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虐待・虐殺小説スレッドPART.4

134:2007/07/22(日) 15:56:25 ID:???


最後に見たのはノーネの顔だった。
直後、化け物の爪が俺の眼を覆い、潰したんだ。
俺はその痛みに耐え切れなくて、叫ぶしかできなかった。
途中で誰かの声がして、化け物は俺から離れた。
後は殆ど覚えていない。
その誰かが、化け物を追い払った時から、既に意識は朦朧としていたから。
ただ、俺に掛けてきた言葉と、その手の温もりは覚えてる。
どうしてかはわからないけど。






「・・・」

ふかふかのシーツの感触。
フーが最初に感じたものは、それだった。
身体に掛かる重力の向きからして、どうやら自分は寝ているようだ。
上半身だけを起こし、目を開けようとする。
だが、開かない。
何かと思い目元を触ると、ちくりとした痛みと包帯の手触り。
必死で記憶の糸を手繰り寄せ、自分の身に何が起きたのかを思い出そうとする。
と、そこで扉が開く音がして、フーは一旦思考を止めた。

「お、起きたか。一晩だけ気絶するなんて、いい体内時計持ってんな」

聞き慣れない声は、いい匂いを纏いながら近づいてくる。
おそらく、食べ物を持ってきたのだろう。
ことり、と食器を置く音がした所で、フーは問う。

「ア、アンタ誰だ?」

「ウララー。ここは俺の家」

「・・・助けてくれたのか?」

「一応『擬似警官』って職持ちだからな」

あっさりとした返答の中に、自分の語彙にはない単語が一つ。
それが気になり、再度質問を投げ掛けた。

「ぎじ警官?」

「国がな、犯罪の数に追いつけなくなったが為に置いた救命措置みたいなモンだ」

「・・・???」

まるでインコを彷彿とさせる程、フーは首をかしげる。
ウララーはそれに対し、額に手をついて軽く溜め息をついた。
と同時に、意識が回復しても取り乱さない神経の図太さに少しだけ感心した。

「あ、あとそれと・・・」

「待て」

「?」

「お前だけ質問するってのは不公平だからな。次は俺だ」

「あ・・・うん」




自分が質問をする。
自らがその状況を作ったというのに、ウララーは黙ったままだ。
風がカーテンを撫で、衣の擦れる音だけが部屋に響く。
一分程してから、ウララーは口を開いた。

「名前と、路地裏にいた理由を教えてくれ」

その声は、何かに怯えているように少しだけ震えていた。

「俺はフー。あそこにいたのは、家がないから」

「浮浪者か」

「うん・・・あの化け物は、俺が帰ってきた時にはもう・・・」

語尾が消え、俯くフー。
言葉にしていくに連れ、あの惨劇が脳裏に浮かび上がる。
時間にすれば対したものではないが、心に負った傷はかなり深い。
目を開けられない中、瞼に映るのはノーネの首だけ。
身体が震え出した所で、何かが膝の上に置かれた。

「?」

「飯だ。一人でも食えるようにパンにしといた」

少し待っててくれ、とウララーは言い残し、部屋を後にする。
扉の閉まる音がしてから、フーは膝の上のものを探り始めた。

取っ手のついた板の上に、ふんわりとした手触りの球体が一つ。
温かく、持ち上げてみると思ったよりも軽い。
それを少しずつちぎり、口の中へと運んでいく。


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