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虐待・虐殺小説スレッドPART.4

5へびぃ:2007/04/17(火) 00:37:56 ID:???
パン!パン!パン!

雲が1つ2つ浮かぶ青空に、花火の音が響く。
抜けるようなスカッとした快晴の空の下、大勢の人だかり。
広場のあちこちに特設ステージや臨時のプレハブ小屋、大きな柵で囲まれた古代ギリシャのコロッセウムを思わせる闘技場らしきエリアなんかが作られている。
また、様々な食べ物や飲み物、射的に金魚すくい等のアトラクションの出店まで出展しており、文字通り『お祭り騒ぎ』状態だった。
さて、大人から子供まで入り混じっての人の波に、早速飲み込まれた流石兄妹達。

「妹者、はぐれるなよ〜!」

弟者の声に、

「大丈夫なのじゃ〜!」

割とそばから妹者の声が返ってきた。この分なら大丈夫か、と弟者はほっと一息―――ついてもいられなかった。
とにかく押し寄せる人の波、波、波。まさにタイダルウェイヴ。

「あ、兄者よ・・・とりあえず落ち着ける場所に行かないか?」

最早どこにいるかもわからない兄者に弟者が提案すると、

「う、うむ・・・そうしよう」

弟者から見て5時の方向から兄者の返答が返って来た。

「このままでは・・・あっという間に・・・ばらば、あ、いや、ちょ・・・弟者、助け・・・」

弟者に向かって話しかけていた筈の兄者の声がどんどん離れていく。
見れば兄者は、人の波に流されてどんどん弟者から離れて行ってしまっていた。
十代後半の健全男子ならこれくらいどうという事も無さそうだが、兄者の場合は日頃の運動不足が祟っているのだろう。
はぁ、とため息一つついてから、弟者は人の波を掻き分け掻き分け、ようやく兄者の左手首を掴んだ。

「まったく、しっかりしてくれよ。妹者より先に兄者がはぐれてどうする・・・」

「うむ・・・スマンかった」

兄者は弟者に陳謝。
そのまま弟者は兄者の手首を引きながら、これまた流されそうな妹者の手を握る。
そして2人の手を離さないように、弟者は人ごみからの脱出を図って歩き出した。
その姿はまるで、雪山で遭難者のソリを引っ張って走るセント・バーナード犬のようだった。

「それ・・・褒めてないだろ」

弟者は誰にとも無く呟いてから、弟者はまた歩き出した。
彼方に見えた、レストハウスを目指して。


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