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虐待・虐殺小説スレッドPART.4

532:2008/04/27(日) 17:37:50 ID:???


Vのいた、あの研究所出身ということを、やはり疑問に思うべきだった。
先に聞いておけば、無駄に驚く必要もなかっただろう。

ぽろろ曰く、自分は『究極の被虐者』を目指す為に生まれたとのこと。
ちびギコのような外見を持ち、脆さもそれに近い。
被虐者との明確な違いは、凄まじい自己再生能力を持っているとか。

たった一人の被虐者だけで、一生分の虐殺ができる。
子供の妄想じみた理論を、そのまま体言したのがぽろろ。
あまりにも現実離れしている話だが、疲弊した精神では否定する余裕はない。
まあ、Vという前例もあるし、受け入れない要素なんてないのだが。
しかし、

「虐待され続けるのは、流石にきついんじゃあ・・・」

虐待専用として生まれたAAとはいえ、誰しも傷つくのは嫌な筈。
身体は無事だとしても、心は堪えられるのだろうか。
そう心配したのだが、ぽろろの返答はこうだった。

「確かに虐待されるのは苦痛だけど、されないと僕が存在する理由が無くなるから」

自虐なんてものはなく、すっきりとした笑顔でそう言った。
そこに、ぽろろの強さをはっきりと感じた。
これ以上心配しては、余計なお世話になってしまうだろう。

とりあえず、ぽろろは死んではいない。
今はそのことに安堵しておこう。

「でも・・・」

「?」

「血を飲むって虐待は、ウララーさんが初めてしてくれましたよ」




不意をつかれた一言。
少しの間の後、互いに笑いあった。
同時に、恥ずかしさが込み上げてもきたが。

打ち明けるべきだろう。
ぽろろは自分の身体の秘密を教えてくれたのに、こちらも話さないと不公平だ。
だが、その秘密に良い情報なんてどこにもない。
長く息を吐いて、意を決する。
嫌われた時は、その時だ。

「実はな・・・」

全てを話した。
己を苛む渇き、血を飲むとおさまる事、飲まないと気狂いになる事。
何もかもを包み隠さず、正直に話した。

「・・・」

沈黙。
ぽろろは何かを考えてるようだが、静寂が耳に痛い。
やはり、精神におかしなものを抱えた者とは、一緒にいたくないのだろう。
諦めかけたその時、ぽろろが口を開いた。

「つまり、こういうことですよね」

「えっ?」

「ウララーさんが僕にご飯とふとんをくれるかわりに、僕がウララーさんに血をあげると」

「・・・」

無垢な表情をしながらの発言。
つい堪えきれず、吹き出してしまった。
笑う自分につられて、ぽろろもくすくすと笑う。

他人から見れば、頭のおかしい者同士の会話だと思うだろう。
しかし、自分にとってそれは、ぽろろなりの優しさが凄く身に染みた。
笑みと共に涙が溢れてきたが、掌で目元を被って適当にごまかした。


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