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虐待・虐殺小説スレッドPART.4

438:2007/10/21(日) 19:24:44 ID:???
エピローグ
『裏』



視界を阻む程降りしきる雨の中を、ひたすら走る。
灰色に染まった世界で、AAの気配は己以外に感じなかった。

「・・・痛、っ」

Vを仕留める為にした無茶が、やっと声をあげた。
内臓はやられていないようだが、その傷は深い。
ウララーはその傷を握るように押さえ、ひた走る。




メイに使わず、銃弾を残した理由はある。
まあ、あの時本人が死を受け入れていたならば、そこで使ってはいたのだが。
着いた所は、小さな殺人鬼を追い詰めた路地裏。
フーがここで殺されるなんて、予想できる筈がなかった所。

いや、実際は殺されてはいない。
Vの言葉が正しければ、フーは生きている。
そうでなくとも、確認をしなければならない。
一時期だけでも、己が助けた命なのだから。

段々と、足取りが重くなる。
フーの姿を見るのを、心が拒んでいる。
それでも、行かなければならない。
ホルスターにおさめた銃を握り、水溜まりを踏み潰していく。

不意に、足元の水溜まりにまだ新しい血が流れ込む。
息を呑んで、更に奥へと進んでいく。
まだ洗い流されなかった肉片や血糊が、壁にこびりついているのを眺めながら。
じわじわと、鼓動が嫌な感じに強くなっていく。

「・・・!」




見つけた。
そこにあったのは、肉塊だった。
目を凝らすと、皮を剥がされた達磨だということがわかった。
壁に横たわるように置かれているそれは、まだ生きている。
必死に腹を上下動させ、ひゅうひゅうと鳴る喉。
時折、口と思われる部分からは血と涎が一緒に流れ落ちる。

遠目に見ても、その体格はフーと同じ。
いや、もうウララーは既にその肉塊がフーだと理解していた。
肉塊の足元に落ちている赤黒い紐が、全てを語っていたからだ。

「・・・」

言葉が、見付からなかった。
もう助からないということしか、わからなかった。
歯を抜かれ、自害もできなくなったフーは何をどう思っているのだろうか。

これ以上の散策は不要か。
そう思ったウララーは銃をその肉塊へと向ける。
そして、最後の炸裂音を路地裏に響かせた。




腹すらも動かなくなった肉塊。
ウララーはそれをゆっくりと抱き上げる。

(墓・・・作ってやらないとな・・・)

黒い腕が赤く染まり、血の臭いが己を包む。
何も考えず、ゆっくりと足を動かして帰路につく。

―――途中、頬を何かがつたうのを感じた。
   それは涙なのか、雨粒なのかはウララーにはわからなかった。


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