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虐待・虐殺小説スレッドPART.4

515:2008/04/04(金) 23:47:33 ID:???

渇きも失せ、精神も持ち直した。
自身が今するべきことは、特にない。
せいぜい、身体に付着した血糊を落として帰路につく位だ。

「・・・」

何と無く、辺りを見回してみる。
風に揺られ、優しく踊る木々達に囲まれた空間。
外からは見慣れていたこの雑木林も、中から見るとまた違った印象だ。

どうせ、家に帰ってもすることは何もない。
せっかくだから、この雑木林の中を歩き回ってみようか。
広大な公園とはいえ、迷うことは滅多にないだろう。
と、あいた時間を潰す為、ウララーは雑木林の更に奥へと足を運んだ。



自分の腰のあたりまで伸びた雑草。
所狭しと生えている電信柱ほどの太さの木々。
それにこれでもかという程絡み付く蔦。
奥に進む度に、段々と雑木林は濃さを増していく。
もはやそれは、樹海と勘違いしてしまいそうな勢いだ。

まるで異次元に入り込んだような感覚。
そこまで広くないと思っていたのに、これはとんだ誤算だった。

(・・・自殺しないって決意したばっかりなのにな)

万が一のことを想像して、鼻で自身を自嘲する。
だが、林の中は被虐者はおろか虫の気配すら全くしない。
先程から感じている異次元というそれも、あながち間違いではないのかも。
そんな無駄な妄想をしつつも、足を動かす事は止めない。

暫くして、視野が広がった。




「ここ・・・は?」

予想だにしないものが視界に飛び込んだので、思わず声に出す。
木と雑草しかない筈のこの雑木林の中に、建物があったからだ。

土色になり、ヒビと蔦にまみれたコンクリの壁。
ガラス窓は全て割れていて、カーテンが無惨な姿を露にしている。
何十年もの間放置されたようで、損傷は激しかった。
建物自体の大きさはあまりなく、周りの木々よりも背は低い。

存在する場所も兼ねて、その建物は不気味だった。
本当に、異次元に入り込んだような気にさえなってしまう程。
不用意に近付くのは危険だろう。

「・・・!」

そう警戒した矢先のことだ。
建物の入り口付近に、血の痕。
色合いからして、まだ新しいもの。

雑草を掻き分けてそれに近付き、血糊を調べる。
指で掬い臭いを嗅いでみるも、一般AAではなく被虐者のものだ。
自分が動く必要は、なさそうだ。

(だが・・・)

入り口に立つと、奇妙な感覚が更に強まる。
今度はこの建物自体が、自分を誘っているような。

しかし、こんな不気味な建物に易々と入ってはならない。
不確定要素が多過ぎる上、思考が警鐘を鳴らしている。

―――入れば、また自分は大きな事件に巻き込まれてしまう。と。

どうしてそう考えてしまっているのかは、わからない。
あの出来事でさえ、フーの悲鳴を耳にしただけの話。
いつどこで、何が起きるかなんてわかる筈がないのに。


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