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虐待・虐殺小説スレッドPART.4

133:2007/07/22(日) 15:55:12 ID:???

「っっ!!・・・はあッ・・・!」

全力を出し切った、ほんの一秒にも満たない攻防。
ウララーにとっては、それが一分とも十分とも感じ取れた。
張り詰めた神経を緩めると、全身から脂汗が吹き出た。
脳と筋肉は酸素を求め、必死に取り込もうと肩で息をする。
更に追い打ちを掛けるように、肩の傷が自己主張を始めた。
受け身をとっていない為か、背中も悲鳴をあげている。

こんな状態で、また飛び掛かって来たら自分はもう何もできない。
二度も幸運は続かないし、己で手繰り寄せる気力も既にない。
しかし、

(・・・?)

化け物の様子がおかしい。
弾丸が胸を貫き、ガードレールにもたれ掛かる状態で奴はいる。
首はうなだれ、表情を汲み取る事はできない。
だが、二秒、三秒・・・十秒かかっても、その体制のままだ。




(仕留めた・・・のか?)

銃口を向けたまま、にじり寄る。
もしかしたら、気絶していたフリだとか、奴の仕組んだ罠かもしれない。
万が一の事もあるし、真っ直ぐに近付くのは危険である。

その時だった。
化け物の首が急に持ち上がり、痙攣を起こし始めたのだ。
眼はぐるぐると、虫のようにせわしなく動いている。
突然の出来事に、ウララーは心臓が跳ねたような感覚を覚える。
そして、己の悲鳴の代わりとして、再度銃が吠えた。
鉛弾は化け物の腹に潜り込み、内臓を潰す。

「キイイイイィィィィィィイイイ!!!」

それに併せ、化け物は狂ったかのように金切り声をあげた。
天を仰ぎ、眼を踊らせ、口からは噴火とも取れる程血を吐き出す。

ウララーは咄嗟に耳を塞いだ。
しかし、屋外だというのに、空気が揺れる程凄まじい雄叫び。
まるで直に鼓膜を揺さ振られているようで、頭痛さえ感じてしまう。
あまりの酷さによろめくが、ここで化け物を視界から外せば己の命はない。
歯を食いしばり、残り少ない気力をかき集めて踏ん張る。




叫び声が止み、化け物が急にこちらを向いた。
ぐるぐると回る眼球と、吐血を撒き散らす様はその異形さに拍車をかける。
ウララーはそれに驚き、一手遅れて発砲する。
が、着弾した場所は目標の後ろにあるガードレール。
不快な金属音がした時には、化け物は既に頭上を陣取っていた。

(殺られる!!)

化け物の影は大きく映り、酷く恐ろしく見えた。
ウララーは両腕で顔を庇い、力いっぱい目をつむる。
だが、聞こえたのは壁をテンポよく蹴る音と、はるか遠くで響く金切り声だった。




「・・・?」

恐る恐る目を開けると、既に化け物の姿はなかった。
後ろを振り向けば、壁に血が点々とついており、奥の方ではかなり高い所にある。
三角跳びとはいえ、かなりの幅があるここでやってのけるとは。

だが、化け物は何故あのように発狂したのだろうか。
まさかとは思うが、奴は銃という物を知らなかったのだろうか。
銃口を向けていても平気な顔、撃たれた時のあの有様。
常識はずれな能力を持っていても、化け物も未知なる物が恐ろしいのか。

「にしても、あの声は無いだろ」

ウララーはそう呟き、頭を小突いて頭痛を紛らす。
そして、もはや痙攣しかしていない被害者、フサギコに目を遣った。


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