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虐待・虐殺小説スレッドPART.4

517:2008/04/04(金) 23:48:57 ID:???

都市伝説として、聞いた通り。
あまりにも類似した点がありすぎて、不気味なことこの上ない。
うっすらと吐き気を催しながら、ガラスの壁の下部にあったパネルを見つける。

それは埃と乾いた血糊で酷く汚れていた。
よせばいいのに、気が付いた時にはその汚れを指で払いのけていた。

「・・・嘘、だろ」

もはや、感情なき笑いしか込み上げてこない。
そのパネルの真ん中に、小さくも凛々しく彫られた文字が一つ。

―――『V』

あの化け物は、ここで育てられた。
疑問が、確信となってしまった。

なにもかもは、遠い過去のこと。
だが、ウララーはやり場のない怒りを覚えていた。
あの出来事の片棒を担いだ者は、既にこの街で産声を上げていたのだった。

全ては終わってしまった話。
それなのに、子供が吐く負け惜しみのような気持ちが溢れ出す。
もっと早くここに気付き、Vが育つ前に殺していれば。と。

ウララーはその場に崩れ落ち、パネルに恨めしく爪をたてる。
がり、というそれを引っ掻く音は、燻り始めた復讐心の声のようだった。
同時に、フーと一緒に過ごした日々がフラッシュバックする。
更にそれに呼応して、あの出来事もコマ送りで再生されていく。

涙が溢れているということに気付くのには、少し時間が掛かってしまった。






不意に、物音がした。
咄嗟に涙を拭い、物音がした方を向く。
少しだけ開いた扉の奥で、すう、と影が動くのが見えた。
大きさからして、ちびギコかその位のAAのようだ。

こんな廃墟に用のある子供なんていないだろうに。
そう考えたが、もしかするとホームレスの類かもしれない。
雨風をしのぐだけなら、ここは都合の良い場所になるだろう。
被虐者という線もあるが、無駄に思考を張り巡らせても意味はない。

「・・・」

とりあえず自分の眼で確かめようと、ウララーは立ち上がる。
念のため、銃の中に弾が込められていることを確認してから、扉へと向かった。

きい、と不快な音をたてながら扉を開く。
用心に用心を重ねつつ、ゆっくりと中に入る。

中は先程見てきた部屋達と、なんら変わりないものだった。
節操なく並べられた怪しい道具や薬品、そして白骨。
ただ唯一、散らばっている血糊がまだぬめりを持っている所が違っていた。

「これは・・・」

被虐者という答は、間違いだと悟る。
赤い液体をばらまく者は、決まって加虐者しかいないからだ。
残る選択肢は、危険を孕むものばかり。
だが、それでも確認せざるを得ないわけで。

抜き足差し足と、部屋の奥へと進む。
ふと、妙な音がかすかに聞こえた。
ウララーは一端動くのを止め、音を拾う事に集中する。
その音はどこか湿った感じのもので、咀嚼に近いものだった。


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