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虐待・虐殺小説スレッドPART.4

431:2007/10/21(日) 19:18:34 ID:???

気迫や感情の高ぶりだけでは、『格』という差を埋められないのかもしれない。
自分の黒い身体に赤い線が走る毎に、ウララーは追い詰められていく。
Vの技と無数の小さな痛みで、段々と正気に戻されているかのよう。

「クソ・・・っ!」

良い方向に考えれば、それは冷静さを取り戻すことに繋がる。
しかし、熱が冷めてしまえば、また殺気に縫い付けられるだけだ。

無駄に弾を撃つのは自縄自縛。
辺りには文字通り何もない。
どうにかして、Vの動きを止めなければ。
でないと、自分はそのまま皮から細切れにされるだけだ。
焦りと恐怖が舞い戻る前に、解決策を―――

「ぐあっ!?」

突然、左足に激痛が走る。
咄嗟に足を押さえると、夥しい量の血が手に付着したのがわかった。
バランスを崩しかけるが、持ち直す。
だが、精神の方に受けたダメージはかなり大きい。
心の中で再度膨らみつつある、Vへの恐怖が更に加速していく。

(こんなことで・・・殺されてたまるかッ!)

武者震いでない震えを必死で止め、己を奮い立たせる。
全てはフーの為、自分の為。

ざ、と前方で砂が弾ける音がした。
同時に風を切る音も止み、静寂が辺りを包む。
ウララーは痛みを堪え、音がした方に目線を持っていく。

そこには口元を血で汚した、Vの姿があった。
牙に付着したそれをよく見ると、ウララーのものと思われる肉片だった。

「ク、ヒヒっ」

Vは器用に、牙を剥いたまま嫌らしく笑う。
先程の一撃は爪ではなく、顎でやったものと見せ付けるかのように。

「てめェ・・・」

Vの艶かしい嘲笑の直後、消えかかった怒りが再び爆発的に燃え上がる。

「どうしタの? 撃たなイの?」

肉片を吐き捨て、へらへらと頭を揺らしながらの挑発。
上半身を折り、腕を脚として扱っているその容姿は、まさに獣そのもの。
絶対的な差を見せ付けるかの如く振る舞うVは、今までにない威圧感を放つ。

だが、それが効いているのはギャラリーであるメイとギコのみ。
ウララーから見たら、単純に馬鹿にしているだけとしか取れていない。
そのせいでウララーは静かに怒り、空気は更に張り詰めていく。




再度睨み合いに持ち込んだ所で、ウララーは考える。

(・・・どうする)

このまま、また銃口を向けたとしても、Vは同じように飛び回るだけ。
繰り返されれば、自分の黒い身体が赤い身体になるのは明白。
嬲り殺しだけはどうにかして避けたいもの。
いや、何であれ命を落とす事そのものを避けなければ。

「・・・!」

そこまで思考を張り巡らせた時、不意に答えが見つかる。
しかし、それは考えとは真逆のもので、下手をすれば自分が先に死ぬ。

ハイリスク、ハイリターン過ぎるその答えは、行動に移すのに一瞬戸惑ってしまう。
だからといって、ここで動かない訳にはいかない。
元より、自分の命と復讐を天秤にかける方がおかしいのだ。
手足をもがれても、首があれば相手の喉笛くらい食いちぎる事ができる。
その位の覚悟がなければ意味がない。



至極簡単で、かつ危険な賭けに挑む事にしたウララー。
Vを強く睨むと、迷うことなく銃口を目標に向けた。


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