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虐待・虐殺小説スレッドPART.4

457:2007/12/13(木) 23:14:20 ID:???


それは、単なる金属片だった。
多分、何か大きな鉄の塊の一部分だろう。
金属片は引きちぎられたように伸び、そこが刃の役割をしている。
都合よく柄のような形をした部分もあり、そこを握ってみる。

翳してみると、なかなかかっこよく見えた。
ギザギザの刃は銀色に光り、他は錆で被われ、僕の毛色みたいだ。

(・・・これデチ)

求めていたものは、あっさりと見つかった。
切れ味は、どう考えてもまともではなさそう。
だけど、この金属片はどの刃物よりも僕に馴染みそうな気がした。




力を手に入れた。
まだ試してすらいないのに、漠然とそう頭の中に言葉が浮かぶ。

後は、『気持ち』。
それは既に用意してある。
僕の中で、燻っていた念い。
片腕だからという理由で、諦めていた。
だけど、これを見付けた途端、その念いは燃え盛る。

―――僕を馬鹿にした奴らへの、復讐。

好きでこんな身体になったわけじゃないのに。
僕を見る度嘲笑い、暴言や石を投げて来た奴ら。
あの時は本当に何もできなかったから、成すがままだった。
ちびタンはそんな僕を支えてくれたけど、それも今日でおしまいだ。
今の僕は、何もできないわけじゃない。

心を真っ黒な炎が包み、激しく、それでいて静かに燃え盛る。
その炎が消えてしまう前に、奴らを焼き殺してしまおう。
そう決意し、ガラクタの山から離れようとした。
その時だった。

「フサタン!」

ちびタンが、僕を呼び止めた。
その声は少し掠れていて、本人も息があがっている。
どうやら僕が物思いに耽っている間も、喚いていたようだ。
振り向き、聞き返す。

「何デチか?・・・僕は今から、することがあるデチ」

「そんな危ない物使って、何する気デチか!」

半ばヒステリックに叫ぶちびタン。
その顔は少し青ざめ、どこか怯えているように見える。
僕は包み隠さず、胸中の事を伝える。

「復讐デチよ。僕はもう、何もできないわけじゃない」

「復讐って・・・まさか!?」

「そんなに驚かなくてもいいデチ。まあ、そのまさかなんデチが」

金属片を見詰めながら、呟く。
くい、と角度を変えて刃に光を当ててみると、僕の顔が映った。
それは刃の形に沿って歪み、僕の顔そっくりな悪魔が笑っているかのよう。
暫く眺めていたかったが、ちびタンの言葉でそれは叶わなかった。
それは、あまりにも心ない言葉だった。




「はぁ、全く。何を言い出すかと思えば・・・」

「・・・ちびタン?」

「いつも僕に助けられてるフサタンが、そんなこと出来る筈ないデチ」

「・・・」

「片腕のくせに、そんなガラクタ持っただけで復讐なんて無理デチよ」


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