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虐待・虐殺小説スレッドPART.4

453:2007/12/13(木) 23:11:06 ID:???

影から出てくるちびギコ。
ゆっくりと、その身体が月光に晒される。

真っ白なその毛並みには、べっとりと血糊が付着している。
目線を上げると、地の白に茶と黒が混じっている顔。
あまりお目にかからない毛の色に、僕は少し驚いた。
ただ、負傷か虐待かはわからないけど、左目と左耳が彼にはなかった。

そして、もう一度目線を落とすと、真っ黒な腕が握るナイフがあった。
血を吸ったまま月光を反射するそれは、恐怖を感じさせる。

話し掛けようとするも、声がでない。
彼の真っ黒な眼が、とても恐ろしく思えたから。
口を開けば、手の中にあるナイフで切り殺される。
そんな幻覚さえ見えてしまった。

「・・・何か用?」

感情のない声。
彼の問い掛けに、我に返る。

「あ、その・・・キミが、噂になってるちびギコデチか?」

咄嗟に出した言葉は、当たり前の事を問うものになった。
他にも重要な質問なんて沢山あるだろう。
僕は自分に毒づくも、彼の返答を待つことにした。

「・・・」

不快だったのか、彼は無表情のまま死体に目を遣る。
そして、その死体にナイフを力強く突き立てると、そのまま切り開いていく。
ぐちゃ、と湿った気持ち悪い音が、肉塊となっていく虐殺厨から聞こえる。
照らすものが月であるせいか、溢れた血液がコールタールのように黒く見えた。

「君、片腕なの?」

と、解体に見取れていて、質問が来たのに気付くのが一瞬遅れた。

「あ、えと・・・そう、デチ」

腕のことに触れられるのは嫌だったけど、不満を言っても何にもならない。
寧ろ、片腕ということに恥ずかしささえも感じてしまった。
彼はあんな身体になっても、一人で生きているというのに。
僕は他人の力を借りて、生きている。




「・・・君達って、面白いね」

「えっ?」

思いもしない返答に、つい聞き返す。

「今まで色んなちびギコに出会ったけど、まともに話せたちびギコは皆身体の一部がなかった」

「・・・」

「そうでない人達は全員『マターリ』とか言って話が通じなかったから」

そう言うと、彼はどこか寂し気な表情を浮かべる。
庇うように左腕を握る彼を見て、僕はやっとそれに気付いた。
真っ黒な彼の左腕は、最初は毛の色だと思っていた。
だけど、それは間違いだった。
よく目を凝らすと、彼の左腕は重度の火傷。
花火やライターくらいの火ではつかない程、酷いものだった。

使えてはいるようだけど、片腕よりかなり目立つ怪我。
もしかすると、彼は僕より沢山のちびギコに馬鹿にされたのかもしれない。
それを裏付けるかのような発言が、彼の口からぽつりと零れた。

「僕もこんな身体だし、有る者には見下されても仕方ないのかもしれないね」

「・・・」

そんなことない。
そう言いたかった。
だけど、僕が言えたことではなかった。


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