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虐待・虐殺小説スレッドPART.4

429:2007/10/21(日) 19:17:13 ID:???

思考が停止した。
Vが紡ぐ出来事の中で、フーは惨たらしい状態になっていた。
唐突に脳裏にモノクロで浮かぶ、ついさっきまでメイを追い詰めた路地裏。
そこにいるのは、牙を見せて笑うVと酷く怯えるフー。

光を失った身体になりながら、更に残りの感覚も奪われる。
唯一感じるのは、『見えない恐怖』と『全身を駆け巡る激痛』。
その場にいたわけでもないのに、断片的でありながら鮮明に映し出される惨状。

「・・・ふざけンなよ」

自分の中で何かが弾け、呟く。
まだ、Vは笑いながらメイに話し掛けている。
全身が麻痺しているかのような感覚。
動かなかった右手がゆっくりと持ち上がり、ホルスターに掛かる。
そして、そこから銃を抜き、腕を地面と水平になるように上げていき―――




迷う事なく、引き金を引いた。




「ッ!」

「なっ!?」

その場にいたウララー以外の全員が、黒い塊から発せられた炸裂音に驚く。
叫んでばかりだったギコも、満身創痍なメイも目を見開いていた。
唯一、ウララーに背を向けていたVだけが、表情を変えずにいる。
それもそのはず、ウララーが狙ったのはVの頭蓋だったからだ。

しっかりと後頭部から穿たれたVの頭。
赤く開いた穴からは、ゆっくりと体液が漏れ出していく。
しかし、それでもその茶褐色の身体は崩れ落ちない。

「へェ・・・動けルんだ」

Vはゆっくりと振り向き、ウララーの方を見る。
その顔は、貫通したと思われる弾丸が上手いこと左眼を潰していた。
文字通り血涙が流れていながら、不気味に笑うその様はどんな者でも身震いしてしまうだろう。

頭蓋を貫かれていながらも、まだ動けるVはもはやAAであってAAではない。
運よく脳を損傷しなかったかもしれないが、重傷であることに変わりはない。

「ソれ、最初は怖かったけど、もう平気」

銃を指差しながら、舌足らず気味に喋るV。
それは壊れかかった人形よりも、獣としての精神が開花していくかのよう。
容姿とのギャップが消えかかりつつ、じわじわと更に殺気が濃くなっていく。
右側しか機能しなくなったVの眼は、既にウララーの喉笛しか見ていない。

「凄く速い石ころが出てくるんでしョ? しくみがワかったから、平気、平気」

「・・・」

狂気じみた言動になりつつ、悍ましさを増幅させていく。
そんなVを見ても、ウララーは全く動じなかった。

恐怖を乗り越えるどころか、飲み込んでしまったウララー。
今、ウララーが動いている理由は『フーの為の復讐』ではない。
『フーを奪われた自分の為の復讐』だ。
もし、Vの言った事が偽りであっても、怒りはその程度ではおさまらない。
何であれ、リミットを開放された瞬間から、目的を果たすか死ぬまでは止まらないものだ。

眼も据わっており、誰が何を言おうと止まりそうにない。
小さな殺人鬼も青い暴君も、息を呑んでしまう程。
大番狂わせのジョーカーは、ウララーという黒い男の中に潜んでいた。


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