レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。
カノン第9話第10話実況スレッド
-
参照元http://www.sparkling.gr.jp/spark/review/ps_prismatical-opening.html
琴原みゆ
不可思議小学六年生。設定としては流行りものですか。
いわゆるトラウマ持ち。その原因は家庭崩壊にあります。みゆの父親は高校生の頃のさよりと関係を持ち、家族を捨てさよりを捨て失踪します。みゆはその一部始終を知っています。逆算すると小学校低学年の時期に当たります。父親を必要としている少女の成長期に父親に捨てられたことは、みゆの精神的外傷となっており、彼女の少女らしからぬ振る舞いの原因になっています。
しかも、みゆの保護者は父親の失踪の原因であるさよりと同居を余儀なくされています。その関係はよそよそしいものにならざるをえないでしょう。みゆにしてみれば理想の男性、自分のものであって欲しかった父親を自分から奪った女。さよりにしてみれば自分の愛した男性との障害物であり、男が去った最大の原因である少女。その二人が一つ屋根の下で暮さなければならない。表面上では穏やかであったとしても、ストレスに晒され続けなければならない地獄の日々であることは想像するまでもないことです。さよりは保護監督者として役目があり、また大人として自らを押さえ込むだけの精神力を持っているでしょう。しかし子供であるみゆの精神的疾患は徐々に大きくなっていることが予想できます。
みゆは母親からは全く相手にされていません。母親自体が家庭というものに見切りをつけています。さよりにみゆを押し付けていること自体が、みゆの母親のさよりに対する復讐なのではないでしょうか。家庭崩壊の原因はみゆの父親とさよりの不義にあるわけですから、さよりはみゆの母親に対して負い目を感じているでしょう。さよりはこの件に対して文句をいうことはできません。家庭に対して幻想を持たなくなったみゆの母親が家庭の処分をした結果、だとは思いますが。
離人症によってみゆは自らが傷付くことを避けます。幼い心の持ち主からするとおかしくない反応です。傷付く自分がいなければこれ以上傷つけられる心配はありません。しかし、その変化はみゆの振る舞いに当然影響を与えます。
この自らの心の問題に対し、みゆは主人公と同じ方向性を持って対処します。すなわち膨大な知識を抱え、自分自身を分析し、自己を確認しています。これは一部の精神病患者に見られる現象です。「患者さんのほうが医者より詳しい」というやつです。
みゆは自分を離人症と診断します。これはみゆ自身が自己を持たない、自分自身で自分自身を考えることができないことから推論した結果でしょう。それゆえ彼女は自分自身や自分の身体に興味を持ちません。興味をもつもの・者・物が存在しないからです。これを象徴するイベントが、みゆに萌え萌えなユーザーが推すみゆのほっぺたつねつねシーンです。彼女は他者から痛みを与えられて、はじめて自己の痛みを認識します。これはみゆの内部で行なわれる自己の再生成の出発点です。印象に残る非常に効果的なイベントです。
みゆの設定に関して褒めるべき点は、みゆの精神疾患を「離人症」と極めて押さえたものにしたことです。流行りものを使ってよりわかりやすく、よりスリリングな展開にすることも可能でした。たとえば最近流行りで「二十四人のビリ─・ミリガン」で有名な多重人格症を用いることもできたはずですし、そうすればシナリオの展開をより複雑にすることもできました。それをあえてマイナーといってもおかしくないが理にかなった離人症でシナリオを構成したシナリオライターの抑制は、称賛に値すると考えています。三流シナリオを避けた、ということなのでしょう
|
|
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板