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虐待・虐殺小説スレッドPART.4

155:2007/08/06(月) 23:49:13 ID:???


夜になり、望月が廃屋を照らす。
青白く光る自分の身体と、彼女の横顔がなかなか幻想的だった。

持ってきたしぃの遺体は、残さず綺麗に食べてしまった。
二人居たからというのが原因でもあるし、なにより寝床の近くで腐らせてしまったら不快でしかない。
文字通り骨と皮だけになったしぃは、庭に散らしておいた。




「今日は楽しかったわ。ありがとう」

横になろうとした時、女は唐突に話し掛ける。
振り向けば、自分に背を向けて月を眺めている彼女の姿があった。

「どこか行く場所があるの?」

「ないわ。ただ、一緒に居たら目立っちゃうかもしれないでしょ」

まだお話したいけど、と彼女は続け、俯く。
メイだって、その通りとは思いつつ、まだ彼女と一緒に居たいと心のどこかで願ってしまっていた。
だが、それではお互いの為にならない。

「・・・」

「またいつも通り、それぞれ違う場所で生きましょう」

そう言って、彼女はゆっくりと歩き始める。

「待って!」

「・・・何?」

「名前・・・教えてなかったから。僕は、メイって名前があるんだ」

風が、頬を撫でる。
ほんの少しの間だけ、同じ時間を過ごしただけなのに。
何故こうも惹かれてしまったのか。
それは、メイにも、女にも、誰にもわからなかった。

「・・・私ね、子供の頃、白くて、ガラス一枚しかない部屋で育ったの」

「えっ?」

「大きくなって、自分からその部屋を出た時、ガラスの下に『V』って彫られてた」

「それが、君の名前?」

「わからないわ。その頃はずっと、遊ぶことと食べることしか頭になかったから」

「・・・」

「メイ君・・・だっけ。また、機会があれば、その時は一緒に遊びましょ」

そう言うと、Vはその場で跳躍して夜の闇に消えた。






僕が、被虐者でなければ。
Vが、化け物でなければ。
この街に、虐殺がなければ。

いろんな者に不思議な体験をもたらす少年は、そんなことを想っていた。
生き延びる事以外にも、新しい願いが湯水の如く溢れ出す。

―――また、会えるかな。
   いや、次は僕から逢いに行こう。

片腕が黒い少年は、次に叶えるべき事を定め、床についた。


続く


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