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虐待・虐殺小説スレッドPART.4

437:2007/10/21(日) 19:23:40 ID:???


最後の最期まで慟哭を吐いていたことから、恐らく誰に殺されたか理解していないだろう。
僕は柄が潜り込むまで刺さったナイフを抜きながら、そんなことを考える。

「・・・」

もう、この青い死体には何の感情を持つことはない。
それに、まだやるべき事は残っている。
今この場にいる加虐者の、ウララーとの決着だ。




ぽつ、と頬を何かが叩く。
仰ぎ見れば、鉛色の空が泣いていた。
誰の為に、何の為に泣いているのかはわからない。
木々もそれにざわつき始めた時、場違いな金属音がした。
振り向くと、ウララーがこちらに銃口を向けている。

「計算があっていれば、後一発残ってる」

雨音のノイズに遮られることなく、その言葉ははっきりと聞こえた。

「この弾、誰に使えばいいと思う?」

「・・・」

真意は、汲み取れない。
雨粒というスクリーンが、ウララーの心を覆ったから。
でも、雨の冷たさに打たれ、頭の冷えた僕は既にその答えを知っていた。




「少なくとも、僕に使うべきじゃないと思う」




まだ、死にたくないから。
そういった意味で、発した。

「・・・そう、だよな」

ありがとう、とウララーは続けた。
理由は、わからなかった。
わかった所で、僕にとってはなんの意味もなさないないだろうけれど。

「俺が殺すのは虐殺厨で、お前は殺人鬼。つまり、そういうことだな」

「・・・」

「もうお前を追う理由はない。行け」

その言葉を聞いて、僕の脚は動き出す。
ほんの少し前に、飛び込もうとした森の中へと、進む。

「・・・だがな」

二、三歩歩いた所で、ウララーが呼び止める。
僕は止まり、背中でそれを聞いた。




「次に何のしがらみもなく出会った時は、容赦なく殺す。いいな」




暫く、雨音というノイズに聴き入りながら、その言葉を噛み締めた。
そして、無言で頷き、緑の中へと駆け込む。

水が打つ音。
木々がざわつく音。
何も聞こえなくなるまで、僕は駆けた。


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