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虐待・虐殺小説スレッドPART.4

483:2008/02/29(金) 23:38:42 ID:???

がつん、と鈍い音が響く度、僕は叫んだ。
その音が大きくなれば、あわせて悲鳴も苦痛も大きくなる。

「うあああァ!! 痛ああああっ!!!」

「はははッ! そんなていたらくじゃあ、10年経っても俺は殺せねェな!」

モララーの言うことは、尤もかもしれない。
初手を除けば、僕は奴に好きなようにめった打ちにされている。

ナイフの彼が言っていたことは、嘘なのだろうか。
力と気持ちだけじゃあ、種族の差はどうしても埋められないのか。
でも、ナイフの彼は僕の目の前で虐殺厨を殺していた。

あの時の出来事は、夢じゃない筈だ。
虐殺厨の血と肉の味に、彼の声と言葉。
霞も靄もなく、何もかも鮮明に覚えている。
それなのに。

やはり、片腕ということがいけないのだろうか。
もし、あの日モララーに四肢でなく別の何かを奪われていれば。
虐殺厨を殺す彼のように、なれていたのだろうか。
そう考えた所で、僕は思考を止めた。

(もう・・・嫌だ・・・)

最後の最期まで、僕は片腕という呪いに囚われ続けた。
光なんて、これっぽっちも見つけられないまま。
心に開いた穴も、痂が剥がれ落ちるようにまた開く。

せめて、この苦しみから開放されたい。
その位なら、祈っても罰はあたらないだろう。
虫の声に掻き消されそうな程の声量で、僕は願った。

「どうか・・・」




苦痛からではなく、悲しみで涙は溢れる。
そんな僕を見て、モララーは笑っているようだ。
もう、生きる意味なんてなくなったからどうでもいいけれど。

「・・・ぇ、っ?」

と、願いを口にして少し経つと、脚に違和感を覚えた。
僕を苛んでいた激痛が、嘘のように消えたのだ。
正確にいえば、痛みが緩くなっただけではあるけど。

それは決して、嬉しいことではなかった。
恐る恐る、足元に目線を持っていく。
途中、モララーの歪んだ笑顔が大きく映る。
そこで僕は確信した後、脚の先を見た。

突き立てられた得物の上には、モララーの脚。
いつの間にか、得物の柄は大分下まで落ち込んでいる。
そして、その得物の刃の奥には―――。

「あ・・・」

僕の足が、身体から離れて地に伏せていた。




「どうかしたか? 自分の身体の脆さに驚いてんのか?」

喉で笑い、モララーは続ける。

「なわけないよなァ。自分が脆いのは腕もがれた時に知ってるからなぁ」

直後、今度は腹を抱えて下品な声で笑い始めた。
甲高く、それなのに全身に纏わり付くような不気味な声。
不快だけど、絶望感にうちひしかれる僕にとってはどうでもいいことだった。


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