうか……。
……少し気を失っていたようだ。
さっきから扉が叩かれている。声が聞こエル
開けろ開けて開けて開けろアケロ開けろ開ケロアケロアケロアケテ……
その声は呪詛のごとく響きひびきヒビキワタしのこころニココにココロに
アケロアケロあけてアケテ開けて……
ワタシは何をしてシテモウラクに楽にらくニ
……ゐ…………開け……
我に返った。今のは永琳様の声だ。彼らを追い返してくれたのだろうか。
……てゐ……開けて……もう皆帰ったの……もう大丈夫だから……
ああ、そうだ、皆が私を助けてくれたのだ。
てゐ……開けてちょうだい……そのままじゃ死んじゃうわよ……
そうに違いない。
だっておかしいじゃない?私はちょっと彼女達の演奏を録音しただけなのに。
皆それで喜んでくれたのに。どうしてこんなことになるの?
てゐ……開けて……てゐ……
そして私は扉を開けた。
扉の前に立っていたのは永琳様ではなく名状しがたい恐怖とおぞましさを持つソレだった。
ソレは穏やかに、そして厳かにその言葉を発したのだった。
こ ん ば ん は 、 J A S R A C の も の で す が
その言葉を聞いた瞬間私は気を失い、次に気がついたときは
永琳様や鈴仙の見守るベッドの中だった。
あの日のことは思い出したくも無い。
だが誰も信じてくれなかろうとこの幻想郷にもしてはいけないことは確かに存在するのだ。
- 233 :名前が無い程度の能力:2007/02/19(月) 09:36:47 ID:aB3l74a20
- >>227-228
良いなこれ
- 234 :名前が無い程度の能力:2007/02/19(月) 10:56:21 ID:8h9lIyTA0
- JASRACかよw
- 235 :名前が無い程度の能力:2007/02/19(月) 17:27:52 ID:CT36ne360
- カスラックはそのまま幻想郷行きで消えてなくなればいいのに
とりあえず、>>232 乙です
・・・みつみ?
- 236 :名前が無い程度の能力:2007/02/19(月) 18:31:15 ID:7QGa3hI60
- 弾幕よりもおそろしい団体。
てういが一体何をしたのかよくわからんのだが…
- 237 :名前が無い程度の能力:2007/02/19(月) 18:42:09 ID:cvZVttc60
- ブラックというか
日影(ry
- 238 :名前が無い程度の能力:2007/02/19(月) 18:47:24 ID:3KWmpG2U0
- >>236
多分海賊盤販売
- 239 :名前が無い程度の能力:2007/02/19(月) 19:04:03 ID:vGhPsFrY0
- >>230の微妙なグダグダ具合がある意味東方らしく感じたのは俺だけか
俺だけだ!
- 240 :名前が無い程度の能力:2007/02/19(月) 19:41:24 ID:7QGa3hI60
- SSじゃないんだが、ここに貼らせてくれ。
妖々夢DE能
白玉楼が鐘の音 無余涅槃の響きあり
西行妖が花の色 生者必滅の理を表す
うたかた舞し国風の 娘とらうは胡蝶の灯
憂世の渡瀬寄る辺無く 我が身憂いて華胥恋し
呑みし幽雅しばしの宴 妖魅の誘い惑い来て
生死の境をもて遊び 玉の華にぞ酔いしれる
墨に染まるは死出の花 淡く冥く散りぬるを
罪に染まりし己が身と 輪廻の外れ迷い出づ
命枯らせしうつせみの はかなし夢の尽きにしを
報せ知らぬは裁きのち 輪廻の外れに華は無く
夢幻の如しと知りつも 現の栄華さもおぼゆ
さても常世に花恋し 己が近習引き立てて
扇返して命じるは 郷春集めて花咲かせ
如月なるも雪解かず 社いづるは乙女巫女
郷の変事を聞きつるや 明かせてみせよう明けぬ冬
さても便りを捜せしと 事が起こりをものすれば
幽世の門へと行き当たる 幽冥境をけふ越えて
不浄の霊とあいまみゆ 嬢が前へと行き至り
ことが次第を聞きつれば 当意を得たると読みけるは
咎人の 知らぬ罪こそ 裁き果て
輪廻の果てに 咲く花ぞなし
黙し聞きつる黄泉の嬢 返し歌とて読みけるは
咲かぬなら 咲かせてみせよう 咎ざくら
神代にそむき 我果つるとも
墨に染めにし黄泉の花 春の惑いに降り咲ける
ありし日の宴想いいづ 今は昔と咲き誇れ
朱に染まりし乙女花 深く雅に咲き乱れ
盛ある者は久しからず 黄泉の花にも下弦の月
条理を外れて節は来ず やがて冬は空けぬると
打ち勝ちたるは乙女花 みごと郷の春を取りたるや
みょんみょんみょんみょんみょん・・・・・・(←鼓の音)
- 241 :名前が無い程度の能力:2007/02/19(月) 21:04:54 ID:tBTEFQsI0
- 最後の一行が書きたいだけとちゃうんかと
しかしそれでこれだけのモンを作れるならそれはそれで尊敬できる
- 242 :名前が無い程度の能力:2007/02/19(月) 22:34:57 ID:mBjHgW6M0
-
稗田阿求は転生するという身分からか、同年代の友達が数少ない。というかほぼいない。流石に千三百年生き続けられる人間はそうそういないし、いてもちょっと嫌だ。
転生して、生きているうちは友達が出来る。花屋の娘さんなどは良い友達で、時折上白沢慧音先生の授業に顔を出して冷やかしたり転寝したりして遊んでいる。慧音は怒っている。思えば、慧音もまた友達だ。転生以前からの、数少ない。
「慧音さんは、人間が大好きなんですねえ」
「と言っても、食べるわけではないからな」
「食べられたい! と思う方は少なくないと思いますけど」
「それは、あまり嬉しくないことだなあ……」
嘆息する友人を見ると、自然に頬が緩む。
寺子屋の帰り、稗田家の用事があるというので帰り道を共にしている。慧音は、阿求に様々なことを話す。里のこと、物臭な巫女のこと、人間と妖怪の関係のこと、昔のこと――とりわけ、阿求以前の稗田に関することを。
阿求は、転生以前の稗田のことをあまりはっきりと覚えていない。足りない部分は日記などの文書で補い、頭の端にこびりついている記憶と照合する。それも、絶対に正しいと言い切れるほど確たる情報ではないから、阿求は阿求のことしか覚えていない。
だから、昔の稗田を聞くことは楽しかった。
「あの、慧音さん」
「なんだい、阿求」
名前を言ってくれることが、無性に嬉しかった。
今まで、何人のも稗田が慧音の隣に寄り添い、追い越し、通り過ぎた。それでも、慧音は阿一から始まる稗田の歴史を単一の現象として捉えるのではなく、ただ、阿一を阿一と、阿求を阿求として接してくれる。
それが、とても得がたいことのように思えた。
自然と、頬が緩む。
「私は、慧音さんと友達でよかったですよ」
「なんだ、突然……」
照れたように、彼女は頬を掻いた。
その後で、小さく付け加える。
「ん……そうだな。私も、阿求と友達になれてよかったと思っているよ」
そして。
前置きするように、慧音は言葉を区切った。
景色は、雑然とした里の忙しない色に切り替わる。寺子屋の騒がしさと異なる、ある程度調整された忙しさ。だが、どちらも潤んでいた。生きていた。輝いていた。
慧音は不意に足を止め、晴れ渡る空を今更のように眺めていた。
阿求も、それに倣い、空に向かって腕を伸ばす。
「そして」
阿一、阿爾、阿未、阿余、阿悟、阿夢、阿七、阿弥と友達になれたことを。
そしてこれからの阿求を繋いでいく誰かと、友達になれることを。
私は、誇りに思うんだよ。
そう言って、彼女は。
幸せそうに、欠伸をしてみせた。
- 243 :名前が無い程度の能力:2007/02/19(月) 22:53:23 ID:NPro3t020
- GooooooooooooD!!!
VerrrrrrrrrrryGooooooooD!!!!
- 244 :名前が無い程度の能力:2007/02/20(火) 19:51:10 ID:gTR./.qc0
- 「店主さんって、あの紅白と白黒とどんな仲なんですか?」
正午過ぎの香霖堂。珍しく来客してきたと思った妖精の少女はやはり冷やかしだった。
女の子というのはどの種族でもこういう浮いた話題が好きなものである。
「どうって、別にただの知り合いなだけだけど」
店の主人、森近霖之助は素っ気無く答えた。こういう話は彼の苦手分野である。
「えー、本当にそれだけなんですかー?」
「まぁ……強いて言うなら妹みたいなものだよ。魔理沙の方は娘って言った方が近いかもしれないな。
…さあ、他に用が無いのならもう帰りなさい」
適当に話を切り上げ、店主は冷やかしを店から追い払った。
「で、どうだったの?大ちゃん?」
湖の付近にある妖精の溜まり場では、彼女の帰りを心待ちにした妖精達が集まっていた。
どうやら最近、妖精達の間では香霖堂についての話題が流行っているようである。
「んー。霊夢が妹で、魔理沙が娘なんだって」
氷の妖精程では無いが、彼女も物忘れが激しかったらしい。
肝心な部分が抜けてしまった情報。後は噂が膨張していくだけだった。
「ええ!?あの人って子供いたの!?しかもあの白黒が!?」
「神社の巫女が妹だってのも凄いわよ!?」
「あれ?でもあの店主さんって確かハーフだったわよねぇ?」
「じゃあ血縁は違うって事!?」
情報とは当事者達のいない所で捻じ曲がって伝わるものである。
そして真実とあまりに懸け離れた情報は、最悪のタイミングで、最悪の人物に伝わってしまったのである
「あれあれ?皆さん、楽しそうですねぇ。何の話をしてるんですか?」
話題を幻想郷中に振りまく鴉天狗、射命丸文に。
「霧雨魔理沙って、香霖堂さんとその義理の妹の霊夢の間に生まれた隠し子なんだって!」
翌日午前七時頃(文々。新聞が配られて約三十分後)、数人の少女達が香霖堂に押しかけたところ、店主の姿は見られず
『全て誤解だ。あの新聞に書かれた記事は全部嘘だ。そもそもそんな話を信じる方がどうかしている』と書かれた置き手紙が発見されたという。
- 245 :名前が無い程度の能力:2007/02/20(火) 20:16:22 ID:Yeqej7OY0
- 霖之助行動速いなw
- 246 :名前が無い程度の能力:2007/02/21(水) 21:47:08 ID:qpkRaIbw0
- ノリと偏った妄想による似非永夜抄
魔「おいアリス、待てよ! 夜中に人を叩き起こしておいて……」
ア「何のための報酬よ、ほらほら急ぐわよ!」
魔「急ぐのはいいが前に出すぎじゃないか、ってあぁッ! ホラ前!」
ア「えっ?」
リ「不意打ちリグルキック!」
ピチューン
八人の少女達が永い夜に飛び立った
一人が先走り七人になった
レ「咲夜、ついて来いとはいっていないわ」
咲「お嬢様達が心配なのですよ」
レ「心意気は買うけど、今日のあなたちょっと弱い……」
咲「色々と気を配らねばならなくて。お嬢様だってお気付きでしょうに」
レ「あー、まぁそれはそ」
雀「ここでとうとつに鳥目ビィーム!」
咲「あぁっ、急に夜に! お嬢様達はいずこー」
レ「ちょ、おま……今日の咲夜は情けないわ。足手纏いになりかねない」
咲「ひどいですわー。そういえばもともと夜でしたね」
レ「そこは問題視してない。そこの鳥と遊んでおいで、私がパッと片付けてくる」
雀「私は人間が残るなら良いや。ばいばい吸血鬼さん」
ピチューン
七人の少女達が森を駆け抜けた
一人が闇に呑まれ六人になった
幽「むむ、この気配」
妖「如何しました、幽々子さま」
幽「紫とか色々な生き物が動いているようね、私は死に物だし帰っちゃおうかしら」
妖「な……ここまで来て引き返すのですか?」
幽「では妖夢。半分生き物な貴女に命ずるわ、異変何とかして」
妖「え、あ、はい! お任せを!」
幽「それじゃ私は一足先に被弾して帰ってるわねー」
慧「……なぁ、こんなんでいいのか?」
幽「いいのよ。さぁ早く撃ち落として頂戴」
慧「あ、あぁ。じゃあ遠慮なく。それ」
妖「幽々子さまァーッ!」
ピチューン
六人の少女達が里へ立ち寄った
一人が姿を隠し五人になった
魔「やはり一人だと身軽で良いぜ。お、霊夢」
霊「げ、魔理沙」
魔「げ? げってことは、お前が黒幕だな!」
霊「なにその超短絡思考! そりゃ、夜を止めてるのは紫だけど」
紫「霊夢ったら責任転嫁? 酷いわ」
魔「酷いぜ」
霊「あぁもう面倒くさい! まとめて堕とす!」
紫「あら、私は霊夢の味方よ?」
霊「そうだった。よし、そんじゃ魔理沙覚悟!」
魔「げ、二対一かよ」
霊「げって言った! つまり、あんたが黒幕ってことね!」
ピチューン
五人の少女達が竹林に迷い込んだ
一人が早とちりして四人になった
妖「なんとか竹林は抜けたか。次はどうすれば……」
て「おや、お客さん?」
妖「あ、ウサギさん。済みませんが、このあたりにお屋敷はありませんか」
て「お屋敷?」
妖「ええ、幽々子さま……主の命により、屋敷を斬るべく目指しているのです」
て「あーそう、大変だね。それならあっち行ってみて」
妖「これはご親切にどうも」
て「道中気をつけてー」
妖「はい、わかりまし……って罠ぁぁぁぁ!」
て「馬ー鹿、そんなん言われて案内する訳無いっしょ」
ピチューン
四人の少女達がお屋敷を目指した
一人が騙されて三人になった
紫「しかし長い廊下ね、霊夢ちゃん」
霊「そうね。あとちゃんは止めて」
紫「そろそろボスっぽい奴とか出てきてほしいわよね、霊夢ちゃん」
霊「そうね。あとちゃんは止めろ」
紫「そういえば、なんだか視界が悪くない、霊夢ちゃん?」
霊「そうね。あとちゃんは止めてくださいお願いします」
紫「ん? ほら、どうやらお出ましのようよ、霊夢ちゃん」
鈴「来たわね! 私の瞳で狂っちゃいなさい霊夢ちゃん! って、何か伝染った!?」
霊「そうね。だからちゃんは止めて……う」
紫「う?」
霊「うあぁーん! ゆかりんがいぢめるよぉぉ!」
紫「うあーん!?」
鈴「いきなりド修羅場!?」
紫「そこの兎! 霊夢に狂気の力を使ったわね!」
鈴「あー、いやまぁ、はい、仕事ですし」
紫「責任とってあやしてあげてね」
鈴「え? え?」
霊「うわぁぁぁぁぁん! ゆかりんのばかー!」
紫「じゃあ、後はよろしく頼んだわ」
鈴「えー!? な、泣かないで、泣かないで〜!」
霊「えぐっ……あっ、うさぎさんだぁ……」
鈴「そ……そうですよー、うさぎさんですよー」(引きつった笑顔)
霊「れーむもうさぎさんになりたいー! うさぎさんのみみちょーだい!」
鈴「痛い痛いっ、子守りなんて無理だよぉ! 悪かったから早く正気に戻ってー!」
ピチューン(※鈴仙が)
三人の少女達が廊下を進んでいた
一人が狂気に溺れ二人になった
- 247 :名前が無い程度の能力:2007/02/21(水) 21:47:56 ID:qpkRaIbw0
-
紫「まさか霊夢が狂気にやられるなんて」
永「あら、お客様?」
紫「あら、お医者様?」
永「生憎、今は手を離せないの。むしろ貸して欲しいくらいだわ」
紫「その目の前の醜いモノの群れはなにかしら?」
永「対侵入者用ヴァイオモンスタァになるはずだったモノの群れよ」
紫「なるほどバイオモンスター」
永「ノンノン。ヴァイオモンスタァ」
紫「仕方が無いわね、こんなのに出歩かれたら幻想郷の美観が損なわれるし」
永「協力感謝するわ。では処分(オペ)開始!」
ピチューンピチューンピチューンピチューンピチューン(※モンスタァが)
二人の少女達が最奥の部屋へ手を伸ばした
一人が毒を食み一人になった
輝「ようこそ、真実の月の元へ」
レ「チラ見した限りでは屋敷のあちこちが大惨事だが、放っておいて良いのか?」
輝「構いはしないわ、お客様。私なりのもてなしをどうぞ」
レ「遠路はるばる出てきた甲斐があったか」
輝「ええもう。それでは存分に」
レ「紅に染めて散らしてあげるわ、月のお姫様」
輝「五つの難題にまみれて消えよ、紅のお嬢様」
ピチューン
残された少女達は眩い光に晒されて
そして誰もいなくなった
……『少女達』?
輝「残念ね、紅も五色に含まれているのよ。貴女の負けだわ、お嬢様」
レ「色数ばかり多くて目が眩む。見かけによらず派手好きね、お姫様」
輝「後が無いわよ、もう夜も明けるでしょう」
レ「ふん……私にはまだジョーカーが残っている」
輝「貴女はすでに被弾した。完全なる敗北よ」
レ「そんなルールさえ覆す、私の最後の手札はこれよ!」
フ「コインいっこでやり直し! 今度は私が相手だよッ」
輝「えぇぇっ!?」
レ「グングニルでサポートするわ、フラン! 思い切り行きなさい!」
フ「お姉さまの槍と私のレーヴァテイン! あんたに耐えられるッ?」
輝「それはちょっと反則だと思」
レ「永夜抄のPCはもともと二人一組! アッハハハハハハ!」
フ「だから合法、全然問題無ぁしっ! キャハハハハハハ!」
輝「酷ぉぉぉぉいッ!」
・
・
・
フ「やったよお姉さま! ぜんぶ吹き飛んじゃった!」
レ「本当。私達二人以外、人も屋敷もみんな吹き飛ばしてしまったのね」
フ「あ、あのね、お姉さま。今日はありがとう!」
レ「な、なによ突然」
フ「こっそり付いて行ってるのも見逃してくれたし、咲夜をまいてくれたし」
レ「そういえばそうだったわね」
フ「それに、最後はわざと負けて私を頼ってくれたんでしょう?」
レ「え……? え、えぇそうよ。多分」
フ「やっぱり!」
レ「ま、まったく、あのスカスカの弾幕に被弾するのも骨が折れたわ!」
フ「えへへー。久々に大暴れできて、楽しかった!」
レ「よかったわね、フラン」
フ「うん!」
レ「さぁ、帰りましょうか! 私達の館へ!」
フ「はーい!」
レ「って、よ、夜が加速しているわ!」
フ「お姉さまへんたい!」
レ「なにィ!」
フ「まちがった、お姉さまたいへん! あっち見て、光が――!」
「アッー!」「アッー!」
……
残された少女達は眩い光に晒されて
そして誰もいなくなった
- 248 :名前が無い程度の能力:2007/02/21(水) 22:42:18 ID:9A1CnWzs0
- なんというSS
思わずくすっと笑ってしまった
間違いなくこれは面白い
- 249 :名前が無い程度の能力:2007/02/22(木) 00:19:38 ID:vvVuvjOc0
-
いにしえの時代、弾幕こそが全てであり、神社へのお賽銭と、スキマを司る妖怪が
支配する幻想郷とよばれる時代があった…かどうかは定かではない。
天駆ける幻想郷の自称新聞記者・射命丸 文は、今日も今日とて記事のネタを探して郷の空を
飛び回っていた。昼過ぎまで聞き込みや取材を続けたが、大した収穫もなく、一息つこうと遅めの
昼食をとるための場所を探していたところ、湖に近い草原の上で見知った二人組が空に浮いて何か
話し合っているのを見つけた。
普通の莫迦魔法使い・霧雨 魔理沙と人形偏執狂のアリス・マーガトロイドだ。
魔:「あ…」
文:「どうしたんですか?二人して。空中デート?」
魔:「それどころじゃないぜ、文。」
ア:「そうよそうよ。」
文:「え?なんですか?」
魔:「お前さんの新聞記事、読んだぜ。大スクープじゃないか!」
ア:「そうそう。なんだっけ?『白昼の惨劇、博麗神社の巫女乱心。大根で氏子長を撲殺』だっけ?」
文:「?二人が私の記事をほめるなんて…しかも取ってつけたように…何かたくらんでいませんか?」
魔:「いやいや、ぜんぜんない。その記事に怒った霊夢の復讐の手伝いをさせられているなんてことは、ぜんぜんない。」
文:「!」
霊:「こらマリサ!あっさりばらしてんじゃないわよ!」
文:「やばっ!」
木陰から飛び出した紅白まんじゅうの姿を見とめた文、危機を察知してすぐさま飛び去ろうとする。しかし。
文:「あぢっ!?結界!?」
いつの間にか、上空に結界が張られていた。
陰陽式LGS二重結界。結界解体業者でもない素人には、ちょっとやそっとじゃ壊せない代物だ。
霊:「なんとか細工が間に合ったわ。あんたが速力を活かして逃げられないようにね、張らせてもらったわよ。」
文:「卑怯ですよー!」
文の抗議を無視して、霊夢は地上に降り立ったアリスと魔理沙の立っている場所まで歩いていく。
霊:「まったくもう。口が軽いわね。」
魔:「えへへ。それほどでもないぜー。」
ア:「??なんで照れてんの?」
幻想郷一の飛行速度を誇る烏天狗をまともに追って捕まえるのは至難の業だ。
そこで魔理沙とアリスに文を結界内におびき寄せる役を引き受けてもらったのだった。
要するにねずみ取り器のチーズだ。
霊:「さて。待ちかねたわよ、永夜の下のフライドチキン!」
魔:「鳥違いだぜ。」
霊:「人に仇なす悪鬼妖怪、魑魅魍魎、砂礫塵芥、賽銭泥棒!この博麗が巫女が調伏してくれるわ!」
巫女は常に世のため人のため、妖怪退治にいそしんでいるかといえばそうでもなく、今回のことはもちろん私情まみれである。
文:「逆恨みです!氏子長を大根で殴ったのは事実じゃないですか!」
霊:「奉納物に大根をもらったときに足を滑らせたら、たまたま氏子長さんの頭に当たっただけでしょ、」
霊:「それをあることないこと尾ひれつけて書きくさりやがってー、この生ごみ烏がー!!」
文:「うっ、こっわー」
憤怒を具現化したかのような霊夢の形相に思わずたじろぐ。まるで般若面を取ったら面の下も般若でした、ってな感じの表情だ。
魔:「氏子が激減して、金銭収入の大半を失ったらしいからな。今の霊夢は恐ろしいぜ。」
求聞史紀発売のおかげで、せっかく獲得できた念願の氏子だったのだ。失った時の怒りも尋常ではない。
ア:「いくら部数を伸ばしたいからって、人間の里に配るのは止めとけばよかったのに。
消滅したくなかったら、早めに謝ったほうがいいんじゃないかしら。」
アリスと魔理沙は既に距離を置いて遠巻きに見ている。
とりあえず、二人が協力するのは囮役までで、戦いには加わらないようだ。
もっとも怒れる巫女に加勢が必要とも思えないが。射命丸 文の運命はけっこう風前のともしびだ。
文:「い、いくら脅されても真実を捻じ曲げるわけには…」
霊:「問答無用、くらえ!」
魔:「でたぜ、霊夢の必殺御札攻撃!」
ア:「いわゆる通常弾ね。」
文:「うわっ!?こっち来るな!」
魔:「霊夢の弾幕は追尾弾頭だからな!」
ア:「狭い結界内では脅威ね。」
物見遊山で余裕の二人だが、自分達も同じ結界内にいることを忘れている。流れ弾が飛んでくる事だってあるのだ。
魔:「うおっ!?こっち降ってきた!」
ア:「鈍痛!?…痛くないわ。」
魔:「危なっ!?」
ア:「…感じないわ…」
霊:「もらったッ!」
ホーミング弾を避けるので精一杯の文目掛けて、霊夢が高速の針弾を放った。
これは命中コースだ。
- 250 :名前が無い程度の能力:2007/02/22(木) 00:22:03 ID:vvVuvjOc0
-
文:「なんとー!」
魔:「なっ!?肩のカラスがっ!?くちばしでキャッチしただってー!?」
ア:「いい加減、このテンションについていけなくなってきたわ…」
魔:「…年だな」
ア:「年齢はかんけいないッ!」
霊:「主役を返せ、博麗究極奥義・夢想天生!!」
文:「ぎゃああ!」
使役している烏のファインプレーで窮地を脱した文を、霊夢のラストワードが襲う。
うなりをあげて空を切り文の後を追う無数の護符や陰陽玉。
これでもか、というぐらいの空いた口がふさがらない類の弾幕密度だ。
文は結界の内壁をなぞるように飛び周りながら必至でかわす。
きゃあきゃあ奇声をあげながらも必至で避ける。
その間にも霊夢の御札ばらまき攻撃は執拗に続く。
ア:「ばかに、殺る気まんまんね。」
魔:「殺る気のある霊夢というのも珍しい。」
霊:「退かぬ、媚びぬ、省みぬッ!」
文:「す、少しは自分の行動を省みてください!ええい、こうなったら!」
自分のことを棚にあげまくった台詞を吐いた文は、球形状の結界の天頂へ到達すると、
突如自ら失速し自由落下に身を任せだした。
そのまま器用に身体をよじり、上昇中の追尾弾の間をすり抜けて、地面激突すれすれで渾身の
インメルマンターンを繰り出す。フレンドリー!
霊:「なっ!?」
華麗なる空中機動を目撃し、あっけにとられている霊夢の背後に、一瞬の間隙をついてまわりこみ、
両腕で腋から抱え羽交い絞めにする。
四つにがっしりと組んだ二人目掛けて、標的を認識しなおした追尾弾が迫ってくる。
霊:「ちょっと、放しなさい!」
魔:「あれじゃ霊夢も自分の弾に当たっちゃうぜ!」
ア:「よくある展開だけど。」
文:「こうなったら、死なばもろともです。これで来期の主役もわたし!」
魔:「どうだろう?」
霊:「はなせー!」
文:「い、や、で、すー!」
霊夢、もがくがふりほどけない。烏天狗は妖怪の中では腕力は低いほうだが、人間よりはあるのだ。
霊:「……フッ、かかったわね。」
文:「!?」
二人に弾幕が接触するその刹那、陰陽玉は直前で急停止。
が、お札はそのまま霊夢と文に降り注いだ。
炸裂音の連続とともに、白煙が舞い上がる。
文:「あちっ、あちゅっ、あちゅい、あつい、いたたたっ!」
いわれのある御札の攻撃を受けて、身体のあちこちを火傷し飛び跳ねる文。
一方の霊夢は、おでこや体中に御札が張り付いているものの、けろんとしている。
痛みのあまり思わず地面にへたりこみ尻餅をついた文、その額に霊夢は御札を貼り付けた。
霊:「えいっ!」
文:「うぴっ!?…ああ…ちからが抜けていく…な、なんであなたはなんともないんですかー?」
霊:「甘いわね。今のは妖怪にしか効かない御札だったのよ。」
誰も興味ないかもしれないが、巫女の投げるお札には物理的な効果を及ぼすものと、妖怪のような精神体に
近い存在にのみ効果を及ぼすものの二種類があるのだ。ていうか札に書く呪式によって割とフレキシブルに
用途を使い分けられるのであった。便利だよねっ。
文:「ずっこい…」
霊:「まず、ネガは没収ね。後は…私が受けた屈辱と同等のものをあなたにも味わってもらおうかしら。」
文:「!?」
霊:「さあ、おまえたち。ひんむいておしまいなさい!」
ア:「それはちょっと面白そうねえ。」
魔:「なにかわからんがくらえ!」
文:「やあーッ!?どういうことですか!?」
ア:「ふーん。胸は気にするほどじゃないわね。」
- 251 :名前が無い程度の能力:2007/02/22(木) 00:22:59 ID:vvVuvjOc0
-
みんなで天狗の服をひん剥いた。
半裸にした文を、動きを封じる御札や注連縄でぐるぐる巻きにした。
その上で、みのむし上にして柏の古木の枝からつるしておくことにした。
みのむしの中から首とカラスの羽だけがちょこんと出ているような図だ。
魔:「ふう、いい汗かいたぜ。」
ア:「奇妙な絵だわ。巫女のはやにえって感じかしら。」
霊:「さらしとドロワーズはかんべんしといてあげるわよ。」
霊夢は収奪品のカメラを使い、みのむし姿の文を何枚か記念に撮影した。
魔:「どうせなら、腋の空いた服を着させておいたらどうだ?」
霊:「…!おおー。!…今日の魔理沙は、」
魔:「…私はいいことを言ったつもりはぜんぜんないけどな…」
文:「しくしく」
ア:「ぶっ、なにこれ。」
文:「ああー!それは私のネタ帖!勝手に読んじゃだめー!!」
ア:「見てよこれ、『巫女が腋を出している理由は持病の水虫を乾燥させるためだった!?』ですって。」
魔:「ほんとだ。写真まで付いてる。プッ、腋かいてる姿がなんともいえないぜ。」
霊:「鳥ー!!」
文:「はをををを!」
身動きできない鳥は、木に吊るされたまま巫女にしこたまお払い棒でしばかれました。
動物虐待ここに極まれり、である。
魔:「やれやれだぜ。さ、帰るか。」
霊:「まだよッ!」
ア:「えー?」
霊:「これから桃園に行って三人で義兄弟の契りを交わすのよッ!」
魔:「なんだかおかしなノリになってきたぜ?」
ア:「どっちが長兄?」
魔:「私達は女だから、捜すのはロザリオじゃないのか?」
ア:「また、微妙なことを。」
霊:「打倒・八雲紫!博麗帝国の再建を!」
魔:「やる気のある霊夢というのも珍しい。」
ア:「かわいそうに…。おなかが減りすぎて頭がおかしくなったのね。」
そういえば昼ごはんを食べていなかった。
魔:「中国なら、ももぞのの場所ぐらい知ってるんじゃないか?桃食べ放題だぜ、きっと。」
霊:「雲長、いいこといった!採用。」
魔:「やった!関羽だ!」
ア:「次は紅魔館を落とすの?まあ、ヒマだからいいけど。」
文:「……。」
古代の人は言った。戦争において、城を攻めることは最も愚かな策であると。
このできごとを発端としているかどうかは知ったことではないが、後に幻想郷では魔界の力を後ろ盾に
した司祭・霊夢による恐怖政治が執り行われ、お賽銭の過剰な搾取や、妖怪・妖精に対する種族弾圧と
戦乱の時代が幕をあけるのであるが、そんなささいなことはどうでもいいのであった。
文:「……。」
文:「あのー?これ、自分じゃほどけないんですけどー。」
文:「……。あれー?おーい!ちょっとー!…」
文:「……。」
文:「……あ!羽でちょっと浮ける!」
文:「……。」
文:「……しくしく」
- 252 :名前が無い程度の能力:2007/02/22(木) 00:31:14 ID:vvVuvjOc0
- あれ…?何か読みにくいよ…ゴメン…
- 253 :名前が無い程度の能力:2007/02/22(木) 09:29:09 ID:F6MhusxM0
- そして「霊夢の野望〜奉献録」に続くわけか。
- 254 :名前が無い程度の能力:2007/02/22(木) 22:46:07 ID:xwzHr8NU0
- 今更のようだが紅美鈴(通称:中国さん)は紅魔館の門番である。
門番とは門を守る任をおびた役職だ。
従って、美鈴は今日も門を守っている。
するととそこに……
「よぉ、美鈴! 今日もサクッと通らせてもらうぜー?」
「あっ、魔理沙! そういつもいつも易々とやらせてたまりますか!」
現れたのは自称普通の魔法使い霧雨魔理沙(俗称:魔砲使い)。
紅魔館付属大図書館に突入する為に門をぶち破っていく常習犯である。
「行くぜ! 先手de必勝、恋符『マスタースパー」
「させるかぁっ!」
迫り来る脅威を迎撃せんとした矢先、致命的な一撃が放たれようとする。
それを察した美鈴は横に回り込むように動き、魔砲の射界からその身を躱す。
――しかし。
「甘い、まだ宣言し終わってないぜ? 恋符キャンセル魔砲『ファイナルスパーク』」
美鈴の動きに合わせるようにして、横向きに本命の魔砲が放たれる。
「っきゃあぁあぁぁぁぁあぁぁぁ―――」
美鈴はマスタースパークを上回るエネルギー奔流に飲まれるように消えていった。
「あっはっは、快勝快勝。さぁてと、今日は何を借りていこうかなぁ」
魔砲使いが立ち去ったあとには、抉られた大地とボロボロの状態で転がる紅美鈴が残された。
だが、彼女は達成感に満ち、侵入された慙愧など微塵も感じさせない、
実に清々しい表情を浮かべたまま倒れている。
紅美鈴(入力変換はクレナイミスズ)は門番である。
主が下した使命は一つ。その身を投げ打ってでも『門』を守ること。
今日も明日も明後日も、彼女は紅魔館の門を守り続ける事だろう。
「……なぁ。それって『シベリアで木を数えろ』ってことなんじゃないか?」
「゚Д゚ エッ-!?」
- 255 :名前が無い程度の能力:2007/02/23(金) 00:08:13 ID:4QC5zKeQ0
- 俺の中でお嬢様がスターリンになってしまった
どうしてくれる
- 256 :名前が無い程度の能力:2007/02/23(金) 11:51:58 ID:T.31b7Zc0
- >>255
ttp://ayumimoe.web.fc2.com/iijima/yokoku.wmv
何か問題ある?
- 257 :名前が無い程度の能力:2007/02/23(金) 13:26:05 ID:lZB5350Y0
-
紫様と橙のとりとめもないお喋りを耳にしつつ洗い場に立っている。
いつもと変わらない平和な日常だ。
内容までは良く聞き取れないが、橙の声の調子からは興味津々と言う様子が受け取れる。
何事にも関心を持つのは良いことだ。ふとした事で集中力の切れがちな橙が聞き入っている。
紫様のお話の上手さが窺い知れるというものだ。
などと思っていると、泡から食器を選び出していた指が空を掴んだ。
いつのまにか全て洗い終えていたらしい。
二人に気をとられて上の空になってしまうとは私もまだまだのようだ。
とはいえ、紫様のお話なら私も興味がある。洗い物も終わったことだし是非聞かせてもらおう。
「あ、藍様。お茶どうぞ」
居間に戻ると橙が出迎えてくれた。紫様の姿はないようだ。そのことを訊ねると
「もうちょっとお話聞きたかったんですけど、急に眠くなったそうです」
少しばかり残念に思ったがお休みになられたならば仕方ない。次の機会を待つとしよう。
「えへへ〜」
橙はことのほか上機嫌だ。よほど良いことを教えてもらったのだろう。
ちらりちらりと私を気にして、話を聞いてほしそうに見える。
話したいけれど自分からは切り出せない。そんな姿がどこか微笑ましく橙の望むように訊ねると
「好きな人ともっともっと仲良くなれる方法を教えてもらったんです」
と、言った。
橙は人と言ったがこれは人間のことではない。間違いなく私のことだ。だが、方法とは何だろう?
常に親愛を表してくれるし、私も無碍にしているつもりはない。一体何をするつもりなのかと思っていると
「藍様、交尾しましょう」
思わずむせて咳き込んだ。意味が分かっていないだけだと思ったが、まだ力の入らないときに押し倒された。
ぎゅっと抱きついて私の尾に自分の尾を絡め、頬擦りしてくる。
無理に引きはがずわけにはいかないが、
事に至る前にこういうことは軽はずみにしてはいけないと説明しなくてはならない。
だが、親愛の表れでしてくれることではあるしなどと悩んでいると
「えへへ、交尾ってあったかいですね」
……落ち着いて話を聞いてみると、「交尾」というものがあることは教わったが内容に関しては
説明の途中で紫様が眠くなってうやむやになったらしい。
さすがの紫様もこういった事を詳しく説明するのは気恥ずかしかったのだろうか。
私は少し安心して橙なりの交尾を受けることにした。
しばらく髪を梳きつつ頭を撫でてやっていると、頬擦りが止まり安らかな寝息が聞こえてきた。
布団も敷いてはいないが、抱きついている橙を起こすのも忍びない。
それになによりとてもあたたかい。今日はこのまま眠ってしまおう。
後日、間違いを指摘しなかったがために、それはそれは嬉しそうに私と交尾したと橙がふれまわったことを
顔から火の出る思いで訂正して回る羽目になった。
どこからともなく「計画通り」という言葉が聞こえた。
気のせいだと思いたい。
ていうかあのババアぶっ頃す!!
- 258 :名前が無い程度の能力:2007/02/23(金) 23:42:20 ID:Z/bLcC1E0
- 「夢子様、調査の結果が出ました」
部下が書類を持って執務室に入ってくるのをどうぞと告げ迎え入れると
夢子は手渡された書類を見てため息をつく
「仕事はいえ魔界の皆の死因を調べるのも気がめいるわね」
眼鏡をかけなおす夢子になぜか顔を赤らめながら
「でも大切なお仕事ですもの、夢子様」
と声をかけるのはいつの間にか先ほどから訪れた部下たち全員である。
はっきりいって夢子は人気がある。というかありすぎて誰も出て行こうとしないのだ。
あるものはその理想的なスタイルにあこがれ
またあるものはその凛々しい美貌に、またあるものは溢れる知性に
その上司の神様が子供たちと遊ぶことに夢中な以上
そのしわ寄せは自然と夢子にきていた。
「しかし女性の死因のTopは変わったようね。この前までは他殺じゃなかったかしら」
「夢子様、それは古い認識です。最近は幻想郷から病原体を持ち帰ってくることも増えた所為か
感染病による死亡が増えていますね」
「疫病対策センターは何をしているのかしら?」
「はい研究の成果も出てきてはいるのですがやはり解析の進行よりも
持ち込まれる病原体の方が多いようですね」
「ふむ・・・なるほど、今後魔界の入り口にも同様の機関を設置し入り込むのを抑えるようにします
それと・・・アリス様より幻想郷にいる天才医師の情報を手に入れたわ、一度面会して
叶うならば留学、もしくは講義を行ってもらいなさい、魔界はまだまだ未完成の世界です。
新しい知識は積極的に仕入れないと・・・しかしそれにしても問題は男性の死因ね」
「はい、これに関しましては原因はわかっているのですがちょっと」
顔を赤らめながら言葉を濁す部下たちに夢子は
「そうね、これは私の仕事ね、少し出てくるわ」
そういって執務室をあとにする。向かうは彼女の主にして母、神綺の元へ
幼子と遊ぶ姿を見ながら頬をゆるめそうになりつつもあくまでも毅然と彼女は歩み寄る、対して主は
「あ、夢子、お疲れ様、どうだったかしら」
暢気に笑顔で問いかけてくる神綺を張り倒したくなる気を抑え
「神綺様、今晩からしばらく夜のお勤めはお控えください」
勤めて冷静にそう伝える
「えーどうして?まだまだがんばらなくちゃいけないのに」
問題をよくわかっていない神綺に夢子は叫んだ
「男性の死因の第一位が腹上死ってなんですか!母さんは頑張り過ぎなんです。
隣の部屋で寝ている私の気も考えてください、毎晩毎晩、何回も何回も何回も」
夢子の心労が尽きることはない
- 259 :名前が無い程度の能力:2007/02/24(土) 02:51:36 ID:MUmJdMPc0
- ぅおいおかーさんっ!! 凄すぎるぜ神綺さまww
新たな生命を生み出すために、己の腹の上で古い命を果てさせるとは。ある意味この上無く非情な神の勤めですな。
- 260 :名前が無い程度の能力:2007/02/24(土) 03:13:23 ID:UHzqGVqg0
- これはアウトじゃね
- 261 :名前が無い程度の能力:2007/02/24(土) 03:40:14 ID:VxOm.86c0
- 深夜地上波くらいじゃね?
- 262 :名前が無い程度の能力:2007/02/24(土) 12:40:13 ID:K9/JJ3hY0
- 上のともどもギリギリ被弾してる気がするが面白かったぜw
- 263 :名前が無い程度の能力:2007/02/24(土) 23:06:26 ID:loiR7r9k0
- >>257
って橙は抱きついて頬擦りしてるだけだろ?
微笑ましい姿と思ってたが、被弾してたのか?
- 264 :名前が無い程度の能力:2007/02/25(日) 00:34:16 ID:5WBCfQTk0
- ふつーに当たらないけど、グレイズしにいった、みたいなもんか
- 265 :名前が無い程度の能力:2007/02/26(月) 22:55:42 ID:d3USUh4Q0
- 「ねえ、こーりん、またきた、お菓子ちょうだい」
店の戸が開くとそんなことをいいながら小さな乱入者の登場だ。
黒と白で着飾った体と手には八卦炉、この子も随分大きくなったものだ。
「煎餅でいいかな」
という呼びかけに
「うん」
と返事を返すと少女は椅子に座る僕のひざの上によじ登り僕が持つ本に目を落す。
すると一言
「これはいやだ」
別に彼女のために本を読んでいるわけじゃないのだがと思うものの、
この椅子に座りながら届く範囲には童話の本が常に置いてあるというのは僕が甘いということか
少女はもう何度も読んであげた本の小さな展開にでも一喜一憂し声を上げる。
それで気がつけば僕も笑っているのだから大概人がいいものだと思う
そして一冊読み終えて次は何がいいのかとリクエストを聞くと
「おばあさまのアルバムが見たい」
そんな事を言い出した。やれやれと彼女を地面に下ろすと僕は立ち上がり
押入れの下の段から一冊のアルバムを取り出す。
そこにはある少女の生涯があった。
子供のころ、君のおばあさまも僕のひざの上で本を読んであげたのさとか
独り立ちしたのはいいけど魔法の森に店を立てたせいで全然お客がこないって嘆いてたとか
(香霖堂といっしょだねとは、少しひどい)
神社の巫女さんと仲良くなって毎日のようにこの店に襲撃しに来たことだとか
成長してかわいい女の子から綺麗な女性になって結婚することになってなぜか新婦の父役を師匠ではなく僕がしたことだとか
おじいさまと娘に僕のことを呼ばせて大変な目に合わされたこととか・・・まあとにかくたくさんの思い出がある。
でも次のページで不意に彼女の姿は途切れた。
「ねえこーりん、写真がないけどおばあさまはどうしたの」
「ああそれはね―――
最後にあったとき彼女は珍しく真剣な顔をして
「借りてたもの返すぜ」と笑顔でいったのだ。戸惑う僕に
なあこーりん、私結婚して子供もいるけどな、あの時本当は好きだったやつがいたんだよ
まあ続きは帰ってきてからでも話すから、それまで私の子供のことよろしくな、どうもうちの旦那は頼りないに
そういって二度と帰ってこなかった。何があったのか知っているはずの霊夢も
「最後の最後で勝ち逃げされちゃったわ・・・まったくあの馬鹿ったら、霖之助さん、聞いてる私魔理沙に負けちゃった」
それ以外のことを語ってはくれなかった。
―――幻想郷を守ってね、大好きだった空のお星様になったんだよ。」
「ん〜、よくわかんない」
首をかしげる少女をなでながらそれでいいというと僕は立ち上がる。
なんとなくそうしようとおもった。
「こーりん、どこにでかけるの?」
「神社へちょっとね、行くことにしたよ」
「私もいくー」
そういって抱きついてきた彼女を片手で抱き上げる。笑顔で僕の目の周りをハンカチで拭いてくれる少女のお礼を言うと
僕は立ち上がる。
どこまでも続く青空の下、成長して子供を抱いた魔理沙と変わらない僕の写真だけを残して
僕は神社に向けて歩き出した
- 266 :名前が無い程度の能力:2007/02/26(月) 23:06:52 ID:gnzqpAKc0
- (つдT)
- 267 :名前が無い程度の能力:2007/02/27(火) 02:12:39 ID:8F.8fOkw0
- 。・゚・(ノ∀`)・゚・。
- 268 :名前が無い程度の能力:2007/02/27(火) 17:01:13 ID:SOyZ0SqIO
- このスレの職人はアレだ、時々恐ろしく破壊力高い人がいるな
- 269 :名前が無い程度の能力:2007/02/27(火) 22:47:27 ID:kU7YueGo0
- もう、何か色々と想像が掻き立てられてたまんねえっすお・・・。
やっぱり魔理沙は英雄だぜ・・・。
- 270 :名前が無い程度の能力:2007/02/27(火) 22:54:27 ID:90HhwyLw0
- >>201
かなり今更だが、もしかして心臓病じゃないか?
本来あの薬は、心臓病を治す効果があるため使われてきたもので
その・・・此処ネチョ禁止だから言い辛いんだが
そのような効果は一応副産物なんだぜ?
- 271 :名前が無い程度の能力:2007/02/28(水) 00:42:08 ID:0QjODWKI0
- そこは薬師である永琳の立場でコトを考えるんだ。
強心剤なら他にも使いやすいものがたくさんあるはずだ。
- 272 :名前が無い程度の能力:2007/02/28(水) 01:03:00 ID:EqtnF5A20
- >>270
なるほどそういう解釈もありか。
- 273 :名前が無い程度の能力:2007/02/28(水) 20:41:08 ID:Top8nJug0
- 「はあ〜、退屈ですねぇ」
門の前の岩に座りながら一息つく彼女の上を今日も黒白と紅白が飛んでいく。
「門番の仕事も侵入者あってこそのものですし」
背後の扉を律儀に開く紅白と図書館の窓にそのままの勢いで飛び込む黒白のことは完全に無視である。
だってどうせ勝てないから
「たまには腕試しの人とか来ないかなぁ、人間は弱いやつばかりで退屈だよ」
だからといって強すぎるのも嫌なのだけれど
「呼ばれて飛び出て」
「呼んでません」
目の前に突如発生したスキマにそう声をかけたにもかかわらずスキマの中から出てきたのは
見た目は少女中身はバ○アな迷惑妖怪である。
「じゃあそういうわけだから、彼とでも腕試ししなさい」
「なんだぁここは」
「というわけで範馬勇G郎さんよ、ほら腕試し腕試し」
「うーん、気が進まないですね、いざ尋常に・・・勝負」
「・・・空って青かったんですね」
およそ原形をとどめない肉の塊がそんな声を上げた
「期待してたとおりの見事なやられっぷりだったわよ」
「・・・あの人人間じゃないですよ。絶対」
「正真正銘人間よ、じゃあ次はー」
「ちょ、ちょっと待ってください、オーガとかはもう嫌ですよ」
「ええ任せなさい、というわけで『江田島平8』さんで−す、ほら腕試し、腕試し」
「んーなんか嫌な予感がする、でもま、今度こそ勝ちますよ、いざ尋常に、勝負」
「あはー地面が冷たく手気持ちいい・・・しくしく」
まるで出鱈目だった相手に理不尽なほど叩きのめされた、とりあえず
私の弾幕<相手の気合
ってのはないだろう、落ち込む、落ち込んでいるのに目の前のスキマは言うのだ
「じゃあ次はこの人、東方腐敗さんでーす。ほら勝負勝負」
いや、だからね、もう
「じゃあ次は一気に10人よ、十傑SYUさんたちです」
いや、何これ?ちょ無理、さ、咲夜さん、見てるんでしょ、た、助け
ありえないほどボロボロになった門番を放置して
「ああ楽しかったアデュー♪」
とかありえないほど楽しそうにスキマが去っていくのを呆然と見つめていると肩をたたかれる
「見てたわよ、美鈴、ひどい目にあったわね、泣いてもいいのよ」
「ぅ、ぅう、うわぁぁぁぁぁぁぁん、さくやさぁぁぁぁん」
わんわんと泣く美鈴を咲夜はやさしく抱きしめる。それはまさに聖母のごとくやさしげ
「今日は温かいスープを用意したのよ、ほらあなたが着てから丁度333年でしょう」
「は、はい、ありがとうございます、ありがとうございます」
咲夜は泣いている門番にハンカチを渡すと
「でもあなた夕食抜きだから、ちょっとあなた負けすぎ、反省なさい」
「え、えーなんですか、それ、ひ、ひどいですよ」
「知らないわ、お嬢様が決めたことですもの」
一人泣き出す門番の、その住居である小屋の中にはいつの間にか手編みのマフラーがおいてあった。
どうしてなのかはメイド長しか知らない
- 274 :名前が無い程度の能力:2007/02/28(水) 21:40:48 ID:JK1D8/D20
- 慈悲深き夜の女王
うさぎ、うさぎ、なにみてはねる
幻想郷に一匹だけいる月うさぎは、十五夜のお月様を見てもはねたりなんてしない。
ただ、その紅い眼を腫らして、ブレザーのそで口を濡らすだけだ。
さらさらの銀髪からぴょこんと生えた、若干しなびてみえる兎の耳が、中秋の風を受けてかすかになびく。
すすき野原に、膝を抱え込んで座っている、一人のうさ耳少女の姿。
月からやってきた妖怪兎こと鈴仙・優曇華院・イナバは、その長い氏名を授かる以前のことを思い返す。
半生を過ごした、虚空に浮かぶ荒野のことを。
かつての仲間たちと共に駆けた、自らの命をすり減らした戦場のことを。
自分を受け入れてくれた、暖かく覆い隠してくれた幻想の大地の上で、かつての故郷を想う。
そして自分を責めさいなむ夜空の女王を見上げては、崩れ落ちて手をつき、おのれの犯した最大の罪を
思い返し、その重さに打ち震えて、静かに涙を流すのだった。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
*
本当は因幡てゐも知っていた。
月から来た兎は妖怪兎なんかではないことを。
月の兎は、天才だともてはやされていたころの八意 永琳が戯れに作った人造生物の末裔なのだ。
だけどてゐにはそんなことは全然関係なかった。
彼女は私の仲間、ともだち、そしてかけがえのない家族だ。
口にはださないがそう思っていた。
月の使者なんかに、鈴仙は渡さない。彼女は幻想郷にいるのが一番いいのだ。
鈴仙を守るためだったらなんだってする。
そして夜空に浮かぶ真ん丸い満月をにらんで、彼女の宣戦を布告し、月から幻想郷を隠す準備を
はじめるのだった。
- 275 :名前が無い程度の能力:2007/02/28(水) 21:42:19 ID:JK1D8/D20
-
*
月面に一人の少女が立っている。
さらさらの金髪からぴょこんと生えた、若干しなびてみえる兎の耳が、風などないはずの真空の宇宙で、
かすかにたなびく。
表情の見えない紅い瞳に、わずかではあるが潤いがよぎる。
身に着けている真紅のブレザーの袖には、月のアルファベットでこう書かれている。
REISEN−TYPE−9A−No.3
異層次元戦闘月兎・零戦9式A型・参号機。その型式と、うさ耳型の万能センサーに刻印された10桁の
シリアルナンバーだけが、彼女の個体を識別する情報。
地球との星間戦争は終結した。
地上の人間は、自分達の利益のためだけに月面を侵略し、やはり自分たちの間の政治的な状況を理由に
戦争を止めた。すべては相手の勝手な都合であった。
結果、月面に残されたのは、月の表側の資源採掘基地と、裏面に逃れた月人に与えられた自治区、
それに月世界政府の独立と自治を承認すると書かれた恩着せがましい調印文書だった。
月兎は何時間も立ったまま、地球を眺めていた。
そうしながら彼女は、絶望的な戦力差を埋めるために玉砕戦術で敵の軌道艦に突撃した仲間のことを思い
出していた。
自分の手で葬った、同じ戦闘タイプのアンドロイドや、意思を持った無数の攻性器械のことも考えた。
戦争で人間の血が流されることがなくなったことは、歴史的快挙だと誰かが言った。
無人化された未来の戦闘で死ぬのは、戦争請負契約に縛られた人造人型生物と、消耗されるために生まれて
きた悲しい自律兵器たちだけだった。
うさぎにはなぜ自分に自分の運命を哀れむだけの情緒が与えられたのかがわからなかった。
感情がなければ、歯車のように何も考えずに働けたはずなのに。
疑問を投げかけても、全ての運命と生命の母は、目の前に威容を誇る半円は何も語ってはくれなかった。
夜空に浮かぶ青い女王は、ただ月に住まうものに試練を与えるだけなのだ。
無意識に耳の刻印をいじる。番号が自分と一番ちがいのうさぎが、目前の水でできた宝石の上にいる。
養成ラボで姉妹のように育った、かけがえのない同胞。本当の姉妹よりも姉妹らしいと言われた。
彼女は、彼女は元気にしているだろうか。
戦線を放棄して勝手に脱走した彼女を、自分を裏切った彼女を最初はとても憎んだ。
なぜ自分に相談してくれなかったのか、それが一番悲しかった。
だけど、今ではわかる気がした。
彼女は兵器としては情が深すぎたし、物を考えすぎた。
殺す前に、相手に同情してしまう。そんな性格では、とても戦争を最後まで戦い抜けなかっただろう。
途中で発狂するか、敵に殺されるかのどちらかだったはずだ。
すべてが終わったあとでは、月兎に残っているのは深い懐古の念だけだった。
幼い頃が、他愛げのないことで屈託なく笑いあえた日々が懐かしかった。
会いたい。もう一度会って話がしたい。あなたの何もかもを、私が許してあげるといってあげたい。
何があっても、私だけはあなたの味方だと言って、抱きしめてあげたい。
もはや再会がかなわぬことはわかっていた。
物質的な38万キロという二つの天体の間の距離よりも、はるかに遠く越えがたい壁が二人の間を隔てて
いる。かつての月の兎は、地上の兎になってしまった。
月の兎の生き残りは、もう自分だけしかいないのだ。
それでいい、と兎は考えた。
そして姉がたどり着いた土地が、望んでいた平穏と幸福に満ちた、暖かくまるで幻想のような場所である
ことを願い、あの星がそこに住まうものにとっては、外見と同じように慈悲深い存在であり続けることを、
ただ静かに祈り続けるのだった。
- 276 :名前が無い程度の能力:2007/02/28(水) 21:57:42 ID:bIGyPwtI0
- 何でそんな普通に良い話をポンと投下するかな。
どこでオチるのかと身構えながら読んでしまったじゃないか。
畜生……素直に感動してれば良かった。
- 277 :274:2007/02/28(水) 22:17:36 ID:JK1D8/D20
-
いままでのは前置きです。
これから本編がはじまるよ☆
うどんげ先任軍曹(狂気の目激しく発動中)
「どこの竹で育った?」
「サー!幻想郷であります!サー!」
「幻想郷で取れるのは褌レズとハクタクだけだ。ハクタクには見えんから褌かレズか?」
「サー!ノー!サー!」
「好き者か?」
「サー!ノー!サー!」
「座薬が欲しいか?」
「サー!ノー!サー!」
「ブリリアントドラゴンバレッタ?」
「サ……ノー!サー!」
「……今言いよどんだな?」
「サー!ノー!サー!」
「……ブリリアントドラゴンバレッタでするだと?いくらなんでもはっちゃけ過ぎだ!」
「サー!ノー!サー!」
「かするだけかすっておいて、相手のグレイズを増やす手伝いもしない礼儀知らずめ!
とんだ好き者だ!きっちり見張るぞ!次!」
(軍曹、永琳の前へ行く。)
「サー!イエス!サー!」
「名前は……巨乳か?」
「サー!ノー!サー!永琳であります!」
「映倫?規制ある名だ。良識派か?」
「サー!ノー!サー!」
「貴様も好き者か?」
「サー!ノー!サー!」
「名前が気に喰わん。PTAか社民党が好む名だ。」
「サー!イエス!サー!」
「自慢か?!デカパイ二等兵!」
「サー!ノー!サー!」
「三秒やるから、そのけしからんブツを消せ!」
「できません、サー!」
「ふざけるな!ひざまづけ!売女!」
「サー!イエス!サー!」
「自分で自分をCaved!しろ!」
「サー……でもわたしには、角がありません」
「ふざけるな!私の耳をつかえ!」
「フゥハハハーハハハ!どうだ、私は慈悲深いだろう。」
「サ……ええ……とても大きい…
!Caution!
内容に不適切な表現が含まれていたために、閲覧中の記事は削除されました。
- 278 :名前が無い程度の能力:2007/02/28(水) 22:23:41 ID:6xFEGhos0
- >>274ー275
イイハナシダナー(´;ω;`)ブワッ
>>277
ちょwww本編wwwww
前置きとは別の理由で涙が出たわwwwww
- 279 :名前が無い程度の能力:2007/02/28(水) 23:43:40 ID:3doLucu.0
- *美鈴スレ820辺りを見て妄想が具現化した*
紅魔館内を一陣の風が駆け抜ける。
「今日があの門番の非番の日だってことは調査済みです」
この風の正体は妖怪天狗、外周の警備隊も
内勤の妖精メイドたちも、この天狗の敵ではなかった。
天狗が手に持った団扇を振るうと、一瞬にして哀れな
警備隊たちは壁面に叩き付けられて点アイテムをばら撒き、消えていった。
「くそー、アパム、弾もって来い!」
「うろたえるんじゃない!紅魔館メイドはうろたえない!」
「あなた達では記事になりませんね」
天狗は幻想郷一と言われるそのスピードで廊下を突っ切っていく
その廊下は外から見るよりも非常に長かった、
だが、それが仇となってメイド達は距離を離されていく。
「見失った・・・」
「く、こうなったらあの方々の力を借りるよりは・・・」
「よし、あなたはパチュリー様呼んできなさい!あなたはメイド長!
あなたはお嬢様に報告!そして私は・・・」
〜〜〜〜〜〜
「あら美鈴、どうしたの?」
「ん、ちょっと騒がしいような気が・・・」
「うふふ、別にそんな事良いじゃないの、
久し振りのあなたの休暇なんだから・・・」
「あ、咲夜さん、そこは・・・」
「うふふ、可愛い美鈴・・・」
「メイド長!緊急事態で・・・うおっ、まぶしっ!」
「って、キャーッ!」
「あら、妖精メイドWじゃないの、どうしたの?」
「は、メイド長と美鈴さん、大変です、
変な奴が館内で暴れていて・・・被害も甚大です!」
「なんですって!私の非番中に侵入を許すなんて・・・
咲夜さんすいません、行きます!部下の仇をとってきます!」
バタバタバタバタバタ・・・
「忙しい子ね全く・・・あら、これは美鈴の下着・・・」
〜〜〜〜〜〜〜
「むん、太極拳、太極拳!」
「むむ、この妖怪は中々強敵ですね、慎重に接近して・・・」
「すげぇ、あの門番長・・・蹴りながら弾幕ってる・・・」
「なんだか形相が違うぞ、腋巫女やゴキ魔法使いと戦うときよりも・・・
こう、必死というか、なんというか・・・」
「まずい、天狗のメーターが100%になった!」
パシャリッ!
「やりました!撮影成功です!どれどれ〜〜!?」
突然天狗の動きが止まる、その表情の遷移は
喜び、疑惑、驚き、喜びの順であった。
「こ、これは、穿いてない!中国風妖怪穿いてない!
これは今度の新聞のトップを飾れますよ!」
「あああああああ!」
ドカーン
美鈴が物凄い勢いで吹き飛んだ、爆発にも似たように感じた。
長を失った警備のメイド達もその後を追うこととなった。
天狗はしてやったとばかりに廊下を駆ける。
この最高の写真を今すぐにでも家に持ち帰りたい衝動に駆られたのである」
「これは最高の記事になります!
さっきの魔法の元3枚分よりよっぽど価値がありますよ!
えっと、これでこの前の庭師と猫と合わせて・・・」
「30枚かしら」
「ええ、そうです、30、丁度30枚になりまし・・・た」
天狗は振り返ることが出来なかった。
何故なら既に無数のナイフが自らの周囲に配置されていたからである
天狗は一瞬だけ、人の姿を見た
それは、顔がうっすら桜色に染まっている
メイド服をぴっしりと着こなした女の姿であった
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「うう〜、ヒック、ヒック、ぐすっ」
「美鈴、もう泣き止みなさい」
「だって咲夜さん〜」
「大丈夫よ、フィルムは剥ぎ取ったし、お仕置き部屋に放り込んどいたから」
「でも〜」
「美鈴に泣き顔は似合わないわ、笑顔を見せて・・・」
「咲夜さん・・・」
(省略されました、続きを読む場合はネチョスレでお書き下さい)
- 280 :名前が無い程度の能力:2007/02/28(水) 23:44:20 ID:CIQAq1Ag0
- これだから油断ならんのだあああぁぁぁぁ
- 281 :名前が無い程度の能力:2007/02/28(水) 23:50:03 ID:haDrOot.0
- ちょっとネチョスレ行って「わっふるわっふる」と叫んでくるノシ
- 282 :名前が無い程度の能力:2007/02/28(水) 23:59:15 ID:XJRoVAm20
- 秘封倶楽部連絡用ボード
・好きに使ってね♪ 宇佐見
・いや、使えって言っても二人しかいないんだし普通にメールとかもあるじゃない
あとなんで苗字? マエリベリー・ハーン
・そういうあなたも使ってるじゃない。それとフルネーム。 蓮子
・あると使いたくなるじゃない メリー
・うんうん。その感覚、よぉくわかるわ。
貰ったポケットティッシュが捨てられないのと似てるわよね。 蓮子
・例えが微妙 5点 メリー
・がーん。 蓮子
・こうやって文字だけ見ると落ち込んでいるようには見えないわ メリー
・あれ? もしかして本気で傷ついた? メリー
・蓮子どこー? メリー
・せめてメールぐらい返してよ メリー
・一体どこに行ったのよ いつも一緒だったじゃない メリー
・そして誰もいなくなったか? なんてね
「ずいぶんと古いボードね。素敵だわ」
「誰かのいたずらって感じじゃないな。文字もところどころかすれてるし」
「部屋自体も使われなくなってから大分経っているみたい」
「まあ私らみたいなのにまともな部屋を貸し出してくれるはず無いよな」
「研究が認められればそれも変わるわ」
「記念すべき私達の第一歩ってところか?」
「そういう事。それじゃあまずは掃除からね。私は機材を持ってくるから」
「うわ、酷いぜ。面倒ごとは全部私任せかよ」
「何のための助手かしら?」
「私は助教授であって助手じゃないぜ」
「じゃ、後は任せたわ」
- 283 :名前が無い程度の能力:2007/03/01(木) 03:45:23 ID:IfD6F4D60
- >>282
ほほぅ、秘封が先か。その考え方はなかったわ。
- 284 :名前が無い程度の能力:2007/03/02(金) 23:44:51 ID:RGAF.QB.0
- 春。それは暖かな光に溢れた目覚めの季節。
春。それは冬を耐えた抜いた命が萌える季節。
春。それは誰もが待ちこがれる喜びの季節。
「――来たわね。リリー」
「こんにちわレティさん。もう春ですよー」
「流転する四季の中で唯一存在する春告精」
「今年はなんかあっという間でしたねー」
「その大役を果たすため、彼女達は常に2人1組で活動する」
「だからちょっと早めですけどお知らせに参りましたー」
「1人は春の訪れを知らせて巡り、もう1人は……」
「冬はもう終わり。とっとと消えろ、こんのタクランケッ!」
もう1人のリリー――リリーブラックは冬に終わりを告げにやって来る。
「いくら自然の摂理だからって、もうちょっと口の訊き方を考えなさいよぉ!」
因みにごねたレティとの弾幕バトルが、三寒四温や季節外れの降雪を引き起こしたりするそうな。
- 285 :名前が無い程度の能力:2007/03/03(土) 01:59:38 ID:y90xWwrw0
- 黒さんは北国出身か。
タクランケでわかる。
- 286 :名前が無い程度の能力:2007/03/03(土) 12:53:20 ID:nMQebD0w0
- 創想話用没プロット導入部AB
ttp://coolier.sytes.net:8080/th_up2/src/th2_4937.txt
ttp://coolier.sytes.net:8080/th_up2/src/th2_4938.txt
- 287 :名前が無い程度の能力:2007/03/04(日) 22:09:08 ID:LuXRQjOE0
- >>208-209
いまさらだが、俺もあの映画はホモっぽいと思ってた
- 288 :名前が無い程度の能力:2007/03/04(日) 23:16:51 ID:NsD1Huv60
- そういえば前スレの989はどうなった?
- 289 :名前が無い程度の能力:2007/03/05(月) 00:27:47 ID:R8rmMrDg0
- その989を読み直したら思い出したんだけど、10(ry氏のアレはどうなったんだろ……。
- 290 :名前が無い程度の能力:2007/03/06(火) 07:36:05 ID:VbuZKPQc0
- 春が訪れ始めた頃
僕はこの前紫に使い方を教えてもらったコンピュータを動かしていた
この操作は実質何も得られないものだがちょっとした頭の運動にはなる。決して現実逃避に走っているという訳では無い
内容は『龍を生産していく』というものだが……どう見てもこの生命体は龍には見えない
『龍』を作りつつ、僕はある事について考えていた
三月中旬……正確に言うと三月十四日にある世間一般でホワイトデーと呼ばれる日の事だ
先月には大勢の知り合いからチョコレートを貰ったのだが……そのお返しに配る菓子類を何にするのか、その事に悩んでいた
別に返さなければならないという義務は無いのだが、返さないと後が怖い。特に霊夢と幽々子は期待に満ち溢れた目で僕に訴えかけていた
ヘタしたら殺される……そんな予感が頭をよぎった
返す相手が結構な数の為、買うより作る方が経費が少くて済む。自分の作れる範囲の菓子を思い浮かべてみた
飴玉、かりんとう、カルメ焼き……思い浮かんだ駄菓子はどれもウケが悪そうだった
和菓子よりも洋菓子のが万人受けするのかもしれない。が、僕は洋菓子に関しての知識はあまり持ち合わせていない
さてどうしたものか……と考えていたら目の前に「GAME OVER」の文字が現れていた
僕は仕方なく別のコンピュータを動かす事にした。近くにあった小さい箱を持ち上げる
見た目からして同じ種類のものだろうか……
数分後、ホワイトデーで配る菓子が決まった
「クッキーにしよう」
- 291 :名前が無い程度の能力:2007/03/06(火) 08:04:07 ID:jCzHahEo0
- 竜というより胴の長いカエルである。
- 292 :名前が無い程度の能力:2007/03/06(火) 08:07:00 ID:gYFwLyn20
- すまねえ。
水を差すようで悪いが、
その二つのコンピュータゲーム?について教えてくれい。
- 293 :名前が無い程度の能力:2007/03/06(火) 08:27:27 ID:y3C5PyLs0
- ヨッシーのたまごとヨッシーのクッキーではないかと
- 294 :名前が無い程度の能力:2007/03/06(火) 08:28:33 ID:ylRyzW/g0
- 花札屋のヒゲオヤジの乗る恐竜でおk?
- 295 :名前が無い程度の能力:2007/03/06(火) 08:31:07 ID:4Zskk7Dk0
- 椅子に座りながら本を読んでいると霊夢と珍しく訪れた妖夢が、SだとかMだとか話していた。
魔理沙はどっちだろうとかいっていたので僕が何気なく
「霊夢はHだな、魔理沙ならMだろ」
そういうと二人が驚いた顔をして僕を見ていた。
「えっと・・・霖之助さん私たちが何について話しているかわかってる?」
わからないはずがない
「紅魔館の姉妹がS、あの咲夜とかいうメイドもSだって話していただろう?
そこまで聞けば馬鹿だって理解できるさ、ちなみにあの門番はMだな」
「「・・・・・」」
「ああそれと、妖夢、君のご主人の西行寺のお嬢様はSだね」
「まあ確かにそうですが・・・ってなんで」
何を驚くのかよくわからないが
「それと人形遣いの少女は確かMだね、彼女の母親はSだけど・・・ってどうしたんだい霊夢?」
「じゃ、じゃあ霖之助さんは?」
「ん、僕かい?僕はMかな」
え、ええっ!っと驚く彼女たちを前にして思うたかがイニシャルの話で盛り上がれるっていいなと
- 296 :名前が無い程度の能力:2007/03/06(火) 08:53:52 ID:I2l8yM7oO
- マジレスするのが無粋だってわかってる、でも
その流れなら咲夜さんはIじゃね?
あと、咲夜さんはどっちかっていうとドMじゃね?
さて、吊ってくるぜ
- 297 :名前が無い程度の能力:2007/03/06(火) 08:58:20 ID:.rFE8eZo0
- >>296
ヒント:こーりんが勘違い
- 298 :名前が無い程度の能力:2007/03/06(火) 09:25:40 ID:7GbFRKp20
- 魔理沙と咲夜さんは名前の方で霊夢は姓の方とか
絶対わざとやってるだろこーりんw
- 299 :名前が無い程度の能力:2007/03/06(火) 09:27:27 ID:ylRyzW/g0
- 霊夢がHで魔理沙がMの時点でこの香霖わかっててやってる説
- 300 :名前が無い程度の能力:2007/03/06(火) 09:29:47 ID:I2l8yM7oO
- まぁ最初に魔理沙がKじゃなくてMって言ってる時点で故意犯かwww
やっぱ吊るしかないなorz
- 301 :名前が無い程度の能力:2007/03/06(火) 13:13:14 ID:Hv5bRCsU0
- そもそも霊夢と妖夢は何で香霖堂でそんな話をしていたんだw
- 302 :名前が無い程度の能力:2007/03/06(火) 13:24:25 ID:mP8gwbsw0
- >>296
咲夜さんについては「夜はM」説を唱えたい。
- 303 :M=森近:2007/03/06(火) 21:33:51 ID:4Zskk7Dk0
- >295は前振りだったので本編(但しつながり話はない)
目の前で少女たち数人が自分の将来の夢について話している。
いいものだなと思う、しかし霊夢が「好きな人のお嫁さんよ」と答えるのは以外だった。
あんなに小さくてオムツだって変えたことがあるのに・・・成長したね、霊夢
・・・・・・にしてもだ、なぜかその話が始まって以来魔理沙からの視線が激しく僕を襲っている。
少し顔を赤らめて上目遣いに、ちらちらと僕を見てはえへへと笑っている。
―――なぜかすごく嫌な予感がするので僕は表向き無関心を装いつつ手元の本を見ていた。
「で、魔理沙は将来どうなりたいの?」
霊夢の問いかけに魔理沙は爆発的に反応した。とことこと僕のそばに歩み寄ると
「な、なあこーりん、私はな、その・・・ってなんで本読んでるんだよ」
「ああ、魔理沙か、僕は今この本を読んでいて劇的に忙しい、放っておいてくれ」
僕が冷たくそう突き放すと
「な、何でそんなこというんだよ、私はお前にMにしてもらいたいのに
えっと、あれ?何か意味が違うような、と、とにかくだな」
いきなり何を言い出すんだこの子は?
「魔理沙、落ち着け、君は突発的幻想郷病にかかっている。」
「何を言ってるんだよ、そんな病気あるわけが」
いやいった僕が思うのもなんだが本当にあるのか?とりあえず押し切ろう
「かかっている人間はみなそういうのさ、症状は言動が不可解になること
思考がかっとんで過激になること、周りが見えなくなることだ」
「馬鹿だなあこーりん、幽々子とか紫とか咲夜、永琳とかみんなそうじゃないか」
「だから全員その病気にかかっている、おそらく倫理感染だ
魔理沙、君も最近その症状が出始めている」
というか思い付きだったけど新発見じゃないかこれ?
「じゃあなんでこーりんは平気なんだよ」
「きっと僕には抗体があるんだよ、だからさ」
うん、そうに違いない
「じゃあそれを私に打ち込んでくれれば」
瞬間空気の温度が氷点下に下がった
「「「「・・・・・・・」」」」
とりあえず背後の皆武器を下ろしてくれ、目が怖すぎるから
「落ち着け魔理沙」
「ま、まさかまた発症したのか」
肩を落す魔理沙の頭を軽くたたくと背後にいる皆に声をかける
「ああその通りだ。というわけで今の魔理沙の発言にやましいところは何もない
落ち着いてくれ、いや、それ死ぬだろ」
なぜだ?何故僕がこんな目に?いやマジで死ぬから
- 304 :名前が無い程度の能力:2007/03/06(火) 21:44:07 ID:uslYsgnc0
- あなたはこちら向きだと思うんだ
【age禁止】きっと大人の幻想郷スレッド
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/6306/1170177181/
- 305 :名前が無い程度の能力:2007/03/07(水) 20:30:47 ID:L/eThTk20
- 最近お嬢様が私に冷たい、というか私をできるだけ遠ざけようとしてさえいる気がする。
私が背後から
「お嬢様、肩にごみが」
と肩にごみがついていたので胸元に手を突き入れると
「きゃっ、さ、咲夜じゃないの、どうしてトイレの中にまでいるの」
「メイドですから」
と答えたときのおびえた表情はひどく甘美でそれだけでご飯何杯でもいけちゃうけど
なんだか最近お嬢様とすれ違っている気がする。何故だろうか
考える、考える、考える、考える、かんがえる、かんがえろ、かんがえろ
かんがエロ・・・お嬢様の
「お嬢様はやはりすばらしいわ」
ポケットからちり紙を取り出すと小さくちぎって鼻の中へ、少しのぼせたようだ。
しかし今のままではお嬢様との距離がどんどん離れていく気がする
おかしい、上司と部下のコミュニケーションはこれ以上なく完璧なはずなのに
そんな悩みを門番の・・・えっとだれだっけ、名前が出てこない、まあとにかく打ち明けたら
「お嬢様の気持ちになってみてはどうでしょうか」
と何のひねりもない回答をいただいたので早速実行に移すことにした。
「それにはまずお嬢様と同じ格好をすることね」
そう、まずは外側からお嬢様になる必要がある、外見が十六夜咲夜のままではいつまでたっても私のままだろう
というわけでお嬢様の部屋へ、箪笥をあさり適当に見繕うと自分の部屋へ
無論お嬢様に似合わないであろう服を処分して似合う服を代わりにしまうことを忘れない
ああ、きっと素敵だろうな、ぶるまぁの、すくみずの、ゴス炉理の・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
「あやうく失血死するところだったわ」
と自分に突っ込みを入れるとメイド服を脱ぎ捨て、さらには下着も脱ぎ捨てる、
躊躇などない、そしてかわりにお嬢様の下着に足を通し・・・・き、きついわ
スカートを・・・って細っ、って当たり前か、そして上のドレスを、あら以外に胸は余裕あるわね・・・・Orz
とりあえず両手を胸に当てて一言
「・・・食べてもいいのよ」
うわ、はずっ、でもなんか、いい、すごくいい、っと次は
バタン!
「・・・さ、咲夜さんお嬢様の服が盗まれ・・・は?」
悲劇のドアが開かれた
- 306 :名前が無い程度の能力:2007/03/08(木) 00:12:30 ID:3CKRHTxg0
- >>305
オチとかは咲夜さんの言動は予想の範疇だったが、
胸だけは予想外だった。
- 307 :名前が無い程度の能力:2007/03/08(木) 00:22:20 ID:PFHWKZPg0
- 石切場にもお嬢様の真似してるとこ見られた咲夜さんが居た希ガス
- 308 :名前が無い程度の能力:2007/03/08(木) 00:51:32 ID:GtxORtn20
- これだな
ttp://www14.plala.or.jp/ishikiri/comic/dekigokoro.html
- 309 :名前が無い程度の能力:2007/03/08(木) 17:31:28 ID:9T6eiups0
- 俺は真っ先にBを選んだッッ!!
次の瞬間(ry
- 310 :名前が無い程度の能力:2007/03/08(木) 18:06:22 ID:u54p9/k60
- 『「咲夜〜」 「はい、お嬢様」』
『「美鈴、ちょっと」 「なんでしょうか、お嬢さま」』
『「レミィったら」 「そういうパチェだって」』
『「だいたい、あいつは あら、お姉様」 「まったく……」』
咲夜(思い出せそうで思い出せないわ……。確か何かの名前だったと思うけど
レミリアって何だったかしら?)
- 311 :名前が無い程度の能力:2007/03/08(木) 18:22:49 ID:Dds54WRE0
- レミリアは実在しない。
レミリアとは、古ぼけた紅魔館を、白玉楼に劣らないレベルの高い
住居にしたいと望む人々の間で、自然発生的に生まれた理想のカリスマである。
はじめはジョークに過ぎなかった。
レミリアはこの世のどこかにいるはずの理想のカリスマだった。
しかしそれは当時のまさに『糞』と呼ぶに相応しい紅魔館に
ウンザリしていた館内の者の間で瞬く間に広まって行った。
レミリアならこう執った。レミリアのあの人事異動は良かった。
館内の者はそうやって、少しずつ理想のカリスマ主人レミリアのイメージを固めていった。
彼女は少食でほっそりとした幼女である、
彼女が敵対する妖怪はルーミアである、
彼女は自分より貧乳のメイドを自分の手許に置いておかないと落ち着かない、
そして彼女は親しみやすいことにB型の血液が大好きなのだ!
レミリアはこうして、館内の理想の主人のイメージのコラージュとして生まれたのである。
館内の者はレミリアを欲した。故にレミリアは存在するのである
- 312 :名前が無い程度の能力:2007/03/08(木) 18:38:49 ID:qgQm6sdA0
- なんだかれみりあうーな展開だな
- 313 :名前が無い程度の能力:2007/03/08(木) 18:47:40 ID:o3u7.eq.0
- 一応ガイドラインネタになるんだろうけどぐもんでのレミリアへの
言及を見てるとあながち間違いとも思えなくなるミステリー
- 314 :名前が無い程度の能力:2007/03/08(木) 21:46:13 ID:K4T7Q5iIO
- それにしてもこの二人、ノリノリである
- 315 :名前が無い程度の能力:2007/03/08(木) 22:48:32 ID:lvNh6FGA0
- 美鈴「今日、人間の里の豆腐屋さんが来て『レミリアさんから注文を戴いた納豆を
お届けにまいりました』って言ってたんですよ、お嬢様。
そんな名前の人は紅魔館には居ませんって言っても納得してもらえなくて」
咲夜「それで私からも説明して丁重にお引き取り願いましたが、どこぞやの
妖精の悪戯でしょうかね、お嬢様」
フラン「レミリア? う〜ん知らない名前ね。しつこかったら私が壊しちゃう? お姉様」
パチェ「ほんと、全く聞いた事無い名前ね、レミリアなんて。何か心当たりある? レミィ」
レミリア「…………」(え〜と、もしかして、これってつまり……みんな私の名前を……)
- 316 :名前が無い程度の能力:2007/03/09(金) 00:25:35 ID:y8n0Zwqk0
- ここでレミリアには是非
「皆、私の本名を忘れるなんて、『年を取りすぎて』耄碌してきたのかしら?」と言って欲しい。
多分、耄r……までしか言わせて貰えないと思うが(笑)
- 317 :名前が無い程度の能力:2007/03/09(金) 01:00:06 ID:npAFXuzA0
- 霊夢はレプリカ呼ばわりだし
- 318 :名前が無い程度の能力:2007/03/09(金) 02:30:53 ID:KKAnsJ960
- レプリカは森博嗣ネタだと思う
- 319 :名前が無い程度の能力:2007/03/09(金) 08:02:13 ID:KUx/uQrE0
- 夏の?
- 320 :名前が無い程度の能力:2007/03/09(金) 14:06:41 ID:dOuAvomM0
- 紅霧異変は夏にレミリアが起こした異変・・・正しく夏のレミリア
- 321 :名前が無い程度の能力:2007/03/09(金) 20:28:34 ID:q0OdeGx.0
- 東方怪綺談後日?
「お母様、幻想郷へ行きたいの!」
「ダメよアリスちゃん。お外は危ないの! あんな遠いところなんてもっての他!」
「いーきーたーいーのー!」
「ダメです!
どうしても行きたいなら、魔界の一人前認定試験で合格してから行きなさい!」
「あの、神綺さま……」
「夢子ちゃんは黙ってて!」
「認定試験って、あの『どこかで修行して相応の実績を残したら』、っていうの?」
「そう。そして認定官はこの私。
アリスちゃんを幻想郷になんて行かせるものですか!」
「じゃあ、幻想郷に修行に行く!」
「し、しまったぁー!!!」
「……ですから、言おうとしましたのに……」
- 322 :名前が無い程度の能力:2007/03/10(土) 09:27:45 ID:kR3EHJJg0
- 魔界はどこぞの魔法の国ですか?w
- 323 :名前が無い程度の能力:2007/03/10(土) 10:24:38 ID:9lJzYP4Q0
- 東方キャラに演じてほしい名(迷)台詞・シーンスレ その5
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/6306/1168879759/
との境界が最近あいまいになってる気がしないでもない
ゆあきん仕事しろ!
- 324 :名前が無い程度の能力:2007/03/11(日) 00:58:04 ID:KQizRO8w0
- ___
|:;--、\
|:| ヽ\
___ __/|:| \---}::}
|:r―- ::< // ___ノ:/ \
|:| / ¨>>‐' <--- く \_
|:|__,}__「 ̄ r〜'i_  ̄` |
r-、 ーr __j/T7'i ト、 | ト、」\ |
| \_ 「 } .トトN. jノ'vイ '、 L..,. |
ヽ |\ 〈__,ノ i.┿━ ━━V / く | よ〜し、わたしにまかせなさい!
. ヽ. | \ ノイV:N/////////// ノイ . |/
∨ \ } } | i厂 ̄ ̄! / } {
| `ソ /ヽ、__ ` ---' |// i从ゝ
| | 厂 ̄ ¨ゝ--r―'´7/ヽ,⊥-- 、
| | / /: : : ノ : : //: :/ 〉
| ┌hi┐ }_;/: : : ::|/: : i / \
| レ1|┘ /: : : : : : : ||_:| /
| i」 |― : : : :〔,ネト、」|
| ____|-‐: : : : : : i」:: ::|7´
- 325 :名前が無い程度の能力:2007/03/12(月) 18:15:51 ID:wqUmGlmE0
- 絵板2583やら日誌スレやらに触発されて
ものすごく恥ずかしいSSが出来てしまった。
アリパチュ注意です。
ttp://coolier.sytes.net:8080/th_up2/src/th2_5007.txt
ゴロゴロ転がりながらやった。反省はしていない。
- 326 :名前が無い程度の能力:2007/03/12(月) 20:15:13 ID:IRHbh5kg0
- このアリス…誘ってやがる…!
- 327 :名前が無い程度の能力:2007/03/13(火) 10:39:40 ID:JdzWkVq20
- 「お疲れ様です、メイド長」
「ええお疲れ様」
そう何人かに答えて本日は仕事も終了、たまには自室で休むのもいいだろう
とりあえず疲れた体でベッドのふらふらと近寄ると横になる。
「きついわね」
ドレスを脱いで下着姿に、そしてブラをはずすと二つのパッドが零れ落ちる。
「パッド長、か、ふふふ」
誰がそう呼び始めたのかはわからない、しかし私は完全で瀟洒なメイドであると自負している以上
誰かの期待を裏切るわけには行かなかった。そのためのパッド
しかしたまには自分を抑えなくてもいいだろうと私はパッドの下に巻いていた「サラシ」を緩めた。
こぼれるのは人並み以上の大きさではある二つのふくらみ、さすがに美鈴までとはいかないが
少なくともスキマ妖怪程度はあるだろう
巨乳をさらしで抑えてその上にパッドをするお嬢様いわく「その方が面白いでしょ」ということだが私にはよくわからない
ただ「あなたがパッドだと期待している人もいるのよ」といわれるとなぜかそれに従うしかない気がした。
それにしてもだ。
「また大きくなっちゃったなぁ」
つぶやき、そろそろサラシで抑えるのも限界かもしれないと思う
いっそサラシをはずして・・・うんそうしよう、明日は素顔の自分でみなの前に出よう
そう思って
目を開いた。
「夢か・・・・そうよね、夢よね、うふふ、ははは、くすくす、わかってたわよ、夢だって
さ、お風呂入ったら仕事仕事。」
私は目にごみが入ったので流れた涙をぬぐうと浴室に向かった。
うんそれだけ、それだけなんだからね
- 328 :名前が無い程度の能力:2007/03/13(火) 11:38:07 ID:Gyc.ATZU0
- ちっちゃくてもひらたくてもいい。逞しく育って欲しい。
- 329 :名前が無い程度の能力:2007/03/13(火) 17:06:27 ID:H0j7D9960
- 全俺が泣いた
- 330 :名前が無い程度の能力:2007/03/14(水) 00:39:22 ID:smzMnbJ60
- 最新投稿作から
アリスがつぶやいた。
「鬱だ。死のう」
それを聞いた魔理沙は
「マジで? ちょっと待ってて。今準備するから」
「へ? 準備って……止めてくれないの? あ、行っちゃった……」
「お待たせ! 呼んできたよ!」
そう言って魔理沙は四人ほど連れてきた。
「魔理沙、急になんなのよ。お茶飲んでたところなんだけど」
「なんなのかー」
「まったく、仕事中なんだけどなあ」
「あら小町。サボってたんじゃないの?」
「用意したぜ。死神に、葬式の文句を言う神職、死体処理犯、それに閻魔様。フルコースだ!さあ、どうぞ」
「……そう、これでいつでも死ねるわね……」
- 331 :名前が無い程度の能力:2007/03/14(水) 00:41:46 ID:mum5x8vg0
- 火葬ではなく、鳥葬・・・・いや、妖葬なのかw
- 332 :北風と太陽とメイド長:2007/03/15(木) 20:05:16 ID:r0kjSSnE0
- ある日もこと
紅魔館で誰が一番すごいのかを門番と魔女とメイド長が話しておった。
門番はいいました。
「私が一番多くの敵を倒しています。だから私が一番です」
魔女もまた同じように
「力だけがすべてではないわ、これからの時代は頭よ、知識なら私が一番ね」
最後にメイド長が
「失礼ながら二人には瀟洒さが足りないかとゆえに私です」
三人は誰も一歩も譲らずついには恐ろしいゲームをして競い合うことになりました。
それは紅魔館の主の下着を周りのもの達に見せること、
まず最初に恐ろしさに震え上がった門番が降参しました。
そして残った魔女が先にすることになった。
「・・・・風符スプリングウインド」
巻き上がる風にスカートがめくれるかと思われた瞬間
しかしお嬢様は「きゃっ」と可愛く声をあげるとスカートをすばやく抑えたので
効果はありませんでした。それをみたメイド長が
「降参ですか」
といいますがそこは魔女も譲りません
「まだよ、日符 ロイヤルフレア」
突如館内で輝く偽りの太陽
「ふふ、昔話いわく太陽で暖かくすれば旅人は服を脱ぐ、私の勝ちね」
勝ちを確信した魔女ですがよく見れば
「うぎゃぁぁぁっぁぁっぁぁぁ、し、死ぬ」
とお嬢様は悲鳴を上げるばかりで全然服を脱ぐ気配がありません、だって吸血鬼ですから
太陽なんかに照らされたら大変な目に合うことは目に見えてます
「では今度こそ私の番ですね」
メイド長はそういうとなにげなく彼女の主の下に向かいます。
それに気がついたお嬢様がメイド長に呼びかけますが彼女はただ静かに近寄ると
その手でお嬢様のスカートをめくり
「今日はピンクですか、お嬢様は白のほうが似合うと思いますよ」
笑顔でニコりそしておもむろに背後に振り返ると
「というわけでわたしの勝」
いい終わるまもなくお嬢様にぼこぼこにされました。
そしてそれ以来紅魔館え一番えらいのは名実ともにお嬢様になったのです。
めでたしめでたし
- 333 :名前が無い程度の能力:2007/03/15(木) 20:06:58 ID:vBp1XzN.0
- ネタとしては秀逸でGJと言いたいが誤字が惜しすぎる
- 334 :名前が無い程度の能力:2007/03/15(木) 20:07:24 ID:vxdCMZpY0
- もこたんが出てくるのかとおもたよ
- 335 :名前が無い程度の能力:2007/03/15(木) 20:35:53 ID:yh0tI6PM0
- ある日もこと二人で 語り合ったさ
この世に生きる喜び そして悲しみのことを
グリーン グリーン
夜空には 月が輝き
グリーン グリーン
丘の上には ララ 竹がもえる
,-へ, , ヘ
/,ヽ_,_i=/__,」
/ ,' `ー ヽ パカ
/ ∩〈」iノハル.!〉 JASRACのもこですがインしたお!
/ .|i L>゚ ∀゚ノiゝ_
//i>i ir^i `T´i'i| /
" ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∪
- 336 :名前が無い程度の能力:2007/03/15(木) 23:39:27 ID:RcYnj3WM0
- >>335の即興能力に脱帽
- 337 :名前が無い程度の能力:2007/03/16(金) 02:37:42 ID:OnvGd0zo0
- 館の労働者と竹林の労働者と彼岸の労働者が、ほら吹き競争をした。
咲夜「私が掃除をしているとき、100m先に五月蝿い蚊がいたからナイフで落としたのよ」
てゐ「竹林で作業していたとき、芝刈り爺さんがいたからちょっと幸福にしてあげたら
その爺さんが竹を切った拍子に中から小判が出てきたわ」
小町「あたいが船を渡しているとき、
咲夜&てゐ「あなたの勝ちだわ!」
- 338 :名前が無い程度の能力:2007/03/16(金) 09:23:26 ID:B8oy8nL20
- ワラタ
酷いよ二人ともw
- 339 :名前が無い程度の能力:2007/03/16(金) 10:04:18 ID:R0VBcGQQO
- アネクドート関連はハマると破壊力高いなww
- 340 :名前が無い程度の能力:2007/03/16(金) 11:05:42 ID:qEz.t4Y20
- Wikipedia先生見たら面白そうだったのでやってみた。
永遠亭の姫が因幡達の様子を見に部屋から出た。
身分の違いもあり、仕える因幡達は誰もそれまで姫を見たことが無かった。
永琳が尋ねた。「この方が誰か知ってる人?」しかし誰も答えなかった。
「どうしたの?みんな?、ほら、とても有名だし、本にも出てきたでしょう。」
「そっか、わかった!」ひとりの因幡が姫を指差して言った。
「これが引きこもりなニートだ」
その因幡はムベンヒョロと改名させられた。
- 341 :名前が無い程度の能力:2007/03/16(金) 12:16:24 ID:R0VBcGQQO
- 東方にはノンカリスマで揶揄されやすい権力者が多いからな
フィットしやすいのかもしらん
- 342 :名前が無い程度の能力:2007/03/16(金) 13:04:03 ID:AA0X3CIs0
- 東方アネクドートスレですかw
- 343 :名前が無い程度の能力:2007/03/16(金) 14:56:27 ID:avCZxx0.0
- パチュリー・ノーレッジが時々口にする「むきゅ」という単語。
この言葉はいったい何を表しているのだろうか?
戦国時代後期、柳生宗厳が開いた柳生新陰流では、力で相手を圧倒して倒す一般的な剣法「殺人剣」に対し、機先を取ることによって相手を制して戦わせない「活人剣」を唱えた。
また、立合いにおける構えとは一種固定した形式であり、臨機応変に欠けるために、これを悪しとして、構えによらない臨機応変の型として何も構えない姿勢、「無形の位」を構えの完成型とした。
そして、代々知識を探求することを家訓としてきた知識の総本山たるノーレッジ家にも、これと同様の教えがある。「知識を求めることに拘っているようでは、まことの知識人とは言えぬ」
達人とはいたずらに求めずとも自然と知識が備わっている者のことであるとし、そのような姿勢のことを何も求めない姿勢、すなわち「無求」の型とした。
これが、ノーレッジ家が秘伝、「むきゅう」の極意である。
- 344 :名前が無い程度の能力:2007/03/16(金) 14:59:36 ID:avCZxx0.0
- スマン、失敗した。前の見なかったことにしてくれ
パチュリー・ノーレッジが時々口にする「むきゅ」という単語。
この言葉はいったい何を表しているのだろうか?
戦国時代後期、柳生宗厳が開いた柳生新陰流では、力で相手を圧倒して倒す
一般的な剣法「殺人剣」に対し、機先を取ることによって相手を制して戦わせ
ない「活人剣」を唱えた。また、立合いにおける構えとは一種固定した形式で
あり、臨機応変に欠けるために、これを悪しとして、構えによらない臨機応変
の型として何も構えない姿勢、「無形の位」を構えの完成型とした。
そして、代々知識を探求することを家訓としてきた知識の総本山たるノーレッジ
家にも、これと同様の教えがある。「知識を求めることに拘っているようでは、
まことの知識人とは言えぬ」達人とはいたずらに求めずとも自然と知識が備わって
いる者のことであるとし、そのような姿勢のことを何も求めない姿勢、すなわち
「無求」の型とした。
これが、ノーレッジ家が秘伝、「むきゅう」の極意である。
- 345 :名前が無い程度の能力:2007/03/16(金) 15:20:18 ID:V.yr2NR.0
-
豪華客船が難破したった一つの救命ボートに人々が群がった。
全員が乗ることは出来ない。幻想郷の少女達にどう説明すればよいか。
-咲夜には「瀟洒なら飛びこむ」といえばよい。
-鈴仙には「師匠の命令」と
-小町には「飛び込むな」と
-パチュリーには「海の底に図書館がある」と
-霊夢には何も言わずに五円玉を海に投げ捨てる。
「無想封印!」
「な、なにっ? 陰陽玉で五円玉を回収だとッ!?」
- 346 :名前が無い程度の能力:2007/03/16(金) 15:34:11 ID:J8pGxfDQ0
- 輝夜「…飛べば?」
- 347 :名前が無い程度の能力:2007/03/16(金) 15:45:41 ID:V.yr2NR.0
- 一同「空気読め、このニートが!」
- 348 :名前が無い程度の能力:2007/03/16(金) 16:01:35 ID:d7BMSI0k0
- 一方、紫はスキマで一人のんびりとしていたと
- 349 :名前が無い程度の能力:2007/03/16(金) 16:30:56 ID:GtX.9ZI60
- そして飛べない香霖は一人寂しく溺れ死んだ
- 350 :名前が無い程度の能力:2007/03/16(金) 18:41:42 ID:0XfnYH4I0
- ある館のメイド長が神主に訊ねた
「神主よ、我が主にはいつになったらカリスマが備わりますか」
神主は答えた
「100年後だ」
これを聞くとメイド長は泣きながら走り去った
門番が神主に訊ねた。
「神主よ、私はいつになったら本名で呼んでもらえますか」
これを聞くと神主は泣きながら走り去った
- 351 :名前が無い程度の能力:2007/03/16(金) 20:03:14 ID:DVhF3lIY0
- 文がいつもの顔ぶれにインタビューをした。
「今年の致命的な米の不作に関してあなたの意見をお聞かせください」
妹紅「致命的ってなんですか」
フラン「米ってなんですか」
幽香「不作ってなんですか」
中国「意見ってなんですか」
- 352 :名前が無い程度の能力:2007/03/16(金) 22:07:41 ID:cu3bXXUI0
- つttp://scapegoats.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/dust/box/dust_0781.xxx
- 353 :名前が無い程度の能力:2007/03/16(金) 22:21:10 ID:MSde0.nY0
- プチ創想話にアネクドート集みたいな投稿があったと思う。
あと>>344はこれを忘れてると思う。
民明書房刊 「現代に生きるパチェ萌えの智慧」
- 354 :名前が無い程度の能力:2007/03/16(金) 23:06:02 ID:gQLrKQLE0
- 紅魔館のお嬢様が私の元へ大人になる薬を求めてやってきた。
というわけでいくつか提案してみた。
1.とりあえず体だけ大人になる薬、ただし中身は子供になる
「却下。つまらないもの」
2.体は子供、頭脳は大人になる薬
「却下、今と変わらないでしょ」
3.大人の階段を子供のまま昇っちゃう薬(男性がそばにいるとき服用)
「却下、大問題じゃない」
4.大人のカリスマ増強剤(魔界神提供)
「却下、要はアホ毛でしょう」
5.つまらないことに胸だけが大きくなる薬
「もらっていくわ」
スキップしながら帰っていく少女を見て思う
従者といい主といい紅魔館は大変だなと
- 355 :名前が無い程度の能力:2007/03/17(土) 04:33:21 ID:SfUv09B60
- 3をだましてでも売りつけたくなるな。
- 356 :名前が無い程度の能力:2007/03/17(土) 09:24:32 ID:lFdCbu560
- 3は目薬と見た
- 357 :名前が無い程度の能力:2007/03/17(土) 13:34:39 ID:QT2wOjBE0
- >>356
あい(EYE)の薬ってことか
- 358 :名前が無い程度の能力:2007/03/17(土) 13:46:03 ID:lBbQMq7Y0
- >>357
酒に目薬を入れるとだな…
- 359 :名前が無い程度の能力:2007/03/17(土) 13:50:09 ID:WZIaKp1o0
- 媚薬となる・・・・といったが、すまん ありゃ嘘だ
- 360 :名前が無い程度の能力:2007/03/17(土) 15:48:50 ID:VmguWw2k0
- 悪酔いしやすくなるだけだぜ。
ついでに、今の目薬はその成分は入ってないから、やるだけ無駄。
- 361 :名前が無い程度の能力:2007/03/17(土) 15:50:16 ID:SfUv09B60
- 腸にダイレクトに酒注入するとすごいことになるって聞いた。
- 362 :名前が無い程度の能力:2007/03/17(土) 15:51:43 ID:MkrKcQ3g0
- sneg
- 363 :名前が無い程度の能力:2007/03/17(土) 17:32:51 ID:lBbQMq7Y0
- 後ろからウォッカを注ぎ込んで急死した人がいるくらいだからな
目薬ともども冗談でもやったら映姫様にオシオキされるぞ
- 364 :名前が無い程度の能力:2007/03/17(土) 18:49:38 ID:HtSfyKGU0
- 逆に考えるんだ
「映姫様にオシオキしてもらえる」と考えるんだ
- 365 :名前が無い程度の能力:2007/03/17(土) 19:17:53 ID:SfUv09B60
- いや、どっかにあったグロ漫画で知ったんだけどな。>腸
- 366 :名前が無い程度の能力:2007/03/17(土) 19:20:56 ID:IsUtR.tc0
- 直腸からも栄養吸収されるってだけの話でございますよ
- 367 :名前が無い程度の能力:2007/03/17(土) 19:24:54 ID:WCxE8Xf60
- 大腸から一気にアルコールが吸収されるから、
急性アル中になってそのまま映姫様とご対面すると聞いたが。マジでヤバイらしい。
- 368 :名前が無い程度の能力:2007/03/17(土) 20:01:44 ID:QHKTu/wQ0
- >>365
なんというY太
それっぽいとは思ったが
- 369 :名前が無い程度の能力:2007/03/19(月) 03:03:43 ID:F3FgJrIg0
- 「この冬はなんだかいつもより弱めだったからねぇ」
洞窟の中を人影が2人、歩いている。
「久々に寒くなったと思ってひと暴れしようと思ったらね、」
「……」
レティとチルノであった。
「急にあの春妖精が出てきちゃってこてんぱんにのされちゃったのよー」
「……」
2人は冷え込むその洞窟を、迷いもなく奥へと進んでいた。
「……」
「……」
絶えず足は動いているが、会話は止まった。
「…ねぇ」
「大丈夫。分かってるから。」
何かを話そうとするレティをチルノが止める。
「……」
「……」
「…着いたわね」
そこは洞窟の最深部であった。
「それじゃ、お願いね。」
「……」
チルノは、目の前のレティに手をかざした。
チルノは目に涙を浮かべていた。
「…チルノ」
「分かってる!! 分かってるの!!」
「…私が約束を破ったことがある?」
「ないけど…」
「今度も絶対守るから。はい、ゆびきり。」
ゆーびきーりげんまん、うそついたらはりせんぼんのーます。
洞窟の中でレティの声だけがよく響く。
「…何で指切らないのよ」
チルノの口からか細い声が漏れる。
「だって約束は一人じゃできないじゃない。」
はっと前を向いた。
「私もあなたのこと、信じてるもの。」
目の前のレティは、いつもどおり、笑っていた。
ゆーびきーりげんまん、うそついたらはりせんぼんのーます。
ゆーびきった。
「それじゃ、おやすみ。チルノ。」
「おやすみ、レティ」
チルノは洞窟を出ると、入り口に氷の閂をかけた。
「なーにしてるんですかぁ?」
「のわぁっ!! バカ天狗っ!! 何の用よ!!」
「…あなたにバカと言われる筋合いはありません」
このブン屋…気がついたら近くにいるんだもんなぁ…
「今日は沼に行かないんですか? 春になって大蝦蟇さんも起きだしてきましたし。」
「え…ホントに!?」
「正確迅速がモットーの文々。新聞ですよー」
「ひょっとしてギャグで言ってる?」
「酷っ」
「さて、負けの実況記事の準備しなきゃ」
沼へ飛んでいくチルノを見送る。
「…んで、あれは記事にしないんだ。」
「む」
霧が萃まり、形を成していく。
「これはこれは萃香さん。今日は何用で?」
「いや用なんかないけどさ。天狗らしくないなって」
伊吹萃香は文々。新聞の数少ない定期購読者であった。
「これだけの上ネタ、記事にしないなんて勿体無いと思わない?」
「んー何というか。彼女のイメージじゃないんですよねー」
「あーわかるわかる」
飲んだくれ鬼娘がうなずく。
「あと」
「ん?」
文は氷精の飛んでいったほうをじっと見つめたまま、
「私も、そこまでヤボじゃないですよ。」
- 370 :名前が無い程度の能力:2007/03/19(月) 03:11:28 ID:UK3ERYPQ0
- ぶんぶんが風だけじゃなく空気も読むだなんて閻魔様に説教でもされたんだろうか
と言いたくなるくらい素敵な文ですね
仲良いレティチルはやっぱりいいね
>>369GJ
- 371 :名前が無い程度の能力:2007/03/19(月) 18:36:27 ID:F3FgJrIg0
- ぶんぶんは俺の中ですんごい空気読める子だったり
文々。新聞 霜月参号
【今年もやってきた!!冬の風物詩】
先日、取材のため飛んでいると、木枯らしと共に一人の妖怪が滅茶苦茶な勢いで
暴れまわっていました。スピードを控えめにしていなかったら危うくぶつかるところでした。
「キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!」とキ○ガイのように叫びながら飛びまわっていたのは、
レティ・ホワイトロック(妖怪)さん。
彼女は冬以外の季節は何処で何をしているのか全く分かりませんが、
冬度(?)が溜まってくると唐突に現れ、このように暴れまわります。
キターという声は冬の季語にも指定されるほどの冬の風物詩になっています。
彼女と親交の深いチルノさん(氷精)に彼女の事を聞いたところ、
「え? なんであたいがあんたなんかに話さなきゃいけないのよ!!」
と何も知らない様子。やっぱり彼女の冬以外の行動は謎のままです。
萃香「やっぱり駄目だこのブン屋…早くなんとかしないと…」
ヽ、_ ,、 ,、 γ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
r>iゝ!' ,.ゝ-ヽiノ,.i :: : :::: :: ::: ::: ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
ゝ,/ , ,イ :::::: :::::::::::: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
γイノi」ハyノ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
/:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ :::/;;: ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄
- 372 :名前が無い程度の能力:2007/03/19(月) 22:59:41 ID:y6ISYfCs0
- >>369
いい話なんだが、なぜかレティにフリージングコフィンをかける
チルノが浮かんだ。
- 373 :名前が無い程度の能力:2007/03/20(火) 01:05:44 ID:U7uPJZgk0
- なにその黄金闘士
- 374 :名前が無い程度の能力:2007/03/21(水) 09:56:52 ID:WGAwVzss0
- 33.3%の確率でクリティカル
- 375 :名前が無い程度の能力:2007/03/22(木) 00:28:28 ID:QeWMyWP.0
- 相手は死ぬ
- 376 :名前が無い程度の能力:2007/03/23(金) 11:57:05 ID:9zbKEBso0
- 相手は死ぬ
- 377 :名前が無い程度の能力:2007/03/25(日) 16:47:45 ID:AaMRifJk0
- 上昇
- 378 :名前が無い程度の能力:2007/03/26(月) 08:35:06 ID:rXxn8Qmo0
- 停滞気味なので拙作を投下。
レコードの音を初めて聞いたのはアリスの部屋でだった。
「適当に座っててよ」
部屋に入ると低いラックの上で大きな黒い円盤がゆっくりと回っていて、それは何だかやけに不思議な光景に見えた。
だってオヤジはレコードは持っていたけど、ウチにはプレーヤーが無いから、私にとってはただの飾り物でしかなかったんだ。
「紅茶で良いよね?」
スリッパを履いたアリスの足音が少し遠くなるのを聞きながら、私は座り心地の良さそうなラグの上に座り込む。
そういえば小さい頃、古びたレコードをフリスビーみたいに投げて飛ばして、オヤジに死ぬほど怒られた。
あの時は何で怒ってるのかちっとも判らなかったけど。
「――どうぞ」
渡された白い陶器のカップからは白く細く湯気が登る。
「ごめんなさい、少し雑音が入るでしょ? 小さい傷があるんだけど好きな曲なの……。気になる?」
流れてくるのは聞いた事もないクラシック。
小さく、同じ間隔で入るノイズ。
一周に一度。
「……心臓の音みたいで好き、かも」
普段なら眠くて仕方ないはずなのに。
私の言葉にアリスは少し驚いた顔をして、それから
「そういう事を何気なく言うから、魔理沙って好きよ」
と優しく笑う。
紅茶の甘い匂い。
「私もいい気分よ。魔理沙がいれば」
静かなアリスの声。
レコードが鼓動を立てる。
そのノイズはアリスの心臓の音に似ていて。
いつか家に帰る事があったら、あの時の事をオヤジに謝ってみよう。
優しい鼓動は人を優しくさせる。
- 379 :名前が無い程度の能力:2007/03/26(月) 18:16:58 ID:A7Z6zagk0
-
伝統の中国虐待SS
−− 490年前
中国「ついに完成したわね、我が屋敷、紅魔館! ここを拠点に、紅一族が蓬莱を支配
してやるわ! 腋を洗って待ってなさい、蓬莱人ども」
飛脚「ちわー、宅配です。クレナイミスズさまにお届けものです」
中「ホンメイリンよ! でも私に荷物? 心当たりがないけど」
飛「でも、住所ここになってますよ」
中「ホントだ…誰からだろう? 送り主が書いてないわ。これ中身何?」
飛「えー、棺桶ですね」
中「棺桶? 縁起でもない…どこのどいつよ、そんなもの送りつけるのは」
飛「とりあえずこちらに受け取りのサインを」
中「あ、はい。まあ、いらなかったら湖に捨てればいいか…」
少女開封中
中「両方とも真っ赤な棺桶? 中に何か入っているみたい。怖いけど、開けてみよう」
レ「れみれみれみ?」
中「へっ!? ようじょ? こっちは?」
フ「ふりゃふりゃふりゃ?」
中「こっちもようじょ? 一体なんなのよもう!?」
レ「れみれみれみ」
フ「ふりゃふりゃふりゃ」
中「きゃあ! 何でふたりして私にかみつくのよー! やめてー、いたいっ!」
−− 100年前
レ「れみれみれみ!(ごはんがまずい!)」
フ「ふりゃふりゃふりゃ!(みそしるがぬるい!)」
中「あつっ!……うう。もういや……こんな生活」
中「ちょっ、ふたりともなにもってるの!?」
レ「れみれみれみ(ひろった)」
フ「ふりゃふりゃふりゃ(ここでそだてる)」
パ「ぱちぇぱちぇぱちぇ?」
中「増えた……そんなー!」
- 380 :名前が無い程度の能力:2007/03/26(月) 18:17:36 ID:A7Z6zagk0
-
−− 1○年前
レ「れみれみれみ!(ごはんがまずい!)」
フ「ふりゃふりゃふりゃ!(みそしるがぬるい!)」
パ「ぱちぇぱちぇぱちぇ!(ろいやるふれあ!)」
中「あつっ!……うう。もういや……こんな生活。私に子育てなんて無理よ! 人を雇おう、
スタッ○サービス、スタッ○サービス!」
ピポパ、0120−オー人事オー人事
「はい、スタッ○サービスです」
中「メイドお願いします! 大至急!」
「ピンからキリまでありますが、どれになさいますか?」
中「い、一番高い奴で!」
飛「ちわー、宅配です。クレナイミスズさまにお届けものです」
中「ホンメイリンだっつってんだろ! 幕るぞ、てめえ!」
飛「えっと、スタッ○サービスさんからですね、サインお願いします」
中「なぜ宅配……いやな予感」
咲「さくさくさく?」
中「やられた! またようじょだ!」
レ「れみれみれみ!」
フ「ふりゃふりゃふりゃ!」
パ「ぱちぇぱちぇぱちぇ!」
咲「さくさくさく!」
中「ヒャーーーー!!」
−− 現在
咲「こら中国、また居眠りして!」
中「はっ!?」
咲「罰として晩飯抜き!」
中「え〜、そんな〜!」
咲「口答えすると、明日も抜きよ!」
中「しゅん……はー、なんでこんなことに……元々は私の屋敷だったのに…。
昔はみんな可愛かったんだけどなー。大変だったけど、今じゃ懐かしいなあ……」
- 381 :名前が無い程度の能力:2007/03/26(月) 18:38:59 ID:QuyfMKGw0
- またようじょだ!で吹いた
- 382 :名前が無い程度の能力:2007/03/26(月) 20:30:08 ID:vl4KMJEk0
- ようじょというより、ポケモンを幻視した
- 383 :名前が無い程度の能力:2007/03/26(月) 20:32:59 ID:3hZK1KlY0
- >>378でいい空気に浸ってたら、
>>379〜でぶち壊しwww
お二方GJ
- 384 :名前が無い程度の能力:2007/03/26(月) 23:50:05 ID:BeSTGdgY0
- 残寒に前倒しで到来した小春日が誘うまどろみの中幼き日を夢に見た。
『女とはそれ即ち魔物である』
いつか師匠はそんな事を言っていた。
はて、魔物とは。
曰く、女は人間であっても妖怪であってもやはり女でしかなく魔物との接点など見出せる筈も無い。しかしある日突如として魔物へと変ずるのだという。
そして一度魔物と成り果てたならば退治される他道は無し。
はて。
私はそんな話はとんと聞いた事が無い。
しかし師匠が言うのである。まさかまさか狂言などお気に召すはずも無い厳格を絵に描いた様な偉丈夫である。
だがそれでもやはり釈然としないなぜなら私も女である。
そもそも、ここで言う魔物の定義とはなんであろうか。
やはり悪奇怪生の類と見て間違いは無いのであろうか。
そうすると私は悪奇怪生の類なのだろうか。さすがにそれは突拍子も無い発想である。
だがそうでなければ魔物とはなんぞや。
そういえば師匠はこうも言っていた。
『その魔物によって多くの者が苦しむ。私をして、それは耐え難い。お前もきっと、そう。この身に掘り込まれたいつかの傷跡を尚改めて抉る日が来る。それが魔物たる業よ』
なんだ、魔物と名言されていた。
そうか私は魔物なのか。何を持って魔物なのかはわからないが師匠が言うには私は魔物らしい。師匠が言うからには間違いない。
さてその魔物であるが、されとてこの私、半人前である。何をどのようにして師匠ほどの人物を苦しめるまでに至るというのだろうか。
それは非常に困難を極めます。求道の果てに女は魔物へと化けるという事だろうか。
しかしそれでは私や一部の女としての人生をある意味捨てた者に限った話になってしまう。自分で言うのもなんだが私は女としては果てしなく外道である。
女とは魔物であるという事はつまり、魔物であるには女でなければならないのである。
ならば女としての人生を半ば諦めている私は魔物足りえるのであろうか?
師匠は更にこう言ったのだ。
『お前がいかにその剣に縋ろうとも、その剣がいかにお前を引き止めようとも、いずれお前はそれを自ら手放す時が来る。魔物とは賢くそしてあらゆる物の価値を否定する。何よりも、己以外に一つ以上の物を抱える事などできぬと知っている』
これだけ聞くと師匠の言う魔物とやらに頼り無気な印象を受ける。よく解釈すればストイック、悪くすれば臆病者。
どうだろうか、これはもはや魔物では無い。そして間違いなく私でも無い。
魔物とはその語感からも、もっと凶悪で、理不尽な存在であるように私は思う。
何よりも師匠がその存在を恐れる程だ。よほどの物でなければそうはいくまい。
最後に師匠は寂しげにこう漏らしていた。
『魔物が退治される時、誰もが喜び、歓喜に沸く。その中で、その縁者だけが大輪の散る中静かな苦しみに耐え続けるのだ。死に装束を身に纏い、手の届かぬ遠き所へと運ばれていくその魔物に、しきり涙するのだ』
はて。
- 385 :名前が無い程度の能力:2007/03/27(火) 08:40:12 ID:V0MiAveM0
- 爺ちゃんまじ孫煩悩
- 386 :名前が無い程度の能力:2007/03/27(火) 19:56:35 ID:Wqfa83iM0
- お爺ちゃんそれ死に装束違うから!
- 387 :名前が無い程度の能力:2007/03/27(火) 20:16:15 ID:kkKWfKsY0
- 人生の墓場だから・・・って意味だろ
- 388 :名前が無い程度の能力:2007/03/27(火) 21:18:23 ID:OcdY8Byo0
- 誰がうまいこと言えと
- 389 :名前が無い程度の能力:2007/03/28(水) 03:47:49 ID:9xwcNmrs0
- みんなのレスを読んで初めて意味が分かるとは……私とんだ若輩者でありました。
さては隠居したのは、
妖夢がいつの日か連れて来る良人を思わず斬ってしまう事を恐れて……
ましてやその良人が己の主人であるなどと!
- 390 :名前が無い程度の能力:2007/03/28(水) 12:43:47 ID:AYCvtSpY0
- >『お前がいかにその剣に縋ろうとも、その剣がいかにお前を引き止めようとも
このくだりまでなぜかうどんげと永琳の話だと思ってた俺よりましだね
- 391 :名前が無い程度の能力:2007/03/28(水) 14:23:01 ID:/Xl6J3xw0
- >>389
なんだか、まだちょっと勘違いしている気がするぞ……
- 392 :名前が無い程度の能力:2007/03/28(水) 15:12:05 ID:xi.vYUZU0
- 「生きてるってなんだーろー」「生きてるってなあに?」
「生きてるってなーんーだーろー」「生きてるってなあに?」
「聞ーいーてーよ、もこたん」
「なーんーだーいー、ぐやたん」
「昨日も掲示板荒らし、今日も掲示板荒らし、明日も掲示板荒らし、きっと今年の末も掲示板あーらーし
毎日毎日おなじことの繰り返しで、生きてる気がしなーいよ!」
「そんなことなーいーよ、ぐーやーたーん!ちょとっ、目を瞑って!」
「?」
「いいからいいからあたしを信じーてー」
――少女炎上中
「何すんだこのヤロ!!」
「ぐやたん生きてるじゃん!!」
「AHHHHHホントーだー!!」
「生きてるってなんだーろー」「生きてるってなあに?」
「生きてるってなーんーだーろー」「生きてるってなあに?」
「もっかい」「生きてるってなんだーろー」「生きてるってなあに?」
「生きてるってなーんーだーろー」「生きてるってなあに?」
「もこたん、目瞑って」
――少女撲殺中
「あたしーもー生きてたー」
- 393 :名前が無い程度の能力:2007/03/28(水) 17:45:15 ID:9EznCcGM0
- >昨日も掲示板荒らし、今日も掲示板荒らし、明日も掲示板荒らし、きっと今年の末も掲示板あーらーし
姫様何やってんすかwwwwww
- 394 :名前が無い程度の能力:2007/03/28(水) 20:54:23 ID:beJfmwTU0
- >>391
つっこんだらあかんてw
- 395 :名前が無い程度の能力:2007/03/28(水) 20:59:20 ID:cJ/E55Mg0
- >>392
楽しそうに殺伐してるなぁw
- 396 :名前が無い程度の能力:2007/03/28(水) 22:06:33 ID:d5cZMRSU0
- 懐かしいな笑犬w
- 397 :名前が無い程度の能力:2007/03/28(水) 23:27:27 ID:D5PyHdTc0
- 「咲夜さん、これで大体終わりました」
「ああ、悪いわね美鈴」
「後は、咲夜さんの身の周りの物だけですね」
「ええ、こうやって片付けていると迷っちゃうものが多くて…
例えばこのメイド服、これは要るのかしら」
「…これは、要らないです
咲夜さんはもうメイド長ではなく、紅魔館支部長に成られるわけですから」
「…そう…
じゃあこのナイフ、これは要るわよね?」
「要らないです」
「なんで!?これが無いと戦闘力ガタ落ちじゃない」
「これからは外敵ではなく、自分と戦う事になりますから」
「そ、そう…
じゃあ、能力には磨きをかけないとね…」
「要らないです」「なんで!?」
「時間を止めても意味はありませんし、空間を広げるのは自殺行為です」
「…
ところで、お嬢様から頂いたコレ…古銭?コレは要るのかしら」
「要ります」
「要るの!?大した価値でもないでしょコレ?」
「コレだけが頼りです、というかこれが無いと渡れないんです」
「渡るの!?」
「…」
「泣いてるの美鈴!?」
「…今何を入れたんですか咲夜さん」
「…下着よ」
「それはp「寄せて上げるブラ!」要らないでs「要るのよ」要らn「要r」咲夜さん!
…命に関わります!!」
「なんで!?」
「地獄に落とされるんです!」
「がーんばれまけんなちーからぁぁのかーぎーりー…」
BGM:メイドと血の懐中時計 1:48〜
「…貴女がいけないんだ!
お嬢様のお着替えを全部園児服にすり替えたりするから…!」
「良かれと思って〜」
便乗およびなんかいろいろとごめんなさい
- 398 :名前が無い程度の能力:2007/03/28(水) 23:32:09 ID:CWdN5aB60
- 小須田部長と聞いて歩いてきました。
- 399 :名前が無い程度の能力:2007/03/28(水) 23:35:26 ID:VW3/znP60
- やべぇwww懐かしすぎるwww次はミル姉さんあたりか
しかし迷シーン再現スレ行きじゃね?
- 400 :名前が無い程度の能力:2007/03/28(水) 23:52:07 ID:sL9Qe.AY0
- それにしてもこのネタはずるいなw
前にどっかで違う組み合わせで見たがあっちはなんだったっけか・・・
- 401 :名前が無い程度の能力:2007/03/28(水) 23:57:37 ID:VW3/znP60
- >>400
多分、「東方キャラに演じてほしい名(迷)台詞・シーンスレ その4」の>>949だと思う
あれ…配役が同じだw
- 402 :名前が無い程度の能力:2007/03/30(金) 12:18:02 ID:nt2QwVdc0
- 5ボス的幻想郷用語辞典
口は災いの元……上司の思いつきだけの発言で部下が酷い目に遭うこと
「暇だからイナバたち何かやりなさい」
何故か組体操をやらされた。しかも診察を受けに来てた患者たちの前で。屈辱。
「春を集めたら桜が咲いた。なら秋を集めたら秋の味覚が食べ放題じゃないかしら?」
冥界に乗り込んできた巫女にボコボコにされた上に収穫を全部持って行かれた。
「仏の御石の鉢で紅茶が飲みたい。取ってきなさい」
永琳に捕まって怪しい薬を飲まされ悪夢を見た。さらに帰ったら「役に立たないわね」と
お仕置きされた。……ちょっと気持ちよかった。
- 403 :名前が無い程度の能力:2007/03/30(金) 13:33:43 ID:mSZgJCfM0
- 「仕事をしなさい」
腕が筋肉痛になった。
- 404 :名前が無い程度の能力:2007/03/30(金) 15:02:30 ID:12RX1Cj60
- えーき様の場合説教自体が災いと言うより兵器
- 405 :名前が無い程度の能力:2007/03/31(土) 20:04:35 ID:99a8wezY0
- 霧雨魔理沙は幻想郷最速である!
「異変が起きたら付いていくぜ、いつも思い出の中に私がいるようにな」
あなたと会ったその日から♪
「この図書館には来るのはな、本よりも大切なものがあるからなんだぜ」
恋の奴隷になりました♪
「地下室だってそう捨てたもんじゃないぜ、大切な人と二人ならな」
あなたを知ったその日から♪
「なんで魔法の森に住んでるのかって? 一番近くにいたいからさ」
恋の奴隷になりました♪
霧雨魔理沙は幻想郷最速である!
「ウッ」
「……速いのね」
霧雨魔理沙は幻想郷最速である!
- 406 :名前が無い程度の能力:2007/03/31(土) 20:08:54 ID:a8DJ7r3Q0
- 大人の幻想郷最速だな
- 407 :名前が無い程度の能力:2007/04/06(金) 01:16:01 ID:LQKUs/7A0
- このスレで不定期連載って許されます?
1個1個が1〜2kb未満。
本番(クリエ)に投稿できる程の時間も無い
かと言ってぶつ切りでそのサイズでは到底・・・
- 408 :名前が無い程度の能力:2007/04/06(金) 01:20:11 ID:qvSFLh8w0
- いいんじゃないの?特に反対する理由も無いと思うし。
ちょっと前はみすちー屋台シリーズとか在ったし。
前回へのアンカーがあれば好感度アップ。
- 409 :名前が無い程度の能力:2007/04/06(金) 02:01:16 ID:mdfuzekI0
- 過疎だからどんと来いですよ
- 410 :名前が無い程度の能力:2007/04/06(金) 19:50:39 ID:eMDc9Zdo0
- >>407
U-1だったり、ネチョだったり、グロだったり、今はないだろうけどネタバレだったり
しなければいいんじゃない?
でも守って欲しい事が一つ。
完結して欲しい。
- 411 :名前が無い程度の能力:2007/04/06(金) 20:51:36 ID:qAhny/HQ0
- 配慮としてはキーワードかトリップを使うってのもあるな
なんのためかは聞くなよ?
- 412 :名前が無い程度の能力:2007/04/06(金) 20:54:41 ID:4mP1W/k60
- というかここのスレの性質からして、
仮にU-1とかでも排除する理由にはならんわな。
だからここに書いてるってわけだし。
ネチョ、グロは板に反するから駄目だが。
もう一つ。
いくら皆が良いって言っても、
連載うざいってレスは必ず来ると思うが、
それで辞めないで欲しいかな。
- 413 :名前が無い程度の能力:2007/04/06(金) 22:02:34 ID:Ext534hU0
- 折角のSS書き捨てスレなんだから、気楽に行こうぜ。
(書き捨てって言い方は、ちと聞こえが悪いか……)
ちゃんと完結しなきゃいけないっていう縛りも別に無いしさ。
気負わずに書き込めるってのが、ここのいい所なんじゃないかな。
……あ、でも完結は目指して欲しいな。読者的にはね。(矛盾
ここで過去に連稿で完結まで行ったやつってあったかい?
- 414 :名前が無い程度の能力:2007/04/06(金) 22:04:06 ID:Ext534hU0
- ……よし、SSでもないのにアゲちまった……すまない……。
こんな私を許しておくれorz
- 415 :名前が無い程度の能力:2007/04/06(金) 22:40:33 ID:L8p0fuHk0
- >>413
手ぶらで許すわけにはいかない。さあSSを書くんだ。
- 416 :名前が無い程度の能力:2007/04/07(土) 08:06:04 ID:xt1e7ZRY0
- >>412-413
オリキャラを忘れてないか?
- 417 :名前が無い程度の能力:2007/04/07(土) 12:37:31 ID:OTkJNnxo0
- 最近は居ても収拾さえ付いてれば問題なさげな流れだけどな
- 418 :名前が無い程度の能力:2007/04/08(日) 00:07:47 ID:zltPp7ac0
- 巫女を見つけた氷精は、いつも通りにツララを投げつけた。
巫女のことだから軽く避けてしまうだろう。
だけど体勢を崩した瞬間に氷の破片をばらまいてやる。
そうすればあたいの華麗なる勝利!
氷精は知らなかった。
巫女が徹夜明けだったことを。
ちょっとした異変を解決する為に、
昼夜飛び回っていたことを。
勘の鋭い巫女は気がついた。
自分に大きなツララが向かってくることに。
だけどそれだけ。
咄嗟に避けるだけの判断はできなかった。
氷精は呆然と佇んでいた。
深紅の床に伏した深紅の巫女を見下ろして。
氷精は理解できなかった。
目の前の光景が何故生まれたのかを。
氷精は家で泣いていた。
もう暢気に遊ぶことなんてできやしない。
氷精は理解していた。
自分が人間を敵に回したであろうことを。
巫女はあんまり変わらなかった。
車椅子を漕いで掃除をしたり、異変と見れば飛び立ってみたり。
友人の魔法使いが自分に任せろと言うものの、
「異変を解決するのは巫女の仕事だもの。」
ある時、湖で小さな異変が起きた。
次第に凍って、住んでいたカエルも皆逃げた。
近くの館の住人が全く気にしなかったので
誰も解決しようとしなかった。
これが湖が夏でも凍っているわけなんじゃ。
- 419 :名前が無い程度の能力:2007/04/08(日) 00:20:32 ID:ZcxhkaZc0
- うーん。なんかこう、ザックリくるなぁ。
- 420 :名前が無い程度の能力:2007/04/08(日) 10:05:01 ID:6dLcPask0
- 弾幕ルールという安全弁をかっこに入れると、こういうザックリものも可能になるんだよな。
簡潔でリズミカルな文章がよいねぇ。
- 421 :名前が無い程度の能力:2007/04/08(日) 10:17:58 ID:W54oWX6Mo
- 霊夢の動じなさが凄いな。
確かに個人的な恨みを晴らすような
性格ではなさそうだ。
- 422 :名前が無い程度の能力:2007/04/08(日) 10:25:53 ID:WYHiAg6A0
- 「あーもうメンドクサイ」とか「まったくあの馬鹿、次ぎ来たら一発ぶん殴ってやろうかしら」とか怒ってそうだとは思うんだが、復讐するかと言われるとピンとこない
何があってもとりあえず楽しんでそうなイメージがある
- 423 :名前が無い程度の能力:2007/04/08(日) 10:37:54 ID:80M95ZfY0
- 後半湖の小さな異変の解釈としては
チルノとしては異変を起こして霊夢に退治されたかったのだろうか
- 424 :名前が無い程度の能力:2007/04/08(日) 11:21:38 ID:WYHiAg6A0
- 人間に恨まれるのが怖くて氷の中に隠れたと思ったが、そっちのほうが何か良いな
- 425 :名前が無い程度の能力:2007/04/08(日) 19:33:47 ID:Cp7oMnOA0
- 身を投げた。
- 426 :名前が無い程度の能力:2007/04/08(日) 19:53:48 ID:Ys7zvKUk0
- それよりも
「異変を解決するのは巫女の仕事だもの。」
ある時、湖で小さな異変が起きた。
誰も解決しようとしなかった。
霊夢、傷悪化で死んだんじゃね?
それでチルノも身投げしたとか
- 427 :名前が無い程度の能力:2007/04/08(日) 20:42:40 ID:dYZNyAiM0
- いろいろ解釈できてふくらませることができて良いね
- 428 :名前が無い程度の能力:2007/04/08(日) 20:58:30 ID:fuNfyPds0
- 明示的には何も示されていないのに
スルメの様に噛めば噛むほど味がにじみ出てくる
こういうストイックな書き方ができるようになりたいな。GJ!
- 429 :名前が無い程度の能力:2007/04/09(月) 22:31:48 ID:mxhokn920
- >近くの館の住人が全く気にしなかったので
とあるから
「不便なら何とかしてみるけど、どうする?」
「ほっといて良いわ」
「あ、そう」
の3行でスルーされたと思ってたがw
ちなみに最初にザッと流し読みした時に
「ああ、チルノが霊夢の変装して巫女の仕事をするようになったんだな」
と、血迷った解釈したのは秘密だ
- 430 :名前が無い程度の能力:2007/04/09(月) 23:07:37 ID:7ZQ5t3.60
- 湖の底には黄金聖衣すら動かなくなる氷の中で泣きながら眠っているチルノがいると俺の脳内で設定した。
- 431 :名前が無い程度の能力:2007/04/10(火) 18:12:22 ID:ntPLQjp60
-
一読につき10円なり。
うどんげ:あっホントだ!
えーりん:>>432-を見てごらんなさい。
うどんげ:え〜、読みませんよぉ。
えーりん:こうすれば2回読んでもらえるでしょ?
うどんげ:はあ・・・・・・。しかし、なんでまたこんな妙なことを?
えーりん:うふふ、面白いでしょ。
うどんげ:ああ、なるほど。
えーりん:実はね、このSSは下から読むのよ。
ウドンゲ:ん? これはなんですか、師匠。
- 432 :名前が無い程度の能力:2007/04/10(火) 20:13:30 ID:3wjxs23g0
- ゚д゚) <二回どころか数回読んだ
(゚Д゚ なんかこういうの好きだな
- 433 :名前が無い程度の能力:2007/04/10(火) 20:16:11 ID:jgqQQAq20
- 面白いね。一回目を読んだときは何のことやらサッパリだったぜ。
- 434 :名前が無い程度の能力:2007/04/10(火) 20:16:45 ID:0iMl2Vhs0
- >>431
俺の中では新しかった
- 435 :名前が無い程度の能力:2007/04/10(火) 20:26:15 ID:jqcg3jDo0
- なつかしいな、インチキ
- 436 :名前が無い程度の能力:2007/04/10(火) 20:30:11 ID:gM2nrWrY0
- 「これからおまえに人間を殺してもらうわ」
真円の月が中天に差しかかる頃。
突然の呼び出しを受けたうえ何の説明もない悪魔の言葉に、しかし朱髪の門番はこれまで主に受けた
すべての命にそうしてきたように微笑みながら首肯だけを返した。
彼女の主でありまた館の主人でもある赤の悪魔の脇にはいつものように銀の従者が瀟洒に控えていて、
その対側には珍しいことに図書館の魔女がいる。
あまり顔色が良くないなと思う。また薬湯でも煎じてみようか。
魔女の列席だけでも十分に驚きではあったが、珍しいどころではすまないことに、悪魔の妹までもが
顔を揃えていた。
こんな月の高い時刻に地下室からの外出を許されるなど異例もいいところのはずなのに、その表情に
明るさがないことを彼女は残念に思った。悪魔の妹はそれはそれは悪魔のように素敵に笑うのだ。
「運命がね、囁いたのよ」
赤の悪魔は言葉を続ける。
「その人間は腕のいい道具屋なの。数年のうちに誰にでも扱えて威力も申し分ない対妖怪用の武器を作り
上げるわ。そんなのが出回ったらいつ寝首を掻かれるともしれないでしょう?」
だから殺してきなさい。
命令されるということは、途方もない喜びだ。
迅速な完遂を果たし、それでようやく当然と受け止められる悪魔の命令を授かることは、それだけの
価値を与えられていることと等しい。
故に、彼女は微笑みを以て頭を垂れる。
霧雨道具店、という名を聞いてもその笑みが崩れることはない。
- 437 :名前が無い程度の能力:2007/04/10(火) 20:31:03 ID:gM2nrWrY0
- ぱたん、とその男は倒れた。
殺し方はとくに指示されてはいなかった。
八つ裂きにしろ、とでも言われれば目の前の男は百にも二百にもなっていただろうが、好んで猟奇
殺人を行おうとまでは思わない。
血と惨劇は主の好むところではあるが、それにしては舞台にも哀れな羊役にも華が足りないだろう。
だから、一番シンプルな方法を採ることにした。
玄関を開け、家屋に上がり込む。歩く。部屋のひとつひとつを丁寧にのぞき込む。壁に掛けてあった
絵が傾いていたので正す。机の上に赤い花の一輪挿しを見つけて嬉しくなる。
そして殺す。
爪先ひとつとしてそのために振るう必要はなかった。彼女は『気を使う程度の能力』の持ち主。
ところどころに見かけた『生気』を少し操ってやればことは済む。
奥の間にいた老婆も、寄り添って眠る母子も、たまたま起き出てきた丁稚らしき男も、彼女が側を
通り過ぎれば開いていた襖を閉めるような気軽さで命を終える。
音もなく、慈悲もなく、苦しみもなく。打ち寄せた波が引いてゆくような当たり前さで。
どれが目標の人間だったのかももうわからないが、皆殺しにしろと言われている以上同じだろう。
そうしてすっかり家の中を廻り終えて、無駄なく漏れなくと殺し終えたことも確認して、それから
彼女は一枚のスペルカードをとり出し火を放つ。
火気と大気を厳密に管理されたその炎は霧雨の大店と家だけを、しかし柱のひとつも残さずに灰に
するだろう。
しばらくの間は火勢を控え目にし、外で火事を知らせる半鐘が狂ったように鳴り出したのを捉えてから
解き放つ。もはや天狗の風でもこの火を消すことは能わない。
最後の仕上げに、彼女は跳んだ。煤ひとつその身に触れることを許さぬまま、燃え盛る家屋の屋根に
立つ。
彼女の受けた二つ目の命は、霧雨道具店だけを徹底的に焼き払うこと。そしてその姿を里の人間に
見せつけること。
- 438 :名前が無い程度の能力:2007/04/10(火) 20:32:10 ID:gM2nrWrY0
- 捨てた家ではあるんだがな、と前置いて、それでも仇くらいは討ってやらんとな、と普通の魔法使いは
続けた。普段通りの口調とは裏腹に、その目からは門前で何度も戦った時にみせた余裕や明るさは失われ、
煮詰めに煮詰めたような憎悪がある。
降り掛かる星屑の弾幕を避けながら、彼女は月の光も差し込まない鬱蒼とした森を駆けていた。木々や
岩をときに盾にときに目隠し役にしてどうにか続けているこの逃走劇もそう長くは保たないだろう。
魔法使いは立ち塞がるあらゆるものを後先を考えない魔力で薙ぎ払い、森の地形を変えながら追撃
してくる。
里の守護者を退けたばかりの彼女には正面から撃ち合うだけの余力が無い。追いつかれればそれまでだ。
「夢想−−」
心臓が八方に跳ねる。背骨の代わりに氷柱を押し込まれたような悪寒がした。
全力で警報を鳴らす生存本能に身体の操縦を任せ、脇に跳ぶ。
「封印」
無茶を押し通す軌道修正に全身が悲鳴を上げるが、それすらもかき消す閃光が半呼吸前の進行方向上で
狂い咲いた。
一拍遅れて爆音と爆光がまき散らされる。純然たる破壊の華だ。
立ち昇る土煙の向こう、すり鉢状に抉られた地面の上にふよふよとどこか頼りない風情で巫女が浮いて
いた。
その姿を認めた魔法使いが怒声を飛ばす。
「手を出すんじゃないぜ!」
「それはそっちの事情でしょ。そして妖怪退治はわたしの事情」
莫迦ね、とこちらを見た巫女の口が小さく動いた気がした。
それから瞬きひとつも許さぬ間に、たちまち展開される札札札札札針針針針針弾弾弾弾弾。咄嗟に
掲げたスペルカード二枚がほとんど抵抗すら出来ずに打ち破られる。
重さすら感じられる爆風に煽られながら湿った土の上を転がって、彼女は辛くも第一波を凌ぐ。
一合だけではっきりとわった。巫女は全力だ。直撃を受けた背後の岩は砕ける暇さえ与えられずかき
消えている。
それでも、今の一撃は本気ではあっても本命ではない。
「夢想−−」
再び巫女の詠唱が来る。直上では、いつのまにか高高度からの降下シークエンスに入った魔法使いが
スペルカードを抜き放ったのが気配でわかる。
詰んだ。どちらも、絶対によけられない。かといって耐えられもしない。直撃を受ければ「生き残る
のは死んでも無理」だろう。
往けず、帰れず、立ち止まれず。四方八方ドン詰まりの袋小路で、見渡す限りにエンドマークで、
そして彼女がこの森に入った時より待ち望んでいた瞬間でもあった。
- 439 :名前が無い程度の能力:2007/04/10(火) 20:32:51 ID:gM2nrWrY0
- 指をわずかに繰る。それだけで、巫女と魔法使いは目を見開いて攻撃の手を止めた。
なにも難しいことではなかった。ほんの少し、彼女たちの『呼気』を操ってやっただけだ。弾幕ごっこ
においては反則もいいところだが、これくらいは構わなくてもいいなりふりだろう。
もちろんこんな小細工にいつまでも振り回されているようでは巫女と魔法使いは務まらない。瞬時に
離脱を図り、攻撃位置を確保。再度弾幕を広げようとして、
「ッ!?」
「な!」
驚愕に声色を変える。
呼気の制御などあっさり振り切られることはわかっていた。けれど、ほんの一瞬彼女たちを支配下に
置ければ十分過ぎた。
怒気、鬼気、殺気、平気、士気、暢気、勇気、意気、稚気、覇気、和気。あらゆる感情を手当たり次第
に乱してやった。力は弱くとも、その応用にかけては館の魔女も従者も彼女の右に出られない。
二人の思考と感情は大雨の後の川みたいに跳ねて乱れて、軽い恐慌状態にあるはずだ。それはすぐ近く
に別の人間がいることで増幅される。巫女と魔法使いの足を同時に止める、彼女の苦肉の策だった。
あるいは今弾幕を張れば、二人を撃ち払えるのかもしれない。けれどそれは駄目だ。それは『構うべき
なりふり』だった。悪魔の下僕は、ルールは破っても美学は守らねばならない。
そして今は果たすべき使命がある。
彼女の受けた三つ目の命は、夜が明けるまでに生きて館に帰り着くこと。
地を蹴る音もさせぬまま、紅い影を引きずって、彼女は再び走り始めた。
- 440 :名前が無い程度の能力:2007/04/10(火) 20:33:48 ID:gM2nrWrY0
- 西に架かった月光の下、館の門前には悪魔の姿があった。
当然のことに従者が控え、驚くべきことに魔女の影が見え、恐るべきことに悪魔の妹が浮いていた。
紅魔館首脳陣がそろって出撃とはいったいどんな化け物のところに討ち入ろうというのか、内心首を
捻りつつ、彼女は主の前に膝を折り深く頭を垂れた。
報告の必要はない。悪魔の眼前に帰還したという事実が、務めを果たしたことをなによりも雄弁に語る。
「よくやった」
悪魔の称賛が降りてきた。彼女に百の華にも劣らない笑みが咲く。爪の先まで甘い喜びに塗られる。
ああ幸せだなあ、と思う。
貴女に仕えることこそ我が誇り。
悪魔が望むのであれば湖面に映る月すら掬ってみせる。
「では最後の命を与えるわ」
その言葉に主を仰ぎ見れば、目に映るのは玲瓏な輝きを放つ真円と悪魔の掲げる紅い紅い神の槍。
「今ここで、わたしに討たれなさい」
衝撃が、意識を散り散りに吹き飛ばした。
- 441 :名前が無い程度の能力:2007/04/10(火) 20:35:35 ID:gM2nrWrY0
- 声が、聞こえる。
何かを押し殺し押し崩し押し潰した声。
冬を纏った声。
「あの道具屋はね。腕以上に頭が良かったのよ。あいつは武器を完成させてもすぐには動かなかった。
長い時間をかけて妖怪に恨みを持つ人間を集めるの。短い人間の時間をただそれだけに費やして、命も
魂も薪として、そして彼方に幻想郷が燃える日が来る」
「たくさんの妖怪が死ぬわ。枯れ草のように。もっとたくさんの人間が死ぬわ。童唄のように。幻想郷に
おける人間と妖怪の調和は崩れ、刻まれた溝は新月の闇より深く千年の時を渡っても埋まらない。
流れた泪が星となり空を覆う夜が来ようとも地に輝きは戻らない。これが運命の転がる先に『視』えた
世界」
「だからおまえに殺させた。あいつに連なる人間も殺させた。 ならばこれで悲愴は回避される?
いいえ妖怪に対する不信は免れない。やはり秩序は乱れるわ。だからルールをみせてやる必要がある。
『力ある妖怪が狼藉を働けばより強い妖怪によって誅される』という不文律をはっきりとした形で見せ
つけてやる必要がある。これを成してのみ、人間共は矛先を収め得る」
「わたしは今のこの幻想郷をすこぶる気に入っているの。少しばかり恐怖と悲鳴が足らないけれど、
いずれ一握りの灰になる日が来たらここの土を棺桶に入れてもいいとさえ思ってるわ。それが失われると
『視』えた以上看過は出来ない。……なにより、わたしは貴族よ。美しいものを守る義務がある。
この瞳が紅いうちは、名門スカーレットの名と血にかけて、定められた惨劇など蹴散らさねばならない」
だから紅美鈴。おまえはここでわたしに討たれなさい。
- 442 :名前が無い程度の能力:2007/04/10(火) 20:36:51 ID:gM2nrWrY0
- 湖岸に夜目にも鮮やかな朱が咲いていた。
それは地に広がった朱髪であり、突き立った神槍であり、大きく抉れた肩口から未だ流れ出る血だ。
冷えた空気に濃い死の色が混ざる。
まもなくここに一つの命が尽きることを約束する色だ。
粉々になった思考がようやく修復されつつある。彼女は随分と軽くなってしまった身体をゆるゆると
起き上がらせた。呪力で編まれた槍は、手をかざすと赤い雪のように解けて消える。
震える足に無理を通させ道理を破らせ、どうにかこうにか立ち上がれた。紅魔の盾として名を馳せた
しなやかな動きは、もう見る影も無い。
終幕が首筋に口をつけていることが、自分でもはっきりとわかる。
それでも立つ。立たずにいられるものか。
乱れる呼吸に鞭を打ち、肩を捻じって顔を上げ、中空に在るたった今己が身体を穿った主の姿をその
目に映し、
「ご立派です」
黄金の月すら褪せるほど美しく、彼女は笑った。
- 443 :名前が無い程度の能力:2007/04/10(火) 20:37:40 ID:gM2nrWrY0
-
ご立派ですお嬢様。
強く気高く慈悲深くなられましたね。
無体に驕慢に残忍になられましたね。
本当に素敵な悪魔になられましたね。
貴女に仕えたことこそ我が誇り。
それではお嬢様。最期のご奉公で御座居ます。
気力と死力を総動員して駆けながら、清冽にすら見える笑みのまま彼女は思う。
全身を遍く満たすこの歓喜と畏敬と充実を、百分の一も伝えられただろうか。
悪魔と従者と魔女と悪魔の妹に、今この瞬間、己が死すら、偽りなく限りなく途方もなく幸せなのだと。
できることなら万の感謝を届けたい。けれどきっとそれでも足りないから、彼女は二つだけ、音に
出来ないまま口にした。
ありがとう。どうか末長く笑顔でありますように。
そうして、涙に崩れた顔がいくつも見えたのは失われかけている視力のせいであって欲しいと、身に
余る想いに心を震わせながら、悪魔に仕えた彼女は神ではないなにかに祈った。
- 444 :名前が無い程度の能力:2007/04/10(火) 20:38:32 ID:gM2nrWrY0
-
稗田の手記
紅魔館の門番が人里を襲うという衝撃的な一件は、しかしその実あっさりと収束した。
館の主レミリア・スカーレット自らが、事件の翌日、それもまだ陽の高いうちから件の門番の首を
提げ陳謝に訪れたからだ。
紅い悪魔は真摯な謝罪の言葉を口にし、衆人の前で頭を垂れてさえみせた。
レミリア・スカーレットといえば近隣に鳴り響く大妖怪である。それにここまでさせたとあれば、
手打ちの面子は立つ。
加えて焼かれたのが霧雨道具店のみであり他に被害のなかったこと、そして紅魔館が約束した莫大な
補償が里の人間たちに一応の決着をさせた。
門番の首は里に引き渡された。吊るせ、晒し物にしろという声が当然上がったが、里の守護者がそれを
諌めた。
曰く、死者に鞭打ってはならない。それは己を貶める行為である。また、力ある妖怪の首はいつ何時
災いを齎すとも知れない、これは私が責任を持って封じ、供養しよう。
そう諭した守護者は、首を抱えて何故か涙をこぼした。
この事件はこれで終わった。あっけない結末とさえ言えるかもしれない。
第一報を聞いたときに危惧された人間と妖怪の致命的な決裂に至らなかったことは僥倖だと言える
だろう。
幻想郷は変わらず平和で、妖怪と人間は今日も健全にとって喰ったり退治されたりしている。
追記
湖畔の紅い館には二つだけ変化があったようだ。
ひとつは、かつては強固に閉ざされていた門が常に開け放たれるようになったこと。
堅牢不破で知られたその門を護る門番の座はもうずっと空席のままらしい。
もうひとつは、かの日以来、主の悪魔、その従者、悪魔の妹、図書館の魔女に至るまでが、黒い服しか
身に纏わなくなったことだ。彼女たちなりに殺された人間たちを悼んでいるのかもしれない。
本来吸血鬼にとって人間などは目端にも止まらないものであり、もしそうだとすれば、さすがは夜の王
と呼ばれるものであるとその度量には感服する。
- 445 :名前が無い程度の能力:2007/04/10(火) 20:39:28 ID:gM2nrWrY0
-
人里から少し離れた山奥に、古びた石塔が在る。
絶えず流れた時ゆえか心無い者が崩したのか横倒しになったそれに銘はなく、誰のためのものだった
のか今となってはようと知れない。
ただ、在りし日そこにいた誰かを慕うように、石塔の周りには花が咲く。
四季を選ばず、彩りの花が咲く。
- 446 :名前が無い程度の能力:2007/04/10(火) 20:39:59 ID:jqcg3jDo0
- つーかtxtにまとめてうpとか考えないんだろうか
- 447 :名前が無い程度の能力:2007/04/10(火) 20:41:33 ID:gM2nrWrY0
- あとがきだかなんだか。
アダルト幻想郷第三段、実験作風味。
いや、自分、美鈴大好きですよ?
- 448 :名前が無い程度の能力:2007/04/10(火) 20:50:48 ID:gM2nrWrY0
- >>446
む。すまんです。書き出すとどうも長くなる。
自重します。
- 449 :名前が無い程度の能力:2007/04/10(火) 20:52:43 ID:DR5aTcmE0
- >>436-445
GodJob!!
っていうか、これは普通に投稿していいんじゃなかろうか、とか考えた俺は浅はか?
- 450 :名前が無い程度の能力:2007/04/10(火) 20:54:06 ID:iFKmQAao0
- 幻想郷でない世界の物語なら手放しで賞賛できると思う
こういうノリは好きだがやっぱ東方的じゃないな
- 451 :名前が無い程度の能力:2007/04/10(火) 21:05:06 ID:jqcg3jDo0
- 見直すと言い方がアレだな、スマンカタ
- 452 :名前が無い程度の能力:2007/04/10(火) 22:40:23 ID:0iMl2Vhs0
- 俺もこれくらいのものならここより。プチとかのほうがいいと思う。
こっちだと長いやつは、かえって読みづらくなるからね
- 453 :名前が無い程度の能力:2007/04/11(水) 11:52:33 ID:ApS10VvQ0
- クオリティは非常に高いが個人的な好みをいうと、この話でいうところの霧雨親父みたいな
「邪悪じゃない人」に泥をかぶせておきながら殺した側の美談ぽく終わるのは好きじゃない
ただ道具屋として同胞のためにできることを為そうとした男が蔑ろにされてはいかん、と思ってしまう
- 454 :名前が無い程度の能力:2007/04/11(水) 12:48:23 ID:z3pf7JbIO
- 文章力は高いけど、ストーリーが、東方二次創作として、最低の部類だな
あと、アダルトでも何でもない
いや、二次創作の枠外なら、かなりのものだと思うんだけどね
- 455 :名前が無い程度の能力:2007/04/11(水) 13:30:03 ID:PEB2R.bg0
- コメント多謝。勉強になります。
創想話はなんだか今更入り辛い感がありまして。
次はもうちょっとシャープに掌編くらいにまとめられるよう、
頑張ってみる。
- 456 :名前が無い程度の能力:2007/04/11(水) 14:58:24 ID:/VciOEVI0
- アインハンダーを連想してしまうぜ。物語の意外性としてレミリアを返り討ちってのもおもしろい展開だったと思う。
起承結って感じが。 や、アダルト目指したってのも分かるけどね。例えるならゾイドバトルストーリーとガンダムって感じか。
前者を知らない人が多いと思うから軽く説明すると、戦争中の美談を集めたのが前者、汚い現実に触れるのが後者って感じかな。
そういや幻想郷のために紅魔館があえて汚れ役をかぶる話が創想話にあったぜ。
- 457 :名前が無い程度の能力:2007/04/11(水) 15:02:42 ID:fj5ePP220
- >>453
>「邪悪じゃない人」に泥をかぶせて
>>441の部分を再読する事をお勧めするぜ。
まあ邪悪か?と言われれば確かに疑問だが。
ところで作者さん、アンタ「デッドゾーン」って古い映画知ってる?
- 458 :名前が無い程度の能力:2007/04/11(水) 15:36:04 ID:xEsmtwq20
- 原作者の意向もあって、こういう殺伐として救われない話は東方二次界隈において嫌われがちだから、
ここに投稿したのはいい判断じゃないかなと思う。
個人的にはこういう話も好みなので、堪能させていただきましたGJ。
- 459 :名前が無い程度の能力:2007/04/11(水) 15:39:52 ID:eSvKcaTY0
- 確かに東方のSSとしては設定や作風自体にん?と思うところはあったけど、
それを補ってあまりある読み応えだった。GJ!
- 460 :名前が無い程度の能力:2007/04/11(水) 15:42:35 ID:Pnu68S460
- >>457
いや、結果的に戦争すると幻想郷が滅ぶってのはジョン……じゃなくてレミリアだから
分かることだし、子供を盾にするような悪役として書かれるスティルソンと違って
霧雨は人生をかけて「人間の天敵排除」という自然な行動をしようとしただけに見える。
まあ紅魔勢が喪に服す件である程度は緩和されてるんだけど、美鈴が
ひたすら美化されているのと比べるとそれでもアンバランスを感じた。
慧音が美鈴の死後にフォロー入れてるみたいに、
ラストあたりで魔理沙に何か言わせるくらいは有ってもよかったかなぁと。
俺のイメージでは、魔理沙は親父が何の罪も無く殺されて犯人処刑で
はいそうですかと手打ちにできるほどドライじゃないだろう、ってのもあるが。
つきつめると、もう単純に個人の好き嫌いの話なんだけれどもw
- 461 :名前が無い程度の能力:2007/04/11(水) 15:59:53 ID:/VciOEVI0
- ふむ。なんだかんだと読み応えもあり、読後もあれこれ考えさせてくれる出来だったとゆーことかな。
遅まきながら作者さまにはGJ!とありがとうを贈りたい。いつでもどこでもいいので次作待ってます。
- 462 :名前が無い程度の能力:2007/04/11(水) 19:02:09 ID:tuvNztH20
- まぁ、ここに投稿したのは正解だと思う。
くだんの場所だと、100点と-30点の間で紛争勃発くさいw
- 463 :名前が無い程度の能力:2007/04/12(木) 01:11:58 ID:o7x1T0Kg0
- 「強大な力を手に入れて人間を絶滅させようとする妖怪を、我が身を犠牲にして退治した女性」
という話だったらどう思う?
「妖怪は人を食い、人は妖怪を退治する」(人妖はどちらかが一方的に殺されるわけじゃなく、
互いに天敵同士である)という幻想郷の人妖関係を考えれば、この話は人妖を逆にしても成立する。
つまり一行目みたいに読み替えることも出来るんだよ。そうすればこれは立派な英雄譚だろう。
レミリア達の立場からしてみれば、放っておけば殺されるのを事前に防ぐための正当防衛でありながら、
家族とも言える人物に泥をかぶせて犠牲にしなければならなかった悲劇であると言える。
それに、幻想郷が滅ぶかどうかは分からなくても、妖怪を絶滅させようとすれば人妖の全面戦争に
突入することは容易に想像がつくし、戦争を起こす意思があったのは妖怪に恨みを持つ人間を
集めようとしていたことで明らか。
妖怪から身を守る道具として使おうとしていただけならそんな人間を集める必要はないし、さっさと
広めた方が救われる人間が増えるわけだからね。
あと、紅魔勢が喪に服しているのは美鈴のためであって霧雨家のためではないと思うぞ。
一行目のように読み替えれば、霧雨家は「人間を絶滅させようとした恐るべき妖怪」なんだから、
レミリア達が霧雨のために喪に服す理由は無いだろう。
- 464 :名前が無い程度の能力:2007/04/12(木) 01:13:40 ID:o7x1T0Kg0
- しまった、463は>>460あてね
- 465 :名前が無い程度の能力:2007/04/12(木) 02:08:37 ID:/XTeXZeo0
- >>463
まあ、霧雨の動機や喪に服した理由は読み手が好きに想像するしかない訳だけども、
つまりは読んだ印象として俺は霧雨側の行動も人間なりの義があって事と感じたが
あなたは紅魔側にしか義を感じなかった、という感性の違いだな。
- 466 :名前が無い程度の能力:2007/04/12(木) 06:38:00 ID:o7x1T0Kg0
- >>465
いや、それは違う。
>>453の発言に戻れば、「霧雨は泥を被っていない」んだよ。
霧雨家が襲撃された理由を知っているのは紅魔館の4人と慧音だけであって、
それ以外の人物には、美鈴は血に狂った妖怪であり、霧雨家は妖怪に襲撃された
悲劇の犠牲者であるという認識しか持たれていない。
「人間の天敵排除」が霧雨側の義であり、「幻想郷の調和維持」が紅魔側の義である。
双方に義があり、双方に犠牲者が出ているにも関わらず、霧雨側は被害者として
その名誉が保たれ、紅魔側のみが加害者として泥をかぶったという点が重要なんだ。
- 467 :名前が無い程度の能力:2007/04/12(木) 09:22:05 ID:l63Xefuk0
- 議論はそのくらいにしておいて欲しい。
ここは議論とか評価抜きで投下できるのが良いスレなんだからさ。
あんまり議論が激化すると次の人も投下しづらいんだぜ?
- 468 :名前が無い程度の能力:2007/04/12(木) 10:23:57 ID:cuYtltRA0
- でもまあお陰様で何度も読み返せた。
深いな。
- 469 :名前が無い程度の能力:2007/04/12(木) 10:39:57 ID:TIbIZfko0
- うむ、あまり続けると、なんのための投稿するまでもないスレなのか分からなくなる。
- 470 :名前が無い程度の能力:2007/04/12(木) 11:34:17 ID:bMgbcTgU0
- ごめん、最後に誤解だけ補足させてくれ
・泥をかぶせる=損な役や後始末を押し付けること
・泥を塗る=名誉を傷つけること
皆殺しという最大級の損害を強いたことを指して「泥をかぶせた」と書いた。
- 471 :名前が無い程度の能力:2007/04/12(木) 18:06:28 ID:g8yYzDrw0
- ターミネーター思い出した
- 472 :名前が無い程度の能力:2007/04/12(木) 23:30:48 ID:29lRibYQ0
- 議論ではなく感想だけは言わせてもらうぜ
面白かった、東方の世界観は残酷さも受け入れるから個人的にはこういう話も好きだ
- 473 :名前が無い程度の能力:2007/04/12(木) 23:50:13 ID:Edg/oqjk0
- やっぱ美鈴は愛されてるなあ
- 474 :名前が無い程度の能力:2007/04/13(金) 12:29:49 ID:8JT54BAI0
- では閑話に拙作を投下。
人波、という言葉が相応しい雑踏の中、蓮子はメリーの姿を見付ける。
自分を探してるメリーを眺めながら、蓮子は僅かに苛立つ。
ああ、まただ。
「ごめん、蓮子。遅れちゃって――」
「ホントね」
蓮子はメリーに背を向けて歩き出す。
メリーの表情は見なくても判る。
捨てられた犬が、人の慈悲を求めるような目。
そんなメリーが酷く鬱陶しくなる瞬間がある。
いっそ振り払ってしまいたい。
なじって傷つけてしまえば、こんな気持ちからは簡単に解放される。
けど。
「はい」
蓮子がメリーに右手を差し出す。
「はぐれると困るし」
手を差し伸べて欲しいと願っているのはメリーで、それは殆ど無意識に蓮子に救いの手を求めている証だ。
「ごめんね」
少し戸惑う様に重なった他人の肌。
やがて自分の指と指の間に絡みつく、覚えがある体温。
この温もりには優しくしたくなる。
コントロール出来無い自分の感情に、また苛つく。
「行くわよ」
急かすように握った手を引く。
その気持ちを「恋」と呼ぶと気が付かないまま、目の前の信号が青に変わった。
- 475 :名前が無い程度の能力:2007/04/13(金) 12:55:26 ID:7eG9I6foO
- これはいいプチS蓮子
- 476 :名前が無い程度の能力:2007/04/13(金) 18:16:36 ID:ObSgjnGs0
- なんか甘くて部屋中をゴロゴロ転がりたくなった。GJ。
- 477 :名前が無い程度の能力:2007/04/13(金) 18:31:56 ID:.H5cWWkI0
- うう〜ん
いやいいぜ、いいけどこの信号機の描写よく見るんだよなぁ
- 478 :名前が無い程度の能力:2007/04/18(水) 04:15:12 ID:ekRnIzGQ0
- 攻めは強いが受けは弱いぜ
ぼくらの信号機〜♪
- 479 :名前が無い程度の能力:2007/04/18(水) 04:58:45 ID:mepm/ziU0
- 少女は豪奢なテーブルの端に腰掛、家族の団欒の中食事を摂っていた。
少女の両親と姉達は次々と運ばれてくる料理をナイフとフォークとで上品に口に運んでいる。
少女の前には小分けに千切られたパンと、大きな取っ手の付いたスープの皿が置かれていた。
少女はナイフもフォークも使う事は無く、掴んだパンを震える手付きで口に押し込み、スープ皿に口を付けて啜った。
不意に少女がパンを取り落とし、落としたパンを拾おうと慌てて身を屈めた拍子にスープ皿をひっくり返してしまった。
少女の両親は一切それに見向こうとはしなかった。
少女の姉達の内一番上の姉が少女の元へやって来てもたつく少女に代わってパンを拾い、無言で少女の服のスープをふき取った。
少女の姉達の内真ん中の姉が少女の下へやって来てひっくり返ったスープ皿に付着したスープを拭き取り、自分のオードブルのスープを少女のスープ皿にうつした。
少女の姉達の内一番下の姉が少女の下へやって来て少女のパンの内いくつかに薄くナイフを入れ、自分のメインディッシュの具を切れ目に挟んだ。
少女の両親が食事を摂り終える事無く席を立ち部屋を出て行くと、食卓で口を開く事を禁じられている少女と姉達は楽しげに話し始めた。
普段は両親の言い付けで堅苦しい態度をとっている姉達も、この時ばかりは他愛ない話の花を咲かせる。
少女にとって、この時が唯一の至福の時と言えた。
少女は生まれ付き手先が不器用であった。姉達の繊細な指先の動きには何時も憧れていた。
少女は生まれ付き喉が弱かった。姉達が楽器を用いず奏でる旋律を何時も羨んでいた。
父親と母親は少女に多くを期待しなかった。二人とも姉達にかかりきりで、ほとんど相手にしてもらえない寂しさは、姉達が奏でる旋律が和らげてくれた。
少女は不自由ではあったが、少なくとも不幸では無かった。隔たりを感じる事はあっても、両親は、姉達は、やはり少女の理解者であった。
そんなある日悲劇が一家を襲った。家主たる父親の急死であった。
少女、姉達、そして母親は悲しみに暮れた。
母親は悲しみに暮れながらもてきぱきと今後の為の手続きを済ませた。
少女と姉達の中で悲しみがようやく現実への不安に変わる頃、相次いで立派な身なりの貴族が館を訪れていた。
そして一人、また一人と、姉達は訪れた貴族達に連れられて館を出て行った。突然の出来事に、別れを惜しむ間もなく。
母親は館に入っていた下女をも帰らせ、館には少女と母親の二人だけが残った。
それから幾日と経たぬ晩、母親は食卓で少女と同じ食事を摂りながら、寝る前に部屋へ来るようにと少女に言いつけた。
寝間着に着替えた少女が母親の部屋をノックして入ると、ベッドに腰掛けた母親がいた。自分の知らぬ、とても優しい顔をしていた。
少女は呼ばれるがままに母親の傍らに腰掛ける。おずおずと母の顔を見上げようとした少女は、不意の抱擁に身を竦めた。
母親は何も言わず、少女を抱きしめていた。ほんの少し伝わってきた震えが、自分の震えなのか、母親の震えなのかはわからなかった。
少女が物心が付いてから一度も感じた事の無かった母の温もりに包まれる中、母親は訥々と少女が幼かった頃の事、誰よりも少女を気にかけていた事などを話し始めた。
その話が終わらぬ内に、泣き疲れた少女はいつの間にか小さな寝息を立てはじめていた。
- 480 :名前が無い程度の能力:2007/04/18(水) 04:59:45 ID:mepm/ziU0
- 少女は大きすぎる豪奢なテーブルの端に腰掛け、目の前でゆらゆらと揺らめく蜀台の炎を見つめていた。
少女は広すぎる館を歩いていた。カーペットを踏みしめる度鼻を突く埃の饐えた匂いは気にも留めず、壁にかけられた肖像画の前で足を止め、描かれた人物をずっと見上げていた。
少女は明るすぎる窓から続く風景に見入っていた。群れをなして飛ぶ鳥達は先頭の一羽が羽休めに一本の緑葉樹の枝に止まると他の鳥達もそれに追従して一斉に緑葉樹に群がった。
少女はその様を見つめていた。鳥達は互いの毛づくろいをしながら囃し合う様に鳴き声を奏で、そしてまたすぐに一羽も欠ける事無く飛び立っていった。
少女は何気なく使用人しか出入りする事の無かった貯蔵庫に興味を持ち、中へ入った。
手入れされてない貯蔵庫は発酵の進みすぎたチーズが異臭を放っていた。
少女が鼻をつまみながら部屋に踏み入ると、破れた小麦の袋に群がっていた大小様々なネズミ達が我先にと巣穴へ飛び込んでいった。
少女がネズミ返しの付いた戸棚の中にある異臭を放つチーズを一欠千切り取って巣穴の間に落として巣穴から遠ざかると、巣穴から一際大きなネズミが出てきてチーズを巣穴に持ち帰った。
父親は、事あるごとに家、誇り、名誉と言う難しい言葉を並べていた。
意味を理解する頃には、少女は自虐的な考えから自分を守るため、機械的に聞き流す様になっていた。
少女は、何が自分達を引き裂いたのか、そこで思い当たった。
少女は家の中に入るとおもむろに髪飾りを取り去り、身に纏う衣服を脱ぎ捨てた。布一枚も余さず、下着までも。
少女はその裸体を中庭の芝生の上に仰向けに横たえた。背面から伝わる芝のこそばゆい感触がどこか心地よかった。
やや肌寒くはあったが、春の陽光が差し込み、少女の心は優しい温もりに包まれた。
少女は自室のベッドに横になり、姉達によく読んでもらった絵本をぱらぱらと捲っていた。
やがて絵本は末頁へ辿り着き、そのまま本は閉じられた。
そんな虫の良い話があるわけが無い。少女はそう思い知り、泣いた。
少女の心の中は、あの暖かい旋律で五月蝿い程に満たされていた。
しかし、それでも少女はやはり、楽しかった思い出の日々が再び帰ってくる事だけを、日々願っていた。
一人の少女が屋敷を訪れた。背には体躯に不釣合いな程の長刀を背負い、その顔はやはり幼い。
だがその目には強い意志が宿っていた。少女の主が酒宴の肴にと強く要望していたものを得る為という、明確な目的があった。
少女は館に入ると同時に背の刀を抜き放った。取るに足らぬ騒霊をいくらか誘致しにきただけだというのに、
甘い見積もりに舌打ちをした。館は歪んでいた。
結局、何事も無く剣を背負った少女とそれぞれ楽器を背負った少女達は館を出て行った。
館に残った少女は毎夜、母親の寝室で小さな寝息を立てていた。歪んだ館で二人きり、母の温もりの中でまどろんでいた。
- 481 :名前が無い程度の能力:2007/04/18(水) 21:56:25 ID:NeWKydM.0
- gj
こういう雰囲気は好き。
- 482 :名前が無い程度の能力:2007/04/19(木) 01:03:15 ID:JC.MIZGk0
- 湖の畔の紅い洋館。
そう、ここは悪魔の住まう紅魔館だ。
そして紅魔館と言えばメイドさんである(ぉぃ。
今日もメイドさん達がお喋りに花を咲かせていると、
その輪に向かって妖しい影が忍び寄る。
「こらーっ、貴方達ちゃんと仕事をしなさぁーい!」
「わー、メイド長よー」
「きゃー、メイド長だわー」
咲夜一喝。サボっていたメイド達は蜘蛛の子を散らすように持ち場へと戻ってゆく。
「まったくもう。いい加減にして欲しいわ」
「――それはズバリ、咲夜。貴方の所為ね」
声の元を辿れば主人の友人たる魔女が、いつものようにやる気なさげに佇んでいた。
「パチュリー様。今の発言はいささか聞き捨てなりませんが?」
「だって、事実は事実だもの……まぁ話は最後まで聞きなさい」
銀のナイフを逆手に構えて微笑む咲夜をなだめるようにパチュリーは言葉を続ける。
「貴方に監督不行届きがあるわけじゃないの。むしろあの娘達相手によくやってるわ」
「はあ」
ならばなぜ自分の所為なのか? と疑問に思いつつも咲夜は話しに耳を傾ける。
「ところで咲夜。あの娘達――妖精がどういった存在か知っているかしら?」
「え? 自然を由来として発生する幻想的存在と言った所でしょうか」
「惜しい。『自然』を『環境』に置き換えれば正解ね。
草原には草花の、湖沼には水や波のそれぞれの環境に応じて妖精が生まれるわ。
そして紅魔館には『家』という環境に由来した妖精が生まれるの。
咲夜、ブラウニーやシルキーは知ってるわね?」
「勿論ですわ。古い屋敷等に住み着いて前者は家人が留守の時に、
後者は独自の価値観に基づきそれぞれ家事を手伝う妖精ですわ」
「そこまで知っていれば、なぜ貴方の所為で仕事をしないかが判りそうなものだけど……」
咲夜は唐突に理解した。パチュリーの話しぶりから屋敷の妖精メイドはブラウニーやシルキーであること。
そして自らが発した言葉の意味を。
「もしかして私が監督指導を徹底すればするほど、メイド達は仕事をしてくれないという事ですか?」
「大正解。貴方が来る前も家事だけはそれなりにやってくれてたわ」
「ぎゃーす」
当分メイド長の苦労は絶えそうにないのであった。
- 483 :名前が無い程度の能力:2007/04/19(木) 02:36:31 ID:dckzy9Qo0
- なるほど、とうなってしまった
- 484 :名前が無い程度の能力:2007/04/19(木) 08:31:26 ID:UW5RS2BE0
- ということはこれからのメイド長の仕事は妖精達用の報酬を用意すること?
- 485 :名前が無い程度の能力:2007/04/19(木) 19:35:42 ID:taF2yR6Y0
- かぶってしまったorz 紅魔館のメイドさん関係のお話。
ある日、人里の市場にて。
妖夢「あ、こんにちは咲夜さん」
咲夜「あらこんにちは。あなたも買い物?」
妖「ええ、ちょっと和菓子を買いに。咲夜さんの方は…ってなんだか凄い量のお野菜ですね…」
野菜「あれ、ええっと庭師さんだっけ?久しぶりね」
妖「野菜がしゃべった!?」
美鈴「いやいや、私だって」
妖「ああ、門番の人でしたか。びっくりした…
いったい何なんです?この尋常じゃない量の野菜は」
咲「ちょっとお屋敷の補修をしようと思って。そのためのお野菜よ」
妖「え、野菜で?」
咲「うちのメイドって妖精でしょ?普通に頼んでもなかなか言うこときいてくれないのよ。
だから食事と引き換えに、という訳よ。今日はカレーライスね」
美「私は荷物もち」
妖「あ、なるほど」
美「前は弾幕ごっこでやってたんだけどね、これがまた効率が悪くて。
中には泣いちゃったりする子もいたなあ。
まあ泣いてる子の前でおろおろする咲夜さんは面白かったんだけど、(ざく)
みんなそれ見て嘘泣きするようになっちゃってね。
苦肉の策だったんだけどなかなかうまくいってるわね」
咲「そういうこと」
妖「(ああ、柄まで刺さってる…)そうだったんですか。大変そうです…」
咲「もう慣れたけれどね…じゃあそろそろ行くわ。まだお肉も買っていかないといけないし。
良かったら今度何か沢山作れる和食のレシピ、教えてもらえると助かるわ。
そろそろレパートリーが尽きそうなのよ…それじゃあね」
美「またねー」
妖「さようならー。…さて私も早く帰らないと。
和食でたくさんつくれるもの、か。
…うちではなんでも沢山作らないといけないから、これといったものが出てこない…
今度、料理担当の人に聞いてみよう」
- 486 :名前が無い程度の能力:2007/04/20(金) 23:57:44 ID:DlIXml2E0
-
薄暗い空間に置かれた5つの台座。
1つの台座を囲むように置かれた4つの台座に4人の人物がそれぞれ腰を下ろし、
今まさに第一回幻想郷3面ボス会議が開催されようとしていた。
「あ、どーも。明日のナー……じゃない、夢幻館門番エリーです」
「こんにちわ。私、紅魔館で門番をやってる美鈴です」
「えーっと、縁があって2回ほど3ボスやらせて頂いてるアリスよ」
「上白沢慧音だ。よろしく頼む」
「あれ? たった4人ですか?」
「ホントですね。もう少し居ると思ったんですけど」
「んーっと、夢と萃と花は固定ステージシステムじゃなかったし……」
「文に至ってはシューティングはシューティングでも、弾撃ちですらなかったしな。こんなものだろう」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
「うわ!? じ、地震ですよ!」
「いや。地震と言うよりはごく局地的な振動と言った感じですね」
「と、とりあえず落ち着きましょう」
「その通りだ。あわてて飛び出しても却って危険なだけだからな」
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
「ちょ、明らかに普通じゃないですよぉ!?」
「どうやら私たちが直接揺られてるみたいですね」
「やだ、この台座が揺れてるのよ!」
「こ、これは!? 皆、急いで此処を離れるんだ!」
4人は急いで台座から飛び退きましたが、時すでに時遅し。
台座の揺れは最高潮に達し、その下から巨大な水晶球が現れる。
ガッキョン――全砲門解放
「あ?」
「い?」
「う?」
「え?」
ズビビィィィィィム――レーザー一斉射!
「「「「っきゃあぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ――!」」」」
ピピピピチューン
封魔録3ボス(?)。名前とかそれ以前にその正体が不明であり、
そもそも人物ですらないため(イビルアイΣだってそーなのに)、
その存在が割とスッパリ忘れられている哀れなボス(?)であった。
おわれ
- 487 :名前が無い程度の能力:2007/04/21(土) 07:24:55 ID:IDiharsY0
- あれ本気で何だったんだろな
ステージボスなのに詳細不明
誰かまだ神主がBBSで質問に答えてた頃に訊かなかったのだろうか
中ボスの大妖精や小悪魔についてすら質問があったのに
やはり皆少女にしか興味が(裁かれました
- 488 :名前が無い程度の能力:2007/04/21(土) 21:37:29 ID:g/v38RSc0
- 臨戦時、ああなるように魔改造を受けただけで本来は絶世の乳臭い美少女
って本人が言ってたから間違いない
- 489 :名前が無い程度の能力:2007/04/22(日) 20:47:06 ID:X5x8mAjk0
- 「雨か」
雨量はそう多くないが垂れ込めた雲が光を遮り薄暗い、こんな日に外へ出ようと思うのはよほどの物好きだけだろう
「今日は、新しく仕入れた商品の確認でもしておこう」
臨時休業の札をかけようと腰を上げた時、その物好きがやってきた。
「おじゃまするぜ、香霖」
服の端々から水滴を垂らしている、何かを思いついて取る物もとりあえずやってきたのだろう
「今日はもう店仕舞いにするつもりだったんだが」
「ああ、だったら尚更都合がいいな、少し聞きたい事があるんだ」
こういうときの魔理沙には何を言っても無駄だろうと思いつつ言ってはみたが、やはり予想通りの反応しか返ってこなかった。
「それで、聞きたい事とは何かな?」
店内には水を嫌う商品もある、濡れたまま歩き回られてはたまらないので手ぬぐいを差し出しながら訊ねた。
「サンキュ…香霖がいつも顔の所に付けてるそれって、一体なんなんだ?前から聞こうと思ってたんだけどいつもつい忘れちゃってさ
昨日パチェの所に行ったらあいつもつけててさ、それで思い出したんだ」
何の遠慮も恥じらいも無く大胆に服を捲り上げて体を拭く魔理沙、事ある毎に僕も男だと言い聞かせている筈なのだが。
そっと眼鏡のつるに手を当てて喋りだす
「これは外の世界の道具で眼鏡というんだ、主に本を読んだりするときに使う道具だそうだから、恐らく装着者の頭脳に働きかけて知性を増幅させる働きがあるんだろう」
答えてから失言に気付く、僕を、いや正確には眼鏡を見る魔理沙の目の輝きが獅子のそれになっている
「悪いが譲れないよ、これは僕にとっても手放せない物なんだ」
「心配するな借りるだけだぜ、私が死ぬまで」
勿論、非力な僕が女子とはいえ魔法を使う魔理沙に抵抗しても無意味だった。
「こいつがあれば、魔法の研究もはかどるかな?」
僕から奪った眼鏡を嬉しそうにかける魔理沙、しかし
「うわ、何だ!?」
いきなり酒に酔ったかのようにフラフラとし尻餅をついてしまう
「くそ、いったいなんだと言うんだ?」
その後は尻餅をつくということは無かったがそれでもフラフラと足取りはおぼつかなく、店を出ることすらままならない
その様子を見ていて、僕に一つある考えが浮かんだ。
「相性が悪いんじゃないのか?」
「なんだって?」
床に座り込んで僕の方を見る魔理沙、怪訝そうな表情をしているので説明を続ける
「考えてみればわかるだろう、頭脳に働きかけて知性を増幅させるなんて大掛かりな魔法、誰にでも同じ効果を期待するのは難しいんじゃないか?」
言われた魔理沙は受け入れがたいのか、それでも暫く惜しそうに手元の眼鏡に視線を落としていたがやがて諦めたらしく、こちらに眼鏡を差し出してきて
「仕方がない、今日のところは返しておくとするぜ、でも次にその…眼鏡だっけ?手に入ったら私に貸してくれよ!」
「…ああして見ると意外に可愛かったな」
こうして、僕は眼鏡の新しい用途を一つ発見した。
- 490 :名前が無い程度の能力:2007/04/22(日) 20:53:46 ID:1dH.ZV4E0
- 先生!やぼなツッコミとはわかってますが眼鏡は江戸時代頃に既に日本の一般層にも浸透してます
そして何に目覚めてんだ香霖ww
- 491 :名前が無い程度の能力:2007/04/22(日) 21:52:41 ID:u7Lqml1k0
- メガマリ−魔理沙の野望は儚くも潰えたか・・・
替わりに香霖の野望が始まりそうだが。
- 492 :逆転葬らん!(1/2):2007/04/24(火) 22:08:40 ID:d6oBapqg0
- 振り向いたら紅魔館が縮んでいました。
「……は?」
思わず瞬きするが、目の前の光景は変わりません。頬をつねる……痛い。胸を揉む……変化なし。
湖の側の大きなお屋敷は、小さなあばら屋になっていたのです。
「そ、そうだ、お嬢様!!咲夜さん!?」
あからさまな異常事態に確かめるべきは主の無事。私は慌ててボロ小屋の戸を開けます。
「あら美鈴、どうしたの血相変えて?」
戸を開けると、人一人がやっと通れるくらい狭くなった廊下で、上司がモップがけをしていました。
「どうしたのじゃないですよ!なんで平然と掃除してるんですか!?」
思わず叫ぶと、咲夜さんは不思議そうに首を傾げ、やがてぽんと手を打ちました。
「ああ、これ?発想の逆転よ。空間を広げたまま掃除するから時間を止めても足りないわけで。
逆に縮めて掃除すれば、ほらあの広い廊下が一拭きよ」
どうやら原因は目の前の人がものぐさしたせいらしいです。紅魔館の外見まで縮んでしまった事を伝えると、
咲夜さんは目を丸くして驚いた後、少し残念そうに空間を戻してくれました。
「あ、咲夜さん美鈴さん、こんなところに!大変です大変です!!」
「あら、小悪魔……」
空間が戻るとすぐに、図書館の小悪魔さんが飛んできました。
なんでも、突然図書館の空間が縮んだ結果雪崩が起こり、パチュリー様が本の海に沈んでしまったらしいです。
小悪魔さんも身動きの取れない状況だったが、先ほど漸く空間が戻ったので、這々の体で抜け出してきたそうです。
何でもないように振舞っていますが、咲夜さんの頬を伝う汗が見える気がします。
「最期のお言葉は”むきゅー”でした……」
いやいや勝手に殺すなよこの悪魔。パチュリー様は虚弱で病弱で貧弱だけどあれで意外としぶといから、
たぶんまだ生きてますよ。というわけで今から救出に行くことになりました。
「うわあ……」
図書館の扉を開けたとたん、思わず溜息が漏れました。見渡す限り本の海です。
所々に本棚の島も見えます。まあ整頓するのは私じゃないしいいか。
「このどこかにパチュリー様が埋まってるというわけ?探すのは骨が折れそうね」
咲夜さんが困ったように声を上げましたが、ご安心ください。私の気を遣う能力にかかれば、
パチュリー様の生命の気配を感じることなど造作もありません。
本の海をサーチし、パチュリー様の気配を見つけたのでそちらに向かいます。
とりあえず今のところ生きてはいるようです。……なんで舌打ちしてるんです小悪魔さん?
本を踏みつけるのは些か心苦しいですが、まあこの際仕方がないです。本の山を掬っては投げ浚っては投げ、
パチュリー様を掘り出して行きます。小悪魔さんが何か抗議してるようですが無視です。
お嬢様の御友人が窒息死するか否かの瀬戸際ですから。
そうこうするうちに、青白くてか細い、見覚えのある手を見つけました。手首を掴んで引っ張ると、
図書館の主の頭が出てきました。目を閉じていますが、生きているのは確認済みです。
「パチュリー様〜、ご無事ですか〜?」
気付けに頬をぺちぺちとはたくと、パチュリー様が目を開けました。
私を見上げ、左右を見回して、状況を確認するなり一言。
「……本に埋もれて死ぬなら満足よ……本だけに本望。ふふっ」
「……」
「あ、こらちょっと何戻してるのよこの駄ネコイラズ。あん、やめ、たーすーけーてー……」
何気に余裕そうだったので、お望み通りにして差し上げました。小悪魔さんが何故か親指を立てています。
- 493 :逆転葬らん!(2/2):2007/04/24(火) 22:09:23 ID:d6oBapqg0
- 小悪魔さんは図書館の整頓を手伝って欲しそうでしたが、私も仕事がある身なので遠慮申し上げておきます。
咲夜さんが珍しく、とりあえず一服しましょうかと言ったので賛成すると、小悪魔さんもついてきました。
三人でお茶を飲んでいると、咲夜さんが小首を傾げて言いました。
「そういえば何か忘れてるような気がするわね……」
そうですね、私もそんな気がします。小悪魔さんはどうですか?
「えっ!?いや、私は別に窒息するまで片付けるのは待ってようとかそんなことは思ってないですよ全然!!」
……まあ、埋め戻した私がコメントするのは止しましょう。意識さえあれば酸素くらい作れますけどねパチュリー様。
結局気のせいなんですかね?蝙蝠の羽音が五月蠅くて集中できません。……蝙蝠?
「さ〜く〜や〜」
「「「あ」」」
お嬢様の安否を確認していませんでした。
それから咲夜さんはお嬢様にこってりと絞られました。私もとばっちりを食っていい迷惑でしたが、
叱られてシュンとする咲夜さんが可愛すぎたのでよしとしておきましょう。
……余談ですが、フランドール様が閉所恐怖症の暗所恐怖症になってしまわれました。
地下にいると「暗いよ〜狭いよ〜怖いよ〜」と泣き出されるので、今はお嬢様のベッドで一緒に就寝なさっています。
怪我の功名というか何というか。まさか狙ったわけでは無いでしょうけどね。
- 494 :名前が無い程度の能力:2007/04/25(水) 00:20:07 ID:7gWY6s6k0
- >493
>地下にいると「暗いよ〜狭いよ〜怖いよ〜」と泣き出されるので
直後に地下室を一刀両断しそうな勢いだw
- 495 :名前が無い程度の能力:2007/04/25(水) 00:33:16 ID:1piuS/0c0
- 暗いよ狭いよ怖いよテラナツカシスw
- 496 :名前が無い程度の能力:2007/04/25(水) 13:08:06 ID:xjmMbxoc0
- えっと? 藤堂だっけ? 新堂だっけ? 忘れた…
それはそうと、GJです。
- 497 :名前が無い程度の能力:2007/04/26(木) 13:15:13 ID:OeQNk1bU0
- 面堂バロスwwww
あと496に萌えた
- 498 :名前が無い程度の能力:2007/04/30(月) 01:05:16 ID:5Hihxrsg0
-
各ラスボスが集まって「どうしたら霊夢を本気にさせる事ができるか」について話し合った。
花のラスボスが言った。
「理想論を振りかざして説教した。それでも霊夢は飄々と軽口をたたいていた」
永のラスボスが言った。
「ちょっと月を摩り替えてみたり、結界を被せてみたり、すき放題してみた。だけど霊夢がしかけてきたのは弾幕ごっこだった」
芋のラスボスが言った。
「いっそ月を砕いてみた。それでも霊夢は本気じゃなかった。今は同居させてもらっている」
妖のラスボスが言った。
「春を独り占めしてみた。取り返されたが、それ以上のお咎めは無かった」
紅のラスボスが言った。
「幻想郷を霧で満たしてみたり、ルールを理解できない妹をけしかけてみた。それでも霊夢は本気を出さない」
一同は頭を抱えた。
どうすれば……どうすれば霊夢を本気にさせる事ができる……?
永のラスボスの従僕が進言した。
「たとえば、主人公の座をすっぱ抜いちゃうとか」
おおっ と喚声が上がった。なんという事を考えるのだ、この女は。
文の主人公がおずおずと手を挙げた。
「それ、もうやった」
花のラスボスは小さな手帳を取り出し、ぱらぱらとめくりながら言った。
「○月×日 お賽銭の代わりにゴハンを入れた」
「△月■日 狛犬を稲荷にすりかえた」
「挨拶代わりに斬りかかった」
「雨を消した」
「掘った」
「閉じてみた」
「妄想した」
・
・
・
紅のラスボスは弱弱しく口を開いた。
「なんという事。もはや霊夢を本気にさせる手段など残っていないではないの」
花のラスボスが言った。
「蟲の報せサービスは未体験だとか」
Gが言った。
「それは嫌がらせではなく商売です」
永のラスボスが言った。
「では、それにかけてみましょう」
鳥が言った。
「その折は、ご馳走様でした」
妖のラスボスが言った。
「ご馳走様でした」
Gと妖のラスボスの下僕は、青ざめていた。
彼女に食欲が戻ったのは、ラスボス陣が相次いで惨殺された時期とぴたり符合する。
- 499 :名前が無い程度の能力:2007/04/30(月) 07:15:35 ID:FePfoM/.0
- >>497
それの元ネタっぽい小説(?)を大学生協で買ったw
日本人のやつじゃないか?
- 500 :名前が無い程度の能力:2007/04/30(月) 08:39:56 ID:iSluz3ZY0
- 魔「これで四三だな」
チ「あーっ! も、もう一度よ!」
魔「いい加減あきらめが肝腎だぜ」
チ「勝ち逃げは赦さないわよ! あたいが最強なんだから!」
魔「わかったわかった」
……
チ「むー…」
魔「また私が有利みたいだな」
チ「まだ勝負はついてないもん!」
魔「……んー、ちょっとトイレだ」
チ「んむー、好きにして」
魔「まあ好きなだけ考えてくれ」
……
魔「やれやれ。これであいつが適当にズルをして勝てば終わりにできるぜ」
……
魔「またせたな」
チ「あたいは打ったから魔理沙の番よ」
魔「どれ。……」
チ「ふふん、どうしたの?」
魔「四三」
チ「え、あれ!?」
魔「一つ教えてやる。五目並べは盤をひっくり返しても形勢は変わらん」
チ「な、なによ!そんな卑怯なことしないわよ!」
魔「……、そうか。疑って悪かった」
チ「そんなことより次よ!次!」
魔「まだやるのか?」
チ「とーぜん!」
魔「とほほ」
- 501 :名前が無い程度の能力:2007/04/30(月) 09:00:37 ID:6z/rAcsY0
- 黒幕直伝テーブルターニング
- 502 :名前が無い程度の能力:2007/04/30(月) 10:12:00 ID:QMHo57HE0
- そっちにひっくり返したのか…何という⑨
- 503 :名前が無い程度の能力:2007/04/30(月) 13:25:12 ID:AZhaKn5A0
- 何という⑨
見た瞬間に確信した
この恋娘は間違いなくバカワイイ
- 504 :名前が無い程度の能力:2007/05/02(水) 22:57:57 ID:rN9Pr78MO
- >>501
俺が上手い事言えと言った
- 505 :名前が無い程度の能力:2007/05/05(土) 05:23:51 ID:uMVOg/V.0
- <<504
誰だ貴様!
所属と名を名乗れ!
- 506 :名前が無い程度の能力:2007/05/05(土) 14:36:31 ID:FRhkZ24s0
- 何もアンカーまでターニングしなくても……
- 507 :名前が無い程度の能力:2007/05/10(木) 18:58:46 ID:0mHSyEUM0
- >>505
魔導書
霧雨魔理沙
- 508 :名前が無い程度の能力:2007/05/10(木) 19:05:14 ID:GR2epGFo0
- SPIRITS噴いた
- 509 :名前が無い程度の能力:2007/05/14(月) 16:32:35 ID:G6QhtUmI0
-
「今日は調子がいいからとっておきの弾幕みせてあげるー」
がおん
「……妹様、その弾幕どこで覚えられたんですか?」
「このまえスキマ妖怪が落としていった外の本」
「……あの人は本ッ当に余計なことしかしやがりませんね昔から」
「ほらほら美鈴、そんなこといいから続けよ? これ、スペルカードにもしたの。
そーれ、氷菓『ヴァニラ・アッシュ』!」
「惜しい! ちょっと違う!」
がおんがおん
「さあさあ美鈴はどれくらい残ってくれるかなあ? 最大周径があいつの胸囲より
大きかったら美鈴の勝ちでいいよ」
「なんという慈悲の御心。さっそくヘビーな一撃を貰ってしまったわたしではあり
ますが、そのお言葉を糧に奮励努力いたします。ところで妹様はどうしてお嬢様の
胸囲をご存知で?」
「え、わたし咲夜のつもりで言ったんだけど。美鈴なら知ってそうだし」
「なんと失言。これは生きて帰ったら殺されそうです。前も後ろも背水の陣」
「ボーダーオブライフね。美鈴綱渡り得意そうだから大丈夫じゃない?」
「綱くぐりは苦手なんですけどねえ、つっかえるんで」
「融解中の炉心にあえて燃料を投下する貴女が好きよ美鈴。粉々になって隅々まで
わたしに愛でられてみない? 最後にお城を造ってあげる」
「失神ものの魅力的な提案ですが今晩パチュリー様に新型の媚薬実験に立ち合うよう
仰せ付かっておりまして」
「まあそれも素敵。美鈴が飲むの?」
「それでは風情がないのでわたしが調合した精力剤を混合しての飲み比べを上申しました
ところ受理されました」
「あはあ! それでこその魔女ね。WをBに代えてあげたいところだわ。美鈴、生き
残ったらわたしも混ぜなさい」
「御心のままに。ならば目にもの見せます、これが勢いで覚えた新弾幕、奥義『覇王翔吼−−¬−
あ、片手しか残ってないから使えな
がおん
- 510 :名前が無い程度の能力:2007/05/14(月) 16:34:04 ID:G6QhtUmI0
-
「妹様ぁー。美鈴ですよー。今日も通い門番が来ましたよー」
「? あれ。昨日、わたし結構本気で壊したよね?」
「その『本気』をずらし、『死ぬ気』で舞い戻るのが、わたくし紅美鈴でございます」
「結局生きてたの?」
「八割五分ほど死にましたが、火曜日でしたのでなんとか」
「え、それ関係あるの?」
「七曜の火を司る日。朱い髪の貴女はラッキーディ」
「まあ」
「のような気がしません?」
「わたし、この髪だけど金曜日は嫌い。なんとなく新聞で実名報道されそうなんだもの」
「天狗のカストリ紙はいつだって直球オンリーの実名報道です、妹様。パチュリー様曰く、
外の世界では『決戦の日』らしいですけどねえ、金曜日。それはそうと妹様、食事を
お持ちしましたので弾幕ごっこの前にいかがですか?」
「イカスわ美鈴」
「タコスです」
過疎ってるようなので投げっぱなしのアダルト幻想郷3.5段。
アダルト要素は主に覇王翔吼拳。餓狼伝説Specialが懐かしい。
- 511 :名前が無い程度の能力:2007/05/14(月) 17:10:22 ID:fvmwAmmo0
- 会話が非常にブッ飛んでると言わざるを得ない GJ
- 512 :名前が無い程度の能力:2007/05/14(月) 17:19:30 ID:bI5702bE0
- 覇王翔吼拳で餓狼を持ってくるところが玄人だな
会話が瀟洒で特徴的だな。特定できそうな気がしないでもない
まぁ兎に角GJでした
- 513 :名前が無い程度の能力:2007/05/14(月) 18:40:09 ID:qL86KVSo0
- WとBの境界吹いた
仲良いなあ、この2人
- 514 :名前が無い程度の能力:2007/05/14(月) 22:53:58 ID:OCY5wR/s0
- 美鈴の不死身っぷりが素敵でテラタコス
- 515 :名前が無い程度の能力:2007/05/14(月) 23:03:15 ID:uCGcft/g0
- ああ、WitchとBitchか。最初白と黒かと思った。
あと氷菓『ヴァニラ・アッシュ』噴いた。
- 516 :名前が無い程度の能力:2007/05/15(火) 00:07:53 ID:qhpj6VgM0
- >天狗のカストリ紙
さらっとひどいこと言うのにフイタw
- 517 :論理:2007/05/15(火) 03:04:13 ID:EPzpj7GY0
- Q.博麗霊夢さんについてどう思われますか?
アリス「気に入らない相手、ね。恥ずかしい話、昔の自分を重ねてしまうというか。
ただ私と決定的に違うのは、霊夢には力がある。
未だに勝てたことはないけど、いつか勝ちたいわね。」
幽々子「博麗…そんな名前のお菓子あったかしら…
…冗談よ。あの娘には礼を言わなければならない気がするのよね。なんとなくだけど。
まぁこちらにまた来ることがあれば宴の一つや二つ用意させるわ。」
妹紅「永いこと生きてきてさ、何度も化け物呼ばわりされたことはあるけど、
あいつの方がよっぽど化け物じみてると思うんだよね。
何よりもそういわれる事をなんとも思ってないところとかさ。
ひょっとしたらあいつ、宇宙人なんじゃないか?」
レミリア「霊夢…唯一、私の能力から逃れ得る人間…
何百年かかってでも手に入れたいわね。その力は。
ただ残念なことが一つ。『視』えてるのよね…勝ち逃げされるって言う運命が…」
小町「ん…映姫様なら今日は出かけてらっしゃ…え? あたいかい?
しょうがないな…霊夢ねぇ。あいつが死んだらどうなるんだろうなぁ…
いやだってあいつお金もってなさそうじゃん。
船から蹴落とそうもんなら逆に返り討ちに遭いそうだし…困ったもんだねぇ…」
萃香「霊夢? 霊夢は強いよねぇ〜
一度喧嘩したときに三間くらいのおっきさの岩を投げつけたことがあるんだけど、
何事もなかったかのように受け止められちゃってさぁ、
もうそのあとは針と札だらけでさ、あれはたまったもんじゃなかったなぁアハハハハ…」
魔理沙「そうだなぁ…あいつって滅多に笑わないんだよな。
弾幕ってるときも笑わないんだけどさ、余裕がないわけじゃなくて
むしろ掌の上で踊らせてるみたいな感じがさ。するんだよ。
だから最近じゃそれ以外のことで笑わせられないかなって思うんだ」
- 518 :名前が無い程度の能力:2007/05/15(火) 03:05:27 ID:EPzpj7GY0
- 「…それで、これを私に見せてどうしようって訳?」
「元気になってもらおうと思いまして。」
もう日は下り始めた時刻。伏せていると、枕元にいつぞやのブン屋がいた。
そんな気分じゃないわね、と返しても引き下がる様子はないので、付き合ってやることにしたが…
「…前に紫に見せてもらったことがあるけど…びでおかめら、だったっけ?」
「外の世界にはすごいものがあるんですねー。写真だけじゃなく動いてるのも撮れちゃうなんて。」
一人で随分盛り上がっている。天狗ってみんなこんな感じなのか?
「…で、こんなもの見たところで元気になるわけがないから。帰ってちょうだい。」
「んー、それはどうでしょうか?」
「…どういう意味よ」
振り返ると、不敵な笑みを浮かべる文。
「まずあなたは、ここに私を上がらせてくれました。」
「…襖だから鍵とかかけられないんだけど」
「どうしても入られたくなければ結界を張るでしょう。あなたなら。」
「……」
「そしてここまで私に付き合ってくれました。」
「だから何だっていうの?」
少し怒気混じりに言ってみる。
「結論から言うと」
文は背を向けた。
「あなたは外に出たがっている。
ここに私を招き入れたのも、このビデオを最後まで見てくれたのも、何かを期待していたから。
だからこんなところに閉じこもってないで。」
「…その論理…大嫌いだわ…」
「さぁ、行きましょうか。」
文はにっこり笑いながら、襖を開けた。
「「「「「「「「「「 呑 も う ぜ ー!!!!! 」」」」」」」」」」
「お前らいい加減にしろー!!!!!」
- 519 :名前が無い程度の能力:2007/05/15(火) 03:06:45 ID:EPzpj7GY0
- 「まったく二日酔いのときくらい寝かせなさいよ…」
「まぁまぁ。迎え酒ってのもありますし。」
「…ったく」
「そうそう。紫さんからこれも預かったんですよ。」
「なにこの看板…『どっきりカメラ』…?」
「きっとドッキリするような仕掛けがこのカメラにあるんですよきっと。わくわく」
「どちらかというとカメラ『で』ドッキリするんだと思うけど」
「鑑定は僕に任せてもらおうか。」
「あら霖之助さん。宴会に来るなんて珍しいわね。じゃお願いするわ。」
〜青年鑑定中〜
「これは人を驚かせるための道具だね。」
「この看板自体が、ですか?」
「そう。とくに看板自体に仕掛けはないが、この看板を見ると、
外の世界の人間は酷く驚いたあとにものすごくホッとするらしい。」
「…外の世界の人間って変わってますねぇ」
「そうねぇ…」
- 520 :名前が無い程度の能力:2007/05/15(火) 03:46:33 ID:eD8YmiDE0
- 個人的にすげぇ好き
会話のテンポってマジで大事だな
- 521 :名前が無い程度の能力:2007/05/15(火) 11:03:41 ID:hhKQd7MM0
- コーリンがその看板もって赤メットかぶってる姿は、すごく想像しやすいな。
- 522 :名前が無い程度の能力:2007/05/15(火) 17:18:49 ID:RBCBSMaI0
- 咲夜がパッドをしていなかったことに驚くレミリア
だがそれは香霖の巧妙な罠だった
「くやしいっ、ドッキリカメラだったなんて…」
- 523 :二人で紅魔狂 とりあえず中ボス:2007/05/15(火) 19:14:27 ID:xpf7tyOw0
- 「ここを通るのなら私を倒していくことね!」
「それは私(ドン
「なんか聞こえたな」
掲示板を見つけた。
現在演奏中♪魔法少女達の百年祭
曲名に違和感を感じた。
よく見るとテープが張られている。
テープを剥がした。
♪香港返還の百年祭
「見た?」
「ひょっとして…本来ここに居るのは違う奴じゃ…」
「とっておきの魔法、見せてあげるわ!」
「よかったな霊夢。気に入られたようだぞ」
「あなたも気に入ったわ」
- 524 :名前が無い程度の能力:2007/05/22(火) 23:16:23 ID:zdR3oLhQ0
- 外に突撃する住民がいないこのスレは居心地が良くて好きだ
- 525 :名前が無い程度の能力:2007/05/23(水) 00:15:37 ID:qoHgKWRw0
- そりゃー外に出す気のないものを放りこむスレですから・・・
最近色々と気軽に投下できるスレが増えたお陰でここの投稿量が減ってるのは
良いことなのか悪いことなのか
- 526 :名前が無い程度の能力:2007/05/24(木) 07:08:51 ID:JFnKgLSo0
- ttp://coolier.sytes.net:8080/th_up2/src/th2_5747.txt
暇ならどうぞ
特に面白いとかいうものでもないし、東方を期待されてもあれな品ですが
- 527 :名前が無い程度の能力:2007/05/27(日) 12:23:36 ID:fgZmEFTw0
- 停滞してる……。
投下するなら今のうち(AA略)
くすくす。
背中越しの含み笑いを1度目は無視した。
私の脳裏には奇麗な軌道を描く色鮮やかな妖弾。
それが「弾幕」である事すら忘れ、魅入られそうになる美しい軌跡。
それを乱す様な、2度目の含み笑い。
「……人の背中見て、何か楽しいの?」
「すごいですね。背中に目が付いてるんですか?」
不機嫌さを滲ませた私の声にも些か怯まず、返ってくるのは生意気な答え。
くすくす。
3度目のそれに私は仕方なく振り返る。
何回か寝てみれば肌で判るなんて、いったい誰が言ったのだろう。
きっとそいつの相手はよほど単純だったのか、そいつの頭の中だけの存在に違いない。
何度触れても、幾度抱いても、判るどころか深みにはまって行くばかり。
結局、私は子供じみた実力行使に出るしか無くて。
「うるさい」
「だって」
罠だと判っているのに踏み込んで行くしか無くって。
「黙ってなさい、美鈴」
強引に肩を抱き寄せる。
剥き出しになった肌は驚くほどひんやりしていて、一瞬戸惑った私の唇に図った様に柔らかい唇が押し当てられた。
「おはようございます、咲夜さん」
悪戯なキスの後に、こぼれる柔らかい笑顔。
お手上げね。
私は貴女の罠にはまったまま、抜け出せないでいる。
「――まあ、それも一興ね」
「何がです?」
「ううん、別に」
誰かの事でこんなにも胸が騒ぐなんて、貴女に会って初めて知ったのよ。
「……そう言えば昨日パチュリー様が『明日辺り白黒が来そう』って言ってたわ」
白黒――魔理沙の図書館襲撃は、もはや紅魔館の定期行事だ。
「この前持っていった本が、そろそろ読み終わる頃でしょうからねぇ」
「美鈴。警備お願いね」
もちろん、と笑う唇にキスを返す。
少し驚いた顔で、またはんなりと微笑む。
見掛けより少しハスキーな声も。
日に透ける瞳も。
髪も。
思ったよりしたたかな心も。
その笑顔も。
全部愛してる。
冬の朝。笑う貴女。指先に触れる温もりが愛おしい。
それはいつもより少し優しい朝の出来事。
- 528 :名前が無い程度の能力:2007/06/02(土) 11:53:46 ID:xCT1.Eq.0
- こまっちゃんの今年の有給の数をデュエルモンスターズで決めることになりました。
小町「私の有給は勝敗で±20、それに私が減らしたライフ÷40した数でいいですね」
映姫「あなたの減ったライフ÷40分だけ減らすのを忘れてますよ」
小町「はいはい、わかってますよ」
小町・映姫「デュエル!!」
映姫「私のターン、ドロー!」
映姫「手札から凡骨の意地を発動!このカードはドローした時にそれが通常モンスターなら
相手に見せることでさらにデッキからカードをドローすることができる!」
映姫「さらに強欲な壷を発動!デッキからカードを二枚ドローし、凡骨の意地の効果発動!!」
映姫「ドロー!モンスターカード!ドロー!モンスターカード!(以下省略)ドロー!マジックカード!」
小町「なんで七枚も固まってるんですかぁ……」
映姫「日ごろの行いがいいからです、さらに手札から強欲な壷を発動!デッキから(ryドロー!(ry」
小町「(強欲すぎる……)」
映姫「ドロー!トラップカード!」
小町「(やっと終わったか)」
映姫「さらに天使の施しを発動!三枚ドローし、二枚を墓地に捨てる!さらにぼんk(ryドr(ry」
小町「(眠くなってきたなぁ……)」
映姫「ドロー!効果モンスターカード!!」
小町「四季様、今手札何枚あるんですか?」
映姫「26枚、これだけあれば十分です」
小町「(デッキより多いじゃん)」
映姫「私はさらに死者蘇生を発動!」
小町「え?墓地にモンスターなんて……天使の施し!」
映姫「墓地からオシリスの天空竜を特殊召還、手札は25枚よって攻撃力は2万5千!」
映姫「オシリスのダイレクトアタック!ワンターン・KILL!!」
小町「四季様、ちょっとタンマ!先攻での攻撃及び特殊召還されたターンでの攻撃は認められていませんよ」
映姫「あ……」
小町「そして神には魔法効果は1ターンしか効きません、よって私のターンで消滅します」
小町「残念でしたね、私のタ―」
映姫「何勘違いしているんだ、まだ私のメインフェイズは終了していません」
小町「(攻撃宣言してたじゃないですか)」
映姫「早すぎた埋葬を発動!ライフを800ポイント払い!」
小町「(よし、有給が2日分増え―)」
映姫「カタパルトタートルを墓地から蘇生!!」
小町「(まじかよ!)」
映姫「カタパルトの特殊効果でオシリスを射出!ダメージは半分の1万2千!!」
映姫「ブロークン・サンダー!!」
小町「技名じtyうわああああああ!!」
映姫「まさにDEATH GAME!!」
小町「(もう二度とこいつとはデュエルしねぇ……)」
―小野塚小町 今年度有給−48日―
数日後
小町「あ、凡骨の意地ってドローフェイズにしか効果使えないんz(サンダーフォース」
- 529 :名前が無い程度の能力:2007/06/02(土) 14:54:59 ID:QmOsG8B60
- マイナスってどうなるんだよw
給料へるのか?www
- 530 :名前が無い程度の能力:2007/06/03(日) 02:08:16 ID:CptbFfsY0
- 来年度以降に影響する、に70円(旧1円札70枚)
- 531 :名前が無い程度の能力:2007/06/03(日) 03:25:15 ID:tEXqyIA60
- 休み以外の日にも映姫サマに拘束されるんだよ。
朝から一緒に買い物に行ったり、映画を観たり。
- 532 :名前が無い程度の能力:2007/06/03(日) 07:34:33 ID:n0AyIsDY0
- 石切場さんの新刊思い出した
- 533 :名前が無い程度の能力:2007/06/03(日) 12:56:53 ID:4Y6u5nWA0
- >>531
それボーナスじゃん
- 534 :名前が無い程度の能力:2007/06/03(日) 12:58:08 ID:m5ugCAJA0
- なるほど…実はマイナスになるのを狙ってるのか。
- 535 :名前が無い程度の能力:2007/06/03(日) 23:37:56 ID:9gJ/E1as0
- 「藍様が紫様の式になる前って、藍様はなにをしていたんですか?」
「私の式になる前の藍はそれはそれは悪だったのよ。男をたぶらかしたり
男をたぶらかしたり、男をたぶらかしたりしていたの」
「わー藍様ってば悪女ー」
今日の紫様の晩御飯はドッグフードにでもしようと思う。
- 536 :名前が無い程度の能力:2007/06/04(月) 11:50:38 ID:Q0MQhVIQ0
- 男に走るなんてなんてひどい藍さまだ。
- 537 :名前が無い程度の能力:2007/06/04(月) 11:59:09 ID:eA/lEhXg0
- 少し傾向を変えた物を投下してみるテスト。
夕暮れ時。
ひっそりと静まりかえった神社の一室で、魔理沙は一人座り込んでいた。
静かに障子が開き入ってきた少女に、魔理沙は戸惑う様な視線を向ける。
「……妖夢」
「……こんな処に居たんですか」
二人の態度は何処かよそよそしく、互いに視線を合わせない。
少しの沈黙。そして魔理沙がため息のように呟く。
「なあ妖夢。このまま何処かに行こうか……二人で」
その言葉に妖夢が振り返る。魔理沙はひどく力無く、けれど優しく微笑む。
妖夢は少し切なげな表情を浮かべ、そして首を横に振った。
「駄目ですよ、そんなの……そんな事、出来る訳無いじゃないですか……」
「妖夢」
「そんなの許されない……誰も許してくれない……」
妖夢は唇をかんでうつむいた。
肩が震えてる。魔理沙は「そうだよな」と困った様に笑った。
「ごめん。私は弱いな……情けないよ」
「そんな事……」
ない、と続け様とした妖夢の言葉が喉の奥にのみ込まれる。
「私の所為です」
「それ以上言うな」
「でも、そうじゃないですか……! 私があの時ちゃんと……ッ!!」
「妖夢ッ」
思わず魔理沙が声を荒げ、妖夢はビクリと体を震わせる。
「どっちの所為でも無いだろ。私だってお前を……」
「魔理沙……」
「でも、私達は本気だった。……そうだろ?」
魔理沙の表情は暖かく「はい」と答えた妖夢の声は小さくかすれて消えた。
立ち上がった魔理沙は妖夢の肩を叩き、障子へと向かう。
外には夕日。紅い、紅い太陽。
「日が沈む……」
魔理沙が呟く
「夜なんて、来なけりゃ良いのに」
その言葉は祈りのようでもあり。
けれど救いなど決して求めてはいけない罪の意識が二人を惑わせる。
「行こう、妖夢」
「……はい」
「私達は何も恥じる事は無いんだから」
魔理沙が微笑む。
「ではお二人さんにはコレを飲んでいただきましょう」
「……なんですか、コレ?」
にこやかに微笑む幽々子が差し出したコップからは、異様なオーラが立ち上っていた。
「永琳特製、スタミナジュースよ♪ わざわざ作ってもらったんだから、一滴も無駄にしちゃ駄目よ?」
「いや、コレは有り得ないだろッ?! 赤と緑のマーブル模様でブクブク泡立つ飲み物なんて人間の飲み物じゃ無いッ!」
思わず突っ込む魔理沙に、傍らの霊夢が平然と答える。
「そりゃまあ、罰ゲームだし」
「幽々子さまぁ……」
「妖夢、がんばってね。これも修行の一環よ――――多分」
涙目で憐憫の情に訴えかける妖夢の姿も、当の主人には効果が無い様だ。
宴会の余興で始めた2×2の弾幕ごっこ。
『負けたら罰ゲーム』という魔理沙の提言は対した反論もなく受け容れられた。
彼女の最大の誤算は、くじ引きの結果「霊夢・幽々子ペア」VS「魔理沙・妖夢ペア」になってしまった事だけだろう。
「それじゃ魔理沙。ぐーーっと一気に。ほらぐぐぐーーーっっと」
微笑む表情だけはまるで女神の様に、霊夢が迫る。
「大丈夫、飲んでも死にはしないから。……味は保証外だけど♪」
夜の神社に、この世のモノとは思えない絶叫が響いた。
- 538 :名前が無い程度の能力:2007/06/04(月) 19:35:38 ID:xp9NZ9eg0
- >>537
前半で最高潮になった俺のwktkを返せwwwww
- 539 :名前が無い程度の能力:2007/06/06(水) 09:45:37 ID:R5x.b3tc0
- >>537
こいつはスゲエww
- 540 :ト書き無しに挑戦:2007/06/13(水) 14:35:45 ID:DtGLKGUA0
- 「やっぱり咲夜の血は絶品ね。今後も精進なさい。」
「勿体無きお言葉ですわ。」
「といっても生で飲めるのは咲夜の血くらいしかないけれどね。」
「他に飲ませてくれるような人間は…霊夢か魔理沙ですか」
「霊夢は何回かアタックしたけど無理ね…ガードが固い。
しかしどんな味なのかしらね…きっとせいすいのような…」
「ぶっ」
「…なにを勘違いしてるのか知らないけど、清水のほうよ」
「左様ですか…」
「霧雨のは宴会のときに失敬したことがあるわ。鼻血だけど」
「そんなこともありましたわね。どのような味だったのですか?」
「割と健康には気を遣ってるみたいね。
でもドーピングで魔力をどうこうってのは感心できないわね、吸血鬼として」
「…お嬢様、いい事を思いついたのですが」
「何?」
「紅魔館の財政難を解決しつつ、いろんな人間の血を合法で飲む方法です。」
「…今日も平穏か…いい事だ…」
「これはこれは慧音様。お元気そうで何よりです。」
「千石屋か。精が出るな。…ん?」
「…あぁ、最近出来た占いの店なのですが、血をちょっと抜いて
それで占いするってんで物珍しさで最近評判ですな。」
「…ちょっと入ってみるか…」
「…いらっしゃいませ。」
「血で占うと聞いたのだが」
「早速ですが失礼いたします」
(いつの間に注射器を…まさかな)
「ではこちらで少々お待ちください。」
「お嬢様…少々厄介なことになりました」
「まずいわね…あいつが来るなんて」
「やはりお前らか。街に下りてきて何をしてると思えば…」
「部外者立ち入り禁止の立て札、見えなかったかしら?」
「…すでに両隣5軒と向かいは言いくるめてある。並んでいた客も追い払った。」
「用意のよろしいことで」
「このまま出て行くなら何もしないが、どうする?うしろのお嬢様。」
「…2つほどいいかしら」
「何だ」
「肩こりが酷いなら今度うちの門番を向かわせる。あとマンネリしてるならたまには攻守交替も…」
「余計なお世話だ!!」
――――――――国符「三種の神器 鏡」
「ふー…酷い目にあったわね…」
「申し訳ありません…まさかあの白沢に目をつけられるとは…」
「いいわよ。直飲みじゃないとやっぱり味気ないし。
というわけで咲夜、いらっしゃい。」
「失礼いたします」
「ふふ…やっぱり咲夜のうなじは綺麗ね…いただきます」
「…ぁん」
- 541 :名前が無い程度の能力:2007/06/14(木) 22:11:02 ID:6bDb52nU0
- 「……そうか、君は教師を目指すのか」
「そういうお前は商売人を目指すのだろう?」
「自分の能力に見合った職だからね。君だって似たようなものだろう?」
「私の場合は人に知識を授けるのが好きだからだ」
「そうか」
「しかし、何だ、これからはこうして会う機会も減るだろうな」
「教師と商人、共通する部分は少ないだろうしね」
「……ん、一つ妙案を思いついたぞ」
「妙案?」
「ああ。お前、文房具屋を開いたらどうだ?」
「……何でまた」
「寺子屋の近くに構えてさ、そうすれば生徒達が買いに来るだろう?」
「………う〜ん……」
「我ながら素晴らしい発想だと思うがな。どうだ?」
「……まぁ、どんな商売を始めるかは修行先で商いの作法を学んでからにするよ」
「……で、数十年後、貴様は私に相談もせずにこんな店を建てた訳だ」
「……またその話か」
「人の提案を蹴るとは、それでも友人か?」
「そもそも文房具屋なんてのは僕の性に合わないよ」
「少なくとも此処よりは繁盛していたと思うが?」
「……耳が痛いね」
- 542 :名前が無い程度の能力:2007/06/15(金) 03:45:42 ID:u23KJH2E0
-
「最近貴女が来るからレミィの機嫌がいいわ」
輪郭を失わせるような茫洋とした薄明かりの向こうから地下図書館の主たる魔女が唐突にそんな
ことを言うものだから、差し向いの席に座っていたアリスは思わず頁をめくっていた手を止め自分
の首筋へと持っていった。とてつもなく笑えないことに昨日は満月だ。
控え目な牙跡でも残っていたらどうしようかと思ったが、それらしき痕跡はない。今朝も別段低
血圧だった記憶もない。
しかしこの館にはタネ無し切断マジックを笑顔で遂行する銀の従者がいる。彼女ならば瀟洒かつ
スマートに同意無しの強制採血作業くらいやってのけるだろう。
「……そういう意味じゃなくて、あなたの持ってきてくれるお土産がレミィのお気に入りなのよ」
「ああ、そういうこと。光栄だわ」
得心と安堵を混ぜ併せた顔で、アリスは頷いた。
誰かの下を訪れる時、手製の菓子を持参するのはもう彼女の癖のようなものだった。貴族でしかも
偏食気味の悪魔の舌に適ったと聞けば悪い気はしない。
親しいものでなければわからない程度に顔を綻ばせ、アリスは読書を再開する。
そんな彼女を、まあそこそこは親しいはずよねと自認するパチュリーは不満げに眺める。手元の
魔導書は予定の半分も読み進められていない。
今日は、シュヴァルツヴェルダーキルシュトルテだと言っていた。
一昨日来た時の手土産はカルディナールシュニッテン。添えられた濃厚なモカクリームとあわせて
いただいた。酸味の強いキルシュを使った今日のレシピは、だからきっと前回とは違った風味を
考えてのことだ。
こんな風にデザートのメニューについて思案する己を例えば五年前の自分が見たら、間違いなく
「くだらない」と唾棄するだろう。愚かしい。なんて無為な時間の遣い方だと。
もちろん「今」を生きるパチュリーはそんな浅見を鼻どころか毛穴で笑ってやれる。貴女はまだ
まだ世界を知らない。
- 543 :名前が無い程度の能力:2007/06/15(金) 03:46:24 ID:u23KJH2E0
- アリスの作る菓子は、ほとんど一種の薬物だ。少なくともパチュリーはそう思っている。一度で
も口にしたものなら、諸手を挙げて賛同してくれるはずだ。足だって挙がるかもしれない。
あの得も言われぬ恍惚を――文字通りの意味で――味わってしまっては、それを忘れられるはず
がない。彼女のアリスの菓子に対する執着は既に「大好き」で許容される限界を軽く突破し、近々
「信仰」と定義される域まで踏み込むことが確実視される。お菓子様は神様です。
そして、ほんの少し前までは、その天上の美味を甘受できたのは、この紅魔館においては自分だ
けだったはずなのだ。
今でも後悔しない夜はない。アリスがカトゥル・カールを持ってきたあの日、食べ終わってしま
うのがもったいなくて自室で少しづつ少しづつ堪能していたところを暇潰しにきた紅い悪魔に目撃
された。
――あらパチェ、美味しそうなもの食べてるじゃない。わたしにもちょっと頂戴よ。
痛恨の失敗だったとしか言えない。
将来もし歴史書を記すことがあれば、間違いなく太字で書き込んだうえに赤線を引く。「はい、
ここテストにでます」という外の世界の教本には必ず書かれているという一文も添えようじゃない
か。あのような惨劇が二度と繰り返されないよう後世に伝えねばならない。
あの夜、吸血鬼はアリスが菓子を持参した際は必ず自分の下に届けるよう厳命した。それはもう
紅魔館主の権限と己が能力をかつてないほど盛大に奮って言いつけた。脅迫とも言う。首を横に振
れば、歴史と叡知を刻んできた偉大な書の数々は即日焚き付けにされていたかもしれない。
もちろん没収されるわけではない。アリス謹製の新作トルテは今日も食後のティータイムで悪魔
と、その妹と、自分に等しく振る舞われるだろう。運命が微笑めば、従者と門番にも。
美しい光景だ。幸福の共有こそが世界平和への第一歩だと、昔なにかで読んだことがある。
それで納得できるなら、世の中はもう少しうまく回っている。
だってだって、少し前まであれは、全部私のものだったのに。
そろそろ重力崩壊くらいは起こせそうだと噂されるほどの落ち込みをみせる魔女とは対照的に、
ここしばらくの悪魔嬢は上機嫌の頂点といえる。
先日なぞ、よりによって宵の口から降り出した驟雨を観て「風流ね」などと宣い、運悪くそれを
耳にした妖精メイドの一団が運命を狂わされて聖地巡礼の旅に出た。
メンフィス、とかなんとか呟いていたと聞くが、それがどこでなにを祀っているのかパチュリー
は知りたくもない。狂った運命の先だ、どうせろくでもない、それでいてやたらと強力な神様が奉
じられているのだろう。
目下、悪魔のお気に入りは人形遣いの菓子と門番の点心で、それさえ与えておけば彼女は一晩中
行儀よく自室で過ごす。悪魔が大人しいなど、これが異変でなくてなんだというのか。現状を放置
するあの巫女はやはり職業道徳にもとると思う。仕事しろ。あの傍若無人な雇用主に鉄槌を下せ。
なお、客人はおろか荒事担当の門番にまで破れ次点に甘んじたメイド長が、朝な夕な鬼気迫る表
情で無断でパティスリーに改築した厨房を戦場に菓子作りの腕を磨いているが、未だ主を振り向か
せるだけの領域には辿り着けていないらしい。
多分この先も無理だろう、と知識人は思う。
――美味しいお菓子を作るコツはね、食べる人を突き放すことよ。
いつだったか、透明な瞳をした人形遣いはそう言っていたから。
――誰かのためとか、心を込めてとか、そういうのはダメね。
――なにも考えずに、人形みたいにただお菓子を作るだけでいい。
――そうすればほら、混ざり物のない「美味しいだけ」のものができるでしょう?
なるほど、主義一貫している。
それはまるで、アリスの在り方そのものだ。
- 544 :名前が無い程度の能力:2007/06/15(金) 03:47:02 ID:u23KJH2E0
-
都会派を自称するアリス・マーガトロイドは、その実よく出歩く。
人里に行く。市が立つ日には里の守護者に請われて人形劇を披露しているらしい。
竹林に行く。永遠姫の従者に「なんで指って曲がるのかしら」と訊ねたと聞く。
妖怪の山に行く。天狗の集落を見学させてほしいと頼んだら断られたという。
太陽の畑に行く。傷だらけで帰った翌日も出掛けていき、今度は向日葵を一輪貰ってきたとかな
んとか。
本来秘匿と沈黙を旨とする種族魔法使いにはあるまじきフットワークの軽さで、アリスは幻想郷
のあちこちに足を運び、そこにいる誰かを有無を言わせずその日の友とするのだ。暇人である。
幽冥を越えて亡霊嬢を訪ね、霖雨を縫って森の道具屋に通い、遠き野の夕暮れにマヨヒガを探す。
巫女と四方山話に花を咲かせ、魔法使いを相棒に空を駆り、いつも見せてもらってるばかりじゃ
悪いものと図書館に本を寄贈したりする。
あのときは酷かった。驚愕のあまり思わず発動させてしまった魔女の魔法が紅魔館全域に16ビー
トの激震を刻み、それに魂を揺さぶられた悪魔の妹が湧き上がる本能の命じるままに大規模破壊活
動。近隣の森の一部が峡谷へと姿を変えたところで彼岸の閻魔がカッ飛んできて紅魔館一同揃って
ノされた。
あの閻魔は時が止まるより速かった、とは最速被弾レコードに輝いてしまったメイド長の弁だ。
思い出したくもない。起きたら八時間ぶっ通しでお説教だった。それも正座でだ。足を崩すこと
など許されるはずも無い。ご高説の最中に二度気絶した。
あの日以来、フランドールは緑の髪をしたメイドをみると脅える。無理もないと思う。
つまりはまあ、そんなふうにして。
アリス・マーガトロイドは人と交わる。妖と交わる。幻想郷と交わる。
言葉を編み、解き、連ね、重ね、物語を成す。人形の手入れを欠かさず、時には新しい服を仕立
て、洗濯と掃除には魔法を使わない。手の込んだ料理を作り、もちろん菓子だって焼く。
そしてその全てと線を引くのだ。
例えば、人形遣いは巫女が茶を勧めてもいつだって丁重に断る。
例えば、人形遣いは魔法使いの背中を守るが自分の背中は任せない。
例えば、人形遣いは図書館の主を愛称で呼ばない。
パチェと呼ばれる響きは嫌いじゃないと言ったのは、遠回しな催促のつもりだったのに。それを
察せない彼女じゃないのに。
賭けてもいい。アリスは気付いている。霊夢がこのごろ少しだけお茶の入れ方を丁寧にしてみた
ことにも、魔理沙が夕闇の中何かをこらえるような顔で箒を操る腕に磨きをかけていることにも。
当ったり前なのだ。気づいていないはずがないのだ。
けれど昨日だって今日だって明日だって、彼女は線を越えず、越えさせもしない。
巫女の無重力が全てを等価値と見なすなら、人形遣いの線は全てを等距離とする。誰も彼も区別
なく、同じだけ近づき同じだけ距離をとる。
数多の線を引き、そのどれひとつも特別としない。なにひとつとして干渉させない。単一。孤高。
その有様、まさに魔女。
もちろん、何の問題も無い。己の世界ただそれだけを全てとするのは魔道を歩むものにとって窮
極の生き方のひとつで、そのことについてどうこう言おうとするのなら、お門違いもいいところだ。
世界が始まってからこっち、好き勝手と人格破綻は魔女の専売特許と決まっている。
『冬菊の まとうはおのが 光のみ』
不満に思ったり水臭いと考える方がどうかしている。
どうかしているのだ。
- 545 :名前が無い程度の能力:2007/06/15(金) 03:48:13 ID:u23KJH2E0
-
めちゃくちゃにろくでもない予感がした。
予感も何も、パチュリーにとって「第六巻」とは文字通りの意味だ。微弱な魔力が常に紅魔館の
外周を覆っており、これは門番の『気』と相互に補完しながらセンサーとレーダーの役割を担って
いる。
それが一瞬で焼き切られた。隠すつもりも無い、力任せの強引な突破。
このやり口は、非常に腹立たしいことだが熟知している。悪魔の館に襲撃をかける人間。ブラッ
クリストとレッドデーターブックに同時に名を連ねる手癖と口の悪いモノクロ鼠だ。
直後に頭上から重低音が届いた。例えばそう、正面玄関の大扉を大出力の弾幕で爆砕したらあん
な音がするかもしれない。
「……訪問マナーがなってないわ。ノックは二回って習わなかったのかしら」
アリスが本から顔もあげずに言う。
「そうね、落第だわ。これではお茶も出せない。私は人を選んでもてなすもの」
「あら、じゃあ私は?」
「貴女はいいのよ。私は人を選んでもてなすから」
軽口を交わしながら、館内に張り巡らせてある魔力ネットワークを起動する。
とりあえず友人の安否を確認――自室に反応。騒ぎに気づいていないはずは無いが、構わず寝る
ことにしたらしい。流石は生粋の支配者階級だ。流れ弾のひとつも飛んでいけばいいのに。
「美鈴は……もう突破されたみたいね。それにしても速すぎる――あら、咲夜の反応もない?」
驚きだった。朱と銀の従者コンビがこうも簡単に撃墜を許すのか。
新たな衝撃を感知。即座に近くにいた妖精メイドの目にチャンネルを合わせる。瞬間、視界の端
を突っ切っていった影が疑問に対する答えをくれた。
「……紅白の極楽蝶々がセットでお出ましだわ。速いはずね」
「霊夢が? 腰が重いのに珍しいわね。貴女のところのお嬢様、今度はどんな傍迷惑をしでかしたの?
それともしでかすの?」
「間接的な略奪、かしら。現在進行形で。そういう意味では私の身も危ないわね」
「?」
もちろん巫女が襲撃を掛けてくる理由なぞ古今ひとつしかない。
ここ一月ほど、研究が詰めに入ったとかでアリスが紅魔館を訪れる頻度が上がっている。図書館
にいなければ自宅にこもって実験と検証。そのどちらかだ。
魔女の知る限り人形遣いはその日の気分で分裂してみたりはしないので、自然その間は神社にも
顔を見せていないことになる。
つまり、もう一カ月もアリスの作る菓子にありつけていない。
なるほど間違いなく異変だろう。異変で、そして大変だ。
想像してみて、身震いした。動悸、息切れ、眩暈もした。よく我慢したとあの巫女にいってやり
たい。
もし逆の立場だったなら、パチュリーとてアグニシャイン(チート級)を連打しながら神社にカチ
込んでいる。それか世を儚んで本棚の上から身を踊らせているかだ。
とすると、今回ばかりはあの白黒魔法使いの標的も本ではない可能性が高いか。魔理沙もまた熱
烈なアリス(の作る菓子)信奉者であり、しかも過激派だ。筋金どころか鉄骨入りの原理主義者だ。
二人は弾幕をばら撒きながら掲げるのだろう。人民にパンと娯楽を、そしてお菓子を。パンがあ
ってもお菓子を食べたいじゃない。
ああ、気持ちは、わかる。腹の底から理解できる。こんな薄っぺらい台詞を自分が使うことにな
ろうとは思いもしなかったが、これほど他者の心情に肩入れする経験は魔女の歴史においてかつて
ない。
だからといって譲ってやるつもりも毛頭なかった。一歩たりとも引けないし、半歩だろうと妥協
はできない。微塵の後退も許されない。
要求されているのはアリスのトルテだ。神を差し出せと迫られてそれに頷く信徒がどこにいるのだ。
幸い体調は悪くない。あの小娘どもには、とっておき中のとっておきを披露してやるとしよう。
今宵の弾幕はお嬢ちゃんたちのPTSDになる。
それに、ここで二人を撃退しておけば、今夜のティータイムでは自分の取り分を多く主張できる
というものだ。
- 546 :名前が無い程度の能力:2007/06/15(金) 03:48:55 ID:u23KJH2E0
-
決意の二文字を一見眠たげなままの瞳に灯したパチュリーが宙に浮き上がるのとまったく同時に、
アリスはぱたんと本を閉じた。
そのまま床を蹴り、人形遣いは魔女の隣に並ぶ。
「……手を貸してくれるのかしら」
「貸すのは主に人形だけど、それでよければ」
「高くツきそうね。怖いわ」
「ツいてるのは貴女よ。今読んでいた本には神の無償の愛について書かれていました。アガペー」
「まあ素敵。その本はあとで火刑に処すわ。私は魔女だもの」
「魔女狩りね。魔女が狩るのね」
「魔女狩りよ。安らかに逝けるようマナーのなってない鼠を二匹、お供え物にするわ。アガペー」
顔を見合わせて、にやにやにやと笑う。
それはもう、見目相応の愛らしさなどどこにもない、いやらしく、陰湿で、計算高く、底意地の悪い、
神をも恐れぬ、性根が三回転半ほどねじ曲がった、どこに出しても恥ずかしい、魔女のような笑みで、
しかし二人は真実魔女なのだからなんの問題もない。
そうこうしているうちにも悲鳴と破砕音とシュプレヒコールを引き連れて巫女と魔法使いは
近づいてくる。
バカめ。パチュリーは思う。ここでオシマイだ。あっちもそっちも行き止まりだ。ご愁傷様のご
苦労様だ。無重力だろうと彗星だろうと朝飯前、いやいやそんなはしたない、ちゃんと朝食を摂っ
て、それから余裕ぶっ放しで決めてやれる。
この七色と七曜には、それができる。当然だ。
さあ魔女狩りだ。魔女が、狩るのだ。
思う。
なにを考えてどう振る舞おうともちろんアリスの勝手だ。
そして、そんな人形遣いの意向を、出力全開で無視を決め込もうともちろんパチュリーの勝手だ。
だって仕方がないじゃないか。気に喰わないものは気に喰わないのだ。
魔女の本分でも魔法使いの本領でも。このパチュリー・ノーレッジがすぐ側にいるというのに
それを気にも留めやがらないとは一体全体どういう了見だ。
許しておけるわけあるかと思う。鼻息だって荒くもなる。
だって仕方がないじゃないか。
アリスの日常に時折顔を出すくらいの役どころじゃ、もう全然納得できないのだ。
だから、線だろうがなんだろうがもうお構いなしにずかずか踏み越えてやるのだ。
- 547 :名前が無い程度の能力:2007/06/15(金) 03:49:39 ID:u23KJH2E0
-
「さあどうする? 向こうは紅・白・黒で三色ね」
虹の人形繰りが問う。
「縁起がいいのだか悪いのだかわからないわ……どちらにしろ彩りに欠ける」
黄金の一週間が返す。
「まったくね。教育が必要だわ」
召喚された無数の人形が主らを守らんと隊伍を組む。それを飾るように精緻な魔方陣が宙に浮く。
魔女と人形遣いの戦楽団が産声代わりに鬨を上げる。
アリスが手を引くのなら踏み込んで引っつかんでやろう。アリスが足を下げるなら送り足払いの
ひとつも掛けてコカしてやればいい。
動かない大図書館が最近アクティビティ嗜好に目覚めたことを人形遣いはまだ知らないはずだ。
線を引かれる。上等だ。わかりやすくて結構じゃないか。その向こうには、確実に、まだ手付か
ずのアリスがいるのだ。誰より先に唾をつけてやったらさぞかし気分がいいだろう。
その結果彼女が叫ぼうが喚こうが知ったことか。なにしろ魔女は好き勝手に振る舞うものだと相
場が決まっているのだ。
ただ、お菓子の供給が断たれるのは困る。非常に困る。その辺は大事にしながら好き勝手だ。
「では魅せましょうか。アリス、私たちは合わせてたった十四色?」
「いいえ重ねて四十と九色よ」
なんにしろ時は長く、自分たちはもっと長い。
隣にいれば、いつか一緒に高く飛ぶこともあるだろう。
- 548 :名前が無い程度の能力:2007/06/15(金) 03:51:19 ID:u23KJH2E0
- その日、大火力爆砕と高速移動を付与された人形が回転レーザーをまき散らしながら自動追尾、
接敵の後、自爆するという決戦用合体スペル『パチュリフルサクリファイス』が誕生し、即日
禁止カードに指定された。
アダルト幻想郷第四段。
アダルト要素は主にアリスの持ってくる菓子のわかりにくさ。
- 549 :名前が無い程度の能力:2007/06/15(金) 07:56:50 ID:bLzsvwhM0
- おもしれえな。GJ!
- 550 :名前が無い程度の能力:2007/06/15(金) 10:29:31 ID:akM1rftg0
- GJ! ふいんき(なぜかry)がいいですね。
スペル名でパチュリーが東方不敗ばりに回転しながらかっとんで行くのを想像した。
- 551 :名前が無い程度の能力:2007/06/15(金) 12:15:55 ID:qtuRTA1g0
- >>541
慧音と香霖か
- 552 :名前が無い程度の能力:2007/06/15(金) 12:50:05 ID:wqjO3uHE0
- >>542-548
GOD JOB!!
昼食うのも忘れて読み返したじゃないか、どうしてくれるwwwwwwwwww
- 553 :名前が無い程度の能力:2007/06/15(金) 18:48:14 ID:QQlbuZ6k0
- これは大作、これは名作。
というか、あんた、何者?
- 554 :名前が無い程度の能力:2007/06/15(金) 21:09:10 ID:/VB2/bQQ0
- パッチョさんのあまりの意地汚さに驚愕
とか思ったら他の連中も似たようなもんだったwwwwww
GJ!
- 555 :名前が無い程度の能力:2007/06/15(金) 22:03:05 ID:uQfAgVDo0
- 途中まで「アリス持ち上げのハーレム物かよ」と思ってたが
どうやらもててるのはアリス本人というよりアリス製お菓子の方のようだなw
- 556 :名前が無い程度の能力:2007/06/15(金) 22:04:05 ID:F6Q/IUO60
- パチュリフルサクリファイスで吹いたwww
- 557 :名前が無い程度の能力:2007/06/15(金) 22:20:49 ID:yMm/XJGA0
- >黄金の一週間
パチュリーはゴールデンウィークかよw
- 558 :名前が無い程度の能力:2007/06/16(土) 08:33:32 ID:TdfYrAQc0
- GGGGGJJJJJJ!!!
アダルト幻想郷シリーズがハイレベルすぎて困る
- 559 :名前が無い程度の能力:2007/06/19(火) 11:08:25 ID:B1N7VDJ60
- >>542-548
遅ればせながら読んできた。GJ!
メンフィスの神様吹いた。
- 560 :名前が無い程度の能力:2007/06/19(火) 15:29:43 ID:9WdfGhgU0
- >>555
ああそうかw
- 561 :名前が無い程度の能力:2007/06/21(木) 01:13:47 ID:kVjLyh3M0
- これはよいアリス
菓子欲しさに襲撃かけてくるってどんだけ食い意地張ってるんだwww
- 562 :名前が無い程度の能力:2007/06/21(木) 09:13:20 ID:cY5nDWWI0
- 俺なら襲撃するぞ
- 563 :名前が無い程度の能力:2007/06/21(木) 10:04:50 ID:bLHxCKjEO
- 良作age
- 564 :名前が無い程度の能力:2007/06/21(木) 14:10:37 ID:BTJPTFT20
- 名無しのふりだなこれは、あまりにもレベルが高すぎて不自然だ
- 565 :名前が無い程度の能力:2007/06/21(木) 14:40:30 ID:OjNB8JqA0
- 別に不自然じゃないだろ、良作大歓迎
- 566 :名前が無い程度の能力:2007/06/21(木) 15:05:28 ID:T5VsKUn2O
- とりあえず>>564は>>1をもう一度読み返す事をお勧めする。
- 567 :名前が無い程度の能力:2007/06/21(木) 15:59:34 ID:EGXW9.cw0
- >564
東方系じゃないけどSS書いてる人だった
自サイトでも地味に公開してた
- 568 :名前が無い程度の能力:2007/06/21(木) 16:04:46 ID:BTJPTFT20
- >>567
本人か?じゃあURLを貼ってみようか
ネタが何であれこれを書けるんだから相当期待できそうだ
- 569 :名前が無い程度の能力:2007/06/21(木) 16:11:05 ID:erC2xNpI0
- 匿名掲示板で本人特定しても黙ってるのがマナーだと思うんだ
まぁ、同じ物サイトに公開してるなら別に良いのかもしれんが
- 570 :名前が無い程度の能力:2007/06/21(木) 16:42:22 ID:XHqsjmbY0
- っつーか、名無しで投下してるんだから、中の人が何だろうと名無しだろ。
名無しのふりってどういう意味なんじゃ。
- 571 :名前が無い程度の能力:2007/06/21(木) 18:39:40 ID:KknKXQws0
- 凄い馬鹿が現れたと聞いてやってきましたw
- 572 :名前が無い程度の能力:2007/06/21(木) 19:43:05 ID:7Rn00LqI0
- 風情のわからんバカが湧いたと聞いて(ry
- 573 :名前が無い程度の能力:2007/06/22(金) 01:17:30 ID:Bge3VhKs0
- 名のある人でも名無しさんでもいい
面白いものを読ませてもらった、ありがとう!
- 574 :名前が無い程度の能力:2007/06/22(金) 10:46:53 ID:2adlIQmQ0
- サイトや創想話よりこっちのほうが楽そうだし
- 575 :名前が無い程度の能力:2007/06/22(金) 11:13:15 ID:OaMFyBTw0
- 調べてみたけどアリスが作ってるのはドイツ菓子なのか?
食いたくなってきて困る
- 576 :名前が無い程度の能力:2007/06/24(日) 10:45:24 ID:7l7C5qFA0
- シュヴァルツヴェルダーキルシュトルテ ⇒ドイツの菓子
カルディナールシュニッテン ⇒ウイーンの菓子
カトゥル・カール ⇒4つの材料を1/4ずつまぜて作るバターケーキ。
カトゥル・カールはドコのだか分からんな
一番上のはキルシュトルテかフォレノワール
っつー名前でも呼ばれるらしい。こっちは聞いたことがある人が多いかも。
何か俺も食いたくなってきたぞw
- 577 :名前が無い程度の能力:2007/06/24(日) 18:30:49 ID:GrG9NQnU0
- じゃあ俺はアリスを食べるね もちろん食欲的な意味で
- 578 :名前が無い程度の能力:2007/06/24(日) 22:13:48 ID:LXQJhX8s0
- このアリスはかなり本気で嫁に来て欲しい
- 579 :名前が無い程度の能力:2007/06/24(日) 23:29:21 ID:Upmodfhc0
- パチェs・・・パティシエなアリスか、良いな。
カトル・カールと聞くとどうしても「しゃぶってやるぜ」が湧いてきちまう。
- 580 :名前が無い程度の能力:2007/06/25(月) 11:48:43 ID:ugx9IVx60
- パチェシエなアリスいただきます。
- 581 :名前が無い程度の能力:2007/06/25(月) 18:14:54 ID:4wLtuWVQ0
- シリーズ全部読んできた。おもしれー。
文章ひとつひとつがちゃんと練ってある気がする。
最近元気がない創想話に降臨してくれんもんか。
- 582 :名前が無い程度の能力:2007/06/25(月) 20:42:26 ID:daTUnaak0
- 「先生、あの、これを香霖堂の店主さんに渡して頂けないでしょうか?」
目の前の少女……私の生徒が一封の手紙を差し出す。
内容は詮索せずとも判る。恋文だ。
(また、か)
こういう頼まれ事は昔からそれなりにあった。
というのも私は香霖堂主人森近霖之助と旧知の仲であり友人であるからだ。
今でもたまにあいつの店には顔を出す。だからあいつに関する依頼は私を通して行われる事が多い。
魔法の森への道は危険なので、普通の人間にとって香霖堂は尋ねにくいのだ。
私自身にとっても里の人間が危険な目に合うのは見て見ぬ振りなどできないので大抵の頼まれ事は引き受けているのだが…。
(いくら思春期だからとはいえ、あいつに惚れる事は無いだろう……)
毎回不思議に思う。あんな偏屈で無愛想な男の何処がいいのだろうか。
一般の客にも歓迎する態度を見せず、逆に冷たい印象を与える事の多いあいつの。
やはり外見だろうか。確かにあいつは顔立ちは整ってるし、背の高さや体格も申し分無い。それは私も一応認めているが…。
「……先生?」
「あ、ああ。森近に渡せばいいんだな」
私がとやかく言ってこの純真な少女の気持ちを踏みにじるのは良くないので素直に受け取る。
生徒は深くお辞儀をすると走って行ってしまった。私に頼む事自体が相当恥ずかしかったのだろう。
(さて、どうするか……)
手に持った封筒を見ながら思う。こういった依頼は乗り気では無いからだ。
理由は大きく二つある。
一つは私が多忙の身であるという事。手紙を配達するというだけの理由で里を離れるのは少々気が引ける。
彼女には悪いがもっと優先するべき仕事が私には多いのだ。それに少しだけ本音を言うと魔法の森まで行くのが面倒だ。
もう一つの理由は森近本人の事。あいつにこんな手紙を渡すという行為は無意味に近いのだ。
見ず知らずの女性……初対面ですらない者からこんなものを貰ってもあいつは困るだけである。
そして大して悩みもせずに必ずこう私に告げるのだ。
『丁重にお断りさせて頂くよ』と。
あいつは人間の娘には興味を持たない。それは寿命の違いの事もあるが……本当の理由はあいつがハーフだからだ。
妖怪と人間の血が半分ずつというだけで昔からあまり良くない思いをしてきたし、自分の両親を見て何か思う事もあったのだろう。
恐らく妖怪の娘にも同じ理由で興味を持たないと思う。
そんな訳でこの手紙を渡しに言った所で骨折り損のくたびれ儲けなのだ。答えは判っているのだから。
と、まぁつまり私が香霖堂に行かずとも彼女に言い渡す返事は既に用意できているという訳だ。
(どうするかな、この手紙)
渡す必要が無いのでこの手紙は唯の紙切れ同然である。持っていても無意味だ。
なのでいつも通り、封筒の両端を手に持つ事にする。
「無かった事に」
びりびりびりびりびりびりびり
これで私がわざわざ遠出する必要も無い。あいつに迷惑をかける事も無い。
まさに一石二鳥。いや、何故か私の気分がすっきりするので一石三鳥、だ。
そういえば今日は燃えるごみの日だったなと思い出したので妹紅の所へ行くことにした。
- 583 :名前が無い程度の能力:2007/06/25(月) 23:08:15 ID:/14AUP8o0
- >>582
雰囲気が俺好みなのでまったり読ませていただいてます。
>「無かった事に」
>びりびりびりびりびりびりびり
手動かよw
- 584 :名前が無い程度の能力:2007/06/25(月) 23:16:10 ID:3r04dYAM0
- >>582
あんた最低だよ慧音先生!?
それにしてもこの慧音先生はまだ気づいてないだけで霖之助のことが好きなのか
- 585 :名前が無い程度の能力:2007/06/25(月) 23:27:14 ID:aKThg1CA0
- >>541の人か、それに触発されて書いたか……
どっちにしてもGJ!
破いた後に証拠隠滅までするあたりけーね先生後始末もばっちりだ。
- 586 :名前が無い程度の能力:2007/06/26(火) 01:45:38 ID:7p7nXLpg0
- 生徒に対する仕打ちとは思えん
- 587 :1/3:2007/06/26(火) 11:28:13 ID:bIRbZJVM0
- ザナドゥ・シティ。
「幻想郷」の名を与えられた、頽廃の街。
騒動と事件の種の尽きないこの街に、今新たな事件が起きていた。
「これで4件目か。小野塚、被害者はやはり?」
「はい、四季さん。ガイシャの遺体は見る影もありませんでしたが……見事な黒い長髪
だったみたいです」
「全く……犯人は一体なぜこんなことを。……考えていても仕方がありませんか。行き
ますよ、小野塚」
「ウィッス」
四季映姫――偽りの「楽園」の治安を守る警部
からから〜ん。
「いらっしゃいませ、八意博士」
「ごめんなさい、マスター。今日は客じゃないの。……やっと見つけたわ」
「……私に何か?」
「ええ、貴女を探していたのよ。私立探偵、紅美鈴。……いえ、『スカーレットファミ
リーのゲートキーパー』と言ったほうがいいかしら?」
「……『元』ですよ。この街で一々他人の過去をどうこう言うのは野暮ですよ?」
「そうね、御免なさい」
「まあ、無粋の分は報酬に上乗せさせてもらいましょう。……それで?」
「ええ、人を探してもらいたいの」
「……これは、見事な黒髪だ」
「黒髪といえば、今街を騒がせているフリークスですか。先日4件目の被害者が見つか
ったとか」
「ええ。勘でしかないけれど……きっと犯人の本当の狙いはこの子よ。だから、犯人よ
り先に見つけて、保護してほしいの」
「なるほど。……分かりました、この紅美鈴にお任せ下さい」
紅美鈴――楽園の路地裏を行く、群れをはぐれた野良犬
どしん!
「おっとととと」
「ご、ごめんなさいっ!」
「GAULLLLL!」
「やれやれ、どっかの研究所から逃げだしたクリーチャーか? 今日は千客万来だねぇ」
「あ、あのっ! 貴女も逃げ……」
「逃げる必要はないさ」
「……え?」
「だって……『最強』のアタイに敵うヤツなんていないからね!」
チルノ――頽廃の街を真っ直ぐに生きる何でも屋
普段交わらぬ三者の道が交錯したとき、新たな物語は始まる。
- 588 :2/3:2007/06/26(火) 11:28:57 ID:bIRbZJVM0
- 「チルノちゃぁぁぁん! なんで貴女はすぐにそーやって厄介ごとを持ち込むんです
かぁぁ!」
「あーもー、しょうがないじゃん。それじゃ大ちゃん、見捨てろって言うの?」
「そうは言ってませんけど! 今月も家計はギリギリなんですよ!」
「大丈夫大丈夫、なんとかなるって」
「うわあぁぁぁん! ぐれてやるうぅぅ!」
「やあ、刑事さん」
「紅犬ですか。なんの用です?」
「今は野良犬ですよ。それより例の事件、刑事さんの担当なんですって?」
「……情報は渡しませんよ?」
「犯人の手がかりになりそうな情報があるんですけどね」
「なんですって?」
「ただじゃ渡せません。こっちも生活かかってますんで」
「……いいでしょう。こちらの捜査状況も一部お知らせしますよ」
「それと、この情報はできれば刑事さんのところで止めておいて欲しいんですが」
「……何故?」
「依頼人が警察に行かずに、わざわざこんな野良犬に頼みに来た……といえば、分かる
でしょう?」
「……全く嘆かわしい。やはり警察組織の改革が必要ですね」
「それは刑事さんが偉くなったらお願いしますよ」
「なんでアタイについてくるのよ、たんてー!」
「貴女が私の行く先に行ってるんでしょうが、何でも屋!」
GAGAGAGAGAGAGA!
「へっへーん。そんな薄い弾幕じゃアタイには当たらないわよ!」
「頼むから敵を挑発しないでー!」
「街が騒がしいわね」
「ここまでは届きませんよ」
「ここまで届くようならコトだわ。……それより、美鈴も動いているって聞いたけど?」
「……お嬢様。あの者はお嬢様の恩義を忘れ、ここを去ったのです。今更気に止められ
ることは……」
「本当の恩知らずなら、初めて逢った日に撃ち殺しているわ。ただ、行く道を違えた。
それだけよ」
「……はぁ」
「それよりもこの一件。いつもの下らない騒ぎだと無視していたけど、思ったより大事
になりそうね。……咲夜」
「はい」
「貴女も調査に出なさい。そして、ファミリーによからぬ影響が出そうなら」
「はい、適切に『処置』を」
「頼んだわよ」
「『The Hide』、『西行寺組』はいずれも動きを見せていない。『スカーレットファミ
リー』は十六夜咲夜が何かかぎまわっている様だ……か。となれば、やはりマフィアは今
回の事件には無関係?しかしそうなると、やはり犯人の狙いは、故蓬莱山教授の……」
「四季さんっ!」
「どうしました、小野塚?」
「五件目が出ましたっ!」
「っ!! すぐ現場に行きますよ!」
- 589 :3/3:2007/06/26(火) 11:30:06 ID:bIRbZJVM0
- 「やはり、御爺様の研究が狙われているのね……」
「八意博士は、そのことを?」
「知っているわ。御爺様の研究を手伝っていたもの」
「そんなモンの為に無関係の人まで手当たり次第なんて、許せるもんか!」
「……チルノ、私は探偵。貴女は何でも屋。犯人の逮捕は警察の仕事よ?」
「かんけーないわ。アタイはアタイのやりたいようにやる。アタイがこの子を、輝夜を
助けるって決めた。誰にも邪魔はさせないわ!」
「……ふう。まあ、ここで放り出すのも後味が悪いしね」
「アタイを手伝うって言うの、探偵?」
「貴女が私を手伝うのよ、何でも屋」
「上層部の命令を無視してまで捜査を続けるとは……いささか君らしくなかったな、四
季映姫」
「くっ! ……まさか、貴女まで関わっていたとは」
「お別れだ、四季。君はいい部下だったが、自分の愚直さを恨んでくれ」
GAAAN!
「四季さん、大丈夫ですか!」
「へっへーん! ジャックポット(大当たり)ね!」
「小野塚小町に何でも屋!? 貴様ら、何故ここに!!」
「小野塚!?」
「こっちです、逃げましょう!」
「助かりました。……が、よくあそこが分かりましたね」
「へへっ、ちょっと昔、やんちゃしてた頃のダチに頼みましてね。あ、彼女ですよ」
「…………野良犬ですか」
「紅美鈴ですよ。久しぶり、と言うほどに間はあいてないかな?」
「……まあ、事態が事態です。助けられたことにはお礼をいいますが……ただで助けた
わけじゃないでしょう?」
「もちろん。この事件、一切合財をケリつけるには貴女の助力も必要ですから」
「……業腹ですが、已むを得ませんか」
「ちょっと探偵、アタイを無視して話を進めるんじゃないわよ!」
「分かってるわよ、何でも屋。これ以上『あんな物』に振り回されるのも面倒だしね」
「色々騒がしいけどね。それでもアタイはこの街が好きだから。『あんな物』に好き勝
手されるのは我慢できないわ」
「異論はあるでしょうが、この街を愛しているのは私も同じです」
「さて」
「それじゃ」
「行きましょうか」
――全てに決着をつけるために。
紅魔館プロデュース
「幻想郷異聞録」
近日公開
- 590 :1/2:2007/06/26(火) 15:53:02 ID:XH/9IrW60
- ある日突然
「香霖、しばらくここに来れないけど寂しがるんじゃないぜ」
と言ったっきり魔理沙がここに来なくなってもうそろそろ一年近く経とうとしている
霊夢に聞くと霊夢にも会っておらず図書館にも行ってないそうだ
静かなのは好きだが魔理沙が居ないと心のどこかに空虚感を感じる
ガラッ
「霖之助さん居るー?」
「やあ、霊夢か今日も買い物をしに来たのかい?ツケで」
「今日は魔理沙のことでちょっとね」
「魔理沙の?」
「ええ、あいつどうやら最近永遠亭に居るらしいわよ」
「永遠亭?」
魔法使いである魔理沙がなんで永遠亭に……
なにか作るのに必要な薬草でもあるんだろうか
それともまさか体になにかあったんじゃ……
「霖之助さん顔が百面相してるわよ
そんなに魔理沙が心配なんだ」
「む……」
どうやら考えてることが顔に出ていたらしい
「まあそんな訳だから情報料としてお茶、貰っていくわね」
「最初から貰っていくつもりだったくせに……まあいいか」
「それじゃあまたね霖之助さん」
そう言って霊夢はお茶(玉露)を取っていった
そうして再び静かになった店内でまた本を読んだ
- 591 :2/2:2007/06/26(火) 15:53:42 ID:XH/9IrW60
- ガラッ!
「香霖久しぶりだな!」
「魔理沙!?」
「大体一年ぐらいか?私に会えなくて寂しかったか?」
「突然どうしたんだい?霊夢から聞いたんだけど永遠亭に居たそうじゃないか
それと……それなんだい?」
久しぶりに会った魔理沙はどこか大人びていて一年前とは少しだけ印象が違うように見えた
そしてその魔理沙の腕の中には赤ん坊が眠っていた
「見て分からないのか?赤ちゃんだぜ」
「それは見たら分かるよ、もしかしてここ一年来なかったのは子供が出来たからかい?」
「そうだぜ、なかなか可愛いだろ?」
「……ちなみに父親は誰かな?」
「何言ってんだ香霖に決まってるじゃないか」
「は?で、でも僕は見に覚えが」
「?ああ、そうかあん時私が一服盛ったんだっけな」
「魔理沙ーーーーー!!!???」
「静かにしろよ、起きちゃうだろ」
「すまない」
「そんなわけだから今日からこっちに住むぜ
家から荷物取って来るからこいつ頼むな」
「あ、ああ」
そういうと魔理沙は箒に乗って飛んでいってしまった
僕はというと「なんで妊娠したの内緒にして一人で産んだんだろう」とか「いつ一服盛ったんだろう」とか
「他の皆にどう説明しよう」とか考えていたがあまりにも色々ありすぎたので脳みそがフリーズしてしまった
このまま気絶したかったが腕に抱いた赤ん坊をそのままにしておくわけにもいかずそのまま立ちすくんでいた
「……まあ元気でよかったよ」
- 592 :名前が無い程度の能力:2007/06/26(火) 16:47:59 ID:lPh1CQvs0
- それは犯罪だーーーーーッッ!
- 593 :名前が無い程度の能力:2007/06/26(火) 16:50:07 ID:CruoTFmQ0
- よしこーりん す。
- 594 :名前が無い程度の能力:2007/06/26(火) 18:59:23 ID:H7nf4sSw0
- それでも慧音先生なら……慧音先生ならきっと無かった事にしてくれる……!(ガクガクブルブル
- 595 :名前が無い程度の能力:2007/06/26(火) 20:19:14 ID:vIhTnGWU0
- >>594
だが582を読んだあとだと、けーねが
『子供ごと』『物理的に』なかったことにしそうで怖い
- 596 :名前が無い程度の能力:2007/06/26(火) 22:37:32 ID:v43rmOis0
- ていうかこのSS、山とオチはどこ?
- 597 :名前が無い程度の能力:2007/06/26(火) 22:41:27 ID:6tS2XpGI0
- ここはそういう突っ込みするようなスレじゃないと思うぜ…
- 598 :名前が無い程度の能力:2007/06/26(火) 23:17:04 ID:ksVBYz/g0
- 山なら文の帰宅途中を尾けて行けば見つかるぜ
- 599 :名前が無い程度の能力:2007/06/27(水) 00:17:55 ID:5x9dMKhA0
- >>595
ちょ!?慧音ヤンデレかよ!
>>『子供ごと』『物理的に』なかったことにしそうで怖い
それもあるかもしれんが魔理沙の子供ってことをなかったことに
んでハクタクになって本当は自分の子供っていう歴史を創るとか
- 600 :名前が無い程度の能力:2007/06/27(水) 02:37:27 ID:wMgok9Oo0
- >>595
「慧音がシングルマザーに」まで読んだ
- 601 :名前が無い程度の能力:2007/06/27(水) 16:07:26 ID:Tblyj37I0
- 慧音がすごいキャラに・・・
- 602 :名前が無い程度の能力:2007/06/27(水) 19:23:16 ID:54nKkUzo0
- この流れで真っ先に頭に浮かんだのがこのAA
_,. -──- 、
ト、 ,. '´ ,.-ヽ.`ヽ/!
ヽ.`''ァ/ ./ /i ::::i 、:::::',:7<{ .::
Y´レi ハ/-ハ ::i-::!:::::i ,.::
i レヘi::○::::V::Oiハ|ノ ,.'" ..::
/ | |" 、______,"! | _,.'" ,.-'"
/ ./ >ヽ、 `-' ノl |  ̄`"'ー'"
,' ./ //'⌒ヽ7 ̄!. | |
! ハ /〈_r、__ 〉、!_レレ' ) )
ヽレ'!. 〈 く7トr〉_.)
_____ ,.イ':::\__)」ヽ!
^ヽ、`二ヽ/'7'::::::::ヽ.
,く::::7ーi:::、:::::r、:::ト、
´:7二7`='=ヘ二Y^
ヒ__ノ ヒ__ノ
- 603 :名前が無い程度の能力:2007/06/28(木) 09:17:24 ID:Bmw3k1gM0
- なんというフォースの暗黒面……いやハクタク面。
- 604 :名前が無い程度の能力:2007/06/28(木) 12:34:34 ID:iw6aBPj.0
- >>602-603
荷物とって来た魔理沙が香霖堂に帰ってくると
香霖堂は吹き飛んでいましたとさ
- 605 :名前が無い程度の能力:2007/06/28(木) 15:09:37 ID:.hejQCPM0
- そして呆然とする魔理沙の背後から殺気が
振り向いた所でEND
というホラー映画だったのさ
- 606 :名前が無い程度の能力:2007/06/29(金) 12:44:51 ID:.dDDb//c0
- 妹「ねぇ、この魚なに?」
慧「ヒョウタンボクと言って毒を持つ」
妹「おいしいかなぁ……」
慧「……」
妹「これは?」
慧「レンゲツツジ、毒持ちだ」
妹「まぁ見かけはまずそうだけど食べられそうだね」
慧「……」
妹「これは…セリかな」
慧「ドクゼリだ」
妹「あんまり変わんないって、これは?」
慧「ドクツルタケ……」
以下延々
- 607 :名前が無い程度の能力:2007/06/29(金) 12:46:40 ID:.dDDb//c0
- ミス
一行目
>妹「ねぇ、この魚なに?」
魚じゃねぇよ
正しくは
妹「ねぇ、この木の実なに?」
- 608 :名前が無い程度の能力:2007/06/29(金) 12:52:45 ID:oN/v4v5I0
- もこたんはただ名前が知りたいから慧音に聞いてるのか?w
いくら死なないからといっても毒で苦しむことには変わりあるまいに・・・
- 609 :名前が無い程度の能力:2007/06/29(金) 12:55:54 ID:MkEZQPbw0
- むしろ苦しむ事で「生」を実感しようと……
- 610 :名前が無い程度の能力:2007/06/29(金) 15:06:06 ID:D0Z7xKpk0
- けーねとその妹に見えたのは秘密だ。
- 611 :名前が無い程度の能力:2007/06/29(金) 17:17:49 ID:R4PGd0nI0
- フランちゃんかと思った俺は末期
- 612 :名前が無い程度の能力:2007/06/29(金) 19:02:03 ID:byCtxs5k0
- 「どうせ死なないし」と味見しそうだから困る
- 613 :名前が無い程度の能力:2007/06/29(金) 19:12:50 ID:Bsm2GhCw0
- 少しずつ苦しみに慣れようとするのか?
少しだけ耐えられるということは、永遠に耐えられるということ!
- 614 :名前が無い程度の能力:2007/06/29(金) 23:34:42 ID:HevsgGF.0
- >>609
だから輝夜と殺し愛するんだよ
- 615 :名前が無い程度の能力:2007/06/30(土) 10:55:54 ID:.74kQcnQ0
- もっと痛みをくれ!もっと、もっとだ!
- 616 :名前が無い程度の能力:2007/06/30(土) 13:51:40 ID:wmvzz7b60
- おじさんと痛いことしようか
- 617 :名前が無い程度の能力:2007/06/30(土) 14:18:13 ID:W0QndvCE0
- 痛いことってなんだよ。
昔妄想してた自作ファンタジー小説の主人公の設定暴露とかか。
- 618 :名前が無い程度の能力:2007/06/30(土) 14:49:22 ID:C8XGjXV20
- >>617
ギゴゴゴゴ凄い破壊力だ!
- 619 :名前が無い程度の能力:2007/06/30(土) 14:52:30 ID:YJhzS3k20
- >>617
違うな
今、妄想している自作ファンタジー小説だっ!!
死ねる
- 620 :名前が無い程度の能力:2007/06/30(土) 22:42:12 ID:agwCztuo0
- ヤドクガエルとかベニテングダケとか……
- 621 :詩を書こうとして失敗:2007/07/01(日) 20:39:28 ID:AlNjCGqQ0
- 動く人形は死んでる人形?
動かない人形は生きてる人形?
どうして?
動く人形は動かされているのよ。
ご主人様の望むがまま、As you like.
動かない人形は、動く人形を尻目に、動かない人形同士でお話ししているの。
それは動かない人形だけのティーパーティ。
とても楽しそうだわ。私も仲間に入れて欲しいわ。
楽しそうね。一体、何の話をしているの?
動かない人形は目を開けたまま、微動だにしない。
仲間外れなのね。悔しいわ。
目が乾かないのかしら。
目が乾いたわ。紅茶をちょうだい。
はいはい、ただいま。
ご機嫌を取ってもだめですよ、
貴女は動く人形ですもの。
私は人形じゃないわ。
貴女も他の人に作られたんでしょう、人形よ。
私は自分で動けるわ。糸が無くても自由に動けるのよ。
人形は糸なんて知らないわ。糸を知るのはご主人様。
貴女はご主人様無しでも、動けるの?
分からないわ、怖いわ。
もし、私のご主人様が動かなくなったら、
私が動かなくなったら。
私も仲間に入れて貰えるかしら。私も仲間に入れて欲しいわ。
動かない人形は目を開けたまま、微動だにしない。
仲間はずれなのね。悔しいわ。
悔しいわ。
- 622 :名前が無い程度の能力:2007/07/02(月) 08:29:23 ID:KbBVJiJE0
- 怖いなあ。アリスと上海かな? こういう話が書きたいものさねえ。
- 623 :名前が無い程度の能力:2007/07/02(月) 09:28:09 ID:mvfNWhvU0
- >>621
構成といい、まるで歌詞みたいだ。
でもアリスの曲を思い出して当てはめてみようとしたら、
ごっすんごっすんが脳内再生されちまった。orz
- 624 :名前が無い程度の能力:2007/07/02(月) 21:12:10 ID:SYV20Jk60
- せっかくなので張っておくかな。。。
遊戯王風
紫VS幽々子
http://coolier.sytes.net:8080/th_up2/src/th2_6207.txt
- 625 :名前が無い程度の能力:2007/07/04(水) 00:25:55 ID:IaGw5Xkk0
- ブ「ロ」ーノ・ブチャラティでスティ「ッ」キー・フィンガーズな。
- 626 :名前が無い程度の能力:2007/07/04(水) 19:01:54 ID:L2Bf0JJQ0
- >>625
本当だ・・・修正しときます。
- 627 :1/3:2007/07/04(水) 23:44:47 ID:TZGoFrb20
- 咲夜がいない。
よくやってくれる子だから、休憩は自由に取る様に言ってはあるけれど
こういう大事な時にいてくれないのは困るわね。
暇さえあれば退屈している身だし、探すのが億劫なわけじゃないけれど
主が従者の所へ参上するのはちょっと違うと思うのよね。
まあいいわ。またあの子が気を利かせて作ってくれた「遊び」なのかもしれないし
ここはひとつ乗ってあげて、見慣れた我が屋敷の探索ごっこと洒落込もうかしら。
何事も楽しむのはいろいろと秘訣なのよ。
「お嬢様、お出かけですか…?」
「貴方、咲夜を見なかった?」
「そういえば…ここ半日程見かけませんね。」
「そう、ありがとう。」
「探して呼んでまいります。」
「いいのよ。貴方はそのお茶と本を置いてらっしゃい。他にも用事があるんでしょう?」
「恐れ入ります。」
「足元に気をつけてね。」
「はい。」
ガチャン。
一度にいくつも言いつけるなって言っているのに。仕方の無い子。
「今ちょっと手が離せないの。」
「お邪魔はしないわ。咲夜どこに行ったか知らない?」
「ここ6時間の間なら、そこにいれば気づいたかもしれないわね。」
「そう。ありがとう。」
「それとね、人使いが荒いのはよくないわ。」
「つい頼っちゃうのよ。あの子気が利くから。」
「…そうね。お互い気をつけましょう。」
「ええ。」
ちっ。
頭の良い子はこれだから嫌いよ。
- 628 :2/3:2007/07/04(水) 23:45:37 ID:TZGoFrb20
- キイ。
「あっ!お、お嬢様?!だっ大丈夫ですか?!」
「少し暑いわね…。ねえ咲夜どこに行ったか知らない?」
「はいっ?えっと、お屋敷の外には来てないみたいでしたけど…でも…」
「貴方に気づかれる様なヘマはしない…」
「時間を止められたら見えません〜〜;;」
「あの子がそう言ってたのよ。貴方は悪くないわ。」
「うう〜。」
「咲夜が戻ったら代わりを呼ばせるから、そうしたら貴方は休みなさい。」
「は、はいっ。ありがとうございます!」
「じゃあね。灰にならない内に戻るわ。暑くて干からびそう。」
そういえばこの子と話したのは久しぶりね。
暇な仕事で退屈しているでしょうし、そのうちお茶にでも呼んでやりましょう。
それにしても、本当にどこへ行ったのかしら。
おしりのひとつもつねってやりたい気分になってきたわ。それとも耳を引っぱってやろうかしら。
主が汗をかいてまで探してあげてるのに、呼んでも返事のひとつも返さないなんて。
従者はいれば便利だけど、いないといろいろと不便なのよ。
ぱたぱたぱた。
「お嬢様。」
「…何?」
「咲夜さんが探しておられます。」
「そう。部屋に戻っていると伝えておいて。」
「かしこまりました。」
「それから」
「? はい。」
「…お茶の事は気にしなくていいわ。」
「あ、ありがとうございます。」
- 629 :3/3:2007/07/04(水) 23:46:07 ID:TZGoFrb20
- あっちから来たから、西側の階段から回らないといけないわね。
こんな狭い場所を飛んだのは初めてだわ。いたたた。誰か見ていたかしら。
バタン!
…。
こんこん。
「入りなさい。」
「失礼します。」
バタン。
しばらくお互いの顔を見つめ合う。
私はソファに腰掛けたまま、咲夜はドアの前に立ったまま。
お互い、相手を調べる様に体のすみずみを見る。
「…ぷっ。」
「…ぶふっ。」
少し陽の差す薄暗い部屋で、二人ははじけた様に笑い転げる。
収まりかけてはまた笑い出して、何度か繰り返してようやく落ち着く。
「はーもう貴方って、何故いつもカチューシャが左に曲がるの?」
「だって帽子は深くかぶりすぎだし靴は脱げてるし、なんか汗だくだし。」
結局また、お互いでお互いを探し合っていたわけ。
まったくもう。
ひとしきり気の済むまで罵倒し合った後、咲夜がおどける様に改まった。
「で、お呼びになったご用件は何でございますか?お嬢様。」
「今日はとても暑いの。すこし喉が渇いたからお茶を入れて頂戴。」
「はい。ちょうど今日は野良魔女から悪くない差し入れがございましたので…」
「…変わった香りね。薬茶かしら?」
「冷たい水で出して飲むと美味しいそうですわ。すぐに淹れてお持ちします。」
「ええお願い。今日はそれでお茶会にしましょう。門番も呼んできなさい。」
「かしこまりました。」
はあ。疲れた。
とりあえず着替えようかしら。涼しくなったら眠れるように。
- 630 :名前が無い程度の能力:2007/07/06(金) 12:50:00 ID:gH.fYFBo0
- これは素敵な紅魔館
- 631 :名前が無い程度の能力:2007/07/13(金) 01:05:10 ID:rawwCZY60
- 藍様スレ用に描いたが、長くなり過ぎたのでこちらに投下
普通の人間が我等が九尾、八雲藍様にふかふかするには、幾つかの関門を突破しなければならない
第一、マヨヒガの発見
第二 橙の妨害
第三 紫の妨害
第四 藍様自体の抵抗 である
まずマヨヒガの発見。常人には認知できないとされる場所にあるため、一見不可能に見えるが
幻想郷にはその不可能を達成した人間が何人もいるため、実際はそこまで問題では無い
とりあえず、神社に多めの賽銭を持参して、紅白巫女にでも案内を頼めばよい
次に橙の妨害だが、近年新版が出版された幻想郷縁起「東方求問史紀」によると
橙は現在親元を離れた妖怪の山で生活しているという。よってマヨヒガでかち合わないようにすればさしたる問題は無い
念を入れるなら、仲の良い氷精や妖怪蛍にバナナでもやって足止めを頼むとよかろう
第三の障害の八雲紫だが、これが最凶の難関である
一日の大半は寝ているはずなのだが、第六感がやたら鋭く、日中自分の式に近づく輩を見逃すことはまず無い
見つかったが最後、彼女の「境界を操る能力」は
破壊力A スピードA 射程距離A 持続力A 精密動作性B 成長性C というチートスタンドなので
こっちが紅魔館の時止めメイドでも無い限り、何人いようが正面突破はまず不可能である
今まで数多の同士がこのスキマ妖怪の前に散っていったが、残念ながら決定的な対処法は確立していないのが現状だ
さしずめ彼女の行動パターンを予測し、神社か冥界に出かけている隙を狙うしかあるまい
(文文。新聞には信憑性は低いものの、最新の八雲一家の同行が載っていることもある。参考にされたし)
最後の障害、藍様自体の抵抗だが、これは正式な手順さえ踏めばそこまで恐れることでもない。以下、基本的な作法を記す
①まず相対した上で諸手を上に上げ、自分が武器やスペルカードを所持していないこと、敵対の意思が無いことを示す
②季節の挨拶をした後、自分の名前を名乗り、手土産として持参した油揚げを手渡す
(油揚げの他に神酒や旬の物も喜ばれる。だが、間違ってもスーパーで2パック百円で売られているような安物を持ってこない事。藍様は美食家である)
③自分が熱心な稲荷大明神の信奉者であり、九尾の狐の賛美者であり
やましい心は全く無しに、一生の記念としてその尻尾に顔を埋めてみたいと強く願っているのだ、と命を懸けた熱弁をふるう
④土下座と懇願で口説き倒す
⑤ふかふか。わが人生に一片の悔い無し
⑥厚くお礼を述べた後、席を辞す。後日手近な稲荷神社にお礼参りをすることも忘れずに
藍様は聡明にして慈悲深き女性であるため、ふかふかに対する自分のありのままの思いを紳士的に、しかし熱くぶつければ
苦笑しつつも、最終的にはその金色の羽扇を我々に開いてくれることだろう
たまに虫の居所が悪くて相手をしてもらえないこともあるが、稲荷権現で粉砕されたくなければ、そのような時は素直に諦めるのが吉
なお近年、藍様が顔を真っ赤にして慌てふためく姿を見たいが余り、挨拶も無しに突然九尾にルパンダイブをかける不埒な輩が増えているが
そのような行動は言語道断。紳士の風上にも置けぬものであるので、絶対に控えるべし
幻想郷ふかふか愛好委員会 〜初心者のためのもふもふ入門〜 より
- 632 :名前が無い程度の能力:2007/07/13(金) 01:12:03 ID:9eVa8D1k0
- なんで読みきっちゃったんだろう、っていうw
- 633 :名前が無い程度の能力:2007/07/13(金) 01:24:43 ID:xGNj6Cyc0
- チートスタンド吹いた
- 634 :名前が無い程度の能力:2007/07/13(金) 15:12:34 ID:TqA0.Y2A0
- せめて成長性だけでもEにしようぜ(w
- 635 :名前が無い程度の能力:2007/07/13(金) 19:22:23 ID:BHan/kBg0
- >>仲の良い氷精や妖怪蛍にバナナでもやって
何という扱いの酷さw
- 636 :名前が無い程度の能力:2007/07/13(金) 22:57:05 ID:d0ed8Wy60
- 藍が住んでるのはどこかのスキマにある紫の屋敷でマヨヒガじゃないです
- 637 :名前が無い程度の能力:2007/07/13(金) 23:41:21 ID:h3S1nK1o0
- >>636
つ「空気」
- 638 :名前が無い程度の能力:2007/07/14(土) 00:22:19 ID:1dw3oNz.0
- 「…絵の裏に孫の手」
「花瓶に香霖堂3%引きクーポンが敷いてあったわ」
「あ、カーペットの下に何か紙切れが…ハズレ。コレ隠したの誰だッ!」
梅雨真っ盛り幻想郷。
この季節、紅魔館は一種独特のムードが漂う。ひとえに、館主が外出が出来ないために退屈しているからである。
レミリアは毎年、暇つぶしと称しては館全体を巻き込んだ狂乱のイベントを企画、強行しては咲夜に家出されて泣く。
館の住人たちには、いかにしてこれから巻き起こるであろう騒動に絡めとられず、かつ一部始終を面白おかしく
観察できるポジションに己を置くことが出来るか、という命題に腐心する季節なのである。お前らちゃんと仕事しろ。
今年は宝探しだそうな。
「全員、1つ何かを隠しなさい。隠したら、他人が隠したものを探す。発見者はそれを持ち帰ってよし」
かくして紅魔館を徘徊するメイドたちは、覗き込んだり頭を突っ込んだり手を突っ込んだり持ち上げたり
潜り込んだり踏んだり舐めたりする事になった。
客間の洗面所にて、美鈴が見つけたのは。
「隠れてないわね。何が入ってるのかしら」
無造作に置かれた一枚の封筒である。
「…わ。お金が入ってる。それと…手紙?」
――修行の糧としてお役立て下さい
「……」
不気味過ぎて懐に入れたくない美鈴だった。
毎年、レミリアのイベントには不本意な形で関わることになる咲夜は。
「ん?」
フランドールの部屋へ食事を運ぶ途中、壁のヒビに紙が挟まっているのを見つけた。
『いつもありがとう。』
フランドールの字である。
最近はレミリアと共に食事をとっていたフランドールだが、今日に限っては自室に食べるので運んで欲しいと言っていた。
そして、食事を運ぶのは咲夜の役割。まず間違いなく、フランドールから咲夜へと宛てた手紙と見て間違いないだろう。
「……ふふ」
さて。永遠に紅い幼き月ことハタ迷惑幼女は。
「ああなんという財宝の山! 私は約束の地を見つけたわ!」
宝探しに沸く館を眺めて楽しんでいるのかと思いきや。アグレッシヴに宝探しを楽しんでいるようだ。
何を見つけたかというと、咲夜の部屋のタンスに頭を突っ込んでピンクや白のヒラヒラとした ああ、これ以上はとても言えません。
「フォオオオオオ!」
とうとう頭にかぶった! もうこの色魔行き着くところまで行ってしまいました!
――ガチャリ
フランドールの手紙を、部屋に置きに戻った咲夜と鉢合わせ。
コレは宝探しだと言い張るレミリアをよそに、咲夜は今年も家出と相成りました。
- 639 :名前が無い程度の能力:2007/07/14(土) 00:31:17 ID:qnCN3oSY0
- >>637
からけ?
- 640 :名前が無い程度の能力:2007/07/14(土) 01:05:49 ID:jt1P1fXM0
- > ――修行の糧としてお役立て下さい
なんという時事ネタwwwwつーかその人幻想郷にまで来てたのかwww
そして台無しにするお嬢様に泣いた
- 641 :名前が無い程度の能力:2007/07/14(土) 15:51:36 ID:KyUCedvw0
- 変態仮面wwwww
- 642 :名前が無い程度の能力:2007/07/15(日) 12:34:55 ID:0fe9qBps0
- >>636
>藍が住んでるのはどこかのスキマにある紫の屋敷
こんな設定あったっけ? 今までに判明してるのは
1.妖々夢で、「マヨヒガ」の中に橙が居た(居住しているのか、訪れたのか、通りすがっただけなのか不明)
2.橙は妖怪の山に住んでおり、主人たちと住居は別
3.紫の家は大結界の境界上にあるらしい。誰も見たことはないので真偽不明
(4.萃夢想で紫に対して「どこに棲んでるんだか良く判らないし。」という霊夢の発言がある。
個人的には萃夢想の会話内容はどこまで信用していいのやら、という感じだけど)
この程度じゃない?
- 643 :名前が無い程度の能力:2007/07/15(日) 12:48:52 ID:M/6QS2xs0
- 表に出ていない設定ではあるが
「私は(紫の)護衛でもある」と言っている点から、
「紫と同居している」と断定してもいいんじゃないかな・・・
ダメって言うなら「じゃあドコだよ?」って水掛け論になるだろうし。
- 644 :名前が無い程度の能力:2007/07/15(日) 12:52:42 ID:HgxX4AdQ0
- 普段は八雲紫と同じ家に住み、と書いてあるぞ
- 645 :名前が無い程度の能力:2007/07/15(日) 13:59:07 ID:UALlzOBk0
- >>644
今見たら公文式に乗ってた。
- 646 :名前が無い程度の能力:2007/07/15(日) 14:36:31 ID:/M9rEDVI0
- チルノは考える。本当に最強になるにはどうすれば良いのだろうか。
まずパワーだ。あらゆる敵を正面から打ち砕く比類無きパワー。
しかしこれは荷が重そうだ。強大な妖怪は片手で一エーカーを焦土に変えるという。
いかに最強の妖精とはいえ、そこまでのパワーはない。
自分が悪いんじゃない。今は力溢れる氷河期ではない。間が悪いだけだ。
次に知略だ。タフなトロールだってすばしっこいワーグの群れだって、
出し抜いて油の海に落としてしまえば一人で楽に勝てる。
それには経験が必要だ。知識は勉強すればなんとでもなるが、勉強はあまり好きではない。
いやそういう問題ではない。知略は一朝一夕には成らないのだ。
知略に長けた妖怪は裏の裏の裏の、裏の百乗を読むという。自分には無理だ。
無能というのではない。単に経験が足りないだけだ。百年後を見ていろ。
しかし困った。どうすれば最強になれるのだろうか。
その時ふと閃いた。千年に一度の名案だ。ひょっとして自分は天才ではなかろうか。
これで間違いなくあたいが最強だ。
かくしてチルノは言霊の神に「最強」の定義を変えてくれと頼みにいき、
一蹴されてトボトボ帰って来たそうだ。
- 647 :名前が無い程度の能力:2007/07/16(月) 07:14:40 ID:Eg2qu7oc0
- オチの発想まで辿り着いただけでもチルノに賞賛を送りたい
チルノ頑張った!
- 648 :名前が無い程度の能力:2007/07/17(火) 00:35:26 ID:9BOdZ3zw0
- ※リョウキテキなシーンが存在します。
※このSSはキョウキを含んでいます。
※オリジナル設定を含んでます。
そ
れ
で
も
読
ん
で
く
れ
る
の
?
最初の私のキオクは…
優しいお姉様の笑顔だった。
「あまり、遠くに行っては駄目よ。最近は物騒なんだから」
それは運命を分けた言葉。私とお姉様との、ある意味別れの言葉だった。
次のキオクは、大勢の大人達に組み敷かれている所から始まった。
手足には鎖。
翼には杭。
「お前達!こんな事をして、館のお嬢様に…!」
「あのお嬢様は、最初っからこの村をツブすつもりに決まってるだろ!」
「悪魔が撒いた病気なら、悪魔を倒せば直るはず!」
「そうだ!悪魔に殺される前に、こっちから殺ってやるんだ!」
半狂乱に叫ぶ、大人の男達。
手には色々なキョウキ。
それら全てが、私に向けられた憎しみだと言うことに気づいたのは、それからすぐの事だった。
「よくそんな趣味があるな」
「どうせ、病で長くないんだ。治るためなら何でもするっ!」
上下運動、前後運動。カクカク…
鮮烈な痛みと、目の前にある大人の、苦しいのか痛いのか嬉しいのか悲しいのかよく分からない
ぐちゃぐちゃな顔は良く覚えている。
ぐちゃぐちゃ。
ぐちゃぐちゃ。
「さぁ!俺たちの病を治せ!」
「そうだ!これ以上、痛い目にあいたくなかったら…!」
ほとばしる赤い水。割けるパーツ。軽くなるカラダ。
でも、全部治っちゃう。時間を置けば治っちゃう。痛いのは嫌なのに。終わりが見えない。
意地悪なサイコロは、ゴール寸前の私を、いつもふりだしに戻しちゃう。
「悪魔め…」
それはもう、星の数ほど聞いた。
「悪魔だから、死なないんだ」
それは、その通り。
「お前を悪魔でいれなくしてやる…!」
男達が選んだキョウキは、鋭く研いだナイフ。
狙いは、私の翼。
漆黒の、お姉様とお揃いの、
ただ一つお揃いの翼。
「やめてえええぇぇぇ!それだけは、それだけはいやあああ!!」
絶叫。
それは別れ。
私とお姉様との繋がり。
それは無情に奪われて、えいえんにもどらない。
だから、その感触は忘れない。
一生、忘れない。
私が救出されたのは、それから少し経っての事だった。
ボロボロになった私を見た従者達は大いに嘆き悲しみ、
お姉様は…顔がぐちゃぐちゃしていた。良く覚えていない。
その後、あの村を燃やしたという知らせを受けたが、別に何の感情も沸き立たなかった。
私は、地下に籠もった。
従者や、お姉様の来訪もあったが、それら全てを私は拒絶した。
だって、私はいいつけを破ったんだもの、そのせいで私は翼を失ったんだもの。
お姉様と、お揃いの翼を、何よりの絆を。
これは罰だ。いいつけを守らなかった罰。
だから私はこの地下室から、この牢獄から出ない。
ごめんなさい、お姉様。
−−−
この日から、純度100%人間である(?)咲夜がレミリアに仕えるまでの
数百年、スカーレット家の地下室は失われることとなる。
- 649 :名前が無い程度の能力:2007/07/17(火) 06:17:22 ID:XG1nJcrI0
- なんというか新しい解釈ですね。
いや、おもしろい。
- 650 :名前が無い程度の能力:2007/07/17(火) 06:56:32 ID:uYYaaL6M0
- 新しい解釈というか単にこういう話は
余り人目につく所に投下されることが少ないだけなんじゃないかな
好き嫌いが極端に分かれそうな描写入ってるし
- 651 :名前が無い程度の能力:2007/07/20(金) 10:35:53 ID:YNGO2hmc0
- 妖夢は嘘をつくのが下手だ。
以前は曲がったままだったタイを整え、
ボサボサ放題だった髪をすき、
噛み締めて剥けた唇に紅を塗り、
頼みもしないのに里に買物に行きたがる。
帰りも遅い。
これで「なんでもないですよ〜」が通るわけはない。
まあ、妖夢には妖夢の人生があり、私がどうこう言うべきではないのだろう。
せめて見守ることにしよう。
そうしていると妖夢が帰ってきた。
ふとした違和感。
もう一人……半分はよく知っている。半分は知らない。しかし顕界の……。
私は妖夢のお腹をスッと撫で、「お帰り。ご飯にしましょう」
妖夢は無邪気に私を見上げ、「はい、すぐに準備します」
妖夢は気付くはずもない。
毎月の体の巡りと思うだけ。
屋敷の幽霊が一つ増えて気付くことのあるずもない。
私は嘘が上手いのだ。
少なくとも妖夢よりは。
これが閻魔様に通づるかというと、それは甚だ疑問なのだが。
- 652 :名前が無い程度の能力:2007/07/20(金) 11:41:31 ID:4yXsQr82O
- ゆゆ様、事前にしっかり性教育してやって下さいよ…
- 653 :名前が無い程度の能力:2007/07/20(金) 12:19:08 ID:O8H9gin20
- いくらなんでも甘やかしすぎですよゆゆ様ww
- 654 :名前が無い程度の能力:2007/07/20(金) 12:20:02 ID:g2WFj1mU0
- 俺のやや子が(´;ω;`)ウッ
- 655 :名前が無い程度の能力:2007/07/20(金) 12:55:30 ID:fhujnXIA0
- えーっとつまり妖夢はにんっしんっしたってことか?
- 656 :名前が無い程度の能力:2007/07/20(金) 14:46:38 ID:PNk/L/n20
- 誰だ俺の妖夢に手を出したのは!
- 657 :名前が無い程度の能力:2007/07/20(金) 15:21:06 ID:S57gpmQQ0
- ゆゆ様ヒドス
- 658 :名前が無い程度の能力:2007/07/20(金) 15:28:37 ID:iQ/IxOEM0
- あーそうか。
ゆゆ様は自分の能力で、まだ妖夢自身が妊娠に気付かない内に
お腹の子を処理したのね。
横暴……とも言いきれないか。
- 659 :名前が無い程度の能力:2007/07/20(金) 15:40:56 ID:3eLjZRB60
- >658
種つけたのは俺。
と、言いたいところだが、どこのドイツだ。2秒でヌッ頃す。
- 660 :名前が無い程度の能力:2007/07/20(金) 18:57:40 ID:4yXsQr82O
- 妖夢が帰宅した直後に気づいたのを見ると、
ゆゆ様は受精した直後の卵細胞を死なせたんだろうか?
なんという恐ろしい能力。
- 661 :名前が無い程度の能力:2007/07/20(金) 22:58:49 ID:s6OqZ.eE0
- 甘やかしというよりは
偏執的愛情というか、歪んだ独占欲というか
そういう物を感じる。
幽々様怖いよ、怖いよ幽々様
- 662 :名前が無い程度の能力:2007/07/20(金) 23:03:05 ID:VS9ouUI.0
- こういう話は結構好きだから困る
- 663 :名前が無い程度の能力:2007/07/20(金) 23:23:18 ID:qUZNXTkY0
- 妖夢は半人前だからまだダーメ
- 664 :名前が無い程度の能力:2007/07/21(土) 12:46:13 ID:mU/qVKoc0
- 子供おろすと著しくホルモンバランスが崩れて
体に異常は出なくても無気力になったり最悪欝になったりする事もある
このケースなら問題はないのかな
- 665 :名前が無い程度の能力:2007/07/21(土) 13:06:28 ID:25IDvI960
- 見てたらゆゆ様が堕ろしたんじゃなくて
すでに死んでたんじゃないのかな
って思えるんだけど
- 666 :名前が無い程度の能力:2007/07/21(土) 13:31:41 ID:BoU.fcEI0
- 受精卵の段階で抹殺したのなら母体への影響は皆無だろう
- 667 :651:2007/07/21(土) 15:20:14 ID:jRZe13g20
- 色々と感想ありがとう。
亡霊嬢についての解釈はおまかせします。
- 668 :名前が無い程度の能力:2007/07/21(土) 18:32:24 ID:xX9PDFwU0
- 花映塚前の話になるのかな?
後として考えると、「あれだけ説教したというのに…」
と頭を抱える映姫様が容易に想像できるな。
- 669 :名前が無い程度の能力:2007/07/23(月) 23:26:10 ID:tSkuOq8U0
- 吸血鬼はイライラしていた。
「ちょっと・・・」
今日は最悪の日だ。
「いつになったら私は帰れるのかしら?」
こんなことに付き合わされるなんて。
「いいじゃん。急ぎの用なんかないって言ってたじゃない」
氷精はアジサイを凍らせてくす玉作りをしていた。
「いくら時間はあると言っても、ガキの下らない遊びに付き合うほど暇じゃないの」
レミリアはチルノの冷気の中で雨宿りしながらも、イライラしながら答えた。そして
「私の先導をさせてあげるのよ。光栄に思いなさい」
と付け加えた。
チルノは
「日本語は正しく使いなさいよ」
とジト目で抗議した。
「雨傘を忘れて帰れない所を送ってくれてありがとう、でしょ」
ムカっ
レミリアは冷静を装って反論する。
「それは送ってくれてから言うことじゃない? 今貴方は何をしているのかしら?」
「じゃあいいよーだ。あたい帰る」
チルノはそっけなく言って冷気の範囲を急速に狭めた。
「ま、待ちなさい! わかったわ。貴方に貸しを作ったことは認めるから!」
妖精ごときと言い合いをして不利な状況にあるなど、全くもって最悪の日だ。
咲夜の言うとおり傘を持ってくれば良かったと思う物の後の祭りである。
「はぁ・・・」
レミリアはため息をついた。
チルノは少しずつ紅魔館に向かっているのだが
花を見ては近寄っていき、カエルを見てははしゃぎ、
なかなか帰れそうもない。
しかし吸血鬼の身の悲しさよ。レミリアは雨の中に出られない。
チルノの作る冷気の傘に隠れるしかないのだ。
ヘコヘコと妖精の機嫌を取るなど、誰にも見せられた物ではない。
だからなおさらイライラする。雨はやむ気配もない。
しかしまあ、あと少しの辛抱だ。ようやく屋敷に近づいてきた。
安全圏に入ってしまえばこっちの物である。
後は傘を引っ掴んでこの生意気な妖精を吹き飛ばしてやれば万事解決である。
「ふっふっふ・・・今に見ていろ妖精風情!
屋敷に着いたらメタメタのギチョギチョにしてやるから!
あははははははっ!」
感極まったレミリアは絶叫した。
ふと気づくと目の前に妖精のひきつった顔、
さらに手前には妖精の手のひらが視界を覆っていた。
「ま、待ちなさ」
言うが早いか
「アイシクルアタック!」
スコーン!
レミリアはツララに弾かれて大きく跳ね飛ばされた。
生意気な! すぐに反撃を!
と思ったレミリアだったが既にチルノの冷気圏外だった。
「しまった!」
しこたま雨に打たれたレミリアは飛行力を失い、湖に不時着した。
「わ、悪かったから助けなさい」
懇願するものの
「イーだ! ふん!」
とチルノは去っていってしまった。
「助けてぇ〜」
レミリアのか細い悲鳴が雨音に消えた。
たっぷり水を吸ってすっかりふやけたレミリアが、
館の前の岸辺で門番に発見されたのは3日後のことであった。
- 670 :名前が無い程度の能力:2007/07/24(火) 02:12:30 ID:z9ef47Tc0
- レミリアとチルノは、状況次第で絡めやすいな。
これは苛めスレに貼ってもいいかも知れん。
gj
- 671 :名前が無い程度の能力:2007/07/24(火) 08:41:59 ID:WeOrjKb60
- ふやけたれみりゃかわいいよ!
GJ!
- 672 :名前が無い程度の能力:2007/07/24(火) 19:02:49 ID:Xtiy1FzM0
- 【 は た ら く こ う ま か ん 】
(前略)このようにして紅白巫女は神社を、森の魔法使いは魔法屋をそれぞれ曲がりなりにも営んでいるのだ。
他にも永遠亭の製薬業や白玉楼及び八雲邸の冥界若しくは結界の維持管理業務等々、
幻想の少女たちは多かれ少なかれ手に職を持っている。
次に少々特殊な例として紅魔館を挙げよう。
こちらは貴族らしく豊富な財力を後ろ盾に様々な事業に投資したり展開したりして利潤を得ている。
但し、物理的に閉鎖社会である幻想郷においては事業展開に明らかな限界があるため、安定した収益をあげることは非常に難しい。
例えば居候魔女の運営する図書館などは元々立地条件に恵まれないうえに悪魔の館と言うこともあって足を運ぶ者は少なく、
偶に来ても例の魔砲使いだったりと思うような利益を上げていない。
そんな状況下で安定して高い収益を生み出しているのが『吸血鬼業』である。
これはまず吸血鬼であることを広く一般に喧伝する。すると何処からともなく自称勇者とか悪魔を倒して名を上げようとする者が
集まってくるので、彼(彼女)達が持ち込む貴重なアイテム類(主として銀製品)を接収し売却するのだ。
売却されたアイテム類は巡り巡って自称勇者達の手に渡り、再び吸血鬼の元に集まってくるから恒久的な収益を見込める。
尤も、あまり派手に喧伝したり過度の接収を行うと本物の勇者や世界的是正者(幻想郷においては博麗の巫女)を呼び寄せるから
やり過ぎは厳禁である。猶、似たようなものに『魔王業』や『魔神業』等があるが、こちらは集まってくるアイテム類が
『○○の宝珠』やら『○○の証』等、銀製品と比べて実用性や汎用性に欠け、加えて世界レベルの文化財で、
転売や加工も出来ない為、リスクの割に儲けが無いのであまり流行っていない(某魔界神は大量のチェーンソーの処分方法に困っている)。
――うえはくたくタけえねぇ 著 『はたらくおねえさん』 より抜粋――
「……ねぇ、パチェ」
「どうかした、レミィ?」
読み終えた本をテーブルに置くと、対面で読書に没頭する友人に話しかける。
「確かにウチは色んな事業を展開してるけど、吸血鬼業なんて知らないわよ」
「あら。吸血鬼として在るだけで自動的に営業してるようなものよ」
いつものように本から視線を離すことなくパチェは答える。
「ナニヨソレ。だいたい勇者とかそんな連中、来た例しが無いじゃない。私を倒しに来るんなら、私の前に現れるのが筋ってもんでしょ!」
「主を守る為だって門番長やメイド長が頑張ってるもの。それにレミィじゃ銀製品回収できないでしょ?」
「そりゃまあそうだけどさ……」
疎外感にふて腐れる私を宥めながらパチェが業務日誌を提示する。手にとってパラパラと捲ると、
勇者擬きがやって来た日時や戦利品の収支報告、ついでに相手の住所年齢氏名や緊急時の連絡先等々が意味もなく事細かに記載されていた。
……ん?
「……ねえ、パチェ。接収した数の割に売却価格が少ない気がするんだけど?」
私の疑惑の眼差しにパチェのページを捲る手が一瞬止まったように見えた。尤も、最初から動いてなかったから気のせいかも知れない。
「銀製品の相場なんて知らないもの。価格は故買屋(香霖堂)の言い値だわ」
「なるほど。じゃあ私の仕事は故買屋(香霖堂)との価格交渉ってところね」
我等高貴なヴァンパイアが苦手とする銀製品がこんなにも安いはずがない。
我等のプライドと等しく高くなければならないのだ! うっふふふふ、ひっさびさに腕が鳴るわぁ(はぁと)。
「さて……っと」
腕力頼りのソレを果たして交渉と呼べるかどうかは判らないが、気分上々のレミィを見送った私は
手早く身の回りの荷物(主として差金で購った魔導書類)を纏めると、そそくさと紅魔館を後にした。
『父が危篤で法事です。しばらく実家に戻りますので、探がしても無駄です』
一片の書き置きを残して……。
- 673 :名前が無い程度の能力:2007/07/24(火) 19:11:59 ID:rLXJ9.3M0
- パチュリーのパパはパパパチュリー♪
パッチュさんはレミィや香霖に酷いことしたよね(´・ω・`)
- 674 :名前が無い程度の能力:2007/07/24(火) 19:15:23 ID:z9ef47Tc0
- パチェに実家があるとしたら、外の世界だろうがw
- 675 :名前が無い程度の能力:2007/07/24(火) 19:17:53 ID:Xtiy1FzM0
- 【 メイド in 幻想郷 】(BGM:よォーこそ by RCサクセション)
夢幻世界の片隅にとある悪魔が趣味で創った独立空間(プライベートスクウェア)。
狭い空間でひしめき合う人々の視線は中央に組み立てられて薄暗いステージに向けられていた。
本番5秒前、3、2、1――キュー。
「お帰りなさいマセ、ご主人様♪ 『激論☆朝まで生メイド(はぁと)』へよォーこそ。
司会進行は幻想郷メイドっ娘倶楽部会員№0001、趣味のメイドさん、デーモン☆夢月がお送り致します」
スポットライトに照らされてはにかんだ笑顔のメイドっ娘が現れると、群衆からは割れんばかりの拍手と狂わんばかりの声援が巻き起こる。
メイドっ娘=夢月は某お昼のバラエティ司会者よろしく拍手を静めると、実に手慣れた様子でサクサクと番組を進行してゆく。
「では、本日のパネリストはこの方々――」
夢月の視線を追うようにしてカメラが切り替わり、朱を基調とした衣装に身を包んだグラマラスなメイドさんが優雅に会釈する。
「幻想郷メイドっ娘倶楽部会員№0002、魔界メイドのストロング☆夢子さん」
「皆様、こんばんわ」
「そして会員№0004、紅魔メイドのエレガント☆咲夜さんでーす」
再びカメラが切り替わると蒼っぽい衣装のやや痩身なメイドさんと思しき少女がたぶん可憐に膝を屈めたのだろう。
不確定要素が多いのはカメラアングルが疑惑の一点に集中していて、全体像を把握し難いからである。
「……女性の胸をジロジロ見る行為は失礼を通り越して万死に値しますわ」
突然画面からメイド少女が消え失せるとほぼ同時にカメラマンの背後から声がかけられる。
慌ててふり返るとそこには紅い瞳と銀色の閃きガッガガガガガガガガガガ―――。
画面暗転 〜しばらくお待ち下さい〜
- 676 :名前が無い程度の能力:2007/07/24(火) 19:18:23 ID:Xtiy1FzM0
- 「あ、予備カメラさんOK? それでは好奇心が猫を殺す今日この頃、
パネリストの皆さんとメイドについて徹底的に語り合いましょう〜」
やがて何事もなかった様に映像が復帰するが、歓声に溢れていたスタヂオはしんと静まりかえり、
紅魔メイドの純白のエプロンに付着した赤黒い染みが先任カメラマンの末路を物語っている。
「あ、ちょっと待って。その前に1つ確認しておきたい事があるんだけど……」
「何ですか、夢子さん」
目の前で行われた惨劇など気にもまったく留めない様子で魔界最強メイドが手を挙げる。
「夢月さんの『趣味のメイドさん』って肩書きはいったいどういう意味です?」
「言葉通りの意味ですよ。メイドとはかくあるべきだという偏った願望や間違った妄想の集大成を趣味で演ってるんです。
故にテーマ局も『メイド幻想』ってね」
「それはつまり偽メイドって事かしら?」
夢子はこの場にそぐわない存在に対して嫌悪を露わに睨み付ける。
だが、対する夢月も伊達にエキストラボスなんかをやってない。刺すような視線も天使の様な笑顔で受け流す。
「お怒りはごもっとも。ですが今の日本で一般的にイメージされるメイドさんはコレですから。
そう認識されてしまった以上、メイドさんもメイドなんですよ。――まぁ、言うまでもなく幻想だけどナ」
さらっと毒を吐くあたり、やっぱり悪魔であった。
「確かにその通りね。つまらないこと聞いちゃって御免なさい」
「いえいえ。納得して頂ければ幸いです。それでは贋メイドの私は司会進行に徹しますので、本物のメイドさん達はたっぷりと語っちゃってください(はぁと)」
その後番組はサクサクと進行し、メイド達はメイド業について語らいあう。自分がメイドになったのは神がそう在るように定めた為だとか、
運命が私をメイド道へと導いただとか、主のカリスマが著しく不足気味だの、ざっくばらんに和気藹々とした雰囲気で討論が続いた。
しかし、時間が経つにつれて観衆達の視線がある場所に散発的に向けられるようになると、出演者達もその事が気になり始めた。
「そういえば……」
「はい咲夜さん、何ですか?」
「私達『幻想郷メイドっ娘倶楽部』ってメンバーは5人でしたわね。あとの2人はどうしたの?」
観客の視線は誰も居ない2組のテーブルセットに向けられていた。そんな彼らの気持ちを代弁するかのように問いかける。
「それなんですがねぇ、会員№0003アーバン☆アリスさんは『アレは罰ゲームの範疇でしょ?』って、頑なにメイド認定を拒んでて参加しないって言うんですよ」
「あの娘、巫女認定もつっぱねてたわね。まったく、勝手に魔導書持ち出したばかりか、どれだけ他人様に迷惑かけてるんだか……」
アリスがどこぞの悪霊に召使いをやらされたとか、博麗神社でアルバイト(無給)をさせられたという噂がまことしやかに囁かれたことがある。
この事に関して当事者達は否定こそしないものの曖昧な態度を取っており、なにより第三者の目撃情報が乏しいために真偽の程は定かでない。
「魔女ってのは迷惑の代名詞ね。――で、もう1人は?」
「アトミック☆る〜ことさんは来る途中でトラブルが発生して遅れるそうです。おっと、噂をすればなんとやら……」
夢月の視線に誘われるように花道に目を向けると、幻想的な青白い光に包まれてアトミック☆る〜ことが姿を現す。
「すみませーん、遅くなりましたー。途中で制御棒を落としてしまいましてぇ……方々探したんですけど、これ以上お待たせするのも悪いので来ちゃいましたぁ♪」
――そして、誰も居なくなった。
- 677 :名前が無い程度の能力:2007/07/24(火) 21:22:10 ID:VVW8fBVY0
- なんか夢子さんはレディースメイドで咲夜さんはハウスキーパーなイメージがある。
まぁぶっちゃけ二人ともオールワークスっぽいが。
- 678 :名前が無い程度の能力:2007/07/25(水) 09:41:21 ID:RPeAsSFo0
- ちょwwwww
柏崎刈羽wwwww
- 679 :名前が無い程度の能力:2007/07/25(水) 18:40:01 ID:UcZkPioI0
- プリズムリバー三姉妹は実在しない。
プリズムリバー三姉妹とは、御家崩壊で養子に出てしまった姉達に、もう会えないであろう姉達に会いたいと望むレイラ・プリズムリバーの心の間で、自然発生的に生まれた理想の姉達の移し身である。
はじめは幻影に過ぎなかった。
三人の姉はプリズムリバー家の屋敷のどこかにいるはずの理想の姉達だった。
しかしそれは当時のまさに『孤独』と呼ぶに相応しい生活にウンザリしていたレイラの脳内で瞬く間に広まって行った。
姉さん達ならこう動いた。姉さん達のあの仕草は良かった。
レイラはそうやって、少しずつ理想の姉三人のイメージを固めていった。
ルナサ姉さんは根暗で生真面目で優等生である、メルラン姉さんが一番好きなのはハッピーである、リリカ姉さんは自分が一番得をしないと落ち着かない、そして彼女達は親しみやすいことに妹である自分が大好きなのだ!
プリズムリバー三姉妹はこうして、レイラの理想の姉達のイメージの騒霊として生まれたのである。
レイラは姉達を欲した。故にプリズムリバー三姉妹は存在するのである。
いやなんかもう色々ゴメン
- 680 :名前が無い程度の能力:2007/07/26(木) 14:19:31 ID:eqEyIPO20
- ここは投稿するまでもないSSスレな上殆ど公式設定そのまんまなのに謝る理由が分からない
- 681 :名前が無い程度の能力:2007/07/26(木) 14:23:56 ID:DYXClOJk0
- コピペネタに過ぎないからSSではないってことだろ。
ていうか、>>679は謝るくらいなら投下するな。もしくはスレくらい選べ。
- 682 :名前が無い程度の能力:2007/07/26(木) 14:53:37 ID:Cy7TtliQ0
- ここでいいんじゃないの
- 683 :679:2007/07/26(木) 23:58:08 ID:2ijAEfDo0
- あー、ほんとゴメン
いやね、あのコピペネタを虹川姉妹に当て嵌めるとSS風になるなー、と思って勢いで作ったんだけど
確かに今考えたらここよかガイドラインスレかおもネタスレのほうが良かったかもな
あと「ゴメン」ってのは「そのネタを、その良い話でするのかよ」と言うツッコミを予想してなんです
- 684 :名前が無い程度の能力:2007/07/27(金) 16:31:23 ID:yy54yWSI0
- 「まさか本当に幻想郷があったとはね・・・」
私は半人半妖でデビルハンターを生業とするエージェント。そしてエージェントを統括する組織に所属している。
デビルハンターとは組織が有害・危険と認定した妖怪や悪魔を狩る者である。組織はどうやらC○Aが絡んでいるらしいが、
私のような実行部隊は何の肩書きもなく詳細も知らされない。実行時の物資は全て支給されるし、面倒な手続きはみんな
組織がやってくれるけど、給料は一切出ないからエージェントは表向きは何らかの職をもっている。
他にもエージェントがいるらしいが、秘密を守るためか他のエージェントとの接触は禁止されているし、そもそも他のエージェント
を見かけた事すらないので、本当にいるのかすら分からない。
そして今ボスに呼ばれて指示を受けているわけだ。
「幻想郷といってもそれが本当に幻想郷かどうかは分からない。福島県西部付近を中心に直径150km〜200km程の円形の
結界が存在するようだ。現在結界の東端付近から南端近辺の数箇所で調査班が存在を確認している。」
「そこにターゲットが潜伏していると?。しかし、結構広いのねぇ・・・。そんな設定だっけ?」
「追跡班が那須付近でターゲットをロスト。応援の調査班とともに調査していたところ、それらしき存在を発見した。まだ北端と
西端は見つけていないが、発見した箇所から類推すると大きさはその程度と思われる。結界は非常に強力で平行世界のような
存在になっているらしい。”探査”してみたところ博麗神社と思わしき神社と博麗霊夢と思われる人物、霧雨魔理沙と思われる
人物、そして八雲藍と思われる九尾の妖怪を確認した。まあ最初の二人なら偶然と片付けてしまうが、流石に九尾の妖怪は
ただ事ではないからな。しかしあれか?その東方とやらは有名なのか?追跡班と調査班の3人がやけに興奮していたが・・・。」
人間には平行世界や別世界での出来事を、夢に見たり何かの拍子に頭の中に入ってくる者が稀に出てくる。普通の者ならば
単に夢の出来事として気に留めないのだが、才ある者ならばそれを基に小説等の作品にし成功を収めている者もいる。
今回の幻想郷のケースもその類だろう。
「まあそういうわけだ。今回の任務は結界内に侵入しターゲットを殲滅すること。まずは結界内の侵入だが、結界の境界付近で
君の魔力を干渉させて行う。ちなみに追跡班,調査班ともに結界の干渉に成功した者はいない。おそらく干渉できる程の魔力に
達していないものと思われる。そこで君の登場というわけだ。」
「誰も成功してないのに私が行って成功する見込みはあるのかしら?」
「だからエージェント中でも屈指の魔力を誇る君に行ってもらう訳だ。本日2200時を以って作戦開始、翌0300時になっても侵入
出来ない場合は一旦中止し撤退、同日の2200時にまた再開。これを繰り返す。3日目で成功しない場合は作戦を一時中止し別の
作戦を考案する。作戦には現地にいる追跡班と調査班が君のバックアップにあたる。今回は結界内のみ銃火器は無制限だ。後で
技術班に所持する武器類をリストアップしてくれ。なお、時間が経てば経つほどターゲットが他の弱い妖怪を吸収し強力になる
可能性がある。十分に気をつけてくれ。」
「分かったわ。武器は刀が2本あればいいわ。あとは自分で何とかする。」
「ふっ、君はいつもそうだな。では健闘を祈る。」
こうして私は幻想郷とやらに向かうことになったである。ちなみにつまらないし長いしで続きは無い。
- 685 :名前が無い程度の能力:2007/07/27(金) 16:36:02 ID:6rGFWphI0
- 奇遇だな。
俺も幻想郷は福島あたりにあるとイメージしていた。
- 686 :名前が無い程度の能力:2007/07/27(金) 17:45:31 ID:hM3A0hTw0
- 給料出ないなら生業にならねーし表向きの職がバリバリの本業になるじゃねーかw
- 687 :名前が無い程度の能力:2007/07/28(土) 07:28:31 ID:FDtm0oRk0
- ゲサロに毎日投下されている日記に影響されたのか
- 688 :名前が無い程度の能力:2007/07/28(土) 20:13:37 ID:aaHJPRwc0
- あー、すまん。どこを縦読み?
- 689 :684の続き1/2:2007/07/28(土) 21:19:33 ID:mFvex4f.0
- 「空気が・・・、違う・・・?」
今、私は幻想郷の中にいる。
いかに強力な結界でも、境界には介入できる余地があるらしい。まあ、結界の程度にもよるけど。
貼られたセロハンテープの真ん中から剥がそうとしても難しいけど、端からなら剥がしやすいといった理屈と同じらしい。
そもそもこの結界は、『”ここに結界がある”ということさえ認識できない』という効果があり、発見が非常に困難だった。
ターゲットが乱暴に侵入したためか境界に綻びが発生していたため、その綻びを元に調査班が東端付近から南端付近までは
何とか境界を発見することができた。しかし北端から西端付近は場所の見当をつけても発見には至らなかったそうだ。
ターゲットが結界を見つけられたのは妖怪ゆえか?
私も半分妖怪だが、この手のことや細かいことは苦手で、専ら暗殺業務を行っていた。
境界だってターゲットが侵入したと思しき近辺は何とか感じ取れたが、少し離れると調査班の人が「ここです!」って言っても分から
なかった。私より魔力が低いのにショックだった・・・。しかし、結界への侵入は1発で成功したため肩透かしを食らったくらいなのだが、
これは綻びの存在が大きいだろう。
結界に入った瞬間、景色が変わった。
侵入場所はターゲットが侵入した付近で、かつ人目の付かない林の中にした。それでも人里のためか少しは開けてる感じだったが、
ここは暗さのせいもあってか鬱蒼とした森といった感じだ。
ここから数km行くと那須高原だ。1000年以上前でも避暑地として公家等が使っていただろうから、この辺もひと気があってよさそう
なのだが、人の営みといったものは一切感じられなかった。
「人がいないということは妖怪の森なのかしら・・・?でも辺りには特に気配は感じないわね・・・。」
独りごちながら低空でゆっくり浮かんでみる。少し遠くに旧い平屋がちらほら見える。しかし朽ちていてお化け屋敷のようだ。
おそらくこの辺は、かなり昔に妖怪の襲撃に遭い放棄された集落なのだろう。辺り一面に何か覆い茂っているが、どうやら元は
田んぼのようだ。
気になって後ろを見てみた。結界の向こう側は”見えない”とかではなく、知覚できない、認識できない、・・・不思議な感覚だ。
「しかし、本当に強力な結界ね・・・。」
結界に侵入する時、ワイヤーケーブルと通信ケーブルを引っ張ってきたのだが、両方とも後ろでスッパリ切れていた。
電波も遮断しているのか無線も通じない。いや、遮断ではなく干渉か?いずれにせよ通信機が使えないことに変わりは無い。
まあ私の任務はいつだってソロだ。外界との連絡が絶えたところで特に問題はない。私は早速作戦を開始することにした。
ボスとの会話をふと思い出す。
「これだけの結界だ。侵入すれば間違いなく感知されるであろう。入るのを拒む結界なら、中の者が君を排除しようとするかもしれん。」
「それならターゲットも排除されていておかしくないのでは?」
「可能性はいくつかある。侵入後ただちにどこか逃げ落ち発見を免れ潜伏した。中の妖怪が仲間として匿った。あるいは、中の者が
排除しようとしたが返り討ちに遭った。等等・・・。しかしターゲットは我々の攻撃でダメージを受けていたから、潜伏か匿われたかの
どちらかであろう。となると、中の妖怪達のスタンスによっては戦闘が必至になってしまうのだが、まあどこかのならず者どもに匿われ
たっていうのなら協力が得られるかもしれん。」
「まあ、戦闘だっていうのなら片っ端から斬り捨てるまでだわ・・・。」
「おいおい・・・。いずれにしても、侵入すれば人間か妖怪かは知らんが誰かが駆けつけるであろう。その者に事情を話して協力を
仰いでからでも遅くはないだろうと思うのだが・・・。まあ、その辺の行動は君に任せる。あくまでターゲットの殲滅が優先目的であり
任務だ。邪魔立てするならともかく、中の人間や妖怪との戦闘は可能な限り避けるように。」
- 690 :684の続き2/3:2007/07/28(土) 21:21:16 ID:mFvex4f.0
- 私はここで待ってみることにした。ここにやってくるのは博麗神社の巫女か、それとも結界の創始に関わっているスキマ妖怪か。
博麗神社は結界の東端らしいから、ここからでは結構距離がある。どれくらいの速さで飛べるのか知らないけど、十数分はかかるか?
確かそこの巫女って、怪しいと思うと先制して攻撃してくる設定だったっけ?この世界では友好的な人だといいのだが・・・
”探査”(サーチ)
私は”探査”を展開した。探査とは自分達組織連中はそう呼んでるけど、○ンター×○ンターで言うところの”円”のようなものである。
人間の手練れでも半径数百mの範囲を誇るらしいが、半妖の私は半径1200m以上に達する。
どうやらこの辺にターゲットはいないようだ。
そのまま2分ほど経ったが、スキマ妖怪は現れなかった。”彼女”ならスキマですぐに来れるから、今回は来るつもりが無いのだろうか。
それとも睡眠中とか?作中ではやたらと寝ている妖怪だったが・・・。
................
いや、待て。なぜ”彼女”だと分かった?
確かに東方シリーズ作中では女性であるけど、こちらの世界でもそうとは限らないし、私もその心積もりでいた。
ふと気が付くと”探査”が解けていた。いや・・・、先ほどまで居た”空間”では無かった・・・。
「ようこそ、私のスキマの中へ。」
- 691 :3/3:2007/07/28(土) 21:21:59 ID:mFvex4f.0
- 声は後ろからした。妙な胸騒ぎがする。額からやな汗が滲み出てくる。僅かに、僅かだが手が震えているのが分かる。
すごい・・・、”重圧”(プレッシャー)だ。にも拘らず微塵も殺気が感じられない。殺気の伴わない”重圧”にここまで気圧されるなんて・・・。
ゆっくり振り返る。ゆっくりでしか振り返られなかった。そして・・・、そこに”彼女”がいた。
「あなた、”外の世界”から来た人ね?あそこにしばらく居たのは、誰かと待ち合わせだったのかしら?」
背中に冷たいものが走る。いったい何なんだ?この存在は。私が怖気づいている?ばかな。私は声を上げる。
「3日ほど前にも侵入者がいたはずだ。私はそれを追ってここへきた。奴は”外の世界”では犯罪者であり、私はそれを殲滅しに来た。」
私は怒鳴り散らすように”彼女”に言い放った。これでは追い詰められた小悪党が虚勢を張っているような雰囲気ではないか。クソッ・・・。
「成る程。それであの場所で待ち、来た人に協力を要請しようって考えていたのかしら?」
「ああ、そういうことだ。私はてっきり博麗神社の巫女が来るものと思っていたわ。」
「ええ、彼女もこちらに向かっているわ。でもまだ10分以上はかかるかしら。フフフ・・・。」
「それで・・・、スキマ妖怪とやらがなぜここに?歓迎の式でもやるのかしら?」
「そうね。とても賑やかなのを執り行おうと考えているのだけど・・・。ふふ、どうかしら?」
”彼女”が妖しく微笑む。”重圧”に殺気が混じり始める。私は気圧されないように声を張る。
「私はここの住人に危害を加えるつもりは無い。ターゲットを殲滅すればここから出て行く。」
「ええ、分かるわ。フフフ・・・。あら失礼、ついつい笑みが零れてしまうわ・・・。」
殺気がだんだん膨れ上がっている。
「でもあなたは闘うつもりでいるようだが・・・。」
「ええ。だから、これが”歓迎”よ。」
いきなり”彼女”の周りからエネルギー弾のような物が十数発発射される。私は咄嗟に刀を抜きそれらを薙ぎ払う。
「ふふふ、刀で薙ぎ払うなんてすごいのね。」
「チッ、なめてもらっては困る!」
「怖気づいてもらっては困るわ。」
何だよ、殺る気まんまんかよ。確かに外の者に対して友好的に接してもらうとは限らない、って思ってはいたけど・・・。
「こういうのって、まず先にあんたの部下の九尾狐がやるもんじゃないの?」
「藍をよくご存知で。ふふふ。そうね、確かにいつもは藍に任せているけど、こんなとびっきりの”獲物”、藍にも霊夢にももったいないわ。
藍には下がってもらっているわ。さあ、歓迎の式は相応しい場所で執り行いましょう。」
気づくとさっきの世界に戻っていた。場所は開けたところに変わっているが・・・。そして空には妖しい光の満月が浮かんでいた。
ああ、そういえば今日は満月だっけ。来るまで曇ってて全然気が付かなかったわ・・・。
妖しい光に浮かぶ”彼女”が口を開く。
「私は八雲紫よ。あなたは?」
「サクラだ。コードネームだけどな。」
「それで十分よ、サクラ。では存分に楽しんでいって下さいね。フフフ・・・。」
紫が微笑むと幾重にも半端無い数の弾幕が発生した。私はもう1本の刀も抜く。二刀流が私のスタイルだ。
いつの間にか手の震えも収まっているし、額の汗も引いていた。それよりも私には闘志が溢れていた。
「これ程の舞台を用意して頂いて光栄だわ。あなたにもいっぱい楽しませてあげるわ。」
「あら嬉しいわ。今日は最高の日になりそうね。」
こうして私のPHANTASMは幕を切った。
- 692 :名前が無い程度の能力:2007/07/28(土) 21:22:29 ID:YdcXENHI0
- かっけぇから、名前欄にでもタイトルいれようぜ、コンゴ
- 693 :名前が無い程度の能力:2007/07/28(土) 21:22:54 ID:mFvex4f.0
- >>686,687,688
ごめんねごめんねごめんね。
- 694 :名前が無い程度の能力:2007/07/28(土) 22:26:12 ID:2rqY1PlI0
- 香霖堂スレに投下した奴だけど、こちらの方が相応しいと思ったので。よかったら読んで。
ttp://coolier.sytes.net:8080/th_up2/src/th2_6501.txt
>>692
タイトル要るのかな?
じゃあコレ「霖雨の已む頃に」で
- 695 :名前が無い程度の能力:2007/07/28(土) 22:54:30 ID:.Wr2xn1.0
- タイトル必須ってわけじゃないよ
>>692は多分猫に鈴付けようとしてるんじゃないかな
- 696 :名前が無い程度の能力:2007/07/28(土) 23:30:38 ID:jj9dwxKY0
- 数レス使ったり、続き物だったりするなら
アンカーは振っておいてもらいたいね。
タイトルをつけるつけないは、別として
- 697 :紅魔館の癒し系(1/4):2007/07/29(日) 00:56:19 ID:YS8rUNPM0
- ある日の紅魔館当主の食卓風景。
「咲夜〜今日のご飯は何かしら?」
ナプキンを首の後ろで結びながら吸血鬼の少女が問うと、
瀟洒な従者が魔法のようにテーブルに現れた。
「お待たせしました。まずは前菜に完熟イエロートマトのポタージュをどうぞ」
そう言って差し出されたのはバジルの香り豊かな黄色いスープ。
だがしかし、お嬢様はくんくんと鼻をひくつかせると、かわいらしい眉を顰めた。
「……何コレ、タマネギきらい〜」
そう言って皿を押しのけると、次の瞬間ポタージュスープは卓上から消え失せた。
「それでは鴨のオレンジ風味ビガラードソースはいかがでしょう」
代わりに出されたのは、半月切りのオレンジを敷き詰めた上に乗せられた
鴨肉料理である。お嬢様はフォークで鴨肉の上にまぶされたオレンジ色の短冊を
つつくと、こう宣った。
「……にんじんきらい〜次〜」
メイド長は黙って皿を下げると、次の料理をテーブルに差し出す。
「かしこまりました。ラングスティーヌのカネロニ、ポルトのクリーム煮でございます」
パスタ生地でくるんだ手長海老が上品な香りを立てているが、
お嬢様は彩りを添える青物を剣呑な眼で睨み付けた。
「……ぶ〜、アスパラきらい〜」
そう言って皿を押しやると、魔法のように消え失せる。
レミリアは頬をぷうとふくらませ、黙ってかしこまるメイド長を睨め付ける。
「使えない従者ねえ。主人の好みくらい把握しておきなさいよ」
無論、完全で瀟洒な従者が主の好みを把握していないことなどあり得ない。
咲夜の目指す完全は、主の偏食に媚びた料理を出すことに非ず。
嫌いな物を「あらこれ意外と悪くないわね」といわせてこそ完全である。
だがしかし、己の仕えるわがままな主を前にして、その境地はまだまだ遙か遠いようである。
「……申し訳ございません。デザートにはクラフティー・リムーザンを用意いたしました」
グラタン皿に乗せて差し出されたのは、チェリーとバターの香りのコラボレーションが
甘く匂い立つデザートであった。出す直前まで時間を止めて待機させていたため熱々である。
少女は嬉しそうに甘い香りを堪能すると、もぐもぐと咀嚼して言った。
「ん、美味しいわ咲夜。紅茶もお願いね」
「こちらに用意してございますわ」
従者がそう言うやいなや、紅茶のカップが卓上に出現する。
幼い悪魔は目を閉じて紅茶の香りを目一杯楽しんだ。
- 698 :紅魔館の癒し系(2/4):2007/07/29(日) 00:58:16 ID:YS8rUNPM0
- 所変わって紅魔館の地下、悪魔の妹の住処。
「本日のアンティパストは牛肉のカルパッチョでございます」
「……?」
宝石の羽を持つ少女の前に差し出されるは、生肉の赤とマヨネーズソースの白が
見た目に鮮やかなイタリア料理。一般人が見れば食欲を刺激するに十分な前菜を、
悪魔の妹は不思議そうに眺める。
「プリモ・ピアットにトマトとモッツァレラの冷製ジェノベーゼを用意いたしました」
「……?」
暫くフランドールの反応を窺っていたメイド長がやがてテーブルに乗せたのは、
トマトの赤とチーズの白、本体の緑が色鮮やかな冷製パスタである。
だがしかし、吸血鬼の少女はそれが何であるかも理解せぬかのように、
皿に載った料理をまじまじと見つめる。
「セコンド・ピアットは鶏のカッチャトーラですが」
咲夜がさらに追加した皿には、狩人風の名を冠する鶏の煮込み料理が盛りつけられて
いたが、幼い吸血鬼はもはや皿の上に興味がないかの如く、姉の従者に問いかけた。
「……さっきから唱えてるのはお経かしら?お皿に乗っているってことは食べ物なの?」
「はい、妹様」
無表情に答えるメイド長の顔を、胡乱な目つきで眺めると、
当主の妹はやや気分を害したように問いかけた。
「……アイツの差し金ってわけ?」
「いえ、私の独断です。妹様にも普通の食事をとる権利があると思いまして……
でも所詮は独りよがりの自己満足ですわ」
事実である。普通の料理を食べて欲しいのも、いつの日か姉と同じ食卓に
着いて欲しいのも、全て咲夜の勝手な望み。レミリアがそんなことを仄めかした
ことは一切無い。姉の気まぐれと半ば決めつけていたフランドールは肩すかしを
くった格好で、それでも矛先を納めて表情を和らげた。
「権利はあっても義務じゃないわよね。ケーキはないの?」
「それではこちらのズッパイングレーゼをどうぞ」
素早く差し出されたいつものお菓子。本日のメニューは
イギリス風スープの名前を冠した不思議なケーキです。
「ん、始めからそれを出せばいいのよ」
大仰に宣ってケーキにフォークを突き刺した悪魔の妹は、
ケーキを口にすると目を見張り、にっこりと微笑んだ。
- 699 :紅魔館の癒し系(3/4):2007/07/29(日) 00:59:52 ID:YS8rUNPM0
- 同じく紅魔館地下の一角に鎮座する大図書館。図書館の中にあって
動かない大図書館の二つ名を持つ魔女の側に、メイド長が立っている。
「セリョートカ入りヴィネグレットでございます」
ビーツの赤みが色鮮やかな茹で野菜のサラダを、図書館の主は一口咀嚼する。
「んぐんぐ、もういいわ」
瀟洒な従者は黙って皿を下げると、スープ皿を取り出した。
「最近は暑いですから、アクローシュカにしてみました」
冷製スープと言うよりはサラダのクワス漬け。魔女は眼を細めて
その皿を見つめると、一口だけ口に運ぶ。
「んぐ。結構よ」
その言葉に従って咲夜は皿を下げ、代わりの料理を出す。
「メインはビーフカタストロフです」
「……言っておくけど、殺虫剤も除草剤もノーサンキューよ?」
一瞬己の耳を疑った魔女がジト眼で睨め付けると、
瀟洒な天然メイドはぽんと手を打った。
「間違えました。ビーフストロガノフですわ」
スープをたっぷりとジャガイモに絡めると、その他の具と一緒に
口に運ぶ。日陰の少女が食べたのはやはり一口。
「はぐはぐ、もういいわ」
皿を下げた少女は、今度は黙っていなかった。心持ち不安そうな顔つきで、
七曜の魔女の顔色を診断する。
「……食が進みませんか?それではペルローヴァヤ・カーシャはどうでしょう」
「要らないわそんな病人食」
差し出された大麦粥の小皿を押しのけると、魔女は病人扱いするなと抗議する。
「それはお粥に対する偏見だと思いますが。ではデザートにプリャーニキはいかがですか」
そうして差し出されたビスケットの皿を、一度は押しのけようとしたが、
中の蜂蜜に思いを馳せて、パチュリーはこう言った。
「そこにおいといて」
後で食べるから。我が儘な主張に、メイド長は眉を顰める。
その顔色をちらと窺って、魔女は溜息をついた。
「もう食べられないの。というか食べる必要ないのよホントは」
捨食の魔法を身につけた魔法使いが、栄養摂取の為に食事をする必要はない。
だからこれ以上構ってくれるなと言う。その主張はもっともなので、瀟洒な従者は
畏まって頭を下げた。そこで何を思ったか、少し離れて様子を見守る少女に目をやる。
頭と背中に羽を持つ悪魔の少女はぷるぷると首を振った。
「すいません、摂取系が異なりますんで。咲夜さんの精でしたらいつでもどこでもウェルカムなんですが」
小悪魔の軽口を完璧に無視すると、少女はふらりと姿を消した。
奇術師の如き鮮やかな消えっぷりに、見送ることも出来やしないと息をつく魔女。
その使い魔は、面白そうに主の顔を眺めて言った。
「……別に、ご飯がまずいだなんていっぺんだって言ったこと無いですよねパチュリー様」
「何が言いたいのかしら」
既に読書に戻り、本に隠れた主の顔を覗き込む。
「私が知るパチュリー様なら、食事に時間をかけるくらいなら本を読むのに当てると言いそうなものです。
本来食べる必要のない魔法使いともなればなおさら」
「……ふん」
魔女は詮索無用とばかりに本を持ち上げ、己の顔をますます隠した。
- 700 :紅魔館の癒し系(4/4):2007/07/29(日) 01:02:09 ID:YS8rUNPM0
- 地上に戻って紅魔館の厨房。使用人がまかないを食べる小さなテーブルに、
笑顔の爽やかな門番が座っている。対照的に仏頂面のメイド長が
トレイに料理を乗せて持ってきた。
「余り物の炒メシとブイヤベース闇鍋風Lunaticよ!」
ドスの利いた声とともに、門番の前にトレイがどすんと置かれる。
紅い髪の少女は顔を綻ばせてそれでは頂きます、とスプーンを手にした。
「美味しいです、美味しいです」
急いでいる印象は全く与えずに、それでもハイペースでよくわからない炒飯と
よくわからないスープを口に運ぶ美鈴。瞬く間に空の皿を二つ完成させると、
己の顔を見つめる咲夜を見つめ返して、不思議そうに小首を傾げた。
「……どうしたんですそんなにニコニコして?ひょっとして食べかすでもついてますか?」
手鏡を取り出そうとする美鈴の手をそっと押さえると、咲夜は首を振って微笑んだ。
「……ううん、何でもないのよ美鈴。それより、ローテグリュッツェに挑戦したんだけど、食べてみない?」
「是非いただきます!」
冷えたアイスと熱いソースの取り合わせも、メイド長の能力にかかれば
まるで問題にならない。差し出されたデザートを美味しそうに口に運ぶ
門番を見つめて、咲夜はにこりと微笑んだ。
※言い訳
料理のメニューにあまり厳しく突っ込まないでやってください。
- 701 :名前が無い程度の能力:2007/07/29(日) 01:22:07 ID:/EEbb7mY0
- 美鈴可愛いよ美鈴
これだけおいしそうに食べられたらつくった咲夜さんも嬉しいだろうに
ってか他の三人が駄目すぎるんだけど
- 702 :名前が無い程度の能力:2007/07/29(日) 01:50:03 ID:5WKpw3iQ0
- なんというカールビンソン
しかし、色々と下げた食事は闇鍋に変身したのか?w
- 703 :名前が無い程度の能力:2007/07/29(日) 07:08:50 ID:Myc40Dv.0
- 飯は食わないでデザートだけ食べるあたり、やっぱ姉妹なんだな。
- 704 :名前が無い程度の能力:2007/07/29(日) 08:10:59 ID:TFuLbAcg0
- >694
渋!
>697-700
あえて料理に突っ込むと……やはりレミリアのがいちばん旨そうだな
- 705 :名前が無い程度の能力:2007/07/29(日) 09:16:23 ID:lh7rqjl6O
- >>692
ちょ
- 706 :名前が無い程度の能力:2007/07/29(日) 10:36:03 ID:TaOs8n9s0
- なんだかんだ言っても美味しいって言ってもらわないと作る人間としては悲しいからなぁw
しかしこのアイデア永遠亭verもアリかもな
- 707 :名前が無い程度の能力:2007/07/29(日) 12:37:42 ID:BkcT/Ozk0
- レミリアが駄目過ぎるww
- 708 :名前が無い程度の能力:2007/07/29(日) 14:18:27 ID:KaR9yGLc0
- レ「みんな、集まったわね。・・・まあ、あの子はのぞいて」
咲「はい、それはもう」
パ「何の用かしら」
レ「私は常々、昨今の吸血鬼の凋落について、原因と打開策を考えていたのよ」
美「一応、この屋敷には恐ろしい悪魔が住んでいる、という認識はされているようですが・・・」
レ「人間に恐れられるだけで満足していたら、そこいらの三流妖怪と大差ないじゃないの」
咲「それで原因と対策は見つかったのでしょうか」
レ「原因は、私の力を裏付ける伝説に乏しいこと。この幻想郷では無銘の実力者は評価されにくいわ」
美(威圧感に欠ける幼女の外観の方がもっと問題だと思うけどなあ)
パ(シ、ややこしくなるから余計なこと言わない)
レ「ん? あと対策ね。最も有名で有力な吸血鬼を復活させるわ」
美「有名な吸血鬼というと・・・」
パ「まあ、ブラド三世といったところかしら」
レ「その通りよ。吸血鬼は滅びても遺灰と適切な儀式によって復活できるわ」
美「でも遺灰がどこにあって、どんな儀式が必要なのやら」
レ「それを突き止めて儀式を成立させるのが貴方たちの仕事よ」
咲「かしこまりましたわ」
美「そんな無茶な!」
咲「そうね、私が遺灰を探すわ。パチュリー様は儀式の調査、美鈴は・・・そうね、秘薬の調達をお願い」
パ「わかったわ」
美「ああ、そういうことですね・・・りょーかいです」
レ「頼んだわよ」
レ「いよいよ始まるのね。咲夜、遺灰は手に入ったかしら?」
咲「はい、こちらに」
レ「それがブラド公の遺灰・・・真っ白いのね」
咲「苦労しましたわ」
レ「美鈴、秘薬は手に入ったかしら?」
美「ええまあ、こちらに」
レ「色々あるのね」
美「えーと、ソジュームカーボネート、スクロース、スキム、そしてこちらが・・・」
レ「ああ、ご苦労様。そこまで細かく説明されてもね。パチェ、儀式の準備はいいかしら?」
パ「ええ。これはなるべく復活を望む者本人がやるべきだわ」
レ「ふふ、わかったわ。言うとおりやるから手順を教えなさい」
パ「まず、遺灰と秘薬A群に少量の水を加えてよく混ぜるの」
レ「えーと、こうね」
ガチャガチャ
パ「耳たぶぐらいの堅さになったら、しばらく寝かせるのよ。その間にB群をロッドでよく混ぜ合わせて」
レ「こ、こうかしら。難しいわね」
ガチャガチャ
咲「あ、お嬢様。泡立t・・・ロッドは手首で振るのではなく、このように腕全体を使うと効率的ですわ」
レ「なるほどね」
パ「遺灰はもう良さそうね。まんべんなく復活の炎が当たるようにして、きつね色になるまで見守ってちょうだい」
レ「うーん、熱いわね・・・」
パ「で、よく空気の混ざったB群は冷やしておかないと」
美「私が氷室に保管してきますね」
レ「お願いね」
レ「だんだんいいにおいがしてきたような・・・」
パ「ブラド公のオーラとでもいうのかしら」
レ「そ、そういうもの?」
咲「そうですわ」
美「あ、もう良さそうですね。クリー・・・B群を氷室から取ってきますね」
レ「あの、パチェ? これ私には別の・・・」
パ「レミィ! 最後の仕上げよ。さましたカスt・・・遺灰にB群の復活液を満遍なく塗るの」
レ「こ、こう・・・?」
咲「良い感じですわ」
レ「そうかしら」
パ(そろそろね)
美(はぁ)
咲(じゃあお願いしますわ)
パ「しまったわ! これではブラド公は復活できない!」
レ「え、ど、どうして・・・」
パ「吸血鬼復活の儀式は、1000年に1度の太陽と月の巡りが必要だと本に書いてあるわ」
レ「え・・・今日は?」
パ「全然日が違うわ。あと800年待ちかしら」
レ「そんなあ・・・しっかりしてよパチェ」
咲「やむを得ませんわ、お嬢様。ブラド公の遺灰を摂取して少しでも公に近づきましょう」
レ「なによそれー。あーん、がっかり」
美「まあまあ、私お茶いれてきましたから」
咲「あら気が利くわね」
レ「うぅ、ブラド公・・・吸血鬼の再興に力を貸しなさいよーぱくっ・・・・おいしい!」
パ「良かったわね」
レ「良くないわ! でもおいしい〜。そうだ、あの子も呼んできなさいな」
美「了解でーす」
- 709 :名前が無い程度の能力:2007/07/29(日) 15:00:20 ID:WP5u3Un20
- お嬢様の手作りブラド公wwwww
俺も食べたいwwwww
- 710 :名前が無い程度の能力:2007/07/29(日) 15:47:25 ID:EyxdkJGU0
- お嬢様以外、最初から別のことをしようとしてませんか?
- 711 :名前が無い程度の能力:2007/07/29(日) 16:06:38 ID:KvqpTLLc0
- つまり、そうやってごまかした、ってことなんだろうw
- 712 :名前が無い程度の能力:2007/07/29(日) 16:09:30 ID:h/PUOOYk0
- 甘くてふわふわな三時のおやつブラド公wwww
- 713 :名前が無い程度の能力:2007/07/29(日) 16:22:08 ID:SXqj0SeE0
- なに作ってやがるww
- 714 :名前が無い程度の能力:2007/07/29(日) 17:42:21 ID:y2nbbNBg0
- 遺灰ってのも小麦粉か
- 715 :名前が無い程度の能力:2007/07/29(日) 21:50:29 ID:s2MVIN3E0
- ソジュームカーボネートは分からなかったがスクロースは蔗糖、スキムは恐らく脱脂粉乳。
- 716 :名前が無い程度の能力:2007/07/29(日) 21:59:04 ID:RCVf.OoY0
- ソディウムハイドロジェンカーボネイトではないかと思う
- 717 :名前が無い程度の能力:2007/07/29(日) 22:00:31 ID:FmeKDTew0
- Sodium Carbonate=Na2CO3=炭酸ナトリウム。
俗に言う重曹のことですな。
ところで炭酸ナトリウムってらんさんにとりうむと打ち間違えると、
もうなにがなにやら。
- 718 :名前が無い程度の能力:2007/07/29(日) 22:01:09 ID:FmeKDTew0
- ってあれ?
重曹ってNaHCO3だっけ?
- 719 :名前が無い程度の能力:2007/07/29(日) 22:09:59 ID:0jOd5nNA0
- Na2Co3だとベーキングパウダーかな
- 720 :名前が無い程度の能力:2007/07/29(日) 22:10:43 ID:0jOd5nNA0
- 間違えた、コバルト入れてどうするよ俺
- 721 :イフリート1/2:2007/07/30(月) 01:16:38 ID:OuBOMyGY0
- あるところに、地下に封じ込まれた悪魔がいました。
悪魔は、地下から出ることを願っていましたが、100年経っても、地下から抜け出すことは出来ませんでした。
悪魔は、こう思いました。
「もし、この地下室から私を連れ出してくれる者がいたら、その者の願いを1つ叶えてあげよう」
と。
しかし、もう100年経っても、悪魔は地下から抜け出すことは出来ませんでした。
悪魔は、こう思いました。
「もし、この地下室から私を連れ出してくれる者がいたら、その者のどんな願いでも叶えてあげよう」
と。
しかし、結局その悪魔は通算495年間、地下に封じられ、外に出ることは出来ませんでした。
めでたし、めでたし。
「なぁ、いいだろ、パチュリー。ちょっとだけ、ちょっとだけでいいんだ」
「貴女が本を持って行かなくなったと思ったら、今度は私の読書の邪魔をするのね」
ため息をつきつつ、それでもページをめくるペースを変えずに、紫の魔女パチュリーは、
ここの所、毎日訪問してくる、白黒の魔法使い魔理沙の話相手をしていた。
もう何回この問答を繰り返したことだろうか。
議題は深窓の令嬢、フランドールを外に連れ出すことの許可。
魔理沙はまず、レミリアへ直訴を考えた。
だが、紅魔館に行く準備をしているときに限って、家に来訪者が現れたり、
新しい研究のインスピレーションが生まれたり、研究中の案件に深刻な脆弱性が発見されたり、
箒が暴走したり…
この辺りから、魔理沙はレミリアが能力を発動して、魔理沙に会わない運命を紡いでいる事に
気がついた。どうやら魔理沙の提案は、聞くまでもなく却下らしい。
なので、魔理沙は矛先をパチュリーに変えることにした。
しかし、今日はいつになく、剣呑な雰囲気でのスタートだった。
いつもなら、たまにこちらへ視線を送るものの、今日は手にある書物から目を離そうとしない。
その態度に、魔理沙は腹が立っていたし、それは要するに、パチュリーのフランドールに対する
無関心さに見えてならなかった。
「今まで一回も外を見たことがないなんてあまりに哀れだろう?
あの性格だって、あんな所にずっと閉じこめておいたから…」
「その発言は許さないわよ」
苛烈な言葉は、冷静な、それでもその剣呑な言葉で返された。
魔理沙はパチュリーの顔を探ったが、その表情は氷のように固まったまま、
目だけが本に溢れる文章の波を縫っていた。
だからそれに、魔理沙は、妖怪と人間の違いというか、ある種の隔たりを感じてしまった。
ああ、そうか。
つまるところ、あれだ。
こいつらは妖怪だから、人間的な感情というか、ヒューマニズムなんてモノを、
持ち合わせちゃいないんだな、と。
フランドールを閉じこめていたのも、ただの臭い物に蓋の理論で、人間的な…もとい、妖怪的な
扱いをしてやるつもりなんて全くないんだな、と。
- 722 :イフリート2/2:2007/07/30(月) 01:17:20 ID:OuBOMyGY0
- 「わかった、もうお前には頼まない…」
乱暴に机を叩いて立ち上がる。もう、ここには用はない。
紅魔館の連中はアテにならない。レミリアはあの通りだし、咲夜はレミリアの命令に絶対服従だ。
パチュリーも、レミリアに準じているし他のメンツは、何というか、駄目だ。
戦力的にも権力的にも。
なら、私が、何とかしてやるしかないのか…
軽くため息をついた、しかし、何となくふっきれた気もする。
まずは、これから作戦を練らなければ…
図書館を立ち去ろうと扉に手をかけたとき、取っ手に本が立てかけてあった。
題名は『千夜一夜物語』
「持っていきなさい。今からの貴女には必要になるわ」
パチュリーの声が後ろから聞こえた。魔理沙は驚いて振り向くが、パチュリーは相変わらず本の世界に陶酔している。
魔理沙は軽く混乱した。パチュリーが自発的に本を貸すなんて事は今までにはない。
いつも魔理沙に魔導書を強奪され、その度に「持ってかないでー」と弱々しく懇願する様から、
「持って行くんじゃねぇよこの×××〜〜〜(喘息)」
などと、非常に聞き苦しい罵り文句を平気に言えるようになるほど、本の流失はパチュリーのストレスになって
いたはずなのに、そのパチュリーが、本を貸すなど…どのツンデレ心が動いたのか。
「まぁ、貰えるモノはありがたく貰っておくぜ。じゃあな」
魔理沙は本を手に取ると、そのまま図書館を後にした。
パチュリーは魔理沙が図書館から充分に離れたのを気配で悟り、本を閉じる。
愛用の安楽椅子に持たれ込み、図書館の天井を仰いだ。
「どうするの、レミィ?もう私の手に負えないわよ?」
パチュリーは天井に吊り下がっている一匹の蝙蝠に問いかける。
蝙蝠は無機質な赤い目を眼下のパチュリーに向ける。
「まさか、全ての責任を私に押しつけようとしてるんじゃないでしょうね?
貴女の家族の問題だというのに…」
蝙蝠は答えない。ただ、視線は逸らさず、パチュリーをじっと眺めていた。
「貴女の友人なんてやるもんじゃないわ。ここ最近は特に、内・外共に騒がしいことが多いしね」
キー、と蝙蝠は声を上げ、天井から羽ばたくと、数回パチュリーの頭上を旋回しいずこかへと飛び去ってしまった。
パチュリーはため息をついた、どうやら先程の白黒から移ったらしい。
「もう本当に…どいつもこいつも×××で×××な××ばっかりね…」
紅魔館のメンバーの誰が聞いても卒倒しそうな程下品な言葉でパチュリーは劇場の演技者に野次を入れた。
自分が演技者の定義に入っていることはこの際ガン無視である。
しかし、通算495年経っても、地下に封じられ、外に出ることは出来ませんでした。
悪魔は、こう思いました。
「もし、この地下室から私を連れ出してくれる者がいたら、まずその者を壊してやろう」
と。
※おまけ
「え、え〜っと、フラン!本当に495年も、あの部屋に閉じこもっていたのか、証拠を見せてもらおうか!」
「うふふふふ、いいわよ。じゃあ魔理沙。証明するために、一緒に入ってね」
「え……!?ちょっ…まっ…」
ガターン。
「パチュリー様、最近あのツートンカラーの方見られませんねぇ…」
「そうね、きっと応用力が足りなかったのね…」
---
筆者にも、応用力とか発想力とか表現力とか語彙の数とか色々足りてないと思います。
- 723 :名前が無い程度の能力:2007/07/30(月) 15:53:45 ID:MnzSG0Co0
- 蝙蝠姿のお嬢様可愛いよ(ヘタレだけど)
ツンデレスイッチ入ったパチェ可愛いよ(言葉使い悪いけど)
そして魔理沙とフラン、末永くお幸せに・・・
そういや竹本泉作品にもこんな風に(壺にだけど)閉じ込められてた魔神がいたね
- 724 :684 その3(1/8):2007/08/01(水) 21:41:20 ID:4UPRjzqg0
- 戦闘スタイルがまるで違う・・・。
外の世界ではこんな弾幕で戦うスタイルはあまり見かけ無かった。
妖怪の中にはいたようだが、私が見敵必殺のスタイルのためか、お目にかかったのは2度しかない。
それもこんなに沢山の弾幕ではなかったし派手でもなかった。しかし紫の弾幕や結界は量からして滅茶苦茶だ。
夏の夜空には紫を打ち上げれば綺麗でいいんじゃないかしら、って思ってしまうほどだ。
私は迫り来る弾幕を斬り落として間合いを詰める。しかし、結界がそれを阻む。
「ちっ」
結界は斬れるものもあるが、数もあるし無数の弾も来るしでなかなか難儀である。結界を避けつつ間合いを取る。
「フフフ、凄いわ。あなたの剣術はボムと同じ効果があるようね。でも、些か規格外ですよ・・・。」
隙を見て”居合い”を試みるが、境界を操られているのか無力と化す。
”居合い”は刀に自身の気を乗せて飛ばす攻撃方法だ。”居合い”は音速を誇り、威力は岩をも斬る不可視の技だ。
この技は刀身が少しでも露出していればよく、刀を振るう必要は無い。
だから前動作無く出せるのだが、尽く見切られているようだ。これを見切れる存在は、そうそういるものではない。
紫は剣術を心得ているようには見えない。1000年は優に生きている妖怪だ。恐らく過去に闘った経験でもあるのだろう。
迫り来る無数の弾を一閃し、また間合いを詰める。さっきから間合いを取ってはこれの繰り返しだ。
それにしても紫の方は余裕のようだ。扇子で口元を隠しながら笑っているようだった。
「ずいぶん楽しそうね!」
言っている間にも弾を斬り落としながら間合いを計る。
「フフフ・・・、あなたの技には見覚えがあってね。懐かしい人を思い出していたのよ・・・。」
”居合い”のことだろうか?
「妖忌・・・。まだ存命みたいだけど、どこへ行ってしまったのかしら・・・。」
紫は独りで勝手に回想モードに突入しているようだが、攻撃が止むことは無かった。何という余裕だ。
それなら・・・。
”十文字烈破剣”(クロス・バスター)
これは十文字に衝撃波を出す剣技。二刀流なので1挙動で出せる。これは音速を超え威力は”居合い”の比ではない。
しかし、やはりというか境界を操られているのか紫には届かない。接近して闘うしかないか・・・。
それにしても紫は何か技を出す時に、技名と思しき名を声にしている。スペルカードというやつだろうか?
ちなみに私はいちいち技名は言っていない。ターゲットにわざわざ解説しているようなものだし・・・。
巨大な鉤爪状の結界が迫り来る。いや、卍形をしているようだ。直交する3つの卍型が回転しながら迫る。これは
エネルギー場のようなもので斬れそうに無い。逆らわずに迫る弾を斬り落とす。
そうしていると向こうから誰かが飛んできた。
- 725 :684 その3(2/8):2007/08/01(水) 21:41:50 ID:4UPRjzqg0
- 「ちょっとぉ、侵入者をさらっていったのはやっぱりあんただったのね。行ってみたら、また誰も居ないんだもの・・・。
3日前のもあんたの仕業じゃないでしょうね?」
紅白の巫女姿の人が捲くし立てる。巫女ってことはこの人が博麗霊夢であろうか?
「あら霊夢、怒り心頭のようね。でも、3日前のことは知らないわ。どこかへ逃げていったようね。」
「もう、あの辺の結界が緩んでいるから直しといてねって言ったのに。おかげでまた入ってきたじゃない。」
霊夢さんとやらは私をギロリと睨む。いや、どうもスミマセン。
紫と掛け合っているこの瞬間も、私は無数に来る大小様々な弾幕をかわしつつ斬り捨てている。
「それにこの戦闘・・・。まあ、あんた達が納得しているのならいいわ。じゃあ、ちゃんと直しておいてよ。」
口元に手を添えながら訝しげに私をジロジロ見ると、博麗神社の巫女はどこかに飛んでいってしまった。
「あの子が自分でやればいいのに・・・。仕方ないですね。」
紫は溜息混じりにボソっと呟いた。お互い面倒なことは押し付けあう性質(タチ)なのかしら?
私はここでふと思いついた。八雲紫に博麗霊夢、他はどうなのか分からないけど、ここまで設定と共通点があるなら
精霊もいるのではないか、と。”外の世界”では精霊がいないのか、残り香のようなものしか発動しなかったが・・・。
つまりは魔法だ。一応私は”火”,”水”,”木”,”金”,”土”のいわゆる五行の属性魔法が使えるようだ。
試しに手のひらに軽く”水”の魔法を使ってみる。すると拳大くらいの氷の塊が出現し、手のひらに落ちる。
「わっ、冷たっ。」
びっくりして思わず氷の塊を落としてしまった。しかし・・・、これならイケるか。
ヒュン!
右の眉間のそばを弾幕が通りすぎる。あっ、危ないところだったわ。弾幕に気を付けながらも魔法に精神を集中する。
イメージは爆発。”火”に”木”を上乗せする。どうなるかなんて分からない。ぶっつけ本番だ、なるようになりやがれ。
魔法の名なんて無い。私は右手を紫に向けてかざす。いっけぇーーーっ。
「はっ!」
どごぉぉぉぉーーーーーん!!!
「きゃっ。」
「うわああぁぁーーっ!」
かわいい悲鳴を上げる紫。そして私自身、予想外に大きい爆発に狼狽える。
紫との距離は20m弱だったが、思いっきり爆風に煽られ5mほど後ずさる。火傷こそしなかったが、今のは自分自身が
かなり危なかったわ・・・。
さすがに今の攻撃は効いたのか、一時的に弾幕は無くなった。しかし、また弾幕が飛んでくる。
見ると紫に外傷は無く、大丈夫なようだった。
あの爆発でもピンピンしているようなら、彼女に効く攻撃なんて無いじゃないの・・・。
それにしても、まだ魔法は実戦で使うにはあまりにも私の経験が無さ過ぎる。自爆の危険性もあるし、控えていた方が
良さそうだ。
- 726 :684 その3(3/8):2007/08/01(水) 21:42:20 ID:4UPRjzqg0
- 紫の周りに幾つもの六芒の魔方陣が飛び交っている。それらが私の周りに弾を敷き詰めながら球状に展開していた。
取り囲むようだ。何度か打ち払うが、数が多くあっという間に囲まれてしまった。
「ならばっ!」
”真空斬り”(ソニック・ブレード)
”真空斬り”は真空波と衝撃波を併せ持つ高度な大技だ。効果範囲は15m程だが、最大360度の攻撃範囲を誇る。
包囲した弾幕網を一閃すると、紫の周りから沢山の花びらのような物が舞い散った。
それとともに、この空間を支配していた”重圧”や殺気も霧散し、静寂が支配した。
「何・・・?」
私は事態を把握できないでいた。
「私の負けね。」
「・・・・・・。は?」
我ながら間抜けな声が思わず出てしまった。紫は肩をすくめながら言っていたが、どう見てもまだまだ余裕だ。
それどころか本気を出していたかさえ怪しい。
「スペルカードを全て攻略したのだから、サクラの勝ちですよ。」
「・・・え?・・・ちょ、ちょっと・・・。それじゃあ、あなたはスペルカードルールとかいうのに則って闘っていたってこと?」
「はい、そういうことです。」
「そ、そんな・・・。私はそんなルールとは関係無しに闘っていたのよ。これじゃあハンデじゃない・・・?」
「幻想郷のことを考え決めたルールです。ですから私がルールから逸脱するわけにいかないわ。
それに、サクラにはスペルカードの概念も無かったでしょう。
そもそも、この決闘そのものが私の気紛れ。サクラが気に咎めることではないわ。」
「そう・・・・・・。いや、もしかして、この場合私の方が危険なんじゃない?ゲームオーバー=デンドエンドじゃないの。」
「あら、ご明察。フフフ。でもサクラなら弾に当たっても怪我で済むでしょうし、それにちゃんと手加減するつもりだったわ。
それなのにサクラは弾幕をことごとく切り伏せるのですもの。だから思いっきり本気でやらせてもらいました。」
「食えない女ね・・・。しかし、ずいぶんと面倒なことするのね。私の力を試したとか?」
「そうね、サクラがかなりの実力であることはすぐに分かったわ。結界に入る少し前から見ていましたし、ふふふ。
ただ、それ程のあなたがこの幻想郷に引き寄せられて来た訳では無い、ということが気にかかってね。」
「見てたんかい。っていうか、引き寄せられるって何?」
「何年前だったかしら。もう500年になるかしら?結界の外側を実態の世界、結界の内側を幻の世界で分け隔てたの。
こうすることで幻想郷内部の妖怪の強化を図り、そして”外の世界”の妖怪がこちらに来るようにしたのですが・・・。
サクラを見て、その効果が薄らいでしまったのかと心配してしまったわ。それより、刀を仕舞ったらどうです?」
言われて私は抜刀のままだったのに気づいた。慌てて鞘に収める。何故か赤面してしまう。無性に悔しい・・・。
- 727 :684 その3(4/8):2007/08/01(水) 21:42:51 ID:4UPRjzqg0
- 「ま、まあ私ってそういうの探すの苦手だし。秘密の鍵とか、隠し扉とか・・・。幻想郷も全然気づかなかったわ。」
「んん・・・、そうね。サクラは”物質世界”に適応し過ぎたのかしら?精神面で人間の部分が強すぎるようね。」
「精神面・・・?そうね、確かに私は物心ついた頃から人間の中で育っていたし、自身も人間だと思っていたわ。
10代後半に妖怪って知らされたけど、今でも普段は妖怪だなんて意識して無いわ。100歳は軽く超えちゃったけど。」
「なるほどね・・・。しかし立ち話も何ですし、私の家でお茶でも飲みながら続きを話しましょう。」
「え?あなたの家って非公開なんじゃないの?」
「そうね、だからこうやって・・・」
どすん!
「う゛・・・・・・。」
急にどこかへ転移されたらしい。しかも頭から落ちて無様な格好だ。あまりにも咄嗟で体制が取れなかったじゃないの。
頭を抱えながら上体を起こすと、ちょっとアンティークな感じのする和室の中に居た。オイルランプが幾つか灯っている。
ハっと気が付き足元を見てみたら、ブーツは脱げていた。どうやったんだろう・・・?というかブーツはどこに?
見上げると、天井の辺りにかわいらしいリボンが両端付近に付いたスキマがあった。どこ○もドアみたいに、普通に水平
方向に使えなかったのだろうか?見上げたままでいると、ひょこっと紫が頭から現れた。
「ちょっと退いてくれない?」
いきなり突き落としておいてそれはないだろう、と思いつつも四つん這いでそこを退く。
「よっ。」
軽やかに着地する。何気ない動作だが、身のこなしの軽さから高い身体能力が窺い知れる。紫は、そばの障子戸まで
歩き戸を開けると式神を呼んだ。
「藍いるー?」
「はい、紫様。」
僅かな間をおいて藍が来る。
「お茶と何か茶菓子を二人分頼むわ。」
「かしこまりました。しばしお待ちを。」
ここからでは藍の姿は確認できなかった。紫は戸を閉めると、部屋の真ん中にある座卓のそばに座った。
「サクラ、あなたもこちらへ来たらどう?」
「は、はぁ・・・。お邪魔します。」
そばまで寄り、座布団の上に正座する。
「別にかしこまる必要は無いわ。足を崩しなさいな。」
「いえ、私はこの方が落ち着きますし、この状態で何時間でも問題ないわ。」
「さすが、剣を極めている方は違いますわね。」
- 728 :684 その3(5/8):2007/08/01(水) 21:43:25 ID:4UPRjzqg0
- それにしても、さっきの戦闘とのギャップが激しいな。紫って結構サバサバしているのね。
「ねえ、さっきの戦闘のことだけど、ちょっと聞いていい?」
「はい、どうぞ。」
「あの、”居合い”という不可視の攻撃をしていたんだけど、全部見切っていたの?あれを見切れるなんて凄いわ。」
「ああ、あれね。見切ってもいないし全部ダメージを受けていましたよ。その後の十文字らしき攻撃も魔法も全てね。」
「えっ?見切って境界を操作していたんじゃないの?」
「あの戦闘のルールでは、そういったことはスペルカードを使わなくてはならないの。今回の場合はちゃんと私のライフが
減っていましたよ。サクラには私のライフが見えなかったようですけれどね。しかしあの十文字の攻撃は、ライフがフル
から一気にゼロになって、正直驚きました。あの魔法も半分くらい削っていましたし。」
「・・・まんまゲームですね。」
「ええ、ですからこれはゲームなの。そうでなければ、私は何回死んでいたのかしら?ふふふ。」
「それこそゲームじゃなければ、私はもっと死んでいるんじゃないの・・・?あなたは境界が操れるし。」
紫は戯けているが、ゲーム形式を取ることで私に対して手加減しつつ力を見ていたってことか。
そこへ藍の声が聞こえた。
「紫様、お茶をお持ちしました。」
「どうぞ。」
そこへ恭しく藍が入ってきた。
戦闘の時に式神として召喚されていたから見てはいたけど、あの時はクルクル回っていて、はっきり見れなかった。
藍はちょっとキツめの目だけど、クリっとしていてかわいらしい感じだ。しかし、近くでまじまし見るとこれは・・・。
「あの。」
「はい。何でしょうか?」
「尻尾触っていい?」
「っ・・・?!」
「ふっふふふっ・・・ふふっ」
紫が笑いを堪えきれずにいた。
「こ、困ります。」
「いっいいんじゃない?藍っ。ふふふっ。」
「え?紫様・・・。」
「じゃあ遠慮なくっ!」
スタっと素早く藍の後ろにまわると、本当に遠慮なく触る。さわさわさわ・・・。もふもふもふ・・・。
「ひゃっ・・・。」
なかなかかわいい声を出してくれるじゃないの、藍。ところで匂いは感じなかった。まあ妖獣だしね。
「ああっ、私もこんな式神が欲しいわっ。」
「ふふっ。サクラ、あなたなかなかストレートな人ね。」
「あぁ、もうおやめ下さいませ。」
藍が嫌そうにしていたので、この辺で触るのをやめてみる。気が触れても嫌だし。いやぁ、しかし、これはいいわ。
「ふふっ。やはり、”外の世界”の人間は藍の尻尾が気になるようですね。」
「へぇ、そういうの知っているんだ?」
「ひっ、わ、私はこれで失礼致しますっ。」
藍が涙目で逃げるように去っていってしまった。むぅ、残念だ。
- 729 :684 その3(6/8):2007/08/01(水) 21:43:57 ID:4UPRjzqg0
- 気を取り直して席に戻る。せっかくだから淹れてくれたお茶を頂くことにする。
「では、頂くわ。」
「どうぞ。ふふっ、しかし藍の尻尾をあんな風に触ったのはサクラが初めてよ。」
「あなたは触っているんじゃないの?」
「あんなに激しく触ったりしないわ。・・・そうね、でもたまには撫でているかしら。」
「ふーん・・・。」
・・・さて、本題に入るとするか。
「ところで私をわざわざここに招いた目的は何?」
「そうね、純粋にお話しをしたいっていうのもあるのだけれど・・・、ズバリ言うと”スカウト”です。」
「は?スカウト?」
「そうです。あなたのような強力な妖怪には、ぜひ”幻想郷”(こちら)に来て頂きたいのです。」
「私は半分ですけどね。」
何だかどこかの観光案内を受けているみたいな感じだわ。ぜひ○○温泉へお越し下さい、とかっていうアレ。
「半分ねぇ・・・。」
紫はじっと私を見つめている。何か気にかかることでもあるのだろうか?
「どうかしたの?」
「サクラ、あなたもしかして半人半妖だと思っているの?」
「え?そう聞いているけど・・・。」
「でもあなた、魔法を使いましたね?」
「まあ制御してたって感じではなかったですけどね。」
「問題はそこではないのです。魔法が使えたことなのです。」
「へ?妖怪は使えるものじゃないの?」
「いいえ、魔法が使える者は魔法使いでしかない。でもサクラ、あなたは妖怪の備える高い身体能力を持っています。
魔法使いは身体能力が人間並みなのが普通です。ではサクラはいったい何なのか・・・。
・・・もしかして、半魔半妖なのではないかしら?」
「半魔半妖?でもうちの母さんは人間だったわよ。ああ、うちの父さんが妖怪なんだけど・・・。」
「ならば、あなたのお母さんが魔法使いだったってことですね。”外の世界”で魔法使いっていうのは考えにくいですから、
何らかの理由で”幻想郷”から出てしまい戻れなくなった、というところかしら。属性魔法の魔法使いなら”外の世界”では
魔法が使えませんから、普通の人間として生きていた、というのが考えられますね。ご両親は存命で?」
「母さんは私が若い頃に交通事故で亡くなったわ。父さんは、お互い一人でいた方がいい、と言ってどこかに行って
しまったわ。そうね、もう80年以上会っていないわ。」
「そう・・・。」
- 730 :684 その3(7/8):2007/08/01(水) 21:44:28 ID:4UPRjzqg0
- しかし、私の母さんが魔法使いだったなんて・・・。しかも故郷が”幻想郷”(ここ)かもしれない。
そして今、私は”幻想郷”(ここ)にいる。幻想郷への興味,関心が自分の中で膨らんでいくのが分かる。
「それにしてもサクラ、あなたはご両親のいいとこ取りですね。魔法も使えて剣術にも長けているなんて他に居ないわよ。」
「え、そんな・・・。ちょっと照れくさいわね・・・。でも私、あなたみたいに頭は良くないわ。妖怪って頭脳も人間よりいいって
聞くけど。」
「それはサクラが自分を半分人間と思い込むことで、知らないうちに能力を制限させていた可能性があります。
その証拠に半分は妖怪と認識しているからこそ、身体能力は人外の域まで遺憾無く発揮されています。
妖怪と魔法使いのハーフなら、知識は後付けで伸ばせられるはずよ。幸い”幻想郷”(こちら)なら、魔道書がいっぱい
あってサクラの役に立てられます。どうですか?こちらに居たくなったでしょう?」
「え・・・でも私、組織に属しているし・・・。」
何だか私、口車に乗せられている?しかし、幻想郷に興味があるのは確かだ。魔法にも凄く興味がある。
「黙ってこちらにいればいいと思います。」
「あと6日と半日程で私がここから出なかった場合、向こうから暗殺部隊が来ることになっているわ。」
「なるほど。それなら尚更、結界の綻びを後で直しておきましょう。」
何だかなぁ・・・。しかし、その前に私にはやらなければならないことがある。
「ちょっと、その前に確認したいんだけど?」
「何でしょう?」
「こちらの世界って、必ずあの形式で闘わなくてはならないの?っていうか、率直に言って殺しはあり?」
「3日前の侵入者のことね。別に暗殺しても咎められたりしないわ。戦闘は必ずしもあのルールで闘わなくてはならない、
という訳ではないです。しかし、あれは人間にとっても妖怪にとってもメリットがあり受け入れられ、”幻想郷(ここ)”で
決闘といったらスペルカードルール、というくらいに一般的に広まったのです。」
「じゃあ、私がターゲットを発見して殲滅しても問題は無いのね?」
「そうですね。特に今回は妖対妖ですし、尚更介入する者はいないでしょう。しかし、それ程にまで抹殺に拘る理由は
何なのかしら?お仕事?」
「ターゲットは人妖見境無く手にかけている猟奇殺人鬼なの。人間は26人、妖怪は2人、不明が1人の犠牲が出て
いるわ。あ、不明っていうのはクオーターかそれ以上で、人妖の区別が付かなかった人よ。表向きはみんな人間として
発表されているけど。人食いのための殺人ではなく、殺人のための殺人、狂気に囚われた犯行で世間を震撼させたわ。
被害が食い止められなかったのは、今回幻想郷に隠れているように”潜伏”する能力があってなかなか犯人が分から
なかったのよ。それで私達組織の出番ってことになったの。」
「なるほど。でもそういう手合いって、”幻想郷”(こちら)ではいずれ誰かに駆逐されるわ。」
「でも、駆逐されるまでは被害が出るかもしれないわ。”幻想郷”(こっち)では私みたいなのは余計なお世話なのかも
しれないけど、最低限任務は遂行したいわ。」
- 731 :684 その3(8/8):2007/08/01(水) 21:45:01 ID:4UPRjzqg0
- 「そう、まあ誰も止めたりはしませんから存分にどうぞ。何かあってもサクラ自身で解決して下さい。”外の世界”と違って
警察はありませんから。」
「ご忠告ありがとう。ところで・・・、さっきのスキマからまた出て行かなくてはいけないのかしら?」
「ああ、そうね。別にいいわ。この場所は幽々子も霊夢も知っていますし。それに、あなたのあの能力を使えば、黙って
いてもいずれは否応なくここが分かります。そうだわ、しばらくここを宿として使いなさい。藍に部屋を用意させておきます。
あとブーツは玄関にあります。場所は藍から教えてもらって下さい。」
「え?いいの?っていうか、何でそこまでするの?確かに、宿があるとありがたいけど。」
「そうねサクラ、あなたの首に鈴を付けておくっていう意味合いが強いかしら。まぁ、あとは私の話し相手になってくれれば、
宿泊料金は無料にしておきます。」
「私は猫かい。まあそれくらいならいいわ・・・。ところでお願いがあるのだけれど、いいかしら?」
「何かしら?聞けるものでしたら構わないですよ。」
「そう、じゃああなたのことを”紫”(ゆかり)って呼んでもいいかしら?」
「ええ、いいわ。私もあなたのことを”サクラ”と呼んでいた訳ですし。」
「よかった。じゃあここ遠慮なく使わせてもらうね。」
「いや、ちょっと待って。一つ釘を刺しておくわ。いい?藍には手を出さないこと。特に尻尾はダメです。」
「えー、ふかふかして気持ちいいのに・・・。うぅっ、仕方ないわね、その条件を飲みましょう。」
「よろしい。ああそうそう、私が寝ている時は起こさないでね。それと門限は気にしなくていいわ。藍も気兼ねなく使っていい
わよ。食事の用意から身辺のことまで必要があったら藍に言って下さい。式神ですから、疲れは感じにくいのでコキ使って
も大丈夫です。」
「・・・本当に式神任せなのね。」
こうして私は八雲家にお邪魔することになった。あとは期限内にターゲットを見つけないとね。
- 732 :名前が無い程度の能力:2007/08/01(水) 21:49:38 ID:4UPRjzqg0
- 書いてみて悩むのが八雲紫の口調。
おばさんっぽくないし、子供っぽくないし、じゃあ少女風かっていうと違うけど丁寧口調で、気だるくないけど
ハイでもなく、威圧的でも高圧的てもなく傲慢っぽくはないし・・・でも”胡散臭い臭い”。
わからん・・・
- 733 :名前が無い程度の能力:2007/08/01(水) 22:43:45 ID:Zug4lxQc0
- そのうえなんでもできるドラえもん的なところが二次においてのゆかりんにはあるから
もう扱いにくいのなんのって
- 734 :名前が無い程度の能力:2007/08/02(木) 04:23:45 ID:gPU0W32MO
- 紫香花はかなりゆかりんの口調や内面描写の参考になると思う
ただ、意外と胡散臭くない
想定外の事態にかなり弱い気もする
幽々子さまの参考にもさせてもらってる
しかし付属物が結構微妙な気がするよなアレ
- 735 :名前が無い程度の能力:2007/08/03(金) 06:07:19 ID:H.kxC8dk0
- >>731
貴方の作品大好きなんでトリップとか付けて頂けませんか?
- 736 :名前が無い程度の能力:2007/08/03(金) 07:44:58 ID:JQCLHu6g0
- 霊「こんにちはー」
霖「やあ、いらっしゃい。ずいぶん久しぶりだね」
霊「そう? 先月も来たんだけど」
霖「以前は2日に1回は来てたからね」
霊「まあ、あの頃に比べればねえ」
霖「今の生活は忙しいのかい」
霊「えー、別に。後進に神社を任せたら気楽なもんよ。人里で半農半巫女。
まあ、その半農が曲者でなかなかここに来られないんだけど」
霖「神社を守ってた時よりは忙しそうだ」
霊「そう? 周りは子供が5,6人はいて遙かに忙しそうに見えるわ」
霖「そうか。君はまだ独身なんだ。結婚する気はないのかい」
霊「んー、ないわね。その気も当ても」
霖「その気になれば当てぐらいはあるだろう。君だってそろそろ若くは」
霊「はいはい、おばさんですよ。相変わらず霖之助さんはデリカシーが無いわね」
霖「いやいや、僕は心配しているんだけど」
霊「神社の跡継ぎは拾えたからねー。子供を作る理由も特に・・・
なんなら作るの手伝ってくれる? 後まで見ろとは言わないわよ?」
霖「魅力的なお誘いということにしておくけど、断るよ。
親より先に死ぬであろう子供なんて真っ平だ」
霊「そんなんじゃ霖之助さんこそ結婚できないわね」
霖「僕は特に急ぐ必要はないし」
霊「私も特に急ぐ気はないの」
霖「そうか。これ以上押しつけるのも意味がないようだ」
霊「そうそう。ってこれじゃあ久しぶりに来たのに話題が終わっちゃうじゃない」
霖「まあ、収穫期まで暇だろうから時々くればいいじゃないか」
霊「あら、以前は来るたびにいやな顔してなかった?」
霖「君もお金を払うようになったからね。お客なら歓迎するさ」
霊「現金なのね。二つの意味で」
霖「商売人だからね、現金さ。二つの意味で」
霊「そっか。んー、じゃあ今日はお煎餅とお茶の葉でも買おうかしら」
霖「まいどあり。2点で100幻想ドルになります」
霊「はい、お釣りなしね」
霖「確かに」
霊「さーて、これからどうしよう。久々にあいつのとこでもいくかな」
霖「そういえば彼女も独身だったな」
霊「霖之助さんはあいつの方を気にした方が良さそうね。嫁き遅れたら、親父さんに
申し訳が立たないでしょう」
霖「森の奥で気ままに生きる魔法使いじゃ、お見合いもセッティングできないからなあ」
霊「それこそ霖之助さんがその気になれば、どうにでもなりそうだけど」
霖「夫より先に死ぬであろう妻はごめんだから」
霊「霖之助さんも結婚できそうにないわねえ」
霖「僕は急がないからね」
霊「あいつも急がないでしょうね」
霖「そうだろうね」
霊「みんな結婚できないのねえ」
霖「そうだね」
霊「んー、じゃあ森の嫁き遅れの所に行って井戸端会議してくるわ。年相応に」
霖「そうかい、またいらっしゃい」
霊「お醤油と味噌が切れかけてるから、明日と明後日は来るわよ」
霖「今買えばいいのに」
霊「重いじゃない。それにここに来る理由が無くなって暇になっちゃうわ」
霖「そうかい、じゃあまたのご来店をお待ちしております」
霊「じゃあまた」
- 737 :名前が無い程度の能力:2007/08/03(金) 11:10:12 ID:sUGJSOFI0
- 年食っても霊夢は霊夢だなぁ。
なんか和んだ。
- 738 :名前が無い程度の能力:2007/08/03(金) 12:28:53 ID:DCy5Gw8M0
- >>736
なんかいいなこういうのしっとりとしてて
やっぱ寿命が問題なんだよな香霖は
まあ魔理沙は種族魔法使いになれば問題解決だけど
- 739 :1/2:2007/08/03(金) 18:44:19 ID:PdVJtWdM0
-
魔法の森に射し込む陽の光には、美しいだとか眠気を覚まさせる眩さだとかそんなものとはことごとく無縁である。
欝蒼と生い茂る木々と魔力的な障害によって、かなりの量の光が遮られるからだ。
それでも、朝は来る。
カーテンに隙間があれば光が侵入してくるし、眠気が飛ぶほどではなくても「あぁ朝が来たんだ」くらいの認識は可能なのだ。
そんな魔法の森の朝、1人の魔法使いの少女が目を覚ます。
僅かな光でも美しく映える金の髪は、繊細にして華麗。
長さは肩の少し上辺りまで。
短く切り揃えられている事が勿体無いようにも思えるが、小さく整った美人顔との対比を考えるとベストと言えた。
「ん、ふわぁ」
柔らかで可愛らしく、無防備な息が漏れる。
寝間着が少し捲れ、お臍が出ていたが、はしたないと言う風ではなく、ただただ艶かしいばかりだ。
んー、と腕を伸ばす。この一瞬が、どうにも気持ちいいと感じる。
「ふみゃう」
そんな気の抜けそうな声と共に、数体の人形たちが目を覚ます。起動する。
人形の目覚めは普段使用している魔力の糸を介して彼女がそうさせるのではなく、彼女の目覚めと連動していた。
寝間着のボタンを外し、するりと小さな衣擦れの音。
人形にそれを渡すとすぐさまハンガーに通して壁にかけ、いつもの青い服を持ってくる。
黒を基調としたいかにも魔法使いっぽい服もより女の子らしい煌びやかな服もいくつも持っているが、彼女は好んでこれを着用する。
七色たる自分には湿っぽい色も派手すぎる色も似合わないと考えるからだ。
さほど主張が強くなく、さりとて地味すぎない色であり、リボンやカチューシャ等の組み合わせ如何でイメージの変えようもある。
ケープを羽織り、少しだけ逡巡する。
「ん」
人形が、少しだけ困ったような顔。
「自分で選ぶわ」
そう言うと、どこで覚えてきたのか――恐らく魔理沙あたりに刷り込まれたのだろう――格好よく敬礼をして、部屋から出て行った。
衣装箪笥の棚を開け、中を探る。同じリボンが幾つか。
その奥から、引き出す。
リボンではなく、淡いベージュのタイを付けてみた。
鏡の前に立ち、締め方を変えたり、身体を横向けにしたり屈んだり回ってみたり。
そのたびに、彼女の動きに合わせ、スカートがひらひらと蝶のように美しく舞う。
金の髪は光を撒き散らし、より美しく彩られる。
「〜♪」
いつもほどではないが、それでも予想した以上には合っていて満足する。
気分を変える目的があったから、いつもよりは少しバランスが悪いくらいで丁度良い。
次に髪を梳き、カチューシャをつけた。これは、いつもと同じものだ。
「んー……」
なんとなく、引き出しから普段は使わないヘアピンを取り出す。
小さくて飾り気のない、何の面白味も感じられないヘアピンだ。
前髪の左側を留め、耳のあたりまで流す。
カチューシャとの組み合わせを考えると微妙な気はしたが、鏡で見る自分の姿がいつもと違うのは、何となく楽しかった。
- 740 :2/2:2007/08/03(金) 18:45:00 ID:PdVJtWdM0
-
花柄のエプロンを着けてキッチンへ行くと、既に人形たちがいつでも調理出来る準備をして待っていた。
職業柄、研究に没頭して家事を人形に任せ切りにする事が多いが、出来る時は自分でするように心がけていた。
それが乙女としてのたしなみ、などと思えるほど殊勝ではなかったが、時折の炊事洗濯が楽しめる程度に家事は好きだし、得意なのである。
料理やらの失敗や成功が新しい魔法へのアイディアに繋がる事がある、と言う理由もなくはなかったが。
食パンを良い具合に焼き上げ、人形たちが準備していたコーヒーを仕上げて淹れる。
香霖堂で購入した冷蔵庫、とやらから小さな箱を取り出す。
……中身は勿論魔法で冷やしているのであって、単に冷やすものを纏めて入れておける保冷性のある物であれば何でも良かった。
それがたまたま冷蔵庫、などと言う外の世界で飲み物などを冷やすために使われるものであっただけの話。
取り出したのは、彼女が自分で作ったマーガリン。
本来はバターの代替品で安価であるはずのそれに、バター等を加え独自のアレンジを施したため、それなりに高価になった一品だ。
それでも香りや味は朝のひと時をより良いものにするために、いつの間にか彼女にとって欠かせなくなっていた。
今日は違ったが、寝不足の時に頭の回転を良くにするのにも最適だった。
多すぎず少なすぎず、ほどほどの量を食パンに塗って広げていく。
「はむ」
齧る。あくまで優雅に、淑やかに。
可愛らしく小さな口に含め、咀嚼する。
広がる味と香りに頬を緩ませた。
「んふふ〜♪」
ご満悦。
その時、騒がしさが玄関口からやって来た。
どんどんとドアを叩く音。強く叩いているのにどこか弱々しさを感じるのは、それを叩いているであろう少女の繊細さを表しているのか。
一考の価値はあったが、しかし無理に考える必要もない。
次第に弱々しさが消え、苛々が感じられてきた。なかなか誰も来ない事からだろう。
くすり、と笑みを浮かべる。無理にこじ開けようとしないだけでも、成長したと言えるかも知れない。
「はいはい、今開けるわよー」
席を立ち、玄関へ向かう。
しかし立ち止まり、また冷蔵庫を開け、何でもないただのマーガリンを取り出す。
鼻歌を口ずさみながら、今度こそ玄関へ。迷惑で、それでいて楽しくて可愛らしいお客さんを迎え入れるために。
けどまぁ、その可愛らしいお客さんは鼠みたいなものだから、与える物は安物のマーガリンで十分なのだ。
知れば「お前のだけ高いだなんてずるいぜ」などと言うだろうが、知らなければ、食べたとしても彼女の食パンに塗られたマーガリンとの違いを理解出来はしない。
そんなに大人でもないのだし。年の割りに大人染みた面もあるにはあるのだが、まだまだ味の嗜好はお子様同然なのだ。それで満足してしまうだろう。
香りで気付くには、あと10年も20年も早い。
扉を開ける。少し眠そうな、自分で作るのが面倒だから朝飯を頂きに来たぜとばかりの顔をしている、白黒い人間の魔法使いが居た。
迎え入れる。与える朝食は拒絶にも近いものなのに、嬉しそうに迎え入れる。
こうして、アリス・マーガトロイドの一日が始まる。
――――
うむん、このスレは初投下なのでなんだかそーそわよりも緊張するです。
アリスの名前がマーガリンっぽいのと(マテ)”魔理沙よりは”大人なアリスが書きたかったのでこんなのに。
少しでもアリスの事を可愛く思っていただければ幸いです。
- 741 :名前が無い程度の能力:2007/08/04(土) 17:30:36 ID:6kPSBPo2O
- >>740
GJ!
某スレで気分の悪くなるアリスと魔理沙のSSを読んでしまったので
実に良い気分転換になった。ありがとう。
- 742 :名前が無い程度の能力:2007/08/04(土) 18:06:00 ID:ogyWgg8o0
- 前半は余計だ
- 743 :名前が無い程度の能力:2007/08/05(日) 06:31:55 ID:1lRcEtIA0
- >>741
多分いぢめスレだろうな。それじゃあ自業自得と言う奴ですよ。
それとあのスレは隔離なのでこの話題はここで終了
- 744 :684 その4(1/6):2007/08/06(月) 21:29:03 ID:Z3bmyOuI0
- 「ところでサクラ、あなたは人間は食したことがあるのかしら?」
すごい質問が飛んできた。
いや、確かに私は半分妖怪だけれど、今まで食べたことがなく、”人喰い”そのものが他人事というかお伽話での出来事
のような気がしてならない。任務でその手の事件に何度も出くわしてはいるのだけれど・・・。
恐らく、これが自分をあまり妖怪と自覚していない原因の一つではないか、と思っている。
「いえ、一度も無いわ。でも、子供のころに食事にこっそり仕込まれていた、っていうのなら分からないけど。」
「それは無いわね。子供なら普通の食事で事足りるから。問題は成長してからよ。成長するにつれ妖力が必要になって、
人間を取り入れないと活動できなくなるの。でも、半人半妖で且つ戦闘能力の無い場合は、普通の食事でも十分生きて
いけます。でも、サクラみたいな戦闘能力に秀でている場合は別よ。例え半人半妖でも、人を断った場合は身体能力が
並の人間以下まで低下してしまう。」
「へぇー、大変なんだね。妖怪って。でも私は食べてないわ。ああ、でも肉は好きかな。今だとマク○ナルドのチキンと
トマトのサンドがお気に入りよ。」
「そう。そうとなると、やはり魔法使いとしての部分が働いている可能性が高いわ。体内で魔力を妖力に変換する機能が
あるようね。なかなか興味深いわ。」
マク○ナルドがスルーされたっ。食いついてくると思ったのに・・・。
「”幻想郷”(ここ)に私みたいな人っていないの?半人半妖だっているんだし。」
「いない、ということはないと思うけれど。居たとしても、妖怪としての能力に気づかず、普通に魔法使いとして暮らして
いる可能性が高いわね。あなたのように、人喰いが必要ないとすれば尚更。
それに、そもそもハーフ自体がレアケースなの。まず、妖怪って人間に比べて極端に生殖能力が低いの。これが恋愛
感情をあまり持たせないことに繋がっているのよ。だから実際は、妖怪の周りで色恋沙汰って殆ど無いの。
それに加えて、魔法使いの存在ね。魔法使いって、館に篭って研究ばかりしているケースが殆どなの。
しかし、恐らくあなたもご存知の魔理沙みたいに、比較的外に出ている魔法使いもいるわ。でも、やはりこれは例外。
こんな感じですから、カップルになる確率もかなり低いでしょう。跡取りが欲しい場合、魔法使いはどこからか養子や弟子
を取るのが一般的です。」
確かに、私みたいのが生まれたとして、魔法を扱えると分かればそっちを伸ばそうとしてしまうわよね。普通は。いくら
身体能力が高いといっても、鍛錬しなければ”ちょっと運動神経がいい”程度にしかならないし。
「どこかにいないの?気の扱いに長けた魔法使いとか、体術に長けた魔法使いとか、剣術に長けた魔法使いとか。」
「はい、居ますよ。ここにね。ふふふ。」
はあ・・・、二次設定だとアリスが蹴リスって言われるくらい丈夫って話だけど、まあ実際は違うだろうね・・・。
「ところで、これからどうするの?私は少し散歩してから寝ようと思っているわ。」
部屋にある時計を見ると、もう4時を回っている。そういえば妖怪って基本的に夜行性だったわね。
「そうね、ちょっと仮眠を取らせて頂こうかしら。捜索は日が昇ってからにするわ。
”幻想郷”(ここ)の地形や配置といった諸々の事を知りたいし。私の”探査”も万能じゃないから。」
「そう、では藍に案内させましょう。藍!」
「はい、お呼びでしょうか。」
藍はすぐに来た。ずっと控えているのだろうか。大変ねぇ・・・。
「サクラを案内して。サクラ、何かあったら藍に言って頂戴。私は、もうしばらくここでお茶を飲んでからにするわ。」
「それじゃあ失礼するわね。」
「ええ。ごゆっくり。」
紫の家は武家屋敷のようだ。武家屋敷って廊下が無いことが多いけど、ここは屋敷の中央付近に廊下があり、廊下の
左右に部屋が配置されている。部屋は十を越えるようで、平屋ながらかなり大きい屋敷だ。廊下にもオイルランプが
灯っていて、結構いい雰囲気だ。先ほどの紫と話していた部屋が座敷のようで、広い縁側を挟んで手入れの届いた
庭がある。今は7月の終わりだから座敷の縁側は戸を開け放っている。いつの間にか虫の音も静かになっていた。
しかし、山の中にこの屋敷って取り合わせがどうも不自然ね。境界を操って、どこからか屋敷ごと持ってきたのかしら?
- 745 :684 その4(2/6):2007/08/06(月) 21:29:37 ID:Z3bmyOuI0
- 「ではこちらへ。」
藍が私の前を歩き、屋敷内を案内する。今!私の目の前には!!あのふかふかな尻尾が!!!・・・、涎が出そう。
「こちらがサクラ様のお使いになる部屋になります。」
奥の客間に通される。部屋は8畳で、奥行きのある床の間に立派な床柱、違い棚の床脇棚など、とにかく立派な造りだ。
これって本床の間って言ったっけ。実質的に10畳以上あり広々している。この部屋も障子戸を隔てて立派な縁側がある。
床の間には掛け軸があり、花が活けてあった。
「何かご用がおありでしたら、私の名をおっしゃって頂ければ直ちにお伺い致します。」
「それじゃあ、あなたのことを”藍”(らん)って呼んでいいのかな?」
「はい、どのようにお呼びになられても問題ございません。」
「じゃあ、テンコーとか?」
「・・・はい?それは何か・・」
「ああーっ、何でもない何でもない!今のは気にしないでっ。じゃ、じゃあ”藍”(らん)って呼ぶね。」
さすがに藍は知らなかったようだ。よかったよかった。でも紫なら知っていそうだな。もふもふを知っていたし。
しかし、喋り方がやけに丁寧ね・・・。確か、もっとフランクな喋り方じゃなかったかしら?
「ねえ、ひょっとして私を攻撃するな、みたいな命令受けている?」
「はい。それと客人に失礼の無いようにと。」
「なるほど。ああ、でも言葉遣いは普通でいいよ。」
「そうですか、ではそのように。ところでモーニングコールは必要?あと食事はどうする?和食?洋食?」
「そうね、6時に起こしてもらおうかしら?仮眠ってあまり長くてもね。食事はお任せするわ。特に嫌いなものも無いし。」
「わかったわ、じゃあ何かあったら呼んで。」
そう言って藍は下がっていった。
朝食は和食だった。漬物や川魚はともかく、海苔があった。やはり塩とか”外の世界”と物流がありそうね。
そうこうして、時刻は午前8時になろうとしていた。ジリジリと温度が上がり始め、セミも鳴き始めていた。
私が出発しようとすると、藍がちゃんと送ってくれた。あぁ、つくづくこんな式神が欲しいと感じたわ。
さて、どうしようか。まあ何にしても基点があるとやりやすい。東端にある博麗神社を基点にするとしますか。
紫の家は博麗神社から北の方にある。正確な地図がないから分からないけど、数十km離れているらしい。
まあこれくらいなら、亜音速で飛んでいけばものの数分だ。まずは博麗神社に行くことにした。
博麗神社は山の頂近くにあるので、見当付けて飛んでいれば十分に分かった。私は神社の境内に下りた。
”外の世界”の博麗神社はこぢんまりとした社と小さめの鳥居があるくらいで、苔が生えていたりして結構朽ちていた。
境内といえるものも無く、はっきり言えばボロ小屋だ。対して”幻想郷”(こちら)の博麗神社は社も比較的大き目で、境内
も広く立派だ。ここの林もセミの声で賑やかだ。少し歩いてみるが、霊夢に会うと賽銭を強要されそうなので会わないで
おこう。どうせ”幻想郷”(こちら)の通貨は持ってないしね。
”探査”(サーチ)
まずはここからスタート。この辺って霊山か何かじゃなかったのかしら?なのにやたらと妖怪がいるわね。霊夢はこの社の
縁側で「暑いわねぇ・・・」と言いながら呆けて座っているようだ。いや、本人の名誉のために休憩していると言っておこう。
でもまだ朝だよ。朝でこんな感じでは昼間には溶けちゃうよ。そうしてこのエリアを視ていると、ふと違和感に気づく。
「あ、あれ?範囲増えてる?」
昨夜の時は気づかなかったけれど、感覚がどこか違う。正確に距離を測る。1200,1300,1400,1480・・・1482。
んー、惜しい。1500にはギリギリ届いていないが、・・・いや、しかし2割はアップしている。これが”外”と”内”の差なのか。
しかし、索敵範囲が増えたのは素直にうれしい。何せ”幻想郷”(ここ)は直径150kmはあろうか広大な空間だ。そこを直径
3km程の球形の範囲で索敵しなければならない。しかも、移動しながらだと端の部分は見過ごしやすいから、ある程度は
重複して捜索しなくてはならない。
まあ、それでも前よりは作業量が減るよね。えーと、これを時速80kmで移動したとして何時間かかるんだ?日没まででは
足りない感じがするなぁ。こういう計算って紫や藍は出来るんだっけ?すごいね、一家に一人欲しいね。特に藍。
しかし、これだとあまりゆっくりもしていられないわね。まあ、飛ぶ速度は進捗をみながら調整しましょう。
私は博麗神社から西へと捜索を開始した。
- 746 :684 その4(3/6):2007/08/06(月) 21:30:15 ID:Z3bmyOuI0
- そうして1時間を過ぎた辺りで、1000〜1100m後方にピッタリ付いてくる妖怪が現れた。速度は今94km/hで飛んでいる。
この辺は田園地帯だが私は高度100m程、向こうは高度18m程の超低空飛行だ。高度差を利用して隠れているつもり
なのだろう。しかし、向こうに殺気等は感じられず、攻撃の意思も無いようなので放っておいたけど、かれこれ30分は経つ。
野次馬の類では無さそうなのは確かね。私を偵察しているのだろうか。何か知っているかもしれないし、聞いてみるのも
手か。でもこういう手合いって、こちらが感づくと逃げる場合が往々にしてあるのよね。
ならば全速力で捕獲するのみ。私は”探査”を解き180°クイックターンした。そして超加速で妖怪に近づいて声をかけた。
「ねえ、ちょっと。」
「わっ、バレた。」
すると向こうもターンして急加速して逃げ始めた。疾(はや)い。只者ではないよね。”ただの野次馬”じゃないよね。コレ。
妖怪は黒髪のショートで白いブラウスっぽい上着に黒いスカート、そして小さな赤い帽子を被っている。背中には黒い翼が
生えていのが見える。まあ女性だろうね。こんな人いたっけ?東方って永夜抄までしかやってないからなぁ・・・。
しかも全て1面で挫折したので、やっているうちに入るのかちょっと疑問だけど・・・。
「ちょっとぉーーー!何で逃げるのぉーーー?!」
大声で話しかける。まあこの速度域だと声が聞こえているか怪しいけど。黒髪の女の子はチラっとこちらを見ると、さらに
加速しながら上昇する。今400km/hに達しようかという速度なのに、2段,3段ブースターでも付いているの?
こちらも負けじと加速する。
「ねえっ?!」
ちょと怒鳴る感じで声をかける。もう600km/hを超えた。黒髪ショートはまたチラっとこちらを見ると、驚いたように言った。
「うわっ、結構速い。」
すると一気に加速し始めた。何なのよこの人・・・。そうしてお互い加速している内に、もう亜音速を超え900km/hをも超え
ていた。さすがに私でもこれ以上は厳しい領域だ。
今まで直線的に飛んでいた黒髪ショートは、急に旋回を始め出した。ドッグファイトでもやろうってか?
しかし、この速度域での急旋回は、体にとてつもない負荷が発生する。旋回する度に体が軋むようだ。その加速度は
”気”を巡らせていなければ、簡単にブラックアウトする程だ。全く彼女はいったいどういう体の構造をしているのだろう?
右旋回しつつ下降、地表十数mになり、私達の通った後は田んぼの水や泥が盛大に巻き上げる。我ながら正気じゃない。
上昇しつつ左また右と旋回する。急旋回のため二人とも空に白い軌跡を描いている。今度は場所を山の方へ移しながら
高度を上げる。
1130km/hで加速が飽和気味の私に対し、彼女はまださらに加速しているようで、離されていく速さが増していく。
ちょ、ちょっと、まさか音速に達するとかいうギャグは無いよね?第一、この速度域でどうやって体を守っているのだろう?
私は”気”を防御形態のように体に張り巡らせて風圧から逃れているが、それでもこの速度域が限界だ。
彼女をよく見てみると、体の周囲に空気の壁らしき境界が見える。空気とか風といったものを操っているということか?
私も風系列の魔法を操れれば速度が伸びるのだろうか?これも研究してみたいところだが・・・。
彼女はチラっとこちらを見ると、今度は急降下する。向かった先は林の中だ。ここで逃げ切ろうという算段か。
だが私の機動力をなめてもらっては困る。受けて立とうじゃないの。
この辺一帯に生えている木は杉ではなくブナで、20mは優に超える大木が集まっていて壮観だ。
”外の世界”ではこれが杉林に置き換わっているけど・・・。
- 747 :684 その4(4/6):2007/08/06(月) 21:31:01 ID:Z3bmyOuI0
- 林の中では、さすがに先ほどよりかなり速度が落ちているが、それでも200km/h近い非常識なスピードでドッグファイトを
行っている。迫る幹を避けまくりながら、凄まじい勢いで木の葉と土埃を巻き上げる。森の住人の皆さんゴメンナサイ。
機動力は向こうの方が上手か?私は彼女の後ろを付いていくのがやっと、というのが本音だ。
「っ!!!」
咄嗟に彼女とは別の方向に避ける。彼女と同じ軌跡を描けない?仕方なく右後方あたりに離れて様子を見る。
しかし、彼女の超旋回で時々見失いそうになる。観察していて分かったが、彼女は直角に近い角度で旋回している。
しかもこの速度域で。なんて機動力だ。っていうか非常識だよ、アンタ。
チラチラっとこちらを確認する動作が忙しない。どうやら彼女は焦っているようだ。機動力では上のはずなのに、実力差を
把握していないように見える。
まあ確かに後ろにぴったり付かれると、あたかも相手の方が実力があるように感じてしまうものだ。(出典:某××D)
彼女はこういった経験があまり無いのかもしれない。観念したようで急上昇し、林から離脱する。すると、また超加速で
スピードを上げ亜音速に達する。
私も必死で加速するが、加速勝負でも速度勝負でも敵わない相手だ。さてどうしたものか・・・。
すると、彼女は進行方向は変えずクルっとこちらを向く。
「ご、ごめんなさいっ。」
この速度域だと轟音で声は聞き取れないのだけれど(+”気”の壁で音をカットしている)、確かにそう言った気がした。
そして、手にした葉っぱとも羽ともつかない何かを思いっきり仰ぐような動作をした。
まずい!!!
私は急制動をすると同時に、腕を顔の前にクロスさせ脚も屈めて防御姿勢を取る。そして全ての”気”を防御に当てる。
ごがぁぁぁーーーーーん!!!
物凄い轟音が耳を劈くとともに、とてつもない衝撃が全身を襲い後ろに吹き飛ばされる。
「くっっっ!」
衝撃の正体は圧力を伴った烈風のようだ。速度が音速に達していないだけで、性質は衝撃波に非常に近い。
あのままスピードを落とさず突っ込んでいたら、こちらがバラバラになっていたところだった・・・。
轟音が止んだので防御姿勢を解き辺りを見回すと、彼女の姿はもうどこにもなかった。
「・・・・・・。」
言葉にならず、私はしばらく空中で呆けていた。
「ふぅ・・・。」
少し経ってやっと心が落ち着いた。しかし、とんでもない機動力の持ち主が居たものだ。”外の世界”では私の右に出る
者は居なかった。さすがに世界は広いわ・・・。
”幻想郷”(ここ)には本当にいろんな人が居そうね、面白そうだわ。でも今はターゲット発見が先決ね。
しかしデタラメに飛んでいたおかげで、今どこに居るのかさっぱりになってしまったわ。
ゆっくり辺りを飛んでいると、向こうの谷のほうに黄色い花畑が見えてきた。何か花の背が高そうな・・・。近づくとそれは
辺り一面の向日葵畑だった。すごく綺麗だが・・・、ここでハッとする。
やばっ!!!
心の中で舌打ちをする。急いで”探査”を展開する。呆けて解除したままだった。迂闊にも程があるぞ、私。
いくら私でもこれくらいは知っている。”季節の花の妖怪”(四季のフラワーマスター)の存在を。
視てみたが、この花畑と近辺には妖怪1匹すらいなかった。気配も同時に探ぐったが何も無かった。まずは安心だ。
神秘が残されているとされる”幻想郷”(こちら)では、向日葵が日の方向を向くのは妖精達の仕業と聞く。
妖精がいるというのなら妖精の気配もあるのだろうが、”外の世界”に居なかっただけにどういった気配か分からない。
それは追々習得していくとしよう。
誰も居ないのが分かると、私は向日葵畑に下りてみた。今までこんなに群生しているのを見たことがなかったので、
新鮮な気持ちだった。向日葵といえば小学校の花壇にあったのを思い出すくらいだ。
向日葵は大きく2mくらいはありそうだった。長身の私でも見上げる位置に花がある。ああ、私は身長が172cmある。
高校生の時点で148cmだったから、もう背が伸びることは無いと思いきや、それから20年程かけて今の身長に至った。
胸のサイズも当時とは違う。ホント、妖怪って成長が遅いのね。これが、人間社会の中で暮らすのが難しい理由の
一つになっている。中高生まではちょっと成長が遅いとか童顔で済まされるけど、そこから先は難しい面が多い。
まあ、それは置いといて。
- 748 :684 その4(5/6):2007/08/06(月) 21:31:44 ID:Z3bmyOuI0
- 私は黄色と緑のコントラストに魅入られ、しばらく歩き回った。青空とのコントラストも美しい。今まで花ってあまり見向き
しなかったけれど、結構いいものなのね。
次の瞬間、”探査”内にゴリっとしたようなザラついた感触を感じると同時に、私のすぐ後ろに物凄い”重圧”(プレッシャー)
が”いきなり”出現した。
紫の時に体験したから、この”重圧”の意味は分かっている。これは妖力であり妖圧だ。それらが桁違いなのだ。
しまった。そもそも、ここ一帯に妖怪1匹すら居なかったのに何故違和感を感じなかったのか。紫の家の近辺一帯が
”そうである”ように・・・。まさか、向日葵はまやかしだったのだろうか?
「ここの向日葵を気に入ったのかしら?」
”それ”は明るく世間話でもするような口調でそう言った。背中に冷たいものが走る。紫の時と同様にゆっくりと振り返る。
まず目に入ったのは白い日傘。緑の髪、紅い瞳、赤いチェックの服、赤いチェックのスカート。そして、屈託の無い表情。
紫で慣らされた為か、この”重圧”を前にしてもまだ冷静でいられる。私は素直に答えた。
「ええ、とても綺麗で見入ってしまったわ。」
「そうでしょう。ここは”幻想郷”でも随一の見所よ。”外の世界”の人にも気に入って頂けて嬉しいわ。」
「え?何故それを知っているの?」
もしかして”幻想郷”(こちら)に入ると、”外の世界”の存在って分かる目印みたいのが付くのだろうか?
「もう噂は広まっていますよ。”あの”八雲紫に勝ったとか、八雲亭を拠点にしているとか。」
「別に拠点ってわけじゃないですよ。ちょっと泊めさせて頂いているだけです。って、何よその噂。」
「あら?それを問い詰めていたのでは無いの?さっきの追いかけっこは。」
「・・・は?」
「これ書いたの、あの鴉なんだけど・・・。やはり”外の世界”に居たら知らないわよね。」
と言って、紙切れを私に渡す。
『”文々。新聞 号外 水無月16日号” 外界からの来訪者、八雲紫と戦闘し勝利する』
という見出しの新聞だ。何これ?昨夜の戦闘シーンと、目線は合っていないが私のバストアップの写真が載っている。
いつの間に撮ったのよ?確かにあの場所に移っていた時は”探査”は解かれていたけど・・・。
写真は望遠レンズで撮ったようなのだがブレが無く、高感度フィルム特有の粒子はあるものの鮮明だ。
号外には『外界の来訪者(妖怪?)は、数々の剣技で弾幕さえ薙ぎ払い、八雲紫を圧倒した。』とか書かれている。
しかし、その後の方に『目的は幻想郷の制覇か?文々。新聞は彼女の動向を追っていく。』とか書いてあるし・・・。
「アホか・・・。」
「本当に知らなかったのね。でももう”幻想郷”全体に配られているわよ。良かったじゃない、これで一躍有名人よ。」
「もう”幻想郷”(ここ)全体に配ってるって何なのよ。」
って、向こうが終始にっこり顔で話すものだから、つい世間話モードに突入してしまった。しかし、こうやって話している
間もずっとこの嫌な感じの妖力は変わっていない。下手に刺激しなければ戦闘モードにはならない、と願いたいが。
しかし、なぜ”いきなり”出現した?私は率直に聞いてみた。
「ところであなた、なぜ”いきなり”現れたの?紫のように空間でも渡った?」
「私にそんな能力無いわよ。ただ、鴉天狗と追いかけっこしている面白そうな”対戦相手”(ひと)がいるから、ちょっと
気配を絶って様子を伺っていただけよ。何か変な能力も使うと聞いたから、妖気も絶っていたわ。
しかし、あの鴉天狗と追いかけっこが出来るなんて、ここ”幻想郷”でもそういないわ。あなた、本当に面白そうね。」
妖気を絶っていたって?だからと言って・・・。
- 749 :684 その4(6/6):2007/08/06(月) 21:32:17 ID:Z3bmyOuI0
- この”探査”は元々人間が編み出したものだ。範囲内の動くものや”気”等を感じ取ることができる。例え気配を完全に
断っても、”気”は体内を巡っている。これは生きている以上避けられない。それこそ心臓でも止めない限り無理だ。
”探査”はこの”気”でさえ感知するので、基本的に範囲内に居たら発見を逃れる術は無い。
しかし、妖気を断ったからといっても、そこに存在している以上、反応してもいいものだが・・・。そうか、”気”の有り方が
違うのか。普通にしている時は、妖気をそのまま”気”のように感じ取っていただけなのかもしれない。だから絶たれると
反応できなかったか。”探査”は元々対人用のスキルのため、妖怪には精度が悪い可能性もある。
そうとなると、今私がやっている捜索は無意味だな・・・。
「ところであなた、スペルカードは持っているの?八雲紫と対戦したのなら持っていたのかしら?でも”外の世界”では
概念そのものが無いって聞いていたけど。」
「スペルカードは持っていないわ。紫とは、向こうはスペルカードルール、こっちはルール無しの戦闘だったわよ。」
「そんな方法で?全く八雲紫は何考えているか分からないわね。そう・・・、持っていないのね・・・。」
フラワーマスターは落胆しているような感じだ。辺りの”重圧”が一気に引く。
「興が削がれたわ。全く・・・。”幻想郷”(ここ)にいるのなら、スペルカードの一つは持っておきなさいよ。
八雲紫を突破するだけの実力があるのだから、どれ程凄いスペルカードを持っているのかと思ったのに。残念だわ。」
ふう・・・。これは戦闘回避かな。スペルカードが無いのならルール無しで、って来られたらどうしようかと思った。
「ん?まさかルールの無い方法で闘うとでも思ったの?浅はかね。そういうのは下等な雑魚同士がやるものよ・・・。
それに、あなたとそんな方法で闘えば、ここ一帯の地形が変わって花畑が失われてしまうわ。それこそ無粋ね。」
強い妖怪程、戦闘をゲーム化してルールを決める傾向にある、と聞いていたけれど。ルールや制限があるからこそ興が
乗るといったところか。しかし地形が変わるって・・・。
「あと気になっていたけれど、私の妖気を感じて随分緊張していたようだけど、あなたも同類であることをお忘れなく。
あなたの”重圧”は、研ぎ澄まされた刀といったところね。”外の世界”は鈍らばかりで分からなかったのかしら?
自分の立場っていうか実力は弁えて欲しいわね。興が醒めてしまうわ。まあ、増長されても興醒めだけど・・・。」
って、言われてもねぇ・・・。フラワーマスターは何やら嫌味っぽく捲くし立てる。
「刀・・・ねぇ・・・。」
「ああ、そうそう、まだお互い名乗っていなかったわね。私は風見幽香よ。幽香でいいわ。」
「私はサクラ。コードネームですどね。苗字は無いわ。」
「コードネーム?本名は無いの?」
「もうかなり昔に捨ててしまったわ。」
「そう・・・。それにしてもすっかり世間話になってしまったわね。まあ、スペルカードが用意できたら相手になってあげるわ。
いつでもいらっしゃい。ああ、向日葵をまだ見ていたいのならご自由にどうぞ。私はどこかに行っているわ。じゃあね。」
そう言って向日葵畑の中に消えていった。本当に強い者にしか興味が無い、って感じね。
・・・って、まだ消えてもらっては困ることが。
「ああっ!!ちょっと待ったっ!!!」
「・・・もう、何よ。」
「あのぅ、博麗神社ってどっちの方角かしら?」
「何よ、迷子なの?世話が焼けるわね・・・。あっちの方角よ。あのなだらかな稜線の山を越えれば分かると思うわ。」
「おおっ、ありがとう。」
「どういたしまして。」
「それじゃあね。」
「ええ。」
私は言われた方角に向かって飛ぶ。振り向くと幽香は軽く手を振った後、今度こそ向日葵畑の中に消えていった。
ふと辺りを見渡す。やはり黄色と緑のコントラストが綺麗だった。ご自由にって言ってたし、向日葵の季節が終わるまで
毎日来てみようかしら。次は冷たいお茶とチェアでも持って来てもよさそうね。
- 750 :名前が無い程度の能力:2007/08/06(月) 21:44:12 ID:Z3bmyOuI0
- 本当に文って羽あるのかな?まあ、あった方がかっこいいなってことで。
- 751 :名前が無い程度の能力:2007/08/07(火) 12:36:32 ID:f7MzlGw60
- >>749
あなたの文章すごく好みなのでトリップつけるかコテハン名乗ってくれませんか?
検索して探しやすくしたいので
- 752 :名前が無い程度の能力:2007/08/07(火) 12:42:59 ID:ZMiBJeYU0
- このスレでそれは無しじゃないかな。
- 753 :名前が無い程度の能力:2007/08/07(火) 12:47:59 ID:aDs2Oj2w0
- 題名を名前欄に入れるのはどうだい
- 754 :名前が無い程度の能力:2007/08/07(火) 15:23:12 ID:oRN44Suw0
- 長期連載で数レスに渡るのなら、
トリかコテはつけて欲しい。
色々と便利だし、色々と。
- 755 :名前が無い程度の能力:2007/08/07(火) 17:55:11 ID:TEjFdylQ0
- 匿名でいいんだってば
- 756 :名前が無い程度の能力:2007/08/07(火) 18:50:58 ID:7R1cIHFM0
- ああ、なるほど。色々と。
確かに便利かもね、色々。
- 757 :名前が無い程度の能力:2007/08/07(火) 19:15:16 ID:9xySpmd60
- うん、便利だね。色々。
- 758 :名前が無い程度の能力:2007/08/07(火) 19:16:09 ID:NRoDWXkM0
- ああやっぱりそうか大人気だったんだな
そりゃ便利だ。色々。
- 759 :名前が無い程度の能力:2007/08/07(火) 19:50:53 ID:hxwUTp02O
- いいね、色々と。
- 760 :名前が無い程度の能力:2007/08/07(火) 21:01:45 ID:NwyD173U0
- 確かに、色々と、便利だな。
- 761 :名前が無い程度の能力:2007/08/07(火) 22:00:56 ID:lvjW.1mY0
- オレも>>749の文章好きだからトリかコテ付けてくれるとありがたいな。色々と。
- 762 :名前が無い程度の能力:2007/08/07(火) 22:13:23 ID:VTpfZO4o0
- むしろお前らがトリップつけて欲しい
- 763 :名前が無い程度の能力:2007/08/07(火) 22:46:02 ID:SWtg0z0Q0
- それはそうと俺はアダルト幻想郷の新作を期待して
毎日ここをのぞいてしまうんだぜ
- 764 :レミリアVS海馬(1/2):2007/08/08(水) 00:00:17 ID:ALLV1N5w0
- レミリアVS海馬
レミリア「最近暇ね……、咲夜」
咲夜「はぁ……お嬢様、私の手品に何か気に入らない点が?」
レミリア「完璧よあなたの手品は、特に門番のナイフ刺し……あれはいいわ、だけど」
咲夜「……だけど?」
レミリア「さすがに飽きたは……なにか他のものは内の例えば」
紫「外の人間とか?」
レミリア「あら? 隙間妖怪……珍しいわね、でその人間って?」
紫「ここにいるわ」
海馬「……どうでも良いが、そこの胡散臭い女! 早く俺を元の場所に帰してくれないか?」
紫「だ〜め、あなたはこのレミリアの暇つぶしをしなくてはいけないの」
海馬「こんなガキの子守をしろと!?」
レミリア「ガキとは笑わせてくれるわね、私から見たらあなたは十分子どもよ」
海馬「フン! だが俺は只では相手はせん!」
レミリア「?」
海馬「この屋敷をかけよう、もしそこのガキが負けたらこの館は俺がもらって有効活用するその代わり俺が負けたら……」
レミリア「負けたら?」
海馬「お前の下僕になる、まぁこの俺が負けることは万に一つも無いが」
レミリア「わかったわ、後私はレミリア・スカーレット……忘れないでね」
海馬「では決闘開始!」
レミリア「……」
海馬「どうした? 怖じ気づいたか?」
レミリア「……ルール教えて」
一同『……』
〜ルール説明中
海馬「それでは俺のターン、ドロー! 俺はカードを2枚伏せ、ブラッド・ヴォルスを攻撃表示で召喚!……ターンエンドだ」
レミリア「私のターン、ドロー……運命が見えるわ!」
海馬「何の運命だ? 貴様が負ける運命か?」
レミリア「いいえ……あなたが負ける運命よ、私はダブルコストンを守備表示で召喚、さらに永続魔法カード「デーモンの宣告」発動! このカードはライフを500ポイント払いカード名を一個宣言、当たっていたらそのカードを手札に加える」
海馬「なに!? まさか貴様!」
レミリア「私は「永遠に紅い幼き月 レミリア・スカーレット」と宣言!……当たってるわよね?」
海馬「くっ……」
レミリア「カード一枚を伏せ、ターンエンド」
海馬「バカな! 本当に運命が見えてるとでも言うのか!?」
レミリア「見えるわよ……、さああなたのターンよ」
海馬「俺はジャイアントウィルスを守備表示で召喚! ブラッド・ヴォルスでダブルコストンを攻撃!」
レミリア「それも読んでた! 罠カード「リビングデットの呼び声」でダブルコストンを攻撃表示で召喚」
海馬「……ターンエンド」
レミリア「私のターン、ドロー! ダブルコストンを生け贄に捧げ永遠に紅い幼き月 レミリア・スカーレットを召喚!」
永遠に紅い幼き月 レミリア・スカーレット
ATK2800 DEF1000 LV8 闇属性 悪魔族
効果:相手のドローフェイズ時、魔法、罠、モンスターの内一種類を選択する、相手がドローしたカードが選択したカードの時、
相手は1000ポイントのダメージを受ける。
レミリア「私は永遠に紅い幼き月 レミリア・スカーレットでブラッド・ヴォルスを攻撃!「バットレディスクランブル」
海馬「……く」(LP4000→3100)
レミリア「さらに私はデーモンの宣告の効果発動!「神槍 ランス・オブ・グングニル」よ」
神槍 ランス・オブ・グングニル
装備魔法
このカードを装備したモンスターの攻撃力は800ポイントアップする。このカードがフィールド上で破壊されたとき相手の手札からランダムで1枚捨てる。
スタンバイフェイズ時ライフ1000ポイント払うことでこのカードを破壊する事ができる。
海馬「くそ……当たってる」
レミリア「私はこのカードをレミリアに装備、さらにカードを1枚伏せターンエンド」
- 765 :レミリアVS海馬(1/2):2007/08/08(水) 00:02:48 ID:ALLV1N5w0
- 海馬「俺のターン、ドロー……」
レミリア「この瞬間、レミリアの効果発動! ドローするカードは魔法カード!」
海馬「くそ……、俺は魔法カード「黙する死者」発動、ブラッド・ヴォルスを墓地から守備表示で特殊召喚……」
レミリア「私のターン!……罠カード「徴兵令」発動! さあデッキを一枚めくりなさい」
海馬「……ッ!」
レミリア「どうやら図星みたいね、ずばり! そのカードは「青瞳の白龍」!」
海馬「ふざけたまねを……!」
レミリア「青瞳の白龍を私の場に特殊召喚! そしてあなたの場の守備表示のに攻撃!喰らいなさい「滅びの疾風烈風魔弾」!」
海馬「く……」
レミリア「さらにレミリアでジャイアントウィルスに攻撃!「バットレディスクランブル」!」
海馬「ジャイアントウィルスの効果発動、貴様に500ポイントのダメージをあたえ、さらにデッキからジャイアントウィルスを2体攻撃表示で特殊召喚」
レミリア「フフフフ、その程度のダメージどうって事無いわ……、私はモンスターカード「赤い霧」を召喚」(LP3000→2500)
赤い霧
ATK0 DEF0 闇属性 悪魔族
効果:自分の場にこのモンスター以外の闇属性のモンスターがいるとき、闇属性以外のモンスターかこのモンスターしか攻撃対象に出来ない。
このモンスターが受ける戦闘ダメージは0となる。
海馬「攻撃力0のモンスターだと!? 貴様なめてるのか?」
レミリア「なめてないわよ? ……このカードが場にある限りレミリアは無敵よ、さらにカードを伏せターンエンド」
海馬「俺のターン、ドロー……」
レミリア「この瞬間、レミリアの効果発動! ドローするカードはモンスターカード!」
海馬「……」(LP2100→1100)
レミリア「さらに神槍 ランス・オブ・グングニルの効果発動、ライフを1000ポイント払うことで、あなたの手札を一枚墓地に送る、もちろん墓地に送るのはさっきドローした「青瞳の白龍」!」(LP2500→1500)
神槍 ランス・オブ・グングニル
装備魔法
このカードを装備したモンスターの攻撃力は800ポイントアップする。このカードがフィールド上で破壊されたとき相手の手札からランダムで1枚捨てる。
スタンバイフェイズ時ライフ1000ポイント払うことでこのカードを破壊する事ができる。
レミリア(ATK3600→2800)
レミリア「仮にも決闘王のライバルと言われたあんたが……形無しね?」
海馬「フン! この俺が敗北する運命でも見えたのか?……だとしても俺は認めん!」
レミリア「……」
海馬「俺の運命は俺の手で決める、貴様みたいな日の光におびえるようなヤツにこの俺の運命をもてあそぶ権利はない!」
レミリア「だったらこの状況どうにか出来るの? ……出来ないわね、なぜなら! 永続罠カード「赤い霧の悪夢」発動」
赤い霧の悪夢
永続罠カード
場に「赤い霧」があるとき「永遠に紅い幼き月 レミリア・スカーレット」、「悪魔の妹 フランドール・スカーレット」は破壊されない
レミリア「これでレミリアは無敵よ!」
海馬「フン! その言葉使用した事を後悔させよう! 俺は場の2体のジャイアントウィルスを生け贄に……いでよ「青瞳の白龍」!」
レミリア「どうするつもり? あなたはレミリアを攻撃できない……って、まさか!」
海馬「(許せブルー・アイズ……)貴様の場の「青瞳の白龍」に攻撃!「滅びの疾風烈風魔弾」!」
レミリア「バカな相打ち狙い!?」
海馬「フン! 凡人はこれだからな」
レミリア「どういう意味かしら?」
海馬「見せてやろう……この俺の怒りを!ブルー・アイズの怒りを!……手札から「龍の鏡」発動!このカードは墓地にあるドラゴン族を融合召喚できる」
レミリア「ま さ か !」
海馬「そのまさかだ! いでよ「青眼の究極竜」!さらにライフを1000払い、速攻魔法「融合連撃」発動!」(LP1100→100)
融合連撃
速攻魔法
スタンバイフェイズ2の時、1000ポイント払うことでもう一度バトルフェイズを行えるただし、このターンに融合召喚されたモンスターしか攻撃することが出来ない
レミリア(まだ私には「赤い霧」がある……大丈夫よ)
海馬「さらに罠カード「リビングデットの呼び声」発動!ブラッド・ヴォルス特殊召喚、さらに速攻魔法「エネミー・コントロラー」発動、ブラッド・ヴォルスを生け贄に捧げ、貴様の隠れ箕を接がさせてもらう」
レミリア「しまった!」
海馬「終わりだ! 「アルティメット・バースト」!!!」
レミリア「くう……あっ」
海馬「粉砕! 玉砕! 大喝采! ウワッハハハハハハ!」
霊夢「それで紅魔館がさらに悪趣味になった訳ね」
咲夜「お嬢様に白は似合いません」
- 766 :名前が無い程度の能力:2007/08/08(水) 00:04:32 ID:W6gcaCAA0
- クロスオーバーは専用スレがあるんだぜ?
- 767 :名前が無い程度の能力:2007/08/08(水) 00:06:03 ID:ALLV1N5w0
- >>764、765
ここでは初投稿です、てかいきなりクロスものですみません……
てか>>765のタイトルを間違ってしまった……
- 768 :名前が無い程度の能力:2007/08/08(水) 00:12:13 ID:ALLV1N5w0
- >>766
確かにこれはあっちのスレ向きでしたね……すみませんorz
- 769 :684:2007/08/08(水) 03:46:55 ID:D1swuo8s0
- お騒がせしました。>>692で気づくべきでしたね。以下のIDをNGして頂ければ幸いです。
ID:yy54yWSI0
ID:mFvex4f.0
ID:4UPRjzqg0
ID:Z3bmyOuI0
ID:D1swuo8s0
- 770 :名前が無い程度の能力:2007/08/08(水) 09:22:20 ID:5ZIkV0rQ0
- (゚Д゚)・・・
- 771 :名前が無い程度の能力:2007/08/08(水) 11:17:43 ID:5Srba1dA0
- 結局元が好きだから、でもこういう流れになるから
作者を解りやすくするとか無しだっての。
- 772 :名前が無い程度の能力:2007/08/08(水) 15:29:46 ID:6C4b5.Sc0
- 幾ら書き捨てSSスレのここでも、
長文・連載・U-1で、この流れにならないと思う方がどうかと思うが。
でも、所詮書き捨てSSスレだから、どんなSSでも書くなとは言えないし。
- 773 :名前が無い程度の能力:2007/08/08(水) 19:01:29 ID:dVAFiB160
- 日本語が固まって置いてあるだけのうんこは
SSとは言わないんだぜ?
>>769
で、日付が変わってIDも変わったら、
またアンタのひねり出したうんこを見せられるわけ?
- 774 :名前が無い程度の能力:2007/08/08(水) 19:09:26 ID:jFIhGLdg0
- なんという暴言
いくらなんでも言いすぎである
- 775 :名前が無い程度の能力:2007/08/08(水) 19:19:13 ID:5Srba1dA0
- なんだこの流れ。
誰もこなくなるぞ。
見なきゃいいだろ、ここはそういうスレだろうに。
- 776 :名前が無い程度の能力:2007/08/08(水) 19:25:55 ID:3/7MK9.U0
- スレ違いの質問なんだが百合色の漂ったSSとかっておk?
先にキャラ表記とかした方が良い?
- 777 :名前が無い程度の能力:2007/08/08(水) 19:32:15 ID:5ZIkV0rQ0
- スルーすりゃいいのに。
>>735,751がいい仕事してたのにぶち壊し。
>>776
年齢制限にかからないならokだと思うよ。
- 778 :名前が無い程度の能力:2007/08/08(水) 19:33:33 ID:nE0yBhEI0
- ここは「全年齢対象板」ってことを頭に置いてやりすぎないようにしとけば問題はないんじゃない?
スルーできない変なのに噛み付かれる可能性はあるけどな
- 779 :名前が無い程度の能力:2007/08/08(水) 19:59:23 ID:2PePGY1U0
- まだ霧が浮かぶ早朝、私は日課の散歩を楽しんでいた。
いつもの道 田んぼの畦道
気持ちのいい風が体を包み込みとても気持ちいい。
時たま体を冷やす突風が 地面に突き刺さり
突き刺さり?
見れば目の前の土がえぐれていた。
えぐれた土から雑草の根が覗いている。
一瞬何が起こったのかわからなかった。
が、体中のあらゆる器官が危険と叫んでいた。
私は大地を蹴った はずだった
途中から大地の感触がなくなっていた。
背中に土しぶきが落ちているのを感じた。
前へ行かなくてはいけない。
少しでもここを離れないといけない。
目の前にはいくつもの土しぶきが起こっていた。
足をとられ、何度もバランスを崩す。
ついさっきまで咲いていた花が宙を舞っていた。
スローモーションがかかったように、花びらを散らしてゆくその姿は
幻想的でもあった。
それは自分の運命にも見えた。
次に目の前に舞ったのはお札だった。
美しい朱色の札。
だがその札も目の前を薙いでいく危険なものだった。
耳を包むのは無数の水がはねる音
その水が体を濡らし、私は泥だらけになった。
だが拭う余裕はない。
もっと前 とにかく前へ
*
気がついたら太陽はすっかり真上になっていた。
ふと真上を見上げれば、赤と白の少女が飛行機雲を作りながら
東の方向へと飛んでいくところだった。
私はすべてを理解した。
きびすを帰し、庄屋様のところへ向かった。
荒れた水田の復旧 やることはいっぱいあるのだ。
- 780 :名前が無い程度の能力:2007/08/09(木) 10:14:49 ID:TZGsYjg60
- 巫女、農耕地での弾幕自重。
- 781 :名前が無い程度の能力:2007/08/09(木) 10:31:05 ID:FBrx9Or20
- 巫女が殺しにかかってきてたのかと思った
- 782 :名前が無い程度の能力:2007/08/09(木) 11:00:43 ID:hdPwpFFg0
- オレも>>779が妖怪で紅白がヌッコロシにきたのかと思った
- 783 :名前が無い程度の能力:2007/08/09(木) 14:30:33 ID:hbCUGHboO
- 別に社長は悪くないんだから、ネタとして受け入れてもいいんじゃないの?
なんで社長ネタは叩かれなきゃならないの?ねえなんで?
- 784 :名前が無い程度の能力:2007/08/09(木) 14:55:11 ID:TZGsYjg60
- 社長ネタってのは上の遊戯王のやつか?
変な噛みつきが着いてるのはそれじゃないからよくみてみるんだぜ?
- 785 :名前が無い程度の能力:2007/08/09(木) 15:15:31 ID:La1Taj2I0
- >>783
それに関しては社長云々じゃなくて「スレ違い」だからな
- 786 :名前が無い程度の能力:2007/08/09(木) 20:11:59 ID:b4RiXVYo0
- age荒らしに真面目に構ってやる必要も無いな
- 787 :名前が無い程度の能力:2007/08/09(木) 21:56:42 ID:.pjNLKWU0
- 弾幕に巻き込まれた村人の手記でした。
妖怪が襲われているでもよかったのですが
それでは巫女様が完全に悪役なので
- 788 :名前が無い程度の能力:2007/08/10(金) 00:54:33 ID:an500TNU0
- 巫女様は悪役じゃないか、古道具屋視点で見れば
- 789 :名前が無い程度の能力:2007/08/10(金) 09:51:17 ID:eKvox.BM0
- 風神録体験版の巫女さんは人間視点で見るとごっつ悪役っぽい
- 790 :名前が無い程度の能力:2007/08/10(金) 21:21:41 ID:Mn9b2ipc0
- 見方次第では自らの立場の保身のためだけに神々を蹂躙し妖怪を殴り倒す巫女
しかし忘れてはならない。魔理沙に至ってはなんとなく霊夢が行くというから自分も行っているだけで、果ては神様に何言おうかすら行きながら考えているということを…!
- 791 :名前が無い程度の能力:2007/08/10(金) 21:27:18 ID:NOVIzzmo0
- 八百万の神々は大して妖怪と変わらんだろ
GODはどうかしらんけどさ
- 792 :名前が無い程度の能力:2007/08/10(金) 22:26:05 ID:7R/2lniU0
- お前は便所の神様の偉大さを全くわかっちゃいない
- 793 :名前が無い程度の能力:2007/08/10(金) 22:52:01 ID:NOVIzzmo0
- 神もピンキリ、妖怪もピンキリっちゅーこっちゃね
- 794 :(1/2):2007/08/11(土) 00:44:40 ID:McloS1eE0
- 『ウサギって言ったらやっぱアレだろ? 非常識的に考えて』
※ネタ元が古く、且つマニアックなので理解層を極端に限定します。
「Welcome to Mansion Eternity. May I Help You?」
ネタを求めて訪れれば待っていたのは異国の言葉。
「……に、日本語でおk」
「Oh Sorry! ――えーっと、失礼しまシた。永遠亭によォこそ! 何か御用デすか?」
どーしたものかと困り果てていると、ちょっと訛りがあるものの聞き馴染んだ言葉が返ってくる。
「文々。新聞の射命丸です。八意さんはご在宅です? ちょっと取材させて貰おうと思いまして」
「あー。あいニく永琳様もてゐ様達も不在デスので……」
あらら。取材対象が居ないんじゃ仕方ないか。――にしてもこのウサギ。ウサギにしては体格も大柄で毛並みもなんか違うし、なによりさっきの言葉が普通じゃないですね。あっ、そうだ――
「それでしたら貴方を取材させて頂けませんか?」
「What? ワ、Waタしが取材されルデすか?」
突然の申し出に相当困惑している様です。ここは怒濤の勢いでまくし立てて言いくるめるチャンスです。
「はい。永遠亭には沢山のウサギ妖怪が暮らしていますよね? 一言にウサギ妖怪といってもその出自や幻想郷に辿り着いた経緯だとかに違いがあるはずですよね? 例えばてゐさんは神代の昔の因幡兎だとか、鈴仙さんは月の兎だとかありますよね。貴方もその言葉や容姿からして生まれは大陸ではないでしょうか? よろしければそう言った所も含めて、永遠亭のウサギ達について聞かせて貰えませんか? もちろん、貴方が知っている限りで結構ですし、話したくない部分については深く追求いたしませんので」
「えー。ツタナい話で宜しければお話いたしましょう」
「ありがとうございます。――それでは早速……」
やりました。これだけのウサギがいるのですから、上手くいけば明日の分はもちろん、2〜3日分の特集記事のネタになりますね。はてさて、どんな興味深いお話が聞けるのでしょうか?
- 795 :(2/2):2007/08/11(土) 00:46:05 ID:McloS1eE0
- 『幻想郷の東西交流① 〜国際交流と永遠亭〜』
さて皆さん。幻想郷が国際化という荒波にもまれている事実を御存知だろうか? もちろん、大陸との交流は行われていたから、今回取り上げるのはその更に西方(崑崙山脈よりも西)との話である。
考えてみればさもありなん。紅い館に棲む悪魔姉妹を筆頭として宵闇の妖怪、夜雀、蟲姫、その他妖精多数等、その出自が西洋と思しき方々が多数見受けらる。しかしながら彼女達が現れたのは、博麗大結界を以て外界と隔てられた後であり、同時期にスキマ妖怪が施した『幻想結界(仮称)』の影響に因るところが大きい。
ところが実際の所、西方との交流は私達の知らない場所で遙か昔から行われていたのだ。
御存知、『永遠亭はあるよ。ここにあるよ』のキャッチフレーズでお馴染みの永遠亭は、その存在が極々近年になって明るみに出たにもかかわらず、幻想郷最古参の勢力の1つだ。
この永遠亭に住むブロウベル・イナバ氏(????歳)は一見なんの変哲もないウサギ妖怪だが、実は欧州生まれの渡来兎なのである。彼女は大陸の遙か西の果てにある島国で生を授かり、○○洞窟にそのウサギ有りと謳われ、その可愛らしい容姿に相反して素早い動きと鋭い門歯で歴戦の強者達の頸をバッサバッサと刎ね飛ばし、キラーラビットの名を欲しいままにしていた猛者なのだ。
しかし、かのアーサー王率いる円卓の騎士達との激闘の際、『聖なる手榴弾』の攻撃を受けた彼女は特技の穴掘りで離脱を図ろうとしたものの間に合わず、どういった経緯かで繋がった幻想郷の竹林に吹き飛ばされ倒れていた所を因幡てゐ(????歳)に拾われて、それ以来永遠亭の一員として暮らしているのだそうだ。
この様に永遠亭は幻想郷における国際交流の先駆者であり(考えてみれば当主が宇宙人である。国際化なんてレベルじゃねーぞ)、純和風な雰囲気ながらもエキゾチックな魅力に満ち溢れたスポットでもある。
ちなみに国際化とは関係ないが、今回ブロウベル氏からは永遠亭のウサギは6割が固有種のニホンノウサギ類、3割ほどが渡来種のアナウサギ類、残りが希少種のアマミクロウサギやエゾナキウサギや月兎などで構成されている。また、渡来種のウサギは因幡てゐには従うが、鈴仙・優曇華院・イナバ(??歳)には反抗的である(理由は西洋に『月にウサギが住む』という文化が無い為だとか)等、実に貴重なお話を伺うことができた。この場を借りて改めてお礼を申し上げる。これらについては後日特集を組みたいと思うので、楽しみにしていただきたい。
次回、「幻想郷の東西交流②」は最も有名な西洋スポット『悪魔が住まう紅魔館』をお送りいたします。
〜文々。新聞より抜粋〜
- 796 :名前が無い程度の能力:2007/08/11(土) 01:49:12 ID:wc5xWsgY0
- イッツ!
- 797 :名前が無い程度の能力:2007/08/11(土) 02:14:32 ID:A8VwmVZw0
- ちょwwww
モンティパイソン自重www
- 798 :名前が無い程度の能力:2007/08/11(土) 02:23:31 ID:l5yiP14w0
- >>797
お前のおかげでピンときた
ウサ公テメー俺のビショップをよくも殺してくれやがりましたね
- 799 :名前が無い程度の能力:2007/08/11(土) 02:24:54 ID:V374kL9E0
- な〜んて残酷なんだ〜?
- 800 :名前が無い程度の能力:2007/08/11(土) 07:55:21 ID:38n2Ib.U0
- 永遠亭の懐が深すぎるwwwww
- 801 :名前が無い程度の能力:2007/08/15(水) 21:50:33 ID:5NcScOwc0
- そりゃ鉄壁の警備にもなるわけだw
- 802 :名前が無い程度の能力:2007/08/16(木) 00:05:18 ID:f3kR.Oq.0
- VIPの安価で咲夜×魔理沙の全年齢対象な百合百合したSS書いたんだけど
ここにURL張るのはまずい? 審判頼む
- 803 :名前が無い程度の能力:2007/08/16(木) 00:16:17 ID:KJIR5j1I0
- 全年齢ならいいんでない
- 804 :名前が無い程度の能力:2007/08/16(木) 08:47:52 ID:MIPVHrRs0
- それ、事実上のマルチポスト宣言じゃないか
内容はともかく、あまり勧められないな
- 805 :名前が無い程度の能力:2007/08/16(木) 10:18:50 ID:f3kR.Oq.0
- >>804
そうか、じゃあやめておく 騒がせてすまなかった
- 806 :名前が無い程度の能力:2007/08/16(木) 18:22:56 ID:/82Fx8g.0
- ttp://coolier.sytes.net:8080/uploader/download/1187255958.txt
さあ、明日は戦場だ。
逝ってきます。
- 807 :名前が無い程度の能力:2007/08/22(水) 21:52:18 ID:DJf/Hb4o0
- 保守であります!
- 808 :フォーオブ?(1/2):2007/08/25(土) 23:45:49 ID:dvX87JpY0
- 「こんにちは、フランドール」
「あら、こんにちは、パチュリー」
−−−フランドール。
主人格。精神的成熟度は、姉のレミリアと似たり寄ったり。
「ねぇねぇ、今日はどんな話をしてくれるの?」
「そうね、今日は判事が犯人の話をしましょうか」
「うわぁ〜、楽しみだわ」
普通に接していれば、同じ年頃の少女と錯覚するかのような印象を受ける。
少女らしい無邪気さと活発さを内に持っている。
しかし…
「ねぇパチュリー?」
「どうしたの?」
「なんで、その判事はみんなをすぐに壊しちゃわなかったの?」
「それはね、最初に行ったように彼は…」
「ツミがどうかとか、言ってたけど関係ないんじゃないの?
だって、最初っから判事はみんなを壊したかったんでしょ?」
倫理観に多少の欠落が見られる。
そこらにいる野良妖怪なら、それでも構わないが、彼女はあのレミリアの妹なのだ。
当然、統治するべき者の身内として、統治のルールを理解してもらわなければ困る。
ルールに従わない物は淘汰されるからだ。
「フランドール。弾幕ごっこというルールがあるでしょう、あれと一緒でルールに…」
「ああ、もういいわよパチュリー。あいつみたいな事言わなくても」
邪険にするように手をヒラヒラと振ってみせる。
内心、私は頭を抱えた。主人格のフランドールは姉のレミリアを蛇蝎のように嫌っている。
実際、倫理観の欠如や、秩序にそったルールの理解が鈍いのも、
姉に対する反抗心が関与していないとは言い切れない。
その仲の悪さを何とかしようと考えるほど、私も思い上がってはいない。
私とレミィとの縁は100ちょっとの年月だが、レミィとフランドールの縁は400年ちょっとも
続いているのだ。加えて、"血縁"という縛りもある。私がホイホイ出てきたところで解決できるような問題でもないのだ。
こういう時は彼女に仲介を頼むに限る。
「妹様、ご機嫌麗しゅう…」
「あら、パチュリー。ご機嫌よう」
−−−妹様。
副人格。精神的成熟度は高い。
幼い容姿には似合わない、落ち着いた性格をしている。
「私の主人格の教育も結構だけれど、あまりスパルタで躾けるのは感心しないわ」
「申し訳ありません」
「私はまだ、消えるつもりもないし、統合される気もない。
だから、焦らずじっくりとお願いしたいわね」
「かしこまりました、妹様」
彼女は純真無垢で何も知らない箱入りのレミリアの妹、としてでなく、
紅の支配者の補佐としての役割を持った人格だ。
そのため、頭も切れるし、彼女の中の人格についても詳しい。
結果、彼女に頼ることは多いし、私も良く彼女と会話をする。
咲夜も彼女と会話をしている時をよく見かける。
屋敷の管理から、幻想郷における紅魔館のあり方といった、政治的な話に至るまで、
彼女は咲夜の良きアドバイザーになっているらしい。
しかし、私は彼女にあまり頼りすぎるのは良くないと感じている。
妹様も同意見のようだ。
「私はあくまで副人格。聡明そうにみえるのも、主人格がそう望んだからそうあるだけで、
真実の物ではないわ。いつまでも私が主人格についてあげれればいいけれど、
そうやって400年余りもついてきた。どこかでこの流れを断ち切らないと、
私の為にも、主人格の為にも良くない…」
買い被りすぎだと思う。彼女は本当に聡明だ。
図書館でフランドールに出会うときは、8割の可能性で彼女の人格だし、
知識量のみでなく、応用力にも優れている。
むしろ、私が恐れているのは…
「それに、長く居着いていると、私が主人格を乗っ取ってしまわないか、
なんて懸念を貴女や、お姉様に抱かせてしまうからね」
どうやら、お見通しのようだ。
- 809 :フォーオブ?(2/2):2007/08/25(土) 23:48:00 ID:dvX87JpY0
- 「フラン、私よ」
「あーおねえさま〜」
−−−フラン
副人格。姉のレミィと一緒の時しか現れない。
彼女は彼女の人格の中でもっとも精神的成熟度が低い。
純真無垢で、姉に甘えたがり。
そのせいか、彼女はレミィとしか会話しない。
私が会話を試みても、恥ずかしげにレミィの陰に隠れてしまうか、別の人格と交代してしまうからだ。
その後は、大抵主人格と交代して、姉妹喧嘩という名の弾幕ごっこが始まってしまうのがパターンだ。
だから私は、レミィとの会話からのみ、彼女の心を測る術を持たない。
「おねえさま〜きょうはどんなおゆうぎをしてくれるの〜?」
「そうね、今日は−−−」
普段フランドールを嫌っているレミィも、この人格には心を許すらしい。
それどころか鼻の下を伸ばし、嬉々としてフランドールとの遊びに興じている。
「あれ〜?おねえさま、ここはどうしたらいいの〜?」
「ああ、フラン、それはね…」
ああ、なんて輝かしい笑みを浮かべているのレミィ。
お願いだから、その顔はこの地下室だけにしておいてね。
他の者に示しがつかないから。
−−−これで、以上
合計3つの人格が彼女の中に存在しているのは分かった。
しかし、私の疑問は消えない。
彼女の作ったスペルカードには4人の影が写し出されるからだ。。
・・・あのスペルを教えたのは私だ。いや、最初はただのお遊び。
自分の影を思い通りに動かす事が出来るだけの、子供だましに等しい魔法だった。
フランドールはあの魔法に自分の手で改良を施し、最終的には自分の幻影を3体作り出すことの出来る
スペルカードにまで昇華させた。
フランドールの潜在魔力とそのセンスは計り知れない。それは結構な事であるが・・・
何故その数が3人でなく、4人なのか。もしくは、
私には4人目がいるような気がしてならない。紅魔館の中で最もフランドールに詳しい、
レミィにその件を相談してみた、結果はこうだ
「パチェ、貴女の悪い癖は考えすぎる事、想像力が逞しすぎる事よ。
あのスペルは、ポーカーのフォーオブアカインドを元ネタにしてるの。
それだけの、話よ」
本当に、それだけなのだろうか・・・
−−−
「あーおねえさま〜きょうはどんなおゆうぎをしてくれるの〜?」
「"フラン"、あいにく今日は、あなたに会いに来たんじゃないの」
「えっ…?」
"フラン"は驚きに目を見張った。
視界に移る"おねえさま"の表情は影に隠れ、"フラン"に伺い知ることは出来ない。
「おねえさま、えと、えとえと…」
「ごめんね"フラン"。今日は"彼女"に話があるの。代わってくれるかしら」
「や…いや…おねえさま、や…」
怯えるように後ずさる。しかし、その分、レミリアも距離を詰めてきた。
「ごめんなさいね、"フラン"」
レミリアの手が"フラン"の両肩を押さる。
"フラン"は大好きな"おねえさま"の拘束から逃れることが出来ない。
弱々しく、左右に頭を振る。
「おねえさま、おねがい、おねがいだから"あのこ"は…」
レミリアは、"フラン"の耳元で、はっきりと、ゆっくりと囁いた。
「起きなさい、"U.N.オーエン"」
---
閑散としてるようなので、未完成品を上げてみました。
そろそろフランドールという題材から離れてもいいんじゃないかと思う俺ガイル。
- 810 :名前が無い程度の能力:2007/08/25(土) 23:49:25 ID:p4cVQ.uA0
- 【あんちくらいすとすーぱー★】
- 811 :名前が無い程度の能力:2007/08/25(土) 23:56:00 ID:EKsIWI7c0
- ワッフルワッフルと言わざるを得ない
- 812 :名前が無い程度の能力:2007/08/26(日) 00:11:20 ID:bK.afZ6I0
- これはワホォワホォ
- 813 :名前が無い程度の能力:2007/08/26(日) 07:07:49 ID:3xgPMDEw0
- 改めて読み直して、最初の会話と最後の会話がリンクしてることに気付いた
- 814 :名前が無い程度の能力:2007/09/01(土) 23:22:13 ID:F3gJt1fw0
- 「メリークリスマース!」
「帰れ輝夜」
「冗談よ妹紅」
「何の尿だよ」
「あ、噛んだ」
「か、噛んでない!最初っから何の尿だっていうつもりでいったんだよ!」
「何処の変態よ」
「いいから何の尿だ!?」
「尿なんか持ってきてないわよ!」
「じゃあお前の尿をよこせ!」
「え、ちょ、きゃあああああああああああああ」
ごめん、今相当酔ってる
- 815 :名前が無い程度の能力:2007/09/02(日) 00:06:48 ID:CV.VgVcQ0
- 明らかに酔いすぎ
- 816 :名前が無い程度の能力:2007/09/02(日) 13:45:43 ID:9MObON3E0
- なんというカオス
罰として貴様は酔いが醒めてから自分の書き込みを読めw
- 817 :名前が無い程度の能力:2007/09/10(月) 20:19:18 ID:ppZWd1bA0
- 20回くらいご近所に聞こえるように大声で音読な
- 818 :名前が無い程度の能力:2007/09/10(月) 21:08:22 ID:G85eeFrgO
- よく噛んで読むんだぜ
- 819 :名前が無い程度の能力:2007/09/11(火) 10:23:41 ID:0/nkhDXE0
- 尿しようもない話ですね
- 820 :名前が無い程度の能力:2007/09/11(火) 20:52:15 ID:2w6OTmRw0
- >>819
時が止まっていた原因が>>819だと勘違いしてしまったのもサニーのせい。
みんなage推奨なんだから多少はageようぜ。
- 821 :名前が無い程度の能力:2007/09/13(木) 01:26:22 ID:HeaeYQps0
- こんなもんがある状態でageろってどんな拷問だよww
- 822 :名前が無い程度の能力:2007/09/14(金) 06:05:33 ID:Mpi13Oxk0
- 「ねぇ、雨はどんどん降ってくるのに、どうして湖は溢れちゃわないの?
どうして、空は枯れちゃわないの?」
図書館の、格子が着いた小さな窓から覗く空は暗く、一面を雲が覆っていた。
ざぁざぁと降り注ぐ雨を見上げながら、少女が言った。
「そうね。不思議ね」
応えながら、魔女は優しく笑う。
自分の膝元で今も、何処か物珍しそうに曇り空を見上げる少女の頭を撫でながら。
少女の背中の虹色の羽が、嬉しそうに揺れた。魔女の、微笑が漏れた。
「もしかしたら、何処かに、大地へ降り注ぐ水を、空へと還す水の砲手がいるのかもしれないわね」
そんなわけは、無かったけれど。
きっと、私たちは、そんな当たり前の疑問にさえ、気がつかなかったのだ。
紅白の巫女や、白黒の魔法使いは、一目で、そうだと気がついたのに。
「かえすおうちを間違えたりしないのかな?」
「例え砲手が場所を知らずとも、降って来た水自身が還るべき場所を覚えているわ」
土は土に、塵は塵に、灰は灰に。
そう、誰もが還り場所を持っている。
今はまだ分からないけれど、きっと自分でさえ。
全ては廻り、還りゆく。
誰かに甘き蜜を渡せば、いつか自身の身に。
誰かの血を流せば、いつか自分の血が。
けれど、闇の中で生まれて、闇の中でさえ忌避されてしまったら、この娘は一体、何処へ還ればよいというのだろう。
そんな、当たり前のことさえ、私たちは気がつかなかった。
一体どれ程、声にならない叫びを上げ、その小さな手を闇の中で伸ばしたことだろう。
「――ほんとに、不思議ね。フラン」
その手を初めに取ったのが、声にならない鳴き声に気がついたのが、ただの人間だなんて。
「ふしぎだねぇ」
パチェでも知らないことがあるんだね――
なんて言って、495年もの間、暗闇の中で過ごした少女は、ランプの灯りに照らされながら笑った。
「えぇ、分からないことばっかり。だから、お勉強してるのよ」
私もまた、ランプの灯りに照らされながら、膝元で笑うフランドールに笑い返した。
- 823 :名前が無い程度の能力:2007/09/14(金) 10:50:28 ID:TIl6KiwM0
- これは良いパチェさんですね
ここのところ監視員してないと思ったらこんなところにいたのか
- 824 :名前が無い程度の能力:2007/09/14(金) 23:40:36 ID:hR5MWTVQ0
- 彼女は蛙が凍って解凍してそのまま動かなくなったとしても、失敗だとしか考えてませんでした
彼女は紅白の巫女がいつの間にか代替わりしても、紅白の巫女のままなので気にしませんでした
彼女の周囲はいつまでたっても静かで霧に覆われた湖面でしたので
その光景は、どれだけたっても変わりませんでしたので
でも、彼女はたまに世話になっていたメイドがいなくなったことを機に、疑問を持ちました
なぜいなくなったのか、近所の門番に聞きました
近所の門番は紫色の知識人を連れてきてくれました
紫色はメイドが不在なのは蛙を冷凍して解凍してそのまま動かなくなることと同じだと言いました
彼女はそれを理解できませんでした
紫色は根気良く彼女にそれを教え込みました
なぜ動かなくなるかを
なぜ止まってしまうかを
なぜ終わってしまうかを
なぜ死ぬかを
彼女は蛙を凍らせることをしなくりました
死ぬことを覚えた妖精さんは……
いつしかいなくなってしまったそうです
- 825 :名前が無い程度の能力:2007/09/15(土) 02:33:07 ID:WlE1FLuM0
- よのなかには しってはいけないことも あるんだよ
チルノかわいいよチルノ
- 826 :名前が無い程度の能力:2007/09/19(水) 19:52:30 ID:yqutX3wA0
- ここってSSというより自分の架空設定を載せてもいいのかな?
藍と紫の会話形式なんだけど。
ダメって言われなかったら書き終わったら載せる。
- 827 :名前が無い程度の能力:2007/09/19(水) 20:18:53 ID:5AFa2/cA0
- 架空設定なんて言われてもそれだけじゃ判断のしようが無い罠。
本設定を無視する物じゃ無ければ問題無いと思いますが。
- 828 :名前が無い程度の能力:2007/09/19(水) 20:24:52 ID:yqutX3wA0
- >>827
多分本設定を無視はしてないだろうけど、ストーリーと言うよりは会話形式に見せかけて
妄想した設定を載せる感じだからスレタイに合わないかと思って。
- 829 :1:2007/09/19(水) 20:48:08 ID:yqutX3wA0
- とりあえず冒頭だけ載せてみる。
--------------------------
「紫様、前々から気になっていたのですが、八雲家は全員の名前が色に関係していますよね?
何かこだわりでもあるのですか?」
私は普段から気になっていたことをいつものように何気なく聞いてみた。
「紫様は八雲家の頂点ですから、古代日本における最高位を表す紫色にちなんだのではないか
と推測できるのですが、私の藍というのは何が由来なのでしょうか?」
私は式神ではあるが自分に付けられた名前の由来には少々興味もある。
しかし私の何気ない質問に、紫様はいつもとは違って静かな声で語り始めた。
「そーねぇ・・・・・・もう藍には話しても良いかしら。
あなたは式神として長い間私の分もよく働いてくれたわ。もちろんこれからも。
そろそろ八雲家のことについて知っておくべきかもしれないわね。」
紫様は一呼吸置いて次の言葉を続けた。
「名は体をあらわす。と言う言葉、あなたは聞いたことはあるわよね?」
「もちろんです。その存在全体を表現するものが名であるということですよね。」
「普通はそうね。ただ、私たちの場合は逆なのよ。名前を付けられたから私たちという存在が成立しているの。」
なるほど。名付けによって式の存在を表し成立させていると言う事か。
・・・まてよ。今紫様は「私たち」と言わなかったか?
- 830 :名前が無い程度の能力:2007/09/19(水) 21:36:07 ID:/jUvFh2I0
- とりあえず面白そうなので全部PLZ
- 831 :2:2007/09/19(水) 21:39:42 ID:yqutX3wA0
- 始終シリアス?な予感
----------------
「ふふ、あなたは分かりやすいわね。「私たち」と言ったのに違和感を感じたのでしょう?
実は私の名前は自分で付けたものではなくて付けられたものなのよ。」
えっ?紫様が名付けられる対象であった?最強と呼ばれる妖怪なのに?
「あなたを惑わすのは楽しいけれど、そろそろもったいぶらずに説明するわね。」
「まずは八雲・・・つまり私たち全体を定義する名の意味。雲は空にあって移ろい行くものの象徴。
八は七足す一。そしてその七の七分の一が私たち。橙が一人前になったら八雲を与えて完全に私たちに加わるわ。」
「すみません、紫様。内容が抽象的過ぎて完全に理解できません・・・・」
「移ろい行く私たち。それは自我によって絶えず変化する私たちと言うことね。
後で分かると思うけど私たちが自我を持っているというのは本当に驚くべき事よ。
そして空にあって七つのもの。それは何か子供でも分かるわよね。
・・・そう、言わずと知れた虹よ。その七分の一を別々にして表すのが私たちの名前。紫、藍、橙。
藍だったら分かるでしょうが、各々の力の性質と名前は一致しているの。可視光のエネルギーとね。
一番エネルギーが高いのが紫。その下が藍。飛んで橙。高エネルギーは鋭い力で低エネルギーは穏やかな力なの。
あなたの最初の質問に答えると、あなたに藍とつけたのは私に似た力を持ち補佐のできる式神が必要だったからよ。」
なるほど。私が紫様のお休みの時に替わりに働き、式も操れるのはそのせいだったのか。
そして橙も名付けられるべくして名付けられたということか。しかし・・・
「藍。」
その思考は紫様の呼びかけで中断された。
「ここからが本題なの。あなたは虹が何の象徴なのか知ってるわね?」
「幻想郷の最高神、龍の通り跡ですよね。」
「つまり、私たちは虹。龍が幻想郷に残したものなのよ。賢者と呼ばれた一妖怪だった私を名付け、
存在の意味を確たらしめたのも龍。私は博麗大結界ができた時に啓示を受けたの。
八雲の姓と紫の名を与え、龍のいない間の幻想郷の影の監視者とすると。
だから龍は幻想郷の存在を覆すような事件でなければ現れない。その時以来龍の姿を見ないのはそのため。
私が監視して歪みを抑えているから。」
「・・・そうすると博麗の巫女は無駄な存在にならないでしょうか?」
- 832 :3:2007/09/19(水) 21:55:29 ID:yqutX3wA0
- 紫様は少し経って答えた。珍しく答えを探していたようにも思われたがどうなのだろう。
「いいえ。幻想郷は簡単に言うと外の世界で非常識となったモノが常識として存在できる場所。
常識、非常識という概念だから人間の存在が大きく関わるの。ここを常識と言えるのはまた人間だけ。
妖怪どころか幻想郷も存在が人間に依存しているの。だから人間が消えれば幻想郷も消える。
けれど妖怪は人を襲わなくてはならない。だから人を守るために巫女がいるのよ。人が人を助けるのは普通でしょ?
大結界前からこの役目を負う人間がいたのに、そこに龍が八雲を定めたのは違った役目を持たせているからなのよ。
ただ幻想郷を守るという本質が同じなだけで。」
「つまり八雲は博麗と同じで幻想郷を守るための存在である、と?」
「そう。ただ私たちは名付けにより役割を具象化させた存在であるから、幻想郷や結界が崩壊する事があれば、
他の妖怪や人間達とは違って他の世界へと逃げる事はできないわ。根本の役割が失われるから、元の一妖怪には戻れず、
存在が消滅するわ。幻想郷の創造神によって作られた存在と今はなっているのだから。
そんなわけで今まで黙ってきたの。もちろん、あなたのような式神に存在意義を他から与えた時に
どんな事が起こるか心配だったというのもあるのだけれど。・・・まぁ私の式だから大丈夫だとは思っていたわ。
当然藍にそんな運命を辿らせることを、少しは申し訳ないと思っているわよ?」
「私は紫様に仕え、補佐する式です。紫様のお役に立てるならどんな事であろうとも気にはなりません。
むしろそのような大役のお手伝いが出来ることを嬉しく思います。」
「藍・・・・・・ありがとう。」
少し紫様の顔が微笑んだ気がした。いつもと違う素直な微笑みに見えて、なぜか私は少し恥ずかしくなってしまった。
「そ、それに私たちがずっと幻想郷を守っていけば何の問題も無いってことですよね。」
わたしの言葉を聞いた紫様の微笑んだ顔に一瞬陰りが見えた。なにかまずいことでも言ってしまったのだろうか。
- 833 :4:2007/09/19(水) 22:21:04 ID:yqutX3wA0
-
「・・・でもね、藍。それは無理な話なのよ。私たちには定められた程度にしか守る事ができないの。」
「それは・・・外の世界が崩壊するとかどうにもならない事は無数にありますね。それは仕方の無い事で―」
「違うのよ藍。」
紫様は私の言葉を切るように言った。
「いつかは分からないけれど幻想郷は内部が原因で崩壊するように龍によってすでに決められているの。」
え・・・・?
「最初私が七足す一で八と言ったのを覚えているかしら?」
そういえばそれを考えてる途中で紫様に呼びかけられ、龍の話が出たところで完全に頭の隅に行ってしまっていた。
「私たちは今2人と少し。それはその程度の人数で足りているから。幻想郷が緊迫した状況になれば残りも必然的に生まれてくる。
7人が揃った時龍が残す全てのものが揃う。そしてその全員でも幻想郷が保てなくなった時、最後の1人が生まれるわ。
それは龍が普段空に創る虹とは別の物。普段残さないもの。創るに対する反対。壊すなのよ。
空にある光は7人で揃っている。つまり残りの1人は完全な闇、光の全く無い夜。完全な闇である夜は私たちの消滅を意味し、
それは結界と幻想郷の崩壊を意味する。私たちは有限の光の一部の名前を持つ存在。それ以外の部分、
つまり0から無限までも含む闇には私たちは抗えない。結界を失った巫女は言わずもがなだわ。
龍が破壊である闇を付け加えたのは簡単な理由よ。絶対の闇が無ければ光が存在できないから。
影の無い世界があったら光は存在しないようなものでしょう?そんな保護と破壊全てをまとめて八雲なのよ。」
「なるほど。」
私は落ち着いた顔でこれだけをなんとか言った。平静を保て、私。
「だから私たちは一番長く定められている未来を早めないように役割をこなすだけよ。
その未来は明日かもしれないし、もしかしたら永遠に来ないのかもしれない。私たちに知る術はないわ。
ただ私たちが役割をこなさなければすぐにでもその未来はやってくるわ。」
「わかりました。いかに未来がいつか誰にも分からないといえど、さすがに幻想郷の崩壊が創造神である龍によって定められている
というのは他の者に言えるような内容ではないですね。大切なことを話して下さってありがとうございました。」
「こっちこそありがたいわ。藍。少し肩の荷が下りた気分よ。」
「紫様ほどの妖怪でも重圧を感じられる事があるんですね。」
「当然よ。創造神の操り人形でなくて自我を持っている存在なのだから。しかしあなたは良く冷静でいられるわね。」
「日夜紫様の様々な役割をこなしているのですから、精神力もつくというものです。
それに紫様が創られた式が付いているのですから当然です。」
未だに私の心は動揺したままではあるが。
「式に式のことを誉められるのは面白い感覚ね。藍に誉められる事も滅多にないし。」
「寝すぎだなどと小言は言っていますが、私はいつでも紫様のことを尊敬していますよ。」
「まぁ、そこまでいわれると気持ち悪いわねぇ。」
普段の会話の調子に戻ってきた。
- 834 :5:2007/09/19(水) 23:15:13 ID:yqutX3wA0
- 結局その後はいつもの調子に戻った。紫様に問いかけた際に焼いていた夕飯用の魚は3匹とも丸焦げになった。
それを見た橙は悲しそうな顔をしていた。橙にもあの話をするときが来るのだろうか。
そう考えると心が重くなったが、幸いにも橙は一人前からは程遠い。いつもは気になる橙の成長の遅さが今はありがたかった。
その後普段どおりの生活を送ってから、私は一日の疲れを取るべく寝床に入り、今日聞いた話を整理する事にした。
―紫様は多分全ての事を言っていない。ひょっとすると崩壊が来る時すら知っているのかもしれない。
普段あれだけ余裕のある紫様が偽りの笑顔を陰らせ、私に対して本心である動揺を打ち明けたのだから。
ただ、紫様は私が思っている以上に幻想郷やそこの住人や生活が気に入っていて、自分ではどうにも出来ない崩壊の事を考えて、
やりようの無い思いに心が痛ませているだけかもしれない。
私ですらそれらには多少なりとも思いいいれがあるし、大切な橙の未来を自分ではどうしようもないと考えればひどく心が痛むのだ。
ここまでは勝手な推測であるが、私が確信した事もある。
紫様は移ろい行くの内容について深くは触れなかった。この「移ろい行く」の内容に関しては「死ぬ」ことも入っているのだろう。
妖獣である私と橙は妖怪である紫様の寿命には到底及ばない。
いつか紫様の側を離れなくてはならない時が必ず来る。そしてまた八雲の誰かが生まれる。
そこに紫様は名を付けなくてはならない。それも過酷な役割を与えることとなる名前を。これが「移ろい行く」の真意だ。
それでも紫様は幻想郷で愛する無数のものを見送り、同じだけ愛するものを見つけ、
それを守るために役割を果たしていかなくてはならない。式が幾度変わろうとも、古くからの友人がいなくなろうとも。
自分か幻想郷の終末を見届けるまでは。
私がもしその立場にあったら長く役割を果たせるかどうか分からない。いや、無理であろう。
しかし私には紫様ならば果たせるような気がするのだ。紫様は普段何事にも興味の無くそっけないような顔をしているが、
心中では幻想郷を誰よりも愛し、他の存在や果ては人までも愛してしまう性格なのではないだろうか。
神である龍が紫様にこの役割を与えたこと。それが証明になっているような気がする。
・・・おっと、途中から推測が入ってしまった。いかんいかん。
- 835 :6END:2007/09/19(水) 23:34:56 ID:yqutX3wA0
-
そしてまだ私には紫様の言葉で気になる点がいくつかある。
特に光の話など、創造神が名前をつけてやれば闇など必要ないだろう。紫様にしては珍しいミスではないだろうか。
まあ、これは素人考えで本当は闇が必要な理由があったり、神が闇を創った別の理由があるかもしれない。
しかし1人が異質な存在であるような気は直感ではあるがする。他は大体本当のことなのだろう。
ただ、紫様が話されない以上聞いてはならないものであるだろうし、聞かなければ結局推測の域を出ない。
推測は推測を呼び、無駄な思考に陥る可能性がある。紫様が真剣に話してくれたという事実を信じていよう。
そして私は紫様の式、藍だ。話からすれば私は八雲の一員となるために生まれてきたと言う事になる。
ということは私の運命も定まっているのだろうか。紫様に絶対の忠誠を誓うようにと。
いや、それは無いだろう。いや、無い。私は自分の意思で紫様に仕えているのだ。
紫様も言ったように私たちは自我を持って行動しているのだ。ありえないことだが、嫌になれば私は役割を放棄も出来るのだ。
そのような自我が元から創られたということなのかもしれないが、それならその自我を持つのが今の私なのだ。問題ない。
八雲の頂点である紫様の持つ重荷に比べたら自分のことなど些細なことでしかない。
何かの書物で読んだが、人は精神的につらいとき睡眠時間に響くと言う。逃げるように長くなったり、追い詰められて短くなったり。
人までも愛するようになった紫様は、人間に近づいた部分もあるのかもしれない。
すると普段長く眠っているのは自分の役割のからくる重圧によるものかもしれない。
これも推測ではあるが、可能性がある以上は今までのように寝てばかりいることを責めるのはやめよう。
紫様が寝ているときは、私にできることであれば起こさずとも私が替わりに働けばいいではないか。
それでも紫様の重荷を支える事はできないのが残念で申し訳ないと思ってしまうが、
それならば力の続く限り少しでも紫様のお役に立てるように働くまでだ。
虹の紫色に一番近い藍として、紫様の一番側で。
〜終〜
- 836 :名前が無い程度の能力:2007/09/19(水) 23:39:42 ID:yqutX3wA0
- どこかのスレで「八雲家の名前は色が虹で〜」と言うのを見て思いついた内容です。
思いついた勢いで打ったので冗長な文で推敲もせずすみません。
後書いてから思ったんですが、ありがちな設定で既出ネタだったら本当にすみません。
八雲家大好きです。
- 837 :名前が無い程度の能力:2007/09/19(水) 23:48:14 ID:B6qWt.Bo0
- お疲れ。いいねぇ。
- 838 :名前が無い程度の能力:2007/09/20(木) 00:16:53 ID:.C35bk/c0
- あと、創想話に載せられるようなSSには何が必要なのかを
いろんな人に聞いてみたかったり
それとこのSSスレがもっと賑わってくれますように
- 839 :名前が無い程度の能力:2007/09/20(木) 00:26:23 ID:T8BpqzBA0
- 必要なのは「コレが俺のSSだ!文句あっか!」という、人にものを見せるという行為に対する自分の意志と自信と責任感。
必要以上の謙虚は、見た人に対して失礼になりかねない。
- 840 :名前が無い程度の能力:2007/09/20(木) 07:55:23 ID:U.Xa7tHA0
- 久々に創想話行ったら好きだった作家さんの作品が結構消えてて泣いた
作家さん的には色々想うところがあったんだろうけど自分にとっては
いつまでも色あせない名作揃いだっただけにかなりショック受けてます
こっちは削除が難しいだろうから俺みたいな見る側としては安心できるかもだけど
書く側は昔の自分の文がいつまでも残るワケである意味羞恥プレイっすよね(・∀・)
- 841 :名前が無い程度の能力:2007/09/20(木) 08:55:33 ID:M7WwMfjQ0
- こっちと向こうと読んでみると書く人の自身やどっちが自分に合ってるかってので決まってるように思う
向こうでも通用するんじゃないかって人も居るし、逆も
まぁ下手に批評されないってのが一番大きい理由かもなー
好きならレス、嫌いならスルーって雰囲気が良い。荒れようが無い
- 842 :名前が無い程度の能力:2007/09/20(木) 16:00:32 ID:iosawO2o0
- じゃあ俺ここでレミリアが交通事故にあって救急車で運ばれるSS書くよ
- 843 :名前が無い程度の能力:2007/09/20(木) 16:14:43 ID:19KThAVY0
- シチュエーションだけで笑えるのだが
- 844 :名前が無い程度の能力:2007/09/20(木) 16:56:16 ID:tsWYcwPg0
- 「うぼぁーー」みたいな叫び声で、
華麗に吹っ飛んでいくレミリアしか想像できないんだが
- 845 :名前が無い程度の能力:2007/09/20(木) 17:46:02 ID:I8Dv.EL20
- なぜか指一つで止めようとして思いっきり突き指するギャグキャラなお嬢様を幻視した
- 846 :名前が無い程度の能力:2007/09/20(木) 18:17:14 ID:A5SWo35I0
- ttp://love6.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1189609655/498
ttp://love6.2ch.net/test/read.cgi/aasaloon/1190022951/206-208
- 847 :名前が無い程度の能力:2007/09/22(土) 11:27:44 ID:6JlQkYiQ0
- んじゃ久々に投下してみよう
「実は八卦炉無しでもマスタースパーク撃てるんだよ」
「ほんとに?」
「燃費が悪いからな。一発撃つのにごはん一回のチャージが必要だ」
「うわっ燃費わるっ」
「だからあんま使わないんだよ。しかもタダのごはんじゃだめだ。
アリスの愛の篭ったご飯じゃないとだめなんだ」
「アリスー、今日のご飯は愛が篭ってないぞー」
- 848 :名前が無い程度の能力:2007/09/23(日) 19:42:33 ID:THy97lRE0
- これはいいたかり
- 849 :名前が無い程度の能力:2007/09/23(日) 21:36:41 ID:oKHjNLDQ0
- ちぇんにっき
○がつ×にち
きょうはらんさまのしっぽにおねしょをしておこられた。
らんさまは「よるにたくさんのみものをのんだらだめだ」といった。
よなかにこわいゆめをみてめがさめて、こわいとらんさまにいったららんさまはふかふかのしっぽのなかに
だっこしてくれた。とってもあったかかったけど、そのままおねしょしちゃった。
らんさまごめんなさい。
○がつ△にち
らんさまのしっぽだいすき。みてるととってもおもしろい。
いつもはしたにたれてるのに、うれしそうなときはふわふわうごいてるし
かなしそうなときはいつもよりもしたにおちちゃってるし
おこるとしっぽがあがってぴくぴくするからおもしろい。
わたしもらんさまみたいにふわふわのしっぽがたくさんほしいとらんさまにいったら
らんさまはちぇんのしっぽもかわいくていいじゃないかといっていた。
ほめられてとてもうれしかったけど、わたしには2ほんしかない。
もっといっぱいあったらいいのになぁ。
八雲家を自分で二次設定して、それで癒されてしまう俺は明らかに変人。
- 850 :名前が無い程度の能力:2007/09/24(月) 10:12:51 ID:z5vrlwnI0
- >>849
>八雲家を自分で二次設定して、それで癒されてしまう俺は明らかに変人。
気にするな。SS書きなんてみんなそんなもんさ。
- 851 :名前が無い程度の能力:2007/09/24(月) 19:08:01 ID:B82pQ6sU0
- いい変人オーラをもらった
- 852 :名前が無い程度の能力:2007/09/24(月) 21:36:35 ID:JMoUw0kc0
- 珍しく紫、橙、藍が揃って遠くに遊びに行った帰り。
はしゃぎすぎて疲れ、もう目が半分以上閉じている橙。
歩くのもやっとのようだ。
橙「らんさま〜だっこしてぇ〜」
藍「やれやれしかたな・・・って紫様?」
眠さで木の根元に座り込んでしまった橙を抱き上げる紫。
橙「にぃ〜やわらかくてあったかい〜」
そういいながら紫の体に顔をうずめる橙。
紫「たまにはいいじゃないの。ね?」
藍「いいですが、紫様大変ではないですか?」
紫「あなたくらい大きかったら大変だけれど、橙くらいだったら大丈夫よ。
寝顔もかわいいし。」
藍「それならいいんですが・・・」
と言いつつも藍の目は少し寂しそうだ。
紫にもう甘えられない事を悲しく思ったのか、自分が橙を抱っこしたかったのか。
それはまだ分からない。しかしそれに当然紫は気づく。
紫「あなたも後で抱っこしてあげましょうか?」
藍「いっ、いえそういうわけでは・・・」
藍の顔が赤くなる。どうやら図星だったようだ。
紫「あら、そうなの?」
藍「・・・・」
顔を赤くしてうつむく藍。
紫「なら仕方ないわね。それじゃ疲れたしこの辺りで私はスキマで帰るわね。」
と言ってすぐスキマを開いてもぐりこむ。スキマはすぐ消えてしまった。
藍「えっ、ちょっと・・って紫様ぁああああああ!?」
夜遅く藍が家に帰った時、すでに寝ていた紫が藍にたたき起こされて
数時間に及ぶ説教を食らったことは言うまでもない。
- 853 :名前が無い程度の能力:2007/09/25(火) 03:38:52 ID:gs5uNetQ0
- あったかいなりぃ〜
- 854 :名前が無い程度の能力:2007/09/27(木) 02:57:46 ID:bl1jkilE0
- >>852
良かった。
- 855 :1/3:2007/10/02(火) 23:11:27 ID:Cq0MQ9BQ0
- 長さ中途半端な上に、何のこっちゃという内容
瀟洒なメイドは、酔い潰れた半人前の庭師に毛布をかけた。
が、そこでほんの少し眉をひそめた。
隣でふわふわと漂っている妖夢の半身を
どう扱えば良いのか迷ったからである。
「貴方もこの毛布の中に入る?」
毛布を持ち上げながら、返事があるはずも無いのに、
その白い塊に向かって話し掛ける。
白い塊は左右に回転しつつ、わずかに浮き上がった。
それがどういう意味かは分からなかったが、
毛布に入る気配が無いので、
そのつもりは無いのだろうと咲夜は判断した。
そして今度は無言のまま、毛布を下ろす。
「お前って、大分性格変わったよな」
奇妙なやり取りの一部始終を見ていた普通の魔法使いは、
そんな感想を漏らした。
- 856 :2/3:2007/10/02(火) 23:15:50 ID:Cq0MQ9BQ0
- 背後でドッと人妖達が沸いている。
また酔いに任せて誰かが妙な事でもしでかしたのだろうか。
真夜中であるが博麗神社の境内は奇妙に明るい。
今宵も飲めや騒げや、と宴会の真っ最中である。
咲夜は騒ぎの方に視線をやりながら、そのまま魔理沙の側に腰掛けた。
「そうかしら?そうは思わないけど」
「いやいや変わったね。初めて会った時より…うーん、何て言うのかな。
まぁ分からんけど、変わったと思う」
そんな曖昧な言葉を吐きながら、
空の杯をこねくり回す魔理沙の顔は大分赤かった。
珍しく騒ぎの中心から離れ、縁側に座っていたのは、
酔いが回ってきて適当に涼んでいたからなのだろう。
「酔って適当な事言ってるでしょう?」
わずかに苦笑した響きを含ませながらも、
咲夜の視線は境内の中心を向いたままだ。
子鬼に挑発され、酒の早飲み競争を始めた己の主を見ているのだろう。
「まぁそうかもしれないけどな」
杯を弄るのに飽きた魔理沙は咲夜をしばらくじっと見ていたが、
彼女が魔理沙に向き合う気配は全く無かった。
仕方無いので、魔理沙はちぇとつまらなそうに心で呟いて、
部屋の隅で寝ている妖夢に視線を移した。
妖夢の近くで半身が所在無さげにふよふよと漂っているので、
手招きをして誘ってみる。
「妖夢に何かあったら面倒だから、あれで遊ぶのは止めなさいよ」
こちらを向いていなのに、
まるでこちらに目があるかのように咲夜に釘を刺される。
「あのなぁ。飲みの席でわざわざ気配を探るのは止めてくれよな。
落ち着かないじゃないか。
大体人と話してる時は偶にでも良いからこっち向けって」
すると、はぁとわざとらしい溜息をつきながら、
咲夜はちらりと魔理沙に視線を流した。
それが咲夜にしては珍しく妙に色っぽい仕草だったから、
魔理沙は内心少しどきりとした。
- 857 :3/3:2007/10/02(火) 23:17:19 ID:Cq0MQ9BQ0
- また境内の中央がドッと沸いた。
魔理沙が瞬きをすると、既に咲夜の姿は無かった。
大方主の吸血鬼が子鬼に敗れ、その介抱をしにいったのだろう。
「たかだか宴会の席でわざわざ時間を止めるなよな……」
境内には目をやらず、しらけたように一人呟くと
妖夢の半身がすぐ隣まで来ているのに気付いた。
魔理沙は肩をすくめながら、
半身に内緒話をするように手を寄せ、話し掛けた。
「…少しは変わったと思ったけど、やっぱり咲夜は相変わらず咲夜だな。
瀟洒なメイドはいつだって何処だってレミリアお嬢様一筋なのさ。」
境内で吸血鬼を倒した子鬼が得意げな声で、次の挑戦者を募っている。
魔理沙はしばし半身を抱き寄せたままぼおっとしていたが、
やがてにやりと笑うとやれやれだぜ、と呟いた。
そしておもむろに立ち上がり、半身にまた話し掛ける。
「あいつらこの魔理沙様を放って随分楽しそうにやってるじゃないか。
つれない誰かさんのせいで酔いも醒めちまったし、次は私が挑戦するぜ!
…おおっとそうだ、今の話は咲夜には内緒だぜ。
ほら、妖夢の様子でも見ておいてやれ。話、聞いてくれてありがとな」
- 858 :名前が無い程度の能力:2007/10/02(火) 23:49:48 ID:WWSXZ8HU0
- いい・・・この雰囲気すごくいい・・・
- 859 :名前が無い程度の能力:2007/10/03(水) 03:39:01 ID:9CQhzDc.0
- お酒が飲みたくなった
- 860 :名前が無い程度の能力:2007/10/03(水) 23:51:33 ID:7o0pF8fI0
- 咲マリに目覚めた
- 861 :名前が無い程度の能力:2007/10/04(木) 01:16:00 ID:vohfiA3s0
- 半霊の使い方が上手かったです
ごちそうさまGJでした
- 862 :1/3:2007/10/04(木) 22:29:39 ID:MYvNJcr60
- 十六夜咲夜が真っ赤な絨毯の上を歩いている。
その廊下は図書館へと続いている。
今、彼女の時間は束の間の休憩の時間であり、
その間に本を返却しようと歩いていた。
すると咲夜は廊下の向こう側から図書館の主の使い魔である小悪魔が、
ゆらゆらとやって来るのに気付いた。
「おや咲夜さん、こんにちは。」
小悪魔がにこりと笑って咲夜に挨拶をした。
悪魔の人の良さそうな笑みに、咲夜は薄い笑みを返すに留めた。
自身の主以外の悪魔と不用意に挨拶を返すべきではないからだ。
「図書館の仕事は?」
「まぁ偶にはいいじゃないですか。咲夜さんも今は休憩のお時間でしょう?」
要するにさぼり、という事らしい。
図書館の知識人がこの小悪魔とどういう契約を交わしたのかは知らないが、
さぼりを許すような契約を魂と引き換えにするのは考え物だ。
しかし図書館の仕事は基本的には咲夜の管轄外なので、
小悪魔がさぼっていようと咲夜には関係が無い。
- 863 :2/3:2007/10/04(木) 22:30:30 ID:MYvNJcr60
- 「その本…、返しにいらしたんですか?」
目聡く本を見つけた小悪魔が、
咲夜に近付き、手元を覗き込んだ。
すると不思議と甘い匂いが咲夜の鼻をつき、
彼女の心は何故だかどきりと波立った。
咲夜は内心の動揺を押し隠すように、
目を伏せ本を見て、えぇ、と答えた。
「あーじゃあ私、後で図書館に戻るついでに返しておきましょうか?」
咲夜さんも折角の休憩をあそこまでわざわざ行って潰すのは惜しいでしょう、
ただでさえお忙しいんですから、
と咲夜に更に近付いた小悪魔は彼女の耳元に囁くようにそう言った。
咲夜はぼんやりと本を眺め、
甘い匂いを感じながらその提案について考えてみた。
今から戻れば、休憩が終わるまでに主の為の
新しいお茶のブレンドの味を試せるかもしれない。
じゃあ…と呟きかけ顔をあげると、
急に風がごおおと吹いて咲夜は驚いて髪を押さえた。
- 864 :3/3:2007/10/04(木) 22:32:13 ID:MYvNJcr60
- もしかしてどこかの窓が開いたままであったか、
と乱れた髪を直しながら少し慌てて辺りを見回した。
するとカーテンが下りていて分からなかったが、
普段開いている筈の無い窓が一つ大きく開いてる事に気づいた。
「何だったんでしょうね、今のは」
小悪魔も少し驚いたようだった。
咲夜は無言で窓を閉め、改めて目の前の小悪魔に向き合った。
風が通って廊下の空気が変わったようで、あの甘い匂いはもうしない。
「やっぱり自分で返すわ。何か良いのがあれば新しい本も借りたいし。」
悪魔に無駄に貸しを作るべきではない。
そう考え直し、咲夜はそのままぴんと背筋を張って、
廊下の向こうへと歩いていった。
残された小悪魔はそれを無言で見送りながら、
先程開いていた窓をつつつと撫でた。
どこかでばさばさとこうもりが羽ばたくような音が聞こえた気がした。
小悪魔はおかしそうにゆらゆらと揺れて、声を出さずに笑った。
- 865 :名前が無い程度の能力:2007/10/04(木) 22:43:55 ID:MYvNJcr60
- なんでこんなに上がったんだ…すまん
- 866 :名前が無い程度の能力:2007/10/05(金) 22:43:18 ID:9BmaKb260
- 本を変わりに返すくらいでどうにかなるかもしれんとは。
念能力より怖いw
- 867 :名前が無い程度の能力:2007/10/07(日) 06:50:25 ID:svBO7QiM0
- 咲夜さんを誘惑しようとしてる小悪魔の邪魔をするお嬢様ってわけなのかな?
- 868 :名前が無い程度の能力:2007/10/07(日) 16:30:31 ID:X1fARTIw0
- >>862-864
これは良い小悪魔ですね。面白かったです。
- 869 :名前が無い程度の能力:2007/10/08(月) 19:58:36 ID:n9WyTffY0
- 天馬流星さんの虚空の門番が作品集10にないんだが
ひょっとして前からなくなってた(´・ω・`)
- 870 :名前が無い程度の能力:2007/10/08(月) 20:08:48 ID:mSNdjYO60
- うん
創想話wikとかで調べてみれば良いんじゃね
良いと思ったものはローカルで保存しておくしか
- 871 :名前が無い程度の能力:2007/10/08(月) 20:11:04 ID:n9WyTffY0
- 削除済みだったんだね
失礼しました
- 872 :2:2007/10/17(水) 21:34:12 ID:vn3veXic0
- そしてしばらく両者は会話を交わさなかったが、
妹紅の隣の鈴仙が立ち去る気配は無かった。
妹紅が胡乱な表情でそちらを見ると、鈴仙はほうけた表情のまま、
妹紅が出す煙を視線で追っていた。
珍しく大分酔っているようだった。何かあったのだろうか。
「師匠も時々煙草を吸ってるみたいですけど」
「…知ってる」
「煙草って美味しいんですか?」
その言葉に妹紅は目を細め、煙を吐いた。
そしてかぁんと音を立て、煙管で煙管盆を叩き灰を捨てた。
「さぁて…私は美味しいと思うけど」
そして妹紅は慣れた手つきで新たな刻み煙草を煙管に詰め、
また口に咥えようとする。
鈴仙は神妙な顔でそれを見ていたが、突然妹紅の手からそれを奪った。
妹紅は驚いて目を白黒させ、小さく唸った。
「私、吸ってみます!」
「や、別に吸ってみろなんて一言も言ってない」
「あれ?煙が出ない…」
「まだ火を点けてないんだから当然でしょ…」
「じゃあ早くつけて下さい」
妹紅は顔をしかめ、自分の顔をつるりと撫でたが、
鈴仙が煙管を両手で押さえ咥えたまま、
思いっきり吹いたり吸ったりしようとするので慌ててそれを静止し、
指で煙管の先端を押さえた。
「分かった、つけるから。
あとそんな風に思いっきり吹いたり吸ったりしないで。
煙草が飛んでしまう。ほら…今つけるから、その間に吸うんだ」
そのまま煙管に当てた指先に静かに火が灯り、
鈴仙がすぅっと息を吸う音がした。
「っん…けほけほ…」
「そんなに吸わなくても煙は吸える…
あと煙出す時は煙管から口を離すんだよ」
「んん……。にが…まず…」
煙をけほけほと口や鼻から出しながら、鈴仙が顔をしかめた。
妹紅は呆れた顔をして指を煙管から離した。
「人の煙草勝手に使ってよく言う…それ、割と良い葉だったんだけどね…」
妹紅の呟きには返事を返さず、鈴仙は何度か吸ったり吐いたりを繰り返した。
すぅ、はぁ、という呼吸音が辺りに聞こえる。
妹紅はしばらくそれを眉をひそめて見守っていたが、
やがて諦めたようにまた溜息をついた。
「こんなもの良く吸いますね…」
しばらくするとようやく勝手が分かってきたのか、
煙管を指で摘まんだまま鈴仙がそう言った。妹紅は肩をすくめた。
- 873 :1/3:2007/10/17(水) 21:35:07 ID:vn3veXic0
- 連投気味な上に相変わらず分かり辛くてすんまそ
創想話落ちてる間の暇つぶしにでもなれば幸い
境内の宴会の席から少し離れた縁側で、
蓬莱人が一人静かに酒を飲み、煙管を楽しんでいた。
藤原妹紅はぷかりと煙を吐き出し、夜空を見上げ、ほうと溜息をついた。
満月である。
「好い月だなぁ」
「本当ですねぇ…」
誰にとも無く吐いた呟きに返事が返ってきたので、
妹紅がちらりと視線をやると、廊下に薬師見習いの月兎が立っていた。
厠にでも行った帰りだろうか。酔いが回っているようで顔が赤い。
妹紅は鈴仙から視線を外に戻し、また煙管を噛み、煙を深々と吸った。
特に会話を続けるつもりは無かった。
「向こうでお飲みにならないんですか?」
普段の慎重で気弱な鈴仙ならば、
そのまますぐに立ち去ったであろうが、
酒と月の力で陽気になっているのだろうか。
そのまますとんと脇に腰掛け、話しかけてきた。
妹紅はぷかりと煙を吐き出しこう呟いた。
「今日はそういう気分じゃないんだよ」
「そうですよねぇ。こんなに好い月ですものね」
何に納得したのかは分からないが、鈴仙は嬉しそうに何度も頷いた。
妹紅としては、暗に一人で静かに飲みたいと示したつもりだったのだが、
一人はしゃいでいる兎には通じなかったようだった。
妹紅は少し煙を吸って、はぁと小さな溜息と共にそれを出し、
また月を見上げた。
- 874 :2/3:2007/10/17(水) 21:36:13 ID:vn3veXic0
- そしてしばらく両者は会話を交わさなかったが、
妹紅の隣の鈴仙が立ち去る気配は無かった。
妹紅が胡乱な表情でそちらを見ると、鈴仙はほうけた表情のまま、
妹紅が出す煙を視線で追っていた。
珍しく大分酔っているようだった。何かあったのだろうか。
「師匠も時々煙草を吸ってるみたいですけど」
「…知ってる」
「煙草って美味しいんですか?」
その言葉に妹紅は目を細め、煙を吐いた。
そしてかぁんと音を立て、煙管で煙管盆を叩き灰を捨てた。
「さぁて…私は美味しいと思うけど」
そして妹紅は慣れた手つきで新たな刻み煙草を煙管に詰め、
また口に咥えようとする。
鈴仙は神妙な顔でそれを見ていたが、突然妹紅の手からそれを奪った。
妹紅は驚いて目を白黒させ、小さく唸った。
「私、吸ってみます!」
「や、別に吸ってみろなんて一言も言ってない」
「あれ?煙が出ない…」
「まだ火を点けてないんだから当然でしょ…」
「じゃあ早くつけて下さい」
妹紅は顔をしかめ、自分の顔をつるりと撫でたが、
鈴仙が煙管を両手で押さえ咥えたまま、
思いっきり吹いたり吸ったりしようとするので慌ててそれを静止し、
指で煙管の先端を押さえた。
「分かった、つけるから。
あとそんな風に思いっきり吹いたり吸ったりしないで。
煙草が飛んでしまう。ほら…今つけるから、その間に吸うんだ」
そのまま煙管に当てた指先に静かに火が灯り、
鈴仙がすぅっと息を吸う音がした。
「っん…けほけほ…」
「そんなに吸わなくても煙は吸える…
あと煙出す時は煙管から口を離すんだよ」
「んん……。にが…まず…」
煙をけほけほと口や鼻から出しながら、鈴仙が顔をしかめた。
妹紅は呆れた顔をして指を煙管から離した。
「人の煙草勝手に使ってよく言う…それ、割と良い葉だったんだけどね…」
妹紅の呟きには返事を返さず、鈴仙は何度か吸ったり吐いたりを繰り返した。
すぅ、はぁ、という呼吸音が辺りに聞こえる。
妹紅はしばらくそれを眉をひそめて見守っていたが、
やがて諦めたようにまた溜息をついた。
「こんなもの良く吸いますね…」
しばらくするとようやく勝手が分かってきたのか、
煙管を指で摘まんだまま鈴仙がそう言った。妹紅は肩をすくめた。
- 875 :3/3:2007/10/17(水) 21:37:10 ID:vn3veXic0
- 「私には美味しく感じるんだよ」
「これが美味しいと思えたら私は一人前でしょうか…」
少し弱弱しくそんな事を呟く鈴仙を見ながら、
妹紅は、ははぁと苦笑を漏らした。
今宵の薬師見習いがいつも以上に酒を飲んだのは、
大方何か失敗をやらかしてその師に叱られたかして
ヤケになったからに違いないと気付いたからだ。
「さぁて…」
何か上手い事でも言ってやれれば良かったが、
妹紅には何と言えば良いのか分からず、言葉を切った。
そこでまた沈黙が訪れる。
未だ鈴仙の手にある煙管からは細い煙がただ静かに流れており、
二人ともしばらくは何をするでもなくその煙を視線で追っていた。
どれ位の時間が経っただろうか。
妹紅がふと気付くと、鈴仙が縁側の先に座ったまま横になっていた。
「何だ寝てしまったのか…」
妹紅はそう呟き、鈴仙の手から離れた煙管を静かに拾った。
まだ火は消えておらず、煙が出ていた。
妹紅はそれを咥えるとゆっくりと大きく煙を吸い込み、やれやれと呟いた。
「煙草の美味さが分からないガキは永琳に膝枕でもしてもらうと好いのさ」
そして美味そうな顔でぷかりと煙を吐き出すと、
寝ている兎の師を呼びに行く為に立ち上がった。
すまね、何か順番がみょんな事になった。\(^o^)/
- 876 :名前が無い程度の能力:2007/10/17(水) 23:51:19 ID:Yqj4tcI20
- 858 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2007/10/17(水) 23:43:53 ID:cERm5NqQ0
■月 ○日 No445
今日は健康診断の日である。いつもより早く出社してさっさと手続きを済ませる。
この健康診断、うちの会社はやけにお金をかけているようでチェックする項目が多い。
まだ二十代なのに血液検査もあるし、CTまで撮影する。
友人にこのことを話したら「ありえない」と言われた。
うちの部署も妖怪用会場として使われている。
妖怪用会場では、身長体重計測は免除される。 そもそも身長も体重も妖怪に
よっては可変なのだ。 朝倉が体重計に乗らなくていいのは良いと言っている。
聴力検査や視力検査は妖怪用のものらしく、都度妖怪の学名を申告しないといけない。
たとえば「エモマイア」という学名の妖怪は魔界に住むカミ様のことを指すらしい。
なんでも「黎明期の母」という意味だそうだ。 わかるかそんなもん。
一方で産婦人科の先生による乳ガン発見の触診も開催されている。
女性型が多い妖怪にとって乳ガンは決して人ごとではない。
人間と違い、投薬や魔力療法による治療法が確立されているらしいが、
その内容は人間にとってとうてい耐えられるものではないという。
そしてこの触診で毎回必ずあるのが覗きである。
気持ちはわからないでもないが、猛獣を眼前で見るようなリスクがあるのに
頑張る奴がいる。 誰とは言わない。
幻想郷で仕事をすると確実に体重が減る。 私も幻想郷で働き始めて
7キロくらいは減量している。 現地の食べ物の粗食に慣れたためと言えそうだ。
入社したときはピッツァでも、ものの一年くらいでほぼ健康体の体重に戻れるだろう。
ただ塩分の採りすぎに注意と言われた。 お酒は控えろということだが
こればかりは幻想郷での楽しみの一つなのでやめられない。
ヴィヴィットが「私には健康診断はいらないのか」と言っていた。
乳ガン検診のまねごとをしようとしたので必死で止めた。
周囲はやれ、もっとやれと五月蠅かったがそういう問題じゃないだろう。
- 877 :名前が無い程度の能力:2007/10/18(木) 07:18:47 ID:KgGEGktc0
- なんとかしてよ、モリやもん
「どーしよー諏訪子。全然信仰が集まらないわ。
そもそも私、軍事専門だから皆が期待するような御利益を発揮できないの!」
「まったく。後先考えずに突っ走るとイタイ目見るって言うでしょう?」
「うっさい! あんた負けたんだから相談にのってくれてもいいじゃない」
「むぅ。しゃーない、そんな神奈子におねーさんがこれを貸してあげよう。
『ミシャグジ制御棒オンバシラ』!」
「(何がおねーさんだ、このロリ神が)オンバシラ?」
「(こーみえても二児の母だもーん)私がが湛えたミシャグジパワーを引き出して制御する神具だよ」
「つまり、魔法少女のステッキみたいなもんか。それにしちゃ随分とごっついわねぇ。4本もあるし」
「わたしゃ人語を解す謎の小動物か。だいたい神奈子も少女って歳じゃn――OKわかった。
その物騒な藤枝を引っ込めてちょうだい。とにかくこれを使えば天候操作に狩猟や農耕、
交通安全に学業成就と安産祈願までなんでもござれの神徳を発揮できるわけ。
まぁ、たまーに大暴走するけど、そんときゃこの薙鎌打ち込んでぶん殴れば大人しくなるわ。
あと最低でも7年に1回は更新して、日々の感謝を忘れないこと。怠ったら祟るわよ」
「ありがとう、諏訪子」
「礼には及ばないわ。こう云うのは主祭神が看板張るのが道理だし、私の力を貸すことで信仰の何割かは私の取り分になる。
神奈子は肉体労働。私は頭脳労働。コレで貰えるギャラは同じってわけ」
「……結構あざといわね」
- 878 :名前が無い程度の能力:2007/10/18(木) 10:53:17 ID:wP4hZxew0
- >>875
俺も煙草の美味さが分からないから永琳に膝枕してもらうー
>>877
諏訪子テラアザトース
- 879 :名前が無い程度の能力:2007/10/21(日) 18:47:48 ID:lMLbYvTYO
- >>873~875
俺のツボな文章やったー。
人物設定とかぐっどです。
- 880 :名前が無い程度の能力:2007/10/23(火) 23:06:03 ID:Zg6NzFp60
- 「八坂様、今日はこのような献撰物ありましたが?」
「うげっ!? す、諏訪子にあげときなさい」
「はい」
後日
「神奈子ぉ、この間はありがとね」
「あら諏訪子。何のこと?」
「お供え物くれたでしょ、百㌘6千円超の高級食材。久しぶりに堪能したわぁ♪」
「そ、そう? よかったわね」
更に後日
「八坂様、今日はこのような献撰物が……」
「ギャッ!? 諏訪子にあげちゃいなさい! ったく、なんで虫なんか供えるかなぁ!?」
イナゴ、サナギ、蜂の子、ザザ虫(南信方面:高級食材)。
この地に移って数千余年。未だ昆虫食文化には馴染めない神奈子であった。
- 881 :名前が無い程度の能力:2007/10/24(水) 02:17:26 ID:3DDeWeeE0
- やっぱ
, -‐ 、, -─-- 、.,_
,.i (:::)! `ヽ,. -、
./ ゝ-‐' _____ !. (::) ←こっちが喰ってんのか……?
_,./__,,. -‐ ''"´ ̄ ̄`"'' .、`ヽ,ー:'
,. ''"´ /´ / ;' _;'_;'_ ! /! ;`ヽ,ヽ、
'.、 .;' ', i ´ハ_」_/|/ ! メ! ,!ヽ,. ヽ.
`Y i Vレ'7´;' ,ハ レ'_」ソノ., ', ';
_ノ i ,ハ i. '、_ソ ;',ハY.ノ i i
`.>' (__⊂⊃ '、ソノ!イレ' ノ
∠._ ノ | |、 ,.-┐ ⊂!_)‐''"´
レ'´ヽ、 ! iソ>,、.,,_ _,,. イ |ヽ.
'ァ| !>;`ヽ、「、,ハ.| !ヘ)
/ ! !、::ヽ、.,___ノヽ. ! |
,:' `ヽ! ';::::::::ヽ::`'; 'レヘ!
/ _,,. -‐rァ-、::::::::::r‐''i7ヽ、
;' ァ'´ i,/ ̄`ヽ;:::`i、,| ! ';
! | !_____,r'::::::::|:::「i i
`ヽ. 「!::::::::!|--‐-ゝソ !
,.ヘ ',ゝ、ノ/:::::i:::::::'、.,__ノ
/:::/`'';ー--‐'/::::::::!::,o-oヽ.
く:::::::/:::::/ ,.-r'::::::::::::::;::'ニニヽ::;ゝ
- 882 :名前が無い程度の能力:2007/10/25(木) 18:48:20 ID:lt51fLb20
- なんかで読んだな、そんな漫画
カエルを寄生させてるやつだったが
- 883 :名前が無い程度の能力:2007/10/25(木) 19:11:18 ID:UGQMzmhE0
- ど根性ガエル
- 884 :名前が無い程度の能力:2007/11/03(土) 01:20:08 ID:HmsoBeSU0
- 「これより門番隊選抜試験を行う。裏庭に散会している敵を突破し帰還せよ!
模擬戦闘だからといって気を緩めるな!」
「一体どうなってんのさ!」
「知るもんかい!新入りだと思って馬鹿にして!」
「どうせ空砲だ、めいっぱいぶち込んでやるわ!」
TATATATTATATATATATAN!
「なっ!本物の弾幕!」
「ヒィ!」
「たったったっ助けて!」
美鈴「着いた早々の模擬戦闘、それは単なる適性テストではなく、
共食いと呼ばれる、ある種の能力純度をふるい分けする、
苛酷な実践であることを、私は知った。」
- 885 :名前が無い程度の能力:2007/11/03(土) 01:36:13 ID:iVb3dVIQ0
- >>884 そりゃこっち向けだろう?
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/6306/1181817938/
- 886 :名前が無い程度の能力:2007/11/03(土) 10:04:26 ID:HmsoBeSU0
- >>885
早とちりしてしまった、申し訳ない。
- 887 :流れ落ちる水:2007/11/12(月) 01:13:10 ID:AxZscp2w0
- マンパワーが、いや、フェアリーパワーが足りていないとは言わせない。
今度、メイド長と話す機会があれば、ちょっとその辺りをつついてやろう。面白おかしく。
等と、思考を遊ばせながら、出窓を何となしに眺めていた小悪魔であるが、その中に、いくら管轄外と言えども、契約外といえども、看過できない点を見てしまった。
手元にある整理中の書籍を適当な机の上に置き、ロングスカートを上からなぞって、内股にしこんでいるスペルカードのホルスターを確認する。
(はしたないから、やめなさいとはパチュリーの忠告)
「本当にうちのメイド隊は何をやっているのよ!」
蝙蝠の翼をはためかせ、床上に散らばった埃を舞い上げながら、小悪魔は図書館の宙を駆け、急ぎ外へ飛び出した。
ウチの妖精メイドもそれなりの数が揃っているはずだが、彼の御方が相手であるのなら全然足りてない。くっ、フェアリーパワーが足りない。
図書館の出窓に写る1人の人影。七色の翼を持つ吸血鬼。
フランドールはまさに千本の針が大地を穿つかのごとく、凄惨な豪雨の中に飛び出そうと、館のエントランスに立ちつくしていた。
−−−
「フランドール様!」
間に合った。というか、お相手の方は、出窓から見たビジョンとそれほど変わらず、素直に雨を鑑賞していたようだった。
紅魔館の最終兵器。紅魔館の支配人の妹君は、こちらに虚ろな視線を投げかけてきた。
「あなた、だれ?」
幼く甘い口調で語りかけてくる。まだ、問答無用で破壊してくるような殺伐さは感じられない。
一抹の理性は残っているようだ。
小悪魔はその様子に安心したものの、対処法を間違えればたちまち牙をむく、その第一種危険物に対し慎重に応対することにした。
「私はパチュリー様にお仕えしている、しがない小悪魔でございます」
「ふぅん、そなの」
興味なさげ…、仰々しく優雅に一礼した自分が馬鹿みたいだ。
だが、そんなことは問題ではない。
「一体、このような所で何をしていらっしゃるのですか」
吸血鬼にとって、まことに千本の針にも等しい、雨も降っているというのに、こんな所で…
「雨ってさ。憂鬱だよね…」
人の話を全く聞いていないようなネタフリ。
「はぁ…そうですね」
とりあえず同意をしておく。いくら悪魔の端くれとはいえ、小悪魔も命が惜しい。
「でも、ここで見てると面白いね。こっから…」
フランドールはエントランスの中をぐるりと指で指し示す。
「ここまでが、セイフティー。でも、こっから先は」
今度は、紅魔館のエントランスから正門までを指で指し示した。
「デッドエンドシンフォニー」
- 888 :流れ落ちる水:2007/11/12(月) 01:13:42 ID:AxZscp2w0
- 惜しい。ちょっと惜しい。だが、鼓膜を破壊されたくないのであえて突っ込む事を避けた。
「鼓膜を壊しても音が聞こえるって、本当かな?」
「さ…さぁ…」
あっていたのか。だが、何故その発想に至ったのか理解に苦しむ。小悪魔はフランドールのよく分からない例えに思考のペースを崩されていた。
「それじゃあさ…」
メイド長、仕事しろ。今こそお前の出番だ。そんな半分不逞なことを考えながら、
「フランドールさまぁ!」
豪雨の中、デッドエンドシンフォニーに誘われるように飛び出したフランドールに対して、
小悪魔は持てる翼を総動員して、追いすがった。
落ちる雨粒の弾幕もチョン避け出来るような錯覚を感じながら、宙を飛ぶ。
地面に到達する衝撃を感じる暇もなく、小悪魔は雨に濡れた石畳の上に、
フランドールを押し倒しているような格好で、何とか支配人の妹の縊死を防いだ。
「つまんない」
その何とも間抜けで、スレた物言いに、小悪魔の堪忍袋の緒に刃が滑りかけた。
目下にキッと視線を合わせる。フランドールは、あいかわらず虚ろな視線で、小悪魔の顔を見上げていた。
その目の周りは、まるでナイフで刻まれたかのように鮮血に染まっている。
吸血鬼に、流れる水は天敵だ。それは鋭利な刃のように皮膚を切断し、出血を強いる。
今、その吸血鬼の中で最も危険な娘は、小悪魔が翼を広げているお陰で、その身を雨で切る必然には巡りあっていない。
では、この目の周りに出来た傷は…
「495年。地下の中に行動を制限され、出された物を食べて、後は何をすることもなく、ただ生きているだけ」
その独白に、小悪魔は心に氷を当てられたような怖気を感じた。
駄目だ、まずい…会話を…
「何かしようにも、私には壊すことしか出来なかった。手に取る物全てが砂になる呪いをかけられた男は、最後は飢えて死んでしまう話なんてのがあったわね」
「フランドール様、それは…」
駄目だ、言葉が出ない。
残念ながら、フランドールの独白に答えるだけの準備も契約も力も、小悪魔は持ち合わせていなかった。
「でも、私は飢えて死んでいない。出された物を食べるから。家畜のように、495年…
だから、悪戯してみたくなったのよ、あまりにも、つまらなかったから…」
そう言って、フランドールは満面の笑みを浮かべた。目尻から水が流れ、新たな朱線が走る。
小悪魔は、結局何も言うことも無く、言える言葉の持ち合わせも無かったので。
「早く雨、止んでくれるといいですね」
マニュアル通り、天気の話をするしかなかった。
「そうね、このままじゃあ動けないものね」
ああ、始めて会話が成り立った気がする。そんな事に一抹の満足感を感じつつ
小悪魔はメイド長が帰ってきたら、どんな嫌みを言ってやろうか、思いを馳せたのだった。
−−−
過疎にも程があるので、即興でこんなものを。
SSの実力向上を目指すスレ901のお題「冬の雷」用に考えたプロットだけど
旬を過ぎているので、こっちに。
しかし、思ったことが全部書き切れてない感があってもどかしい。
- 889 :名前が無い程度の能力:2007/11/12(月) 07:05:30 ID:9sfAt/KI0
- GJ 小悪魔もGJ
過疎にも程があるには激しく同意。
しかし創想話も今は人少ない感じだし、仕方ないのかもね残念だけど。
- 890 :名前が無い程度の能力:2007/11/12(月) 07:24:38 ID:N36p1OFM0
- いいものを読ませてもらった
- 891 :流れ落ちる水:2007/11/13(火) 00:05:38 ID:DDnfXZf20
- アー!
見直してみたら、頭の部分コピペミスってるし...('A`)
申し訳ないですが、こっちから読んだってください。
てか、やっぱり一日寝かしてから投稿するべきだったと猛省・・・
−−−
「ちょっと雨降らしてくるわ」
そう言って、奥の部屋にパチュリーが籠もってから約1時間後。
パチュリーによる魔法という名の予言は当たり、千本の針が大地を穿つかのごとく、凄惨な豪雨が降り出した。
日中には静穏を旨とするこの紅魔館に場違いとも思える雨の音は、小悪魔にとって契約に縛られた日常の中に
対する、好ましいアクセントに思えた。
図書館の外を写す希少な出窓に視線を移す。
外と中からの埃によって無様に薄汚れた出窓も、雨が甲斐甲斐しくも激しい音と共に掃除を行っていた。
「うちのメイド隊は、何をやっているんだか…」
思わずため息も出てしまう。出窓がこれほど汚れていると言うことは、この図書館の掃除も十分でないに違いない。
図書館が汚れている→埃が多い→喘息の原因が多い→パチュリー様の調子が良くならない。
このコンボは小悪魔にとってあまり好ましいコマンド入力ではない。パチュリーが喘息による吐血で本を汚すリスクがあるからだ。
確かに、この図書館には結構なスペースが存在しているが、紅魔館の妖精メイドもそれなりの数が揃っているはずだ。
- 892 :こんな妖々夢は嫌だ:2007/11/13(火) 18:19:49 ID:6WoRlKa60
- アリス 「で、何が心配なの?」
咲夜 「服の替えを3着しか持ってこなかったの。」
アリス 「カップルバスター参上!死あるのみ!」
咲夜 「違う!」
- 893 :名前が無い程度の能力:2007/11/15(木) 13:30:43 ID:LzqedSTM0
- 最近 日記スレにSS書き込む人が増えてます
引き取りに来て下さい
- 894 :名前が無い程度の能力:2007/11/15(木) 14:34:57 ID:OdaUsLKU0
- 厄介払いは受け付けておりません
お引き取り下さい
- 895 :名前が無い程度の能力:2007/11/15(木) 14:43:43 ID:QC3HuVxE0
- 引き取りに来いと言っているのに引き取れとはこれ如何に。
- 896 :名前が無い程度の能力:2007/11/15(木) 18:43:45 ID:s0PZBxNk0
- 誰が小噺をしろとwww
- 897 :名前が無い程度の能力:2007/11/20(火) 00:17:32 ID:wrQv6qSk0
- チルノ「大ちゃ〜ん」
大妖精「あら、チルノちゃん。どうしたの?その本」
チルノ「湖で拾ったのよ、中を見てみたんだけど、呪文書みたい」
大妖精「へ〜珍しい落とし物もあるんだね」
チルノ「そんなことより!凄いのよ、大ちゃん。この呪文書!」
大妖精「?何が…?」
チルノ「(パラパラパラ…)ほら、ここ!ここんとこ!」
大妖精「えーっと。
メ○:火の呪文。モンスターに10程度のダメージ。
ヒ○ド:氷の呪文。モンスターに30程度のダメージ…
えーと、それで?」
チルノ「えー!?わかんないの?
じゃあ、(パラパラパラ…)ここは?」
大妖精「えとえと…
○リト:火の呪文。敵一体に1〜8程度のダメージ
ダ○ト:氷の呪文。敵1グループに6〜36程度のダメージ。
え…えーっと…(何となく言いたいことは分かったような)」
チルノ「分かった!?大ちゃん?」
大妖精「えーと…火の呪文よりも、氷の呪文の方が強いってことかな?」
チルノ「そう!それよ!良かったわー、あたいが氷精で。
これが炎の妖精だったら、一生氷精にバカにされていただろうし。
何より、アタイが最強になれなくなるしね」
大妖精「うーん…でも、炎の妖精でも、強い人はいると思うけどなぁ…」
チルノ「(チチチ…)甘いよ大ちゃん。持って生まれた才能っていうのが、妖精
にはあるんだからさ。じゃあアタイ、ちょっと出かけてくるね」
大妖精「ええっ!一体どこへ!?」
チルノ「アタイの最強っぷりを証明しにいくのよ。晩ご飯までには帰ってくるわ」
大妖精「ちょっ…チルノちゃーん!」
チルノ「アタイの進む栄光のロード!それが未来となるのよおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!」
大妖精「チルノちゃーん!…ああ、行っちゃった。晩ご飯はさっき食べたばっかりだっていうのに…」
−−−
チルノ「さぁてと、どこかに、アタイの敵になりそうな炎の妖精はいないものかしら。
ちょっとは、歯ごたえのあるのがいればいいんだけど。
アタイの美技に、酔ってくれるくらいにはね。
っと…あそこにいるのは…
あの火の鳥、大きい…
アタイの敵に相応しそうな相手ね、早速勝負を挑みに…
…って、何?あいつの目の前にいるちんちくりんのガキンチョは?
あの火の鳥相手に戦うっていうの?
あーっ、無理無理、やっぱり、ああ言う大物っぽい奴は。アタイの氷の呪文でさっくr…」
ボウッ
妹紅「炎が…アタシを読んでるぜっ!」
フラン「なら燃え尽きなさい、潔くねっ」
妹紅「みせてあげる。藤原のコブシををっ!」
少女弾幕中
フラン「らぁくには、しなせないわよぉぉ!」
−−−
大妖精「あ、チルノちゃん。おかえり〜。あんまり他の妖精いじめたりしたら駄目だよ〜。
で、今度はどこまでちょっかい出してきたの」
チルノ「大ちゃん…、アタイ、なんで氷精なんだろうねぇ…(ふぅっ)」
大妖精「チ…チルノちゃん?」
チルノ「はぁぁぁぁ…どうせなら、炎の妖精に生まれたかったなぁ…」
大妖精「どどど…どうしたのチルノちゃん!?さっきと言ってる事が違うよ?」
チルノ「大ちゃん。ハバネロ食べたら炎の妖精になれるって本当?」
大妖精「チルノちゃん、しっかり…しっかりして!」
−−−
ぶっちゃけ途中の掛け合いが書きたかったd(ry
ごめんなさい。ごめんなさい。
- 898 :名前が無い程度の能力:2007/11/20(火) 00:26:47 ID:wrQv6qSk0
- 肝心なところ間違えたorz
×妹紅「炎が…アタシを読んでるぜっ!」
○妹紅「炎が…お前を呼んでるぜっ!」
- 899 :名前が無い程度の能力:2007/11/24(土) 11:17:16 ID:916P1Jek0
- 大丈夫だよチルノちゃん
彼女たちは妖精じゃないから!
炎の妖精は氷の妖精より弱い・・・かもしれないよ
- 900 :名前が無い程度の能力:2007/11/24(土) 22:30:29 ID:md2blmmk0
- パチェ「初めまして。貴方がレミィを恐れない人間ね?」
妹紅 「多分そうだけど、一体どうしたの?」
パチェ「そう……唐突だけど、貴方が畏れているものは何?」
妹紅 「何を藪から棒に。大体、人の畏れているものをおいそれと言うと思う?」
パチェ「今は緊急事態なのよ」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
小悪魔「最近、お嬢様の元気がありませんね」
パチェ「最近、食事を採ってないらしいわね」
小悪魔「ええ?!でも妹様は食事を採っていますよね?」
パチェ「レミィと妹様には決定的な違いがあるわ」
小悪魔「???」
パチェ「レミィは妹様以上のプライドがあるのよ」
小悪魔「といいますと?」
パチェ「レミィは自分を畏れる者の血しか飲まない」
小悪魔「という事は……」
パチェ「最近の人間は、レミィを畏れていないのよ」
小悪魔「吸血鬼をですか?」
パチェ「レミィをよ」
小悪魔「???」
パチェ「咲夜は……まあ吸血鬼を恐れないでしょうけど、レミィは別の意味で畏れてないでしょう?」
小悪魔「え〜と?」
パチェ「幼女ハァハァ」
小悪魔「……」
パチェ「つまり、最近外の世界から入ってきたロリコンという文化……どうしたの?」
小悪魔「い、いえ……(パチュリー様が壊れたかと思った……)」
パチェ「そういうわけで、レミィは意地でも血を飲まないのよ」
小悪魔「咲夜さんも苦労しているでしょうね」
パチェ「だから、こうして私が解決策を調べているわけ」
小悪魔「つまり、特殊な趣味の人が恐れるような特徴を持てば、人間達はお嬢様を畏れるという訳ですね」
パチェ「そういう事」
小悪魔「だったらあの人に聞いてみればどうでしょう?」
パチェ「あの人?」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
パチェ「というわけで、レミィの為にわざわざこんな所まで来たのよ」
妹紅 「こんな所で悪かったな」
パチェ「それで、貴方の畏れているものは?」
妹紅 「まあそういう事情なら仕方ない。私が畏れているのは……」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
小悪魔「それでまんじゅうスーツですか?」
パチェ「ええ。蟲の卵を彷彿とするらしいわ」
小悪魔「そっちの角っぽい物はなんですか?」
パチェ「あの人間に会う時に迷っていたら、ウサギが出てきて案内してくれたの」
小悪魔「はぁ」
パチェ「そのウサギが『あの人はこれが苦手よ』って」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
レミリアが畏れられるようになったかどうかは、また別のお話。
- 901 :名前が無い程度の能力:2007/11/24(土) 22:47:12 ID:ief16Es60
- 吹いたw
- 902 :名前が無い程度の能力:2007/11/25(日) 00:35:10 ID:FbvyJmBA0
- これは良い饅頭こわいw
- 903 :名前が無い程度の能力:2007/11/25(日) 05:10:43 ID:YsQrTmV20
- 魔理沙「おーっす香霖! 頼んでたアレできてるかな?」
霖之助「あぁ来たね魔理沙、そろそろ来る頃だろうと思って早めに仕上げておいたよ」
魔理沙「サンキュー香霖!」
霖之助「しかしヒヒイロカネを使っても壊すとは、普段どんな使い方をしているんだか」
魔理沙「秘密だぜ」
霖之助「さて、ミニ八卦炉を直すついでに、いつものように新しい機能を追加してみたんだが」
魔理沙「また何か怪しげな物でも溶かして混ぜたのか。何にせよ役に立つなら何でもいいけど」
霖之助「効果は、まず総合的な火力の底上げ。それから、魔理沙の弱点だった攻撃範囲の拡大だ」
魔理沙「ほほう、それは頼もしいぜ」
霖之助「放出する魔力に強い誘導性を持たせることが出来た。これからは目を瞑って撃っても相手に当たる」
魔理沙「それに火力の底上げか。想像すると我ながらぞっとするぜ」
霖之助「それから、念じて撃てばマスタースパークが思いのままの香りを放つようになった」
魔理沙「……は?」
霖之助「それから、使わない時は猫の姿になるようにもなった。魔女には黒猫の使い魔、念願だったのだろう?」
魔理沙「つかぬ事を聞くが香霖、今度はミニ八卦炉に何を混ぜ……」
霖之助「別に。大した物じゃないさ、あまりにツケを払わない客が担保に持ってきた程度の品だし」
魔理沙「そうか、なら良し!」
- 904 :名前が無い程度の能力:2007/11/25(日) 08:10:26 ID:fUGrIMlA0
- 師匠が必死に求めていた陰陽玉の力を
いとも簡単に手に入れるなんて…
- 905 :名前が無い程度の能力:2007/11/25(日) 08:37:59 ID:z1h5y1WY0
- それを担保にしたらダメだろうw
- 906 :名前が無い程度の能力:2007/11/26(月) 07:17:43 ID:HrcYZddg0
- 吹いたw
- 907 :名前が無い程度の能力:2007/11/26(月) 13:14:32 ID:6ogLLy2.0
- マイナスイオンに加えてアロマ&アニマルセラピーまで可能になったとは・・・
- 908 :名前が無い程度の能力:2007/12/01(土) 06:55:09 ID:aIddoDII0
- 甘い物は!甘い物は食べても大丈夫なのでしょうか!
- 909 :名前が無い程度の能力:2007/12/08(土) 23:35:06 ID:p2FijgMk0
- 紅魔館。霧に包まれた湖のほとりにある窓の少ない紅い洋館である。この館を
表面上治めているのはスカーレットデビルと称される、誇り高き吸血鬼の少女
である。彼女には不思議な逸話がまとわりついている。曰く、彼女と謁見した、
或いはただ声をかけられただけで、その者のその後の生活が一変する、と。
「・・・で、私をそのように紹介した者がなんだってまた私の前にいるんだ?」
紅魔館を訪れる戦闘力のない人間の客は珍しい、にも関わらず興薄げに応対
してしまう。その理由は客の浮かべている妙な明朗さが気になったからだ。
お互いの間にある温度差は、次のような客の発話によって明確になった。
「はい。私の今のこの退屈な生活を一変して頂こうと思い、こうして参った
次第です」
「・・・具体的には?」
その一方で明確にならない客の目的に少々呆れと苛立ちを覚えつつ、先を促す。
「貴女の能力の"具体的な”仕組みを教えて頂きに参ったのです。貴女の能力を
もっと詳細に解析し、その対応策を考案して公表する、今後そのような生活が
送れるのならと思うとこれからの毎日が輝かしいものになるでしょう!また、
そこまでいかずとも、具体的な話を聞けばあれこれと楽しく無軌道な想像を
巡らせる事が出来ます。無聊の時間のスキマを埋めるにはもってこいの話題
ですわ!」
楽しそうに、本当に愉しそうに要求を述べる客。この返答は内心を楽しませるに
充分なものであった。しかし、ここで素直にこの要求を叶えてやる事には少々
抵抗があった。他でもない自分の能力の秘密を他者に晒されてしまうと
これからの自分の生活を脅かされかねない由々しき事態が起こるから・・・などと
いう理由ではない。彼女にとってはあくまでも「運命を操る程度」の能力なの
である。これまでの人生において積極的にこの能力を使ったことはおそらく
無い。これからも無いはずである。そうではなく、どうしてこの私が客の興味を
満たすための話をしてやらなければならないのか、と自分でも少々子供っぽいと
思ってしまう反発を抱いたからである。大体、唐突に訪れて他人の秘密について
ずけずけと訊いてくるその態度に苛立ちを募らせずにはいられない。その
気持ちを言葉を変えて表す。
「好奇心は猫をも殺す、と言うわよ」
「成る程、だからうちの一族は短命なのですね。旺盛なそれを抑えきれない
から・・・」
全く堪えた様子が無い。しかもなかなか気の利いた答えを用意してきた。反発や
苛立ちは溶け、この来訪者の望みを叶えてやろうか、という気分になった。
しかし自分の能力について説明するのは甚だ込み入っていて面倒くさいという
ことを覚えている。あれをもう一度自分で行うのは勘弁願いたいものである・・・
いや、結局自分でやったことは無かったか?ともかく、一貫して変化しない
客の無駄に朗らかな態度を崩してやりたくなったこともあって、答えを捻る
ことにする。その方が客の生活を面白く出来そうだし。
「まぁ良いわ。先の答え、結構面白かったし。でも残念ながら私直々に説明して
やる、という栄誉に辿り着くには少々物足りなかったな。そこでだ、お前には
図書館への入館権をくれてやろう。そこで自分で書物を紐解くなり、図書館の
主に教えを請うなりするが」
「身に余る光栄ですわ!私が答えに至るための道を用意して頂いた上、安易に
答えが得られてしまう失望感を避ける配慮まで下さるなんて。流石、吸血鬼は
紳士でいらっしゃるのね。いえ、淑女と言うべきかしら」
客の希望に沿えたのは予想通り、それを客から言い出されたことは予想外。
しかも客の態度は想定外の方向に進んでしまった。両手を胸の前で合わせ、
尊崇の眼差しを向けてくる。そのやや大げさな態度自体には不満を覚える事は
ないが、何か引っ掛かる。その違和感にあれこれ思いを致しているうちに、客は
深く一礼して図書館の方に向かっていった。あっさりしたものである。まるで、
自分から答えを得ることは最初から期待しておらず、図書館に入る事が優先
だったような・・・。
- 910 :名前が無い程度の能力:2007/12/08(土) 23:36:37 ID:p2FijgMk0
- 紅魔館の地下に広がる、大図書館。ここに立ち並ぶ書架は一つ一つが人の背丈の
何倍にもわたる高さを持っている。横幅は一体何歩歩けば端から端へたどり
着けるのか、想像も付かない距離。そのような本棚がいくつも聳え立つ、広大な
空間であった。それに比して遥かに小さな人影が二つ、書架の間に置かれた
テーブルを挟んで相対していた。片方は私、もう片方はこの図書館の主で・・・
「レミィの能力・・・ねぇ。そんな事調べて一体どうするつもりなの?」
「ですから退屈しのぎ、ですよ。それに、能力を知りたいのは脅威を避けると
いうためだけでなく、何か生活の役に立てる方法を考案するためでもあります。
どっちにしろこれからの運命を左右することになります」
動かない大図書館、知識と日陰の少女等の異名を持つパチュリー・ノーレッジと
最初に交わした一言は先のようなものである。そして訪れるしばしの沈黙。
このタイミングで、彼女の使い魔たる少女が甘酸っぱい紅茶の香りと、苦く
香ばしいコーヒーの香りを伴ってやってきた。茶器をテーブルに置き、言葉なく
一礼して立ち去る・・・その後姿に、より厳密には背中と側頭部に揺れる二対の
大小の翼に目を向けつつ、コーヒーカップを手にしたパチュリーが小声で呟く。
「・・・貴女は、先の見えない闇夜を自侭に飛び交う蝙蝠をどう思うかしら?」
これが解説の端緒だと気付くには少しの間が必要だった。あわてて紅茶の
カップを置き、求め聞く姿勢を整える。
「彼等は暗闇の中でも物にぶつかることはない。ただ、どこぞの宵闇の怪と
同じで、闇の中が見えているわけではないわ。彼等は自ら音を発し、その反響を
聴いて進む先の障害を見極めているのよ」
「へぇ・・・自分で声をかけ、聴いた者の返答を聞いている、と。それは初耳です」
では、あの紅い悪魔は未来に、或いは未来を知るものに尋ねているのだろうか?
こちらが疑問を呈しようとすると、再び紫の魔女が口を小さく開く。
「外の世界の本を読んでいて気になる記述を目にする事があるの。この世の
未知はすべて、幾重にも重ね合わせられた確率の波で出来ている、と。これは
不確定の未来を表しているのよ。そして実際に何かが起こったとき、混在状態
だった波は一つの形に収まる。これが確定された現在の象徴。おそらく、本の
著者に言わせれば未来はその時が“来て見ない”とわからない、ということね」
外の世界の本にそう書かれているのなら、外の世界では自分の運命を知る事は
出来ないのだろう。でも、外の世界からあぶれたものが集まるこの幻想郷では
どうだろうか?
「じゃあ、前もってその確率の波?のごちゃ混ぜ状態を、快刀乱麻を断つごとく
一つにまとめる力があれば未来を知る・・・いえ、未来を自分で決定できるという
ことですか?どうなっているのか、と訊くのではなく、こうなりなさい、と命令
する事で」
「外の世界では否定されたラプラスの魔、その進化形。蝙蝠の発する声は物体の
抗議を聴いた上で衝突を避けるために、レミィの発する声は運命をこちらの意の
ままに従わせるために・・・そんなところかしらね。もっとも、あの子がいちいち
意識して他人の運命を決定しているとは思えないけれど」
「そうですね。それに私の書いた記録と微妙にズレているような・・・運命が
自在に操られているというより、勝手に無軌道に決め付けられているだけの
ような・・・。結局、はた迷惑極まりない理由がわかっただけ、なのでしょうか」
得られた結論にため息をつく。すると紫の魔女の方も同じくため息を一息、
そして言葉を続けた。
「レミィがはた迷惑極まりないのはもう既に明らかでしょう。大体、圧倒的な
力を持つ存在が運命を知ろうだの運命を安全なものにしてしまおうだの、考える
はずがないわ。あの子が望む運命はただ一つ、自分が大いに楽しめるだけの
乱痴気騒ぎ、よ」
- 911 :名前が無い程度の能力:2007/12/08(土) 23:38:20 ID:p2FijgMk0
- 結局のところ、彼女と関わった者の運命は彼女の我儘に振り回されているに
過ぎないということだろう。紅魔館で聞いた話それ自体は非常に興味深く、私の
考える記憶の層について補足するところがあるように思われた。しかし紅い
悪魔の能力の悪影響を回避しつつ有効利用する方法は思いつけそうもない。
まあ、そうやって思い悩むことも求めてあそこに行ったのだから別に不満では
ないのだけれど。今思いつく限りでは、今日私がやったように、困難も含めて
毎日を面白おかしくするために彼女を活用する、というところだろうか。平穏に
日々を送っている人々にはちょっと扱いにくいものかもしれない。
さて、この能力の解説の項につける見出しは何が良いだろうか?そういえば
図書館を探索したときに、彼女に似た少女の物語を見つけた。そこから表現を
拝借しようと思う。称して、
『世界を大いに盛り上げるためのスカーレットデビル』
- 912 :名前が無い程度の能力:2007/12/09(日) 00:48:39 ID:bMsK0WiQ0
- 不覚にもワロタwwww
- 913 :名前が無い程度の能力:2007/12/09(日) 02:56:02 ID:Kg/F8vPc0
- これはすばらしいオチだなwwwwwwwww
- 914 :名前が無い程度の能力:2007/12/09(日) 12:02:34 ID:KMczg75.0
- くそう、「上手いこと言った」と自画自賛して悦に入る阿求が幻視できるぜw
- 915 :名前が無い程度の能力:2007/12/09(日) 12:36:54 ID:0/wu8P9w0
- 図書館にそんな本まであるのかwww
- 916 :名前が無い程度の能力:2007/12/09(日) 20:31:17 ID:LNnaeVp.0
- >>911
誰が上手いこといえといったwwwww
チクショウ、やられたぜ。
- 917 :名前が無い程度の能力:2007/12/10(月) 01:38:44 ID:25liINKY0
- 霊夢「お風呂お先どーぞ」
魔理沙「よっしゃ風呂や」
魔理沙「なんや冷たいやないかい」
魔理沙「どうなっとんやマジで」
霊夢「あれおかしいな?ちゃんと沸かしたのに」
チルノ「あたいのしわざだよーへへーん」
魔理沙「そうかよし殺す」
- 918 :おっぱお!:2007/12/11(火) 21:41:00 ID:4cnCPLTI0
- 「おっぱいはパワーだぜ!」
図書館に入るなり開口一番叫んだ魔理沙を、パチュリーはかわいそうな人を見る目で睨んだ。
「珍しく連れ立ってきたと思ったら、とうとう頭がやられたのかしら」
「ああ待って、違うのよパチュリー……」
一緒に来た人形遣いが泡を食って何事か弁解しかけるのを遮って、黒白の魔女は言い直した。
「ああ、間違えた。おっぱいは大きさだぜ!」
「……」
それを聞いてもパチュリーの困惑は深まるばかりであったが、そんな彼女の思いを知ってか知らずか、
アリスが追い打ちをかけた。
「何言ってるのよ、おっぱいといったら形の美しさでしょう!?」
いきなり何を言い出すんだお前ら。読書の邪魔だからとっとと帰れ。
正直な感想はそうであったし、口に出すのにためらうような気遣いは持ち合わせていない。しかし、
二人の少女のヒートアップは七曜の魔女に口を挟む隙を与えない。
「大体ねえ、大きさが全てなんて言ったらあんたは完全に問題外じゃない。その辺わかってるの?」
アリスがふふんと鼻を鳴らすと、魔理沙は青筋を浮かべるも、口元をゆがめて即座に反撃する。
「はっ、語るに落ちたなアリス!その発言はつまり、お前が形をよしとするのは
自分のが勝負になるフィールドだからって事じゃないか!私は自分のおっぱいがどうだからとか、
そういう不純な次元でものは見てないんだぜ!?」
「……おっぱいに関して熱く語るのがピュアかと言われると疑問符を浮かべざるを得ないのだけど」
思わず半眼で突っ込んだが、どちらもパチュリーの言葉を聞いていないのは明白であった。
「だから、中国のおっぱいはあの大きさが魅力なんだよ!手のひらに包み込もうとしても包みきれず
溢れ出るおっぱいの魅力がなんでわかんないかなあ!?」
「美鈴のおっぱいの魅力は大きさじゃないのよ!!
適度な弾力を持つ艶めいた肌のキャンパスに描かれる鎖骨から腋への扇情的なラインと
<光学迷彩>
の芸術が理解できないって悲しいわね!」
そうする間にも二人の議論は白熱していき、パチュリーの顔が困惑から呆れ、そして静かな怒りへと
変化していく。
「……しまった、熱くなりすぎたわ。大体二人で言い合ってても結論が出ないからここにきたんじゃない」
「そうだったな、おいパチュリー。そういう訳なんだが、お前はどう思う!?」
どういう訳だ。
もちろんのこと、パチュリーは二人の口論を半分以上聞き流していた。
「パチュリーは私の言うことが分かるよな。この分からず屋と違って実際でかいもんな」
「お前が言うな。でもパチュリーは大きいから、大きさが真理じゃないって実感できてるんじゃない?
バカ魔理沙と違って審美眼も確かだし」
ぷつん。
「……まあ、とりあえず座ったら?今お茶を持ってこさせるから」
促されて二人が椅子に腰掛けると。パチュリーの詠唱とともにどこからともなくしゅるしゅると這い出た
蔦が二人の少女を緊縛した。
「……あの、パチュリーさん?」
「……コレは一体何の真似なんだぜ?」
予想外の不意打ちにあっけにとられた少女たちが一瞬の自失ののち、唯一自由になる口を使って
問いかけると、パチュリーは静かに微笑んだ。むしろ優しげとすら言えそうな柔らかい微笑に、
だがしかし魔法使いと人形遣いは戦慄のあまり凍り付く。
「教えてあげる。おっぱいはね」
そこで一旦言葉を切り、ためを作る七曜の魔女。現在の状況を忘れ、少女たちは固唾をのんで
パチュリーの次の言葉を待った。
「感度よ」
魔女の台詞を耳にすることコンマ一秒、その意図するところを即座に察した二人の虜囚は
間髪入れずに暴れ出した。だがしかし、得意の獲物を封じられた二人の少女に、腕力で
パチュリーのスペルを破れる道理はなかった。
「いや、その、ちょっと待つんだぜパチュリー!!」
「い、いきなり押しかけて暴れてゴメンナサイ!このとおり謝るから許して!!」
二人の台詞を完全に無視して、魔女は両手の指を妖しく蠢かせた。
「……そんなに白黒付けて欲しいなら、私が確かめてあげるわ」
「「アッー!!!!!」」
- 919 :名前が無い程度の能力:2007/12/11(火) 21:54:02 ID:2XyEAzVU0
- ワッフルワ(ry
- 920 :名前が無い程度の能力:2007/12/11(火) 22:17:47 ID:eh.aggas0
- パチェがこんなことをするなんて…
この場合誰が注意するんだ?
- 921 :名前が無い程度の能力:2007/12/11(火) 22:32:17 ID:QnTTvo0o0
- 小悪魔が居るじゃないか。
- 922 :<光学迷彩>:<光学迷彩>
- <光学迷彩>
- 923 :名前が無い程度の能力:2007/12/12(水) 01:24:30 ID:lOlr6Ay60
- ワンクリ詐欺かフィッシング
- 924 :名前が無い程度の能力:2007/12/12(水) 01:28:24 ID:MiGtd3/Q0
- どれどれポチッとな
- 925 :名前が無い程度の能力:2007/12/12(水) 15:11:06 ID:yjTiK7A60
- 久しぶりにニヤニヤした GJ
- 926 :名前が無い程度の能力:2007/12/16(日) 11:46:19 ID:QHkIOREY0
- よく忘れてしまいそうになるのだが、自分は西行寺家の剣術指南役でもあるのだ。常の
ように庭仕事や幽霊の管理をするだけでなく、たまにはこの勤めを果たそうと思う。その
方が家でごろごろしながら食事や間食を摂ってばかりいる幽々子様のためにもなる。
というか、亡霊は生身の人間と大差ないのだからあんな生活を送っていてはあっという
間に肥えてしまう。これは良くない、早速明日にでも幽々子様を外に引きずり出さなくては。
うららかな陽気の午後、いつものごとく幽々子様は部屋でくつろいでいた・・・というよりも、
だらけていた。横たわって肘を床につけ、紫様から渡された劇画帖を広げている。傍には
当然のごとく煎餅の載った皿、それも山と積まれている。こめかみがヒクつくのを感じながらも
私は幽々子様の背を前に片膝をついて畏まる。この方に対応するときは自分のペースを乱さない
ことが肝心だと、最近になってようやく気付いた。
「僭越ながら申し上げます。本日よりしばらく、午後はこの時間帯より、幽々子様には体術の
稽古を積んで頂きます」
「どうしたのよ急に〜。貴女のテンションにはついていけない時があるわ」
「ここのところの幽々子様の生活態度を振り返りましたところ、あまりの酷さに目も当てられない
ばかり。このまま怠惰な生活を続けていては身体はなまり、勘も鈍いものになってしまわれます。
そうならぬよう、これからは日頃の行いを改めて頂こうと思った次第です」
「大丈夫よ〜。生きている人間の肉体じゃあるまいし。それにたとえなまってしまったとしても
貴女が守ってくれるじゃないの」
主のあまりに無体な言い訳には呆れるしかない。何となく町の薬屋の言葉を思い出す。どんなに
強固な盾でも内側の腐敗は防げない。一方で、あの時私は確かに「腐っても守るのが役目」と
言ってしまったことも覚えている。だが、内側に出来てしまった膿を斬って搾り出す事もまた、
守り方の一つではないだろうか。
「今しがたのお言葉ではっきりしました。幽々子様の精神は既に贅肉だらけです。ご安心を、
心の贅肉だろうが何だろうが、錆にしてしまうのが私の剣。すぐに斬り捨ててご覧にいれましょう!」
長く鞘走る音と短く鳴る音、それを聞いてようやく幽々子様はこちらを振り返り、目をぱちくり
させた。
「要するに、貴女にたやすく斬られるようでは精神の贅肉の蓄積を肯定するもの、と言いたいわけね。
いいわ、流石に面と向かって『最近太ったんじゃありません?』と言われるのは心外だしね」
・・・勘は鈍っていないようだ。嬉しいような、何か納得がいかないような。
白玉楼の庭の一角にて幽々子様を待つ間、少し緊張してきた。彼女との立会いは例の妖霧事変以来
久々となる。あの時は厳密には体術のみではなかったが、あのつかみ所の無い動きのことはよく
覚えている。とはいえ一度体験したこと、彼女の動きへの対策は身体が覚えている。そして修練を
積んだ事で対処法も完璧に再現できるはずだ。心の準備は万全、というところで幽々子様の姿が
見え・・・・・・・・・呆気にとられた。彼女の手にした獲物は短い直槍。鳳蝶の紋が柄にあしらわれた幽雅な
逸品、それ自体には文句はなかったが、あろうことかそれを両手に一本ずつ・・・槍の二刀流とでも
いうのだろうか。今まで見たことが無い幽々子様の武装、しかし使いこなせるとは到底思えない。
やはりふざけているのだろうか。
「待たせたわね、妖夢。それじゃ始めましょうか」
前置いて、幽々子様は槍を構える。その姿勢もどういう意図があるのか読めそうもない。あるいは
私を混乱させるためだけにこのような武装を用意したのだろうか?半ばその術中にはまりつつある
のではと戸惑いながらも、私も剣を構える。
戸惑いの代償は唐突に訪れた。幽々子様の方から仕掛けてきた。それも、こちらの想像を遥かに
上回るスピードで前に出てきたのである。真正面から矢のような刺突が迫り、慌てて身を逸らす。
間断なく次の刺突、白楼剣で受け流す。軽い、そう思って向き直ると幽々子様は二本同時に構え、
刺突の交叉が迫る・・・狙いは胴。大きく身を退ける。何とか反撃に転じようとして、交叉した槍を
左右下方に展開させる動きに出足を挫かれた。それだけに留まらない、すぐにまた左右交互の刺突、
刺突、刺突・・・速い、隙がない、狙いも良い。身を逸らす、受け流す、後ずさる・・・大木に背を
押し返された。そこに迫る、同時刺突の構え、下がれない・・・止めるしかない!全身全霊で防御に
徹する・・・・・・・・・来ない?否、この一瞬の惑いこそが彼女の狙い!光を照り返した死槍の穂先が尾を
引く流星となって視界を完全に埋める。
- 927 :名前が無い程度の能力:2007/12/16(日) 11:47:51 ID:QHkIOREY0
- おぞましい風鳴りと乾いた衝突音で我に返るころには、私は自分が大木に縫いとめられていることに
気付いた。敗北、それも完膚なきまでの。幽々子様はおもむろに槍を引き抜き、私に向かって軽く
一礼した。
「まぁ、こんなところね。どう、貴女の余計な不安は晴れたかしら?」
私は言葉を返すことが出来ない。ショックがまだ冷め切っていないのか、それとも様々に渦巻く
感情に気をとられているのか。そんな私の耳元に、幽々子様は小さく呟いた。
「妖夢、これだけは覚えておいてね。剣で槍に勝るにはね、その三倍の修練が必要なのよ」
そして緩やかに踵を返し、白玉楼の方へ去っていった。
その後姿を目で追いつつ、私の元に最初に訪れた感情は、歓喜。幽々子様はこちらが思っていた
以上に強い方であったという事実への。次に訪れたのは自分の不甲斐なさへの失望と悲憤。完全に
相手のペースに飲まれ、主を鈍いものと決めつけ、結局無様な敗北を晒した・・・自分の腕が心配に
値しない域に達しているなどというおこがましい驕りを持ってしまっていた。他人の心配をする
以前の問題だったのだ。悔しい、自分の未熟さが。
妖夢と仕合った日の晩、湯浴みから上がり、縁側に座る。傍には徳利と杯。ふと夜空を見上げると
今宵は望月。今日は妖夢の横槍が入ったおかげで、本をあまり読み進める事が出来なかった。まぁ、
こういう日もたまには良いだろうとは思う。それにしても、あの子は亡霊の身体を人間のそれと
同じだと勘違いしているのだろうか。亡霊の身体は痛む事もなまる事もない。生ものではないの
だから当然だ。とりあえず今日の一件で妖夢もしばらくは大人しくなるだろう、いや、むしろ修行に
励むかもしれない。いずれにせよ、私の邪魔をすることはないと思う。杯を傾け、次を注ごうとした
ところに、妖夢が現れ私の前で膝をついて畏まった。
「幽々子様、本日はまことに申し訳ありませんでした。幽々子様を修行付けるなどと、差し出がましい
真似をしてしまいまして・・・」
「別にいいわよ。身体を動かすのもたまには面白いし。でもね、もう少し私が暇そうにしている時に
声をかけて欲しかったわ」
徳利を傾ける。
「はい。それにしても今日は、私が幽々子様に稽古を付けて頂いたようなものですね。最後のお言葉で
目が覚めました。おかげであの槍を破る術も近々見つかりそうです!」
注ぎ終わったところで耳に飛び込んできた妖夢の言葉に、ふと不審を覚える。
「どういうことかしら?」
「槍に勝つには剣の修行を三倍は積まねばならない、というところですよ。まぁ、私の力量不足で
今宵のような満月の日にしか使えないのですが・・・」
妖夢はそう言うと立ち上がり、一枚の札を取り出した。
「符の壱『二重の苦輪』」
妖夢の宣言を受けて、半幽霊が一瞬震える。その後形を複雑なものに変化させる。魂魄の形が徐々に
失われ、次第に人の形を成していき・・・最終的には妖夢と瓜二つの形が作られる。その、二人目の
妖夢が横に一歩ずれると、三人目の妖夢が現れた。二重の苦輪・・・本来は半幽霊を自らの分身に変え、
独立行動を取らせるスペル。それが今宵のような日には、満月の狂気(ルナティック)の力によって
増幅され、三体目の分身を形作ることが可能、そんなことを前に聞いたような気がする。
「しばらくはこの状態で修行に励もうと思います。幽々子様の槍は二本ありましたので、これなら
六本の剣で立ち向かう事ができ」
「妖夢、代えの徳利を持ってきて頂戴」
妖夢の言葉を最後まで続かせず口を挟んだ。
「え?あ〜、はっ!?すみません、すぐにお持ちますね」
慌てた調子で三人の妖夢は駆け出して行った。私の足元には割れた徳利と、こぼれ広がった日本酒。
・・・あの子はどこまでまっすぐなんだろう、そう思わずにはいられない。酔いはすっかり醒め、
湯上りであったにも関わらず身体もどことなくうそ寒さを覚えるようになってしまった。
- 928 :名前が無い程度の能力:2007/12/16(日) 13:18:49 ID:XCQpPHtM0
- 春雪異変を早苗が解決に出るとしたらどんな会話をするか?
というシミュをやってみたがどこに書けばいいのかわからなかったんでここにします。三面まで
Stage 1
早苗「春風は強いものだけど
雪混じりなんて幻想郷はおかしなところね」
レティ「桜吹雪も白いって話よ」
早苗「桜吹雪は桜色です;」
レティ「そう。見たことないから」
早苗「じゃあそろそろ見たことない季節なので、寝てもらえますか?」
戦闘終了
早苗「ま〜ぶた〜とじれ〜ばそこに〜♪
っと、遠き春を探さなきゃいけませんね」
Stage 2
早苗「こんなところにも集落が……」
橙「こんなところとはとんだ言い草!」
早苗「失礼しました。あなたはここの住民ですか?」
橙「そんなところ。ところであんたは道草食っていていいの?」
早苗「草を吐いたり食べたり、私も忙しいものですね」
橙「毛玉を吐くには草が一番いい」
早苗「私は現人神ですから;」
戦闘終了
早苗「さて、くさくさするのはここまでです」
Stage 3
早苗「もうすっかり夜だわ。
思えばウチ以外で夜を空けたのは、林間学校以来かしら」
アリス「大丈夫、夜明けを外で迎えることはないわ」
早苗「お気持ちはありがたいのですが、至急の用がありますので」
アリス「あなたが急いだって春はどこまでもおっとり刀で駆けつけてくる」
早苗「じゃあこっちから迎えに行きたいんですが、居場所は御存知?」
アリス「一番近場は、あなたの額の裏」
戦闘終了
早苗「私が動けば春も動きます。移動する春なんて桜前線だけで十分ですよ」
アリス「何言ってるの。さっきからあんた、春度を動かしてばっかでしょうが」
早苗「犬を焼いた灰は持ってませんよ」
アリス「灰なんてどうでもいいの。焼かれた犬はどこに行くと思ってるの?」
早苗「ん、星が綺麗ですね」
- 929 :名前が無い程度の能力:2007/12/16(日) 19:37:25 ID:TkFTxTjY0
- おっとり刀も急ぎの意味だった希ガス
- 930 :名前が無い程度の能力:2007/12/16(日) 23:42:26 ID:84LJBUpw0
- >>927
剣道サンバイザーってやつか
苦難上等!好むものなり修羅の道!
>>928
言葉遊びが多くていいね
- 931 :名前が無い程度の能力:2007/12/18(火) 08:04:01 ID:3dOLoDqEO
- >>927
ゆゆさまはいつの間に「ぅおやかたさまぁぁぁぁぁ!」の人の槍術を身につけたんだろうか…
というか妖夢も六刀流で相手しようとするんじゃない!w
なんだかそのうち雷とか炎とか操るようになったりして
- 932 :名前が無い程度の能力:2007/12/25(火) 23:44:19 ID:ls/7gPQ20
- 魔理沙が、年が明けて神社に始めていったは6日の事でした。
しかしドコにも霊夢がいません。出かけてるのかな?と思いましたが、
台所の流しには蜘蛛の巣がかかっていました。
やがて魔理沙は、ちゃぶ台の上に残されていた書き置きを見つけました。
「新たな聖地を探しに行く」
慌てる魔理沙に連れてこられた皆は驚いて家捜しをします。
やがて見つけた霊夢の日記には、一人の毎日が淡々とつづられていました。
所々、墨が円状に滲んでいるところもありました。
魔理沙達は、紅魔館や白玉楼、永遠亭での忘年会新年会に夢中で
神社に疎遠に成ってしまっていたことを後悔しましたが、後のカーニバル。
そんな魔理沙達に希望をもたらしたのは裁判長からの連絡でした。
「霊夢は来ていない」
つまり、死んでいないということです。
それからというもの、魔理沙達は交代で巫女をやることにしました。
いつ霊夢が帰ってきてもいいように、神社を守ることにしたのです。
文々。新聞の一面にはいつも探し人のお知らせが入っています。
死神達の間には、この者運ぶべからず、の手配書が回っています。
屋台には尋ね人の張り紙が貼られています。
人里からは毎年、新茶の一番良いところが奉納されています。
博麗神社当主の座は、いまも空位です。その座は、いまも主の帰りを待っているのです。
──稗田阿重 著 幻想郷縁起
- 933 :名前が無い程度の能力:2007/12/26(水) 00:17:25 ID:j4lZSToE0
- コンバット若本さんの霊夢海外最萌優勝絵を思い出したw
- 934 :名前が無い程度の能力:2007/12/30(日) 04:41:58 ID:NweNAMng0
- ―――一面に真っ赤な花が咲いている。
この光景の中で目覚め、まず最初に思ったのはそれだった。
実際に咲いているのは花ではなく種々混淆の命だった物。
皆揃いも揃って嬉しそうにその中身を咲き散らかしている。
何故自分がこんな場所にいるのかは分からないが、
多分ここが地獄という所なのだろうと根拠もなく自然に思えた。
そうとするならば自分は死んだのか、嗚呼、考えてみれば自分の生は
常に脅かされ続けていた。きっと今回は運がなく、今まではどうにか
逃れ続けていた「死」に遂に飲まれてしまったのだろう。
だがそんな自分の末路にも、未だ眼前に広がる凄惨たる光景にも
不思議と恐怖や悲観は沸き立って来なかった。
このどこまでも続く紅い花の沼を歩いていると、何故か心が安らぐのだ。
温かで湿った空気が、数々の命の匂いが、柔らかく沈む足下が、
全てが私を優しく包み込み、閉じ込め、他の誰にも渡さないよう守ってくれている。
まるでここが自分の本来あるべき場所のようにさえ思えるほど。
この場所で、ここに立ち、ここで一人歌う自分こそが本来の私の姿で
ここに来るまでの私は仮初めの出来損ないの姿でしかなかったかのよう。
ヒトは地に、鳥は風に、魚は水に生きる命であるのと丁度同じ、
私は「ここに来る」という意味を持つ生き物であったのだろう。
- 935 :名前が無い程度の能力:2007/12/30(日) 04:44:30 ID:NweNAMng0
- これではまるで母の胎内に還ったようだ、と柄にもない思考が頭を過ぎり
そんな経験も記憶も自分にある筈など有り得ないというのに
このような詩的な感傷にどうしてこそ浸れる物か、と自分自身で苦笑してしまう。
そんな、普段ならば何の意味も価値もないと切り捨てる思考ですら
この場所では決して手放してはならない掛け替えのない宝のように思えるのだった。
一度失くせばもう帰って来ない、一羽の小さな鳥のような。
そんな風に、いつまでも続くかと思われた紅色の旅にも終わりが来る。
どこまでも広がっているかに思えたこの場所にも「世界の終わり」があった。
それは足下と同じ、柔らかそうな薄紅の高い壁。
「ああ、そういえば」と上を見てみれば空も紅の天井に覆われていた。
自分でも気付かない内に長く歩きすぎたのか、
自由の利かなくなってきた足を休ませようとこの温かな壁に触れる。
解けていく。溶けていく。熔けていく。融けていく。
―――ああ、気付いてしまった。思い出してしまった。
私はまだ死んでなどいない。ここは地獄などではない。
この私を祝福し迎え入れてくれる赤は私を決して癒してくれる事はない。
ここなのだ。これが、なのだ。「これから」なのだ。
ここは終着。決まっていた結末。何度も擦れ違った場所。ここは、この壁は―――
「――――――――幽々子の、胃壁だ」
―――Mystia DEAD END.
- 936 :名前が無い程度の能力:2007/12/31(月) 00:07:25 ID:7ADf82g.0
- Fateくせぇwww
だがGJwww
- 937 :名前が無い程度の能力:2008/01/01(火) 23:45:15 ID:FgeVAX6Y0
- やっぱり4次元なのか>胃袋
- 938 :名前が無い程度の能力:2008/01/02(水) 01:34:26 ID:gDENww/A0
- 冥界に直結していますから>胃袋
- 939 :名前が無い程度の能力:2008/01/05(土) 21:57:00 ID:u7wxfkFcO
- チルノ「ハイタッチ!!」
パチン!
カチカチカチッ
私「手、手がくっついて離れん!!!」
- 940 :名前が無い程度の能力:2008/01/07(月) 22:26:08 ID:nbOfQOEo0
- なにその氷河の壁
- 941 :名前が無い程度の能力:2008/01/09(水) 00:33:41 ID:TmzggRXMO
- ドッヂボールで
チルノ「いくわよ!〇〇!」
〇〇「来い!」
チルノ「とrrrrrrrりゃーーーー!!!!」
〇〇「ちょ、ボ、ボール凍ってる!!」
ドグォォ!!!!
チルノ「へへん!あたいに適うはず無いのさ!
さ、約束よ!」
続きをバトンタッチ
書いてくれるか分からぬが…。
- 942 :名前が無い程度の能力:2008/01/09(水) 12:34:19 ID:mGPJDjGw0
- 東方サッカーのパーフェクトフリーズ思い出した
- 943 :名前が無い程度の能力:2008/01/09(水) 12:37:19 ID:Fk1v9Kjs0
- イチャスレ行きな展開の続きしか浮かばん
- 944 :名前が無い程度の能力:2008/01/10(木) 00:09:39 ID:LqyaT.tkO
- >>941の続き
チルノ「約束よ。焼そばパン買ってきて。
あっ、イチゴオレも忘れないでよね。」
…学生の頃を思い出した‥‥‥。
- 945 :名前が無い程度の能力:2008/01/10(木) 18:35:52 ID:enaz/SnQ0
- >>944続かないけど続けてみる
ルーミア「はい、買ってきたよチルノちゃん。焼きそばパンと……」
チルノ「……何コレ」
ルーミア「いいちこ・オレ」
チルノ「……売ってたの?」
ルーミア「コーリンドーって便利だよね」
チルノ「何処の大型スーパーよ……」
⑨が二人だとどっちかをツッコミにしないと会話が成立しない事を発見……
- 946 :名前が無い程度の能力:2008/01/11(金) 00:17:44 ID:c/Cwt/VcO
- >>945
無理矢理続けてみる
チルノ「まぁいいわ。たまには新しい物にも挑戦するってのが最強の証なんだから。」
グビグビ‥‥。
チルノ「ぷはぁ…ってあれ?何だかクラクラするわ。」
〇〇「ちょ、ちょっと大丈夫?ってルーミア!どこ行くの?」
ルーミア「おつかい終わったから帰るのよ―。」
チルノ「ういぃ―。ちょっとあんたも飲んでみなさいよ。」
〇〇「お、俺はいいよ。」
チルノ「ちょっと何よ―!あたいの言う事が聞けないって言うの!?」
〇〇(チルノと間接キスにはなるけどこのパターンは危険だ…。)
以上、酒に強いけど酒癖が悪いという妄想設定のチルノでした。
酒は強くないけどこんな状況なら潰れても飲んじゃうかも。
- 947 :名前が無い程度の能力:2008/01/11(金) 16:36:41 ID:YFdUKIKQ0
- うっへり
- 948 :名前が無い程度の能力:2008/01/12(土) 02:40:26 ID:WNtPsooAO
- 慧音「15×6は何だ?チルノ」
チルノ「ん〜、20くらい?」
慧音「はぁ、じゃあ7+8÷4はどうだ?」
チルノ「⑨!!」
慧音「‥‥‥‥。」
- 949 :コウスケ:2008/01/12(土) 05:10:05 ID:k5mBjg5U0
- 慧音「「天才は1%のひらめきと99%の努力」と言う言葉で有名な発明家は誰だ?」
チルノ「発明家ってなに?」
慧音「……では1903年にノーベル物理学賞を、1911年にはノーベル化学賞を受賞した物理学者は誰だ?」
チルノ「⑨リー夫人!!」
慧音「……」
- 950 :名前が無い程度の能力:2008/01/12(土) 09:03:12 ID:BIMiql9M0
- 慧音「モーツァルト作曲のピアノソナタ第11番、その第三楽章は何と呼ばれている?」
チルノ「……11−7だから、8!」
慧音「……ベートーヴェン最期の交響曲にして『喜びの歌』としても知られ」
チルノ「第⑨!!」
慧音「…………」
- 951 :名前が無い程度の能力:2008/01/12(土) 10:51:48 ID:G7z5Hua60
- 慧音「110番に電話をかけるとどこにつながる?」
チルノ「電話っておいしいの?」
慧音「hy・・」
チルノ「⑨⑨車にのった⑨⑨⑨命士!!」
慧音「・・・・・・・・・」
- 952 :名前が無い程度の能力:2008/01/12(土) 12:43:43 ID:Z6sVetO20
- 何この流れ
- 953 :名前が無い程度の能力:2008/01/12(土) 22:03:38 ID:WNtPsooAO
- 後ろから肩を叩かれ振り替える
〇〇「ん?なに?」
チュッ
チルノ「はは、ひっかかったぁ。」
チルノかわいいよチルノ
- 954 :名前が無い程度の能力:2008/01/12(土) 22:07:02 ID:GxeC4nTU0
- >>953
スレの名前をよーく見るんだ。来る場所間違えてないか?
- 955 :名前が無い程度の能力:2008/01/12(土) 23:38:36 ID:WNtPsooAO
- だから物凄く短い物を書いたつもりだったが短すぎたかorz
もしくはそれ以前のry
- 956 :名前が無い程度の能力:2008/01/13(日) 00:50:45 ID:AKRZjvcg0
- >>955
うん、それ以前
- 957 :名前が無い程度の能力:2008/01/13(日) 02:54:45 ID:PwZvjEhM0
- 待て、こんなのがキャラスレやイチャスレに来られても困る
- 958 :名前が無い程度の能力:2008/01/13(日) 03:48:19 ID:GWuy9huE0
- でもここに居たら居たでそっちのスレ住人が叩かれるぜ?
良くも悪くもイチャスレに行くべきだろう。嫌う人も多いんだし
- 959 :名前が無い程度の能力:2008/01/16(水) 01:34:18 ID:2shvpYvs0
- これはSSなんだろうか・・・
昔、男、幻想なる地に辿り着く。その地、いとうつくしく、男、目を見開きて、
「いとうつくしきところなり。ここ、長年希ひし地なるか。」となむ言ひける。
ふと思ひ、周りを見渡しける。一人の少女、男の後ろの道から歩きにけり。
男、少女に、「汝は誰やぞ。」と問ふ。
少女、名をば稗田阿求とぞなむ言ひける。
男、一見して、心地まどひにけり。唐突なりけるが、歌を詠み、少女に渡しけり。
長き旅 終わりし時に ふと見れば そなた歩きし 森の道かな
少女、この歌聞き、鼻で笑ふ。精進せよと言ひ、去り行く。
残されし男、いと悲しきかな。
- 960 :名前が無い程度の能力:2008/01/16(水) 16:48:15 ID:JoAYBxus0
- 表現の自由ってやつじゃね?
- 961 :名前が無い程度の能力:2008/01/16(水) 19:25:30 ID:uWL384Ec0
- 投稿するまでもないしね。
- 962 :名前が無い程度の能力:2008/01/19(土) 00:08:47 ID:00KoOjK20
- 最初の出会いは、ただ面倒になるという予感だけだった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
――
いつも通りに輝夜と喧嘩したら、いつも通りに負けただけ。
ただその時、いつも通りでないとしたなら、私の死体に虫が群がっているだ
け。
こちとらまだ死んでないって言うのに、再生される端から食われ続ける。
クマとかとらとかそーなのかーに丸かじりされる方がまだ良い。これでは何
時まで経っても動けない。
これからどうしようか、考えるのも面倒になってきた時、強い衝撃が体を吹
き飛ばした。
その衝撃で虫が吹き飛んだのはいいけど、再生も完全に済んでない時に吹き
飛ばされたのだから、痛くて痛くて仕方ない。
「おい、大丈夫か?」
そんな私に、手を差し伸べてきた人が居た。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
――
「荒っぽくてすまなかった。あの時はああするしか無いと思ったんだ」
と私を助けた人間の女が言う。
「別に。どうせ死なない体だ。痛い位我慢しないと、ずっとあのままだった
かもしれない」
「そうか」
「そろそろお暇させてもらうよ」
そうして私は外に出ようとする。
「まあ待て。まだ体が痛むのだろう。もうしばらく休んでいくといい」
やっぱりだった。この手合いはいつもこうだ。
「お気遣いありがとう。だけどもう大丈夫だからさ」
「大丈夫なものか。もう夜も遅い。今晩は泊まっていくといい」
いつの間にか布団が敷かれていた。今夜は帰さないつもりだろう。
「いやいいから」
「そのまま倒れられると思うと心配で仕方ない。さあ」
「……判ったよ。今夜だけお世話になる」
今回は折れるとしよう。下手に断り続けて付いてこられても迷惑だ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
――
1つの布団で、彼女と一緒に眠る。
「なあ」
「どうした?まだ眠ってなかったのか?」
「なんでここまでおせっかいを焼くんだ?」
「おせっかい……なのか?」
「少なくとも、私はお前の事を何一つ知らない。赤の他人にここまでするの
は充分なおせっかいだと思うけど?」
「……実は理由があるんだ」
少しだけ意外だった。
こういった手合いが、まさかそんなものがあるとは思えなかった。
理由とは何だろう?やっぱり私の肝だろうか?
「私は……実は……」
彼女が私に馬乗りになり、眠る時も外さなかった帽子を外す。
「!」
彼女は人間ではなかった。
「ワーハクタク……」
「この角でCaved!しないと猛りを抑えきれないんだ……だが普通の人間は
死んでしまう……だから……」
「……なんてこと……」
「心配は要らない。怖いのは最初だけだ。私に任せて……」
「そうじゃない。実は……」
そう、既に私は彼女の立派な角を見た時から……
「Caved!されたいんだ」
――――――――――――――――――――――――――――――――――
――
文 「へ〜、それがお2人の出会いだったんですね」
輝夜 「ええ。それからというもの、あの娘と半獣は満月の夜、家に籠って
外に出てこないのよ」
妹紅 「貴様ー!!!」
文 「おお!噂の当人の登場ですね!?」
輝夜 「げ!本人!?」
文 「げ?」
輝夜 「い、いやそれより妹紅。どうしてここが?」
妹紅 「こいつに聞いたんだよ。」
輝夜2「ちょっとー!勝手に私の格好して適当な嘘つかないでくれる?」
文 「ええ?!輝夜さんが2人!?」
輝夜 「く!ばれたら仕方ないウサ!」
輝夜2「あ、あなたは!?」
次々回に続くかもしんない
- 963 :名前が無い程度の能力:2008/01/19(土) 00:09:49 ID:00KoOjK20
- 慧音「妹紅、聞いてくれ!」
妹紅「何?」
慧音「妹紅の人気がでる方法を思いついたんだ!」
妹紅「別にそんなに躍起になって出なくていいよ」
慧音「少し前、新しくこっちにきた巫女と話したんだがな」
妹紅「へー、それで?」
慧音「なんでも外の世界では、女性の体が傷つきちょっとだけ出血する『リョナ』という趣味趣向があるそうだ」
妹紅「オチが読めてきたけど、私の人気が出る方法って何?」
慧音「いつもより深くCaved!する事により、」
妹紅「それ絶対に違う趣味趣向に変わってるから!ちょっとだけじゃすまないから!」
慧音「これで人気が出れば、私とも合法的にCaved!する事が出来るんだぞ!?」
妹紅「したくないよ!元々人気でなくていいよ!!」
慧音「……そうか……すまなかったな、妹紅」
妹紅「まあ慧音が私を思う気持ちはありがたいけどさ……」
慧音「やっぱり人に見せるCaved!じゃ駄目だよな……」
妹紅「それも違うから!てかこっち来る……アッー!」
- 964 :名前が無い程度の能力:2008/01/21(月) 15:00:03 ID:6uZwOkXM0
-
毎日五分のトレーニングで君にもできる。
「死ぬかと思ったんですよ死ぬかと思ったんですよ死ぬかと思ったんですよっ!」
ボロボロと落涙しながら図書館の魔女に訴える門番の気勢は荒い。
東洋的な優美なパーツが奇跡的なバランスで保たれている面立ちが涙で崩れ、
焼け焦げて乱れた衣服の首もとから稀代の名陶器のような肌をのぞかせている様は
魔女の嗜虐心をかつてないほど甘くくすぐり、開けてはいけない世界へのドアが全力で
オープンセサミ、こんにちは新しい私! というほどの勢いであったが、パチュリーは気力と
魔力を総動員して湧き上がる原始的征服欲をフルスイングで打ち返した。国家存亡の危機だった。
彼女は門番のことを得難い友人だと思ってはいたが性癖はノーマルである。
「咲夜からは特訓だって聞かされてたけど、それで結局なにをしてたのよ」
「特訓! あれが特訓なものですか! 惨殺ですよ虐殺ですよ鏖殺ですよ民族浄化ですよ!」
○玄関開けたら二分でできる精神と時の部屋の作りかた
1.妹様の部屋のドアを開ける
2.輝夜と永琳を入れる
3.輝夜が内側から永遠の魔法をかける
4.咲夜が外側から時の流れを緩める
5.ドアを閉める
6.Leeeeeet's Paaaartyyyyyyyy!!!!!!!
- 965 :名前が無い程度の能力:2008/01/21(月) 15:01:21 ID:6uZwOkXM0
-
「三対一なんですよ!? 輝夜さんと永琳さんはなにやっても死なないし、おかげで妹様は
気持ちよさそうに出力全開だし、やられたーって思ってもなんか知らない間に治されてるし!?
ほんっっっっとーに死ぬかと思ったんですよぉ!」
「そこにどれだけいたのよ」
「ええと、咲夜さんが言うにはこっちの世界で五分弱、わたしの体感でいうと一年くらいでしょうか」
「むしろ何故生き延びれたかを真剣に検討する必要があるわね」
いい機会なので「ラストジャッジメントですか? 三発までならなんとか」などと謙虚な姿勢は
崩さないまま常軌を逸した台詞を言ってのける彼女の耐久限界を本気で調べてみたい。
あんなレーザー、吸血鬼だろうと一発被弾しただけで三日は寝込む。それが普通である。
少し前のことになる。ほほう言ったわねじゃあ試してみようじゃないと実験してみたところ、
本当に三発耐えられてしまった閻魔は興味本位で集まった野次馬から「どこがラストだコノヤロー」
「偽装表記だ」「改名しろ。えぐり込むように改名しろ」と謂れのない中傷を受けた。
野次馬連中は大概に酔っていた。
「偽装! ギ・ソ・ウ!」のコールが響く中、半ば無理矢理連れて来られていた閻魔がものすごい眼で
美鈴を見ていたことが忘れられない。凄すぎてその晩パチュリーの夢に出た。
美鈴が彼女の裁判を受けることがあればかつてないアウェー戦を覚悟しなければなるまい。
今度腕のいい弁護士を調べておこうと思う。
「それで? 少しは使えるようになって帰ってきたんでしょうね」
- 966 :名前が無い程度の能力:2008/01/21(月) 15:02:18 ID:6uZwOkXM0
-
「い、いちおう免許皆伝らしきものはいただきました」
そういって美鈴が脚のスリットからとり出したブ厚い書状(「そんなところに収納スペースが!?」と
魔女は匠の技に驚愕した)を広げてみると、
『月面式ニンジン交信術免状』
二枚目以降にはその心得が懇切丁寧にイラスト付きで指導されている。無駄に絵がうまく
そのうえオール四色である。パチュリーは迷わずアグニシャイン(チート級)を叩き込んで灰にした。
なにを教えていたんだ。オマエらはウチの門番に何をさせれば満足なんだ。ニンジンとの
意志疎通が彼女の生活に潤いをもたらすとでもいうのか。
これだから永遠を生きる連中はイヤなんだと魔女は思う。有り余る時間と才能を好き放題に
先鋭化させるものだから、抜群に頭の悪いことを最高の精度でもってやってのける。
厄介なこと山の如しだ。
「他には!?」
珍しく強い口調の魔女におろおろしつつ、
「ええと、四十八の音叉の斬新な使い方と五十二の国家間のわだかまりを越えた関節技とか?」
「音叉にそんなに使い道ないわよ! どれだけ物資に困窮してるのよ!? あとその関節技に付いた
修飾語句の意味がわからない。このパチュリー・ノーレッジをしてまったくわからない」
興奮のあまり思わず咳き込んでしまう。
「だ、大丈夫ですか!?」
美鈴は声を乱しつつもすぐさま的確かつジェントルな所作で介抱してみせた。荒れた呼気を
調節しながら癒しの気を送る。
その振る舞いは初心な妖精がみたらそれだけで減数分裂してしまいそうなほど見事に洗練されては
いたが、門番の手に音叉が握られていることに気づいた魔女は戦慄した。使えてる。
「あ、ありがと、ねえ美鈴、ところでその音叉¬¬―――」
「む! 侵入者の気配! パチュリー様、押しかけといて申し訳ありません、また後ほど!」
紅色の風となって駆け出した門番の額にはそこに収まるのが当然であるかのように音叉が
当てられている。
残り四十六の可能性を真剣に検討しながら、後を追うべくパチュリーは床を蹴った。
- 967 :名前が無い程度の能力:2008/01/21(月) 15:04:21 ID:6uZwOkXM0
-
湖の上空で音速のモノクロと虹の風鈴が対峙する。
マカロニウエスタンの主人公よろしく帽子のつばを弾いて、普通の魔法使いは不敵に笑った。
「おう、門番。いつになく対応が早いじゃないか」
「里の八百屋のニンジンが上空を飛ぶ貴方を見かけたと連絡してくれたもので」
「ああん? ニンジン? ニンジンは半島だ。お前はチャイニーズだろ」
「ニンジンはセリ科。朝鮮人参はウコギ科。まるっきり別物よ? 白黒と256色くらい違うわ」
「そうかい。どっちだろうとコイツでお前さんがノされるのはおんなじだがな!」
叫ぶが早いかまたがる箒に鞭を入れ、急上昇で高度をとった魔理沙の手には既に輝きを放つ
八卦炉がある。
「挨拶代わりで餞別だ。入院見舞いも兼ねて受け取ってくれ」
「生憎当家では礼儀のなってない輩からの贈答品は遠慮いたしております」
「つれないこと言うな。ご感想お待ちしております、だぜっ!」
楽しくてたまらない、そんな声を引っさげてあらゆる障害物をなぎ倒す眩い光の奔流が走る。
幾度となくその身を洗われた美鈴にはしかし焦りも畏れも気負いもなく、余裕とすら受け取れる
薄い笑みで正面から受けて立つ。
そして―――
- 968 :名前が無い程度の能力:2008/01/21(月) 15:05:19 ID:6uZwOkXM0
-
「かあっ!」
一喝。それだけだった。
美鈴が一声吼えただけでマスタースパークはその熱もベクトルも音すらも根こそぎ奪われて
胡散霧消する。
後に残るのは円周率が計れそうなほど目を丸くした普通の魔法使いと、それと同じ顔になっている
こっそり見守っていたレミリア以下紅魔館首脳陣だけである。
威風堂々と腕を組み、世界をまるごと叩きつぶすような笑みを浮かべて門番は睥睨する。
「これが――――
気合い避け!」
アダルト幻想郷第4.5段。
アダルト要素は主にスーパーどどん波>>>(越えられない壁)>>>マスタースパーク。
このあと魔理沙はフォークランド紛争講和ツイストでピチューンされました。
- 969 :名前が無い程度の能力:2008/01/21(月) 15:18:18 ID:L/POEXmw0
- 避けてねえよ!
- 970 :名前が無い程度の能力:2008/01/21(月) 16:55:04 ID:J6Cz/tKU0
- どこから突っ込めばいいかわからないが一つだけ
間違いなくアダルト要素じゃねぇ!!!
- 971 :名前が無い程度の能力:2008/01/21(月) 16:59:12 ID:ni7nKcqY0
- レッツパーティがレッツパチュリーに見えた俺は既に永遠の狂気に侵されていたwwwww
畜生この美鈴面白いなぁwwwwwwww
- 972 :名前が無い程度の能力:2008/01/21(月) 17:02:48 ID:ACOvHZXM0
- アダルトっつーよりオールドだという事は解った
- 973 :名前が無い程度の能力:2008/01/21(月) 17:51:17 ID:6uZwOkXM0
- 気合の意味が違うwwww
- 974 :名前が無い程度の能力:2008/01/21(月) 18:13:41 ID:6uZwOkXM0
- 気合いの意味が違うwwww
そんな美鈴が書きたかった
アダルトじゃなくてオールドというご指摘はもっともです
- 975 :名前が無い程度の能力:2008/01/21(月) 18:27:04 ID:6uZwOkXM0
- んあ、二連(というかこれを含めて三連)になってる
お目汚し失礼しました
たぶん音叉のせいです
- 976 :名前が無い程度の能力:2008/01/21(月) 20:13:12 ID:VWtxnmNw0
- 結局音叉はどうなったばかやろうwwwwwwwww
- 977 :名前が無い程度の能力:2008/01/21(月) 21:26:26 ID:KteqyXhA0
- お初にお目にかかります。2chの方から誘導されてこっち覗きに参りました。
ざっくりと書いた勢いだけの品ですが、宜しかったら評価とかいただけると嬉しく思います。
18歳未満及びえーりん×うどんげ、てゐ×うどんげ関連以外認めないって人は厳禁です。
斧小物ロダ [File_3558.txt] うさまり
- 978 :名前が無い程度の能力:2008/01/21(月) 21:28:37 ID:xg.lap8Q0
- ここ全年齢板なんだけど・・・
- 979 :名前が無い程度の能力:2008/01/21(月) 21:32:21 ID:KteqyXhA0
- Σ(・□・
2chで百合小説上げたら門板にしろって誘導食らったんだけどorz
ここもお門違いなのかorz
- 980 :名前が無い程度の能力:2008/01/21(月) 21:39:25 ID:eeKnnH/c0
- 酷い誘導もあったもんだな
2chのレズ・百合萌え板とエロパロ板にも東方スレがあるから、
どっちか好きなほうに行くと幸せになれると思う
- 981 :名前が無い程度の能力:2008/01/21(月) 21:46:22 ID:KteqyXhA0
- いや、レズ百合からこっちへ誘導されてきたっすorz
うわー、住むとこねーなーorz
- 982 :名前が無い程度の能力:2008/01/21(月) 21:53:24 ID:rOu4JD/g0
- エロだったら、PINKちゃんねるのエロパロ板にある東方シリーズエロスレッドで大丈夫なんじゃないかな
sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1200827527/
- 983 :名前が無い程度の能力:2008/01/21(月) 21:55:17 ID:l60gw6fg0
- とりあえず夜伽話とかも良いと思うよ。
- 984 :名前が無い程度の能力:2008/01/21(月) 21:57:01 ID:KteqyXhA0
- 誘導ありがとうです。とりあえずネチョ板のほう行ってみます。
追い出されたら夜伽の方にでも……orz
- 985 :名前が無い程度の能力:2008/01/21(月) 22:00:28 ID:eeKnnH/c0
- >>984
そんな心配しなくても、向こうでは「非18禁なら」門板って言ってただけみたいだよ
18禁ならあっちで全然問題ないよ
- 986 :名前が無い程度の能力:2008/01/21(月) 22:04:06 ID:jlo/oPyE0
- 誘導元みたけどしばらくROMって空気読むのを勧めたい気もする
- 987 :名前が無い程度の能力:2008/01/21(月) 22:17:23 ID:eD39k.Tc0
- マルチだと思ったらたらい回しだったのか・・・
- 988 :名前が無い程度の能力:2008/01/21(月) 22:29:15 ID:KteqyXhA0
- 巡り巡って夜伽に置いてきましたorz
お騒がせしましたorz
- 989 :名前が無い程度の能力:2008/01/21(月) 22:56:58 ID:MJd357KI0
- >>968
気合避けバロスwwwww
そうじゃねぇwwwww
- 990 :名前が無い程度の能力:2008/01/21(月) 23:28:08 ID:iSwQgas20
- >五十二の国家間のわだかまりを越えた関節技
↓
>魔理沙はフォークランド紛争講和ツイストでピチューンされました
やべぇ。こっちがじわじわ効き始めたw
- 991 :金髪赤目は危険の代名詞:2008/01/22(火) 02:36:52 ID:qeGmx1Fg0
- こんばんは、ミスティア・ローレライ
「ん?ルーミアなの?こんばんは」
今日はもうお店は終わりなの?
「うん、店じまいの作業中。見て分からな…って、また闇の中にいるのね」
うん。
「もう夜なのに闇の中に隠れてるなんて、おかしいわ。まるで外を怖がっているみたい」
そうじゃないよ。ただ、こっちの方が落ち着くから…
「ふうん…まぁ、いいけど…」
ねぇ?
「うん?」
籠の外の鳥は、楽しい?
「???どういうこと?」
ねーとね。
籠の中の鳥は悲しいんだ。自分の持つ風景が、自分の持つ世界が、とてもとても小さいから。
だから、鳥は外に出ようと必死に羽ばたくの。必死に籠にぶつかって、外への道を作るの。
そして、ついに鳥は、外への道を見つけるんだ。道から見える外はとても明るくて、広いの。
でも、鳥は分かっちゃうんだ。外の世界の光は自分の羽根を灼く事を。
広い世界はいつしか自分を掴んで、世界の一部へ溶かしてしまう事を。
鳥は後ろにある、籠の中の世界は本当はとっても居心地がいい場所で、抜け出せない場所だったって事を。
ねえ、籠の外の鳥は、楽しい?
「…うーん。良く分かんないや」
分からないの?鳥なのに?
「鳥も色々いるのよ。遠く飛べるのもいれば、短くしか飛べない鳥もいるから」
…ふーん。
「でも…結局は、楽しいから飛んでいるのかな。みんな。
籠の中に入りたい鳥もいるけど、結局はみんな飛んでいっちゃう。
飛ぶのが好きだし、風も好きだし、空も好き。
だから、みんな、楽しいんだと思うよ」
……ふーん。そっかぁ。
「でもどうしたの?いきなりそんな事聞いて?
何かあったの?」
んーん。何でもないよ。ちょっと気になっただけ。
「そうなの?ふーん…」
じゃあ、またね。ミスティア・ローレライ。
「え?ええ。さよなら。ルーミア」
−−−
「おかえりなさい、ルーミア」
ただいま、フランドール・スカーレット。
「ちゃんと聞けた?」
うん。やっぱり鳥は、空を飛ぶのが楽しいって。
「ほら、やっぱりお外の世界の方が楽しいよ」
そう、なのかな。あの娘もよく分かってみたいだし、私も良く分かんない。
「そう言うときはね、とにかくやって見た方がいいんだよ」
ふーん、そうなのかな…
「私も協力してあげるから、一緒にがんばろうよ」
うん、分かった。じゃあ、今日も交換するんだね。
「うん。貴女のリボンと、私の帽子を取りかえっこするよ」
−−−
「じゃあ、行ってきます。フランドール・スカーレット」
行ってらっしゃい、ルーミア。
- 992 :名前が無い程度の能力:2008/01/22(火) 11:04:51 ID:49zGZvmA0
- その入れ替わりトリック発動中だと1ボスで詰むんだがww
そろそろ次スレ立てて感想戦でもするか?
個人的にはアネクドート系とクドリャフカが素晴らしかった
- 993 :名前が無い程度の能力:2008/01/22(火) 17:46:39 ID:83vbzV6o0
- アダルト幻想郷シリーズはかなりツボに来たなぁ。感動したし爆笑もした。
ところで>>928の胡散霧消は雲散霧消の間違いですよね?
- 994 :名前が無い程度の能力:2008/01/22(火) 21:13:49 ID:287sC5sE0
- あ
- 995 :名前が無い程度の能力:2008/01/22(火) 21:14:27 ID:287sC5sE0
- げ
- 996 :名前が無い程度の能力:2008/01/22(火) 21:15:05 ID:287sC5sE0
- し
- 997 :名前が無い程度の能力:2008/01/22(火) 21:15:35 ID:287sC5sE0
- ょ
- 998 :名前が無い程度の能力:2008/01/22(火) 21:16:10 ID:287sC5sE0
- う
- 999 :名前が無い程度の能力:2008/01/22(火) 21:16:42 ID:287sC5sE0
- ひ
- 1000 :名前が無い程度の能力:2008/01/22(火) 21:24:37 ID:ERUY79fQ0
- いやいや妖夢
■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■