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虐待・虐殺小説練習スレッドPART.2

134我愛ヲ欲ス ◆YTKb6WcBYI:2009/01/22(木) 05:37:57 ID:sQJzF8vk
すみません御指導願いたいのですが。

『高架下』

許せない・・・要らない!
頭の中の叫びは、私の理性を麻痺させる。何かが私の胸を締め付ける。
目頭の熱さが私の目に映えた赤を脳に伝えている。
二つの硝子玉はきっと猛り狂った太陽を映しているのだろう。
まるでこの世の終わりのように吹き上がるプロミネンスは、大地の色をしている。
大地がそこらじゅうに広がっている。
大切なものを奪われた。大切なものを壊された。きっとそうだ。
溢れ出す復讐心のせいで、絶えず私の唇はキリキリと痛んでいる。
止まらない。体の奥が熱い頭の奥が熱い、耳が目が喉が燃えている。

太陽が沈んで、硝子玉が輝きを失った。私は得てして現実に戻ってきたのだろう。
いやどちらが現実かなどは分からないが。
ふと目の焦点を合わせると、驚くほど目の前に茶色く穢れた泉が床にしみこんでいた。
そして…かつては思考し呼吸をし、確かに生きていた肉の塊が静かに横たわっている。
私は頭蓋が割れて零れ出た灰色の命の水を大切に拾い上げた。

「・・・・・・・・・臭いっ!!!!!!」
不意を付く悪臭で思わず手を離した。あまり唐突だったので、
自分でも分からないほど怒りがこみ上げてきた。
私は床に散らばった大腸を力任せに蹴っ飛ばした。
千切れた大腸はボロ雑巾のように天高く飛び上がると、
不細工な弧を描いて数メートル向こうに飛んでいった。内容物の臭いが半端じゃ無い。
鼻をつまみながら、辛うじてくっついている二つの丸い濁った玉を踏みにじった。

「靴が・・・・あぁ!」
私は少し翳む目で、自慢の靴にどろどろした何かが付着しているのを見た。
もう先ほどのような気分の高揚はない。そこにあるのは太陽でも大地の色でもなく、
ただの汚らわしく卑しい存在なのだ。
私の誇りの上に土足で踏み込み、挙句天罰を食らった愚かで下卑た存在・・・・
私は胸の辺りから昇ってくる吐き気を飲み込んで、
考え無しに血で汚れたコンクリートと落書きだらけの壁を見つめていた。
床だと思っていたが、どうやらアスファルトだったようだ。黒と赤が混じっている。

何故こんなにも腹が立つのだろうか。自分は取り返しの付かないことをしてしまったのではないか。
涙が返り血と混ざった。耐え切れず目を落とすと、
アスタリスクの剥がれた奴の顔が私を嘲る様に転がっていた。

「・・・お腹空いたな・・・」
きっと空腹のせいなのだと自分に言い聞かせるように、私は声に出してそう言った。
帰ろうと足を一歩手前に出した其のとき、空腹に染み入るように
壁の上を電車が走っていく振動と騒音が過ぎていった。
電車は私に彼のことを思い出させる。笑顔が素敵だった彼、
電車に叩きつけられて死んだ彼、私が彼の背中を押したから。

今でも彼の断末魔が頭に響いている。壁の上を振動が過ぎていく。金属がこすれあうような音が聞こえる。彼の断末魔が聞こえる。
彼の最後の憎しみに満ちた表情を思い出したくなくて、
人殺しの罪から逃げてしまいたくて、必死に憎しみや嫌悪を抱き寄せた。
ついさっきまで彼の隣に居たしぃ族の女。私を嫌いだといった彼。頬のアスタリスクが愛らしい女、恰好良い彼。
私を嫌う彼は要らないから、彼を奪って私の誇りも何もかもをズタズタにした女は死ぬべきだから・・・。
茶色い剃刀をその場に捨てると、私は駅のホームへふらふらと歩いていった。彼が笑っているから。


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