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虐待・虐殺小説スレッドPART.4
485
:
魔
:2008/02/29(金) 23:40:59 ID:???
「ぐっ!」
突然、モララーは僕の頭から手を離して立ち上がった。
顎と地面がぶつかり、また情けない声が漏れる。
モララーは僕の横側にまわり、脇腹を足で掬い上げるように蹴る。
激しさもなく、僕は成すがまま身体をごろんと回転させた。
姿勢は俯せから仰向けになり、商店街の煤けた天井が見える。
ゆっくりと顔をあげ、脚の方を見てみた。
短い方の脚だけが、体液と土に塗れて汚れている。
足首は血だまりに寂しく転がっていて、長毛がべったりと情けなく垂れていた。
「やる気が無ぇんなら・・・せめていい声で鳴くんだな」
血だまりの奥で、モララーが告げる。
直後、脛に凄まじい痛みが襲い掛かった。
「ぎゃあッッ!!」
宣言通りの虐殺が、再開されたのだ。
今度は先刻と違い、得物は脛から抜き取られた。
かと思えば、また違う個所に刃は落ちていく。
まるで、僕がレコにトドメをさした時のような事を、モララーは行っていた。
ただひたすら腕を上下に動かし、刺しては抜きを繰り返す。
「っあ!! ひぎ!! ヒギャあっ!!」
「ほらほらァ、もっと声出せよ!」
刃が脚の中を通過する毎に、僕は喘ぐ。
痛みから逃げようにも、モララーが脚をしっかりと掴んで離さない。
耳障りな湿った音と、モララーの笑い声も同様に僕を苛む。
※
これじゃあまるで、さっきの僕とレコじゃないか。
僕がレコやその仲間にやってきた事を、モララーが僕にやり返す。
あまりにも情けない因果応報に、泣きたくなってしまう程だ。
本当は、こうなる筈じゃなかったのに。
復讐という念いが潰えた今、僕は死を望むだけなのに。
運命さえも、僕を笑い者にしているのだろうか。
死にたいのに。
唯、それだけなのに。
※
気が付くと、僕の脚は形を失っていた。
赤と黒に少しの白が入り混じり、汚い挽き肉と化している。
「は・・・テメェも脆いが、このガラクタまで脆いとはな。驚かされてばっかりだ」
吐き捨てるモララーに、僕は視線を移す。
その黄色い身体は所々赤く染まり、特に腕にかけては凄まじい状態になっている。
更にその先にある手の中で、僕の得物がひしゃげていた。
(そんな・・・)
乱暴に扱われ、酷い有様になった僕の力。
気持ちどころか、力さえも及んでいなかった。
僕はその事実に絶望するより、得物の姿に悲しんだ。
復讐の為に慣れ親しんだ者が、亡くなったような気がして。
それは、信頼していた友の裏切りよりも、もっと儚く僕の心を刔った。
刃を失った得物は、モララーの掌から投げ出される。
からん、と乾いた音がして、それは地面に転がった。
僕にはそれが、得物の悲痛な叫び声に聞こえた。
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