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虐待・虐殺小説スレッドPART.4

562へびぃ:2008/05/05(月) 02:33:56 ID:???
―――広場の外。
無事に脱出を果たした3人は、家路に着いた。
歩を進める内に、同じように近くを歩いていたAAの数もどんどん減っていき、やがて自分達だけとなった。

「それにしてもだ、兄者」

歩きながら、『百ベビ組手』で貰った賞状と盾、そして副賞のナイフを抱えた弟者が言った。

「何だ、弟者よ」

妹者を背負った兄者が答える。

「今日の妹者だがな・・・あんな技、どこで身につけたんだ?ドロップキックはともかく、その後のコンボ。何やら叫んでたし・・・」

それを聞いた兄者は、ばつが悪そうに言った。

「む・・・まあ、その、以前、妹者と共にとあるアニメを一緒に見てだな。それで・・・」

「まさか・・・おいおい、あれを妹者に見せたのか?」

その『アニメ』の正体が分かったらしい弟者が、怪訝な顔をする。

「い、いや・・・もうすぐ夏だし、熱くなれるアニメが見たくなってな・・・。
 俺がレンタルビデオ屋から借りてきて、いざ第1話を見ようとしたら、妹者がやってきて『暇だから一緒に見るのじゃ!』と」

「それで・・・影響された、と」

「影響どころか、俺よりハマってたみたいなんだこれが。その日一日、俺の事を『師匠』って呼んだり・・・なぁ、妹者」

兄者は不意に妹者に話を振った。だが、妹者からの返答は無い。

「・・・妹者?」

弟者が声を掛けた。が、その理由はすぐに分かった。

「―――すぅ・・・すぅ・・・むにゃむにゃ・・・」

「―――寝てしまったか。まあ、1日中遊びまわったんだ、無理もなかろう」

兄者がハハハ、と笑った。
と、その時。妹者が声を発した。

「うにゃ・・・ちっちゃいあにじゃが、ゆうしょうなのじゃ・・・むにゃむにゃ・・・」

それを聞いた兄者が、再び笑う。

「ははは、妹者の夢の中では、弟者は優勝しているらしいな」

「ぬぅ、4位で勘弁してくれ・・・」

ちょっと顔を赤くした弟者はそう呟いていたが、不意にポン、と手を打った(実際は荷物が邪魔で少し苦労していたが)。

「そうだ。妹者の希望を叶えてやらんとな・・・」

言いながら携帯電話を取り出し、電話をかける。通話先は―――自宅。

「もしもし、母者か?うん、俺だ。兄者と妹者も一緒だ。今から帰るよ」

電話には母者が出たようだ。弟者はこれから帰る旨を伝えた。しかし、そこで電話を切ろうとはせず、言葉を続けた。

「あ、スマンが母者、一つ要望があるんだ。聞いてくれるか?・・・うむ、サンクス。あのだな・・・」

弟者はそこで一旦言葉を切り、安らかに眠る妹者の顔をちらりと見る。そして、電話の向こうの母者に告げた。



「―――今日の夕飯は、天ぷらを頼む」






【完】


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