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虐待・虐殺小説スレッドPART.4

509:2008/04/04(金) 23:43:10 ID:???
『裏話 〜後遺症〜』
※この物語は、『天と地の差の裏話』の続編にあたります




今から少し前に、街を脅かす事件があった。
あるちびギコが猟奇的連続殺人を侵すという、未曾有の事件。

全てを知っている者は、一人だけしかいない。
関わった者は彼以外、皆死んでいったからだ。

AAの命が軽いこの街では、事件の意外性はあっても、関心はあまり向かなかった。
何も知らない者達は、何も知ろうとしないまま。
知ろうとした者達は、何もつかめないまま。

そして、その事件が遺した爪痕は忘れ去られていった。
全てを知る、一人のAAを除いて―――。






ポストにあった新聞を手に取り、部屋に戻る。
崩れ落ちるようにしてソファに座ると、それをテーブルに拡げた。

「・・・」

じっくりと、なめ回すように新聞を見る。
お目当てのニュースがなければ、項をめくって更に探す。

羅列された文字達が伝えるのは、政治と芸能の話ばかり。
どれもこれも、ちょっとしたお偉方の失言を叩いたもの。
やはり、これらを見ていつも思う事は、『他に報道すべきものが沢山あるだろう』。
新聞を読んでいる男、ウララーはそう心の中で歎いた。



あの凄まじい出来事から、一週間。
その間、片腕が黒い少年や化け物を扱ったニュースは、殆どなかった。
半ば国から忘れ去られた街とはいえ、大量の無差別殺人が起きたというのに。

公園にも、ギコと化け物という証拠を放置していた。
それなのに、メディアはおろかネットですら話題にならなかったのだ。
もし業者が処理したとしても、ギコはともかく化け物に対して何かを感じる筈だ。
あの刀のような爪を持っていた、VというAAに。

死体がそのまま放置されている、という理由は自分が否定した。
後日、しっかりと己の眼で確認したからだ。
勿論、Vはおろかギコの脚もしっかりと片付けられていた。
血も、あの大雨で全て洗い流されている。



証拠というものが殆どなくなってしまい、今に至る。
もう終わったことなのだから、気にしない方がいいのかもしれない。
しかしそれでも、自分以外の誰かが見つけた爪痕を探すことはやめない。

でないと、自分が自分でなくなってしまいそうな気がして。

「・・・無い、か」

自分以外誰もいない空間で、一人呟く。
余す所なく新聞を漁ったが、それらしいものは見当たらなかった。
それなりの時間が経っているので、当たり前ではあるが。

溜め息をつき、腹に巻かれた包帯に触れる。
あの出来事が夢ではないと教えてくれる、唯一の証拠。
残ったものは、その傷ともう一つ―――。


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