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虐待・虐殺小説スレッドPART.4

152:2007/08/06(月) 23:46:16 ID:???

破裂しそうな心臓と、粗い呼吸を必死で整えながら、メイは考える。
どうにかすれば、この状況から逃れ出る方法がある筈だ、と。
だが、目の前にいる相手を、

自分は、この『化け物』を相手に出来るのだろうか。

「やっと見つけた・・・お会いできて嬉しいわ」

艶かしい動きと声色の、奇妙な風貌の女はそう言った。
全身は痂と火傷で茶褐色になっていて、見るだけで痛ましい。
それに対し、指先に一つ一つ刃をつけたかのように、鋭い爪を持っている。

メイは、そいつに殺されかねないというのに、どこか自分と重ねてしまう。
傷だらけの身体と、ナイフ代わりの爪。
もしかしたら、このヒトも生きる為にこうしているのでは、と。

「入り口を閉めたのは、キミなの?」

恐る恐る、問い質してみる。

「ええ、そうよ。いつもあなたの事、見ていたわ」

「・・・殺さないの?」

「殺してほしいの?」

「・・・ごめんなさい」

「あはっ、面白いコね」






あっさりと打ち解けてしまった。
どうやら、先程の威圧は自分をその場に縫い付ける為のようだった。
メイは殺気に怯えた事を恥じ、女は驚かせた事を謝罪した。

女がしたことは、予想とほぼ同じであったが、目的は正反対だった。
AAをおもちゃのように扱い、種族を無視した虐殺を生き甲斐としているようだ。
というのも、女曰く『種族なんて知らなかった。いろんな色をしているのはそのせいだったの』。とのこと。
少しどころか、物凄い勢いで世間知らずの女に、メイは別の意味で恐怖した。

質問してばかりでは相手に失礼なので、何か知りたい事はないかと聞いてみる。
すると、女は一瞬悩んだ後、目を輝かせながらこう言った。

「私ね、私、あなたのこと、好きなの」

「え?」

「『片腕が黒い少年』って、いろんな所で聞いたの。ほら、あなたの腕、黒い」

聞き慣れた言葉を放ちつつ、女はメイの左腕をつつく。
世間知らずでやりたい放題な考えを持つ者にまで、噂は広まっているのか。
メイは落胆するが、女は逆に喜びを隠せないという態度だ。

「ちいさい身体なのに、いっぱいおおきいいきものを殺してるんだもの。凄いわよ」

と、女は今までにメイがしてきた事を話していく。
ほんの数時間前の、屋根から飛び降りて虐殺厨を殺したことから、逃げ出してすぐの殺人まで。
断片的ではあったが、生き証人のような女の記憶力とストーカーぶりに身震いしてしまう。

「一応、気配とかに気をつけてたのに・・・」

「遠くから眺めていた時もあるわ。いきものと遊ぶより、あなたを見ていた方が楽しかった」

隙を見つけておいて、殺さなかった理由はそれのようだ。
彼女の言う『遊ぶ』、つまり虐殺をしている時、やり方などが自分好みだとか。
それに加え、死体となったAAを解体し、食事をする様がかわいくて仕方ないとのこと。
その事に、メイは苦笑いしかできなかった。

「今日は、もう遊ばないの?」

何の含みのない、純粋な質問。
もう警戒する意味もないので、そのままの気持ちを言ってみた。

「いや、夜の分の肉が必要なんだ。どこにあるかはもう見つけてるけど」

「じゃあ、私がとってくるわ」

「・・・えっ?」

意外な返答に、片方しかない自分の耳を疑った。

「お礼とお詫びを兼ねて、お手伝いがしたいのよ」


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