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虐待・虐殺小説スレッドPART.4

413:2007/09/24(月) 23:40:25 ID:???


逃げながら、メイは考える。
狩りが失敗した、その前の出来事を。

フサギコを見つける前の、あの奇妙な感覚は何だったのだろうか。
音が消え、導かれるように窓の外を覗いてしまったアレは。
思い返してみれば、路地裏なんて窓から落ちる勢いで見ないと、視界に入らない。
それに、奇妙な感覚に陥った時の自分も、腑に落ちない。
その時の行動を反芻してみると、今まで自分が欠かさなかった警戒心が全くない。
フサギコを一目見ただけで、脳内は狩りでいっぱいだった。

全てが、自分のミスだ。
死に関係なかったからといって、無駄な行動に出た自分が、憎い。

(・・・くそっ!)

歯噛みし、路地裏をひた走る。

何度目かの曲がり角だった。
奥の方ではコンクリの壁はなくなり、道路が見えていた。
左右には木材や粗大ごみが打ち捨てられていて、見た目より狭くなっている。

「はっ・・・はあっ・・・!」

必死になりすぎて、既に息はあがっていた。
振り向いてもフサギコの姿はなく、振り切ることができたようだ。
だが、一本道であるここで休んでいる時間はない。
肺になるだけ酸素を溜め、再び駆け出す。




いや、駆け出すつもりだった。
また足が、恐怖で固まってしまった。

「残念だったな」

道路の方から差し込む光を背に、男が立っていたのだ。
影そのもののような身体の色と、特徴的な赤い線の入った耳。
そして、その手の中にはしっかりと拳銃が握られていた。

「う・・・っ」

予想はしていたし、そうであって欲しくないと願いもした。
『フサギコは囮で、他に仲間がいる』ということ。

吐き気と眩暈が同時に襲ってくるが、必死に堪える。
酸素と冷静さが欠けているが、それでもこの状況を打破する術を考える。
男との距離、周りにあるもの、後方のフサギコ、自分の脚力、ナイフ。

と、ここで男が動いた。
ゆっくりと嫌らしく、拳銃を持ち上げていく。
咄嗟に構えるものの、男はそれを無視するように口を開いた。

「何故、お前はこんなことをしてきた」

「・・・何故、って」

男の声が思ったより緩かったせいか、つい反応してしまった。
吐き気も失せ、いつの間にか思考は会話を優先していた。

「訳もなく、お前のような子供が殺人をするはずがないだろう?」

「・・・」

「復讐か? それとも唯の虐殺厨なだけか?」

「生きる・・・為だから」

自分の一言に、男は眉を寄せる。
それは怒りではなく、哀れみを含んだもののように見えた。

「食べる為に、見境なく殺してきたのか」

「うるさい!」

怒りが込み上げてきたのはこっちだった。
今更になって、同情してくるような奴が現れるなんて。
自分を捕まえて、殺すつもりでいる癖に。

「お前らみたいに、遊びで殺してる訳じゃない!!」

「食べる為に殺していい訳でもない」

「っ!・・・」

「お前はAAを『家畜』扱いしている。そうだろう?」

言葉に詰まった。
男の言う事に、間違いはない。


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