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虐待・虐殺小説スレッドPART.4
633
:
耳もぎ名無しさん
:2010/06/13(日) 10:24:05 ID:???
俺が言いかけたその時、モララーが息を切らしながら戻ってきた。
「すいません遅れました。ハイヤーが一軒あったので、こっちへ来るようにと連絡を入れてきました。」
「おう、ご苦労さん。」
俺達はしばらくボロボロのベンチに座り、ハイヤーが来るのをじっと待っていた。
ロータリーの先には険しい山が聳え立っていて、その向こうに「全国公正不能保護観察しぃ族院」は存在する。かつて万博会場だったところだ。
万博実行委員会にとって、この山は相当の難題だった。
当時志井駅周辺には商店街、住宅街が広がり、とても万博など実行できるスペースは無かった。
よって、交通の便が悪く住宅もあまり存在しない山の向こうを会場にすることにした。
しかし、志井駅から山を通り抜け会場に至るには小型バスで約2時間。世界各国から集まる大勢の客は到底運べたものではない。
そこで委員会が思いついたのが、トンネルだった。
トンネルをまっすぐに掘ることによって、向こうへの到着は約20分、1時間半以上も短縮できるのだ。
委員会は総力を挙げて国中の一流建設会社に工事を以来、青函トンネル以来の大トンネル工事となったのだ。
トンネルはかなり広く作られていた。万博当時は何台もの大型バスがひっきりなしにすれ違っていたのだ。
しかし、ロータリー同様かなり閑散としていた。今トンネルを走っている車は俺達を乗せているハイヤーだけだ。
「…。」
運転手は行き先を伝えてから何も話さなかった。むしろ俺達の顔を見て不快感でも覚えたかのような表情をしていた。
「ギコさん、この運転手無愛想だと思いませんか。」
「まあな。」
俺は特に気にも留めなかった。「お前無愛想だぞ」と運転手に言ったところでどっちも不快になるだけだ。
すると、運転手がとうとう口を開けた。
「あんたらさあ…。」
「はい?」
「あんたらさあ…。」
運転手は言葉が思いつかないのか、同じ言葉を二度発した。
「何でしょうか。」
「あんたらさあ、やっぱり『虐殺』しに行くわけ?」
運転手の言葉には相当の倦怠感が混じっていた。
俺は少し頭にきた。もちろん俺達は取材をしに行くのである。虐殺などという低俗な行為をするためにわざわざお前を呼んだのではない。
「違いますが。」
するとミラーに映る運転手の表情は一変し、不快感をあらわにした表情から喜びの表情へと変わった。
「ああ、よかったあ!!」
運転手の叫び声は相当な五月蝿さだった。おそらく今までたまっていた鬱蒼感を一気に吹き飛ばしたかったのだろう。
「実はね、ここ数年虐殺ブームでしょ?だからしぃ族院に虐殺しに行くから連れてけってやつが増えてきてね。行きはいいんだけど帰りはシートに血つけちゃったりしてさあ。洗うの面倒なんだよね。」
運転手の声は急に快活になっていた。なるほど、そういうことか。
「お客さんが虐殺しに行くっていうんであれば、金は返すから乗らないでくれ、って言うところでしたよ。いやあよかったなあ。」
黒いハイヤーは暗いトンネルの中を溶け込むようにして走っていく。
続く
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