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虐待・虐殺小説スレッドPART.4

132:2007/07/22(日) 15:54:11 ID:???


と、ここでウララーはある事を思い出す。

聞いた事がある。
身体能力、或いは生態など、AAの持つ何かを実験、観察していた団体があると。
目的は不透明だったが、ある日、被験体が研究員のミスで暴走してしまう。
最終的には研究所を抜け出し、皆の生活に溶け込んでしまっているという話だ。

尾鰭のついた怪談、もしくは都市伝説の類だと思っていた。
だが、この化け物はその話に出てくる被験体と特徴が酷似している。
何故早く思い出さなかったのか。
こいつはちびギコを喰らい、研究員を喰らい、そして母体であるびぃを喰らった―――

「邪魔した上、黙って突っ立ってるのはどういうこと?」

その言葉を聞き、ウララーは我に返った。
直後、全身が凍り付いたような感覚に陥る。
殺気。
化け物の表情は一変し、眼は自分の喉笛をしっかりと見据えている。
ビリビリとした空気が四肢を麻痺させ、身体をアスファルトに打ち付けているようだ。

「・・・っ!」

出かかった悲鳴を無理矢理押し殺し、しかしわずかに喉から漏れる。
化け物は、そのほんの一瞬の隙を逃さなかった。
地を一蹴りすると、血と臓を越え、フサギコを跨ぎ、一気に距離を詰める。
二人の間隔はそれなりにあった筈だが、化け物はそれを簡単に無かった事にした。
常識を超越した存在が、文字通り目の前に迫る。

だが、ウララーの身体能力も馬鹿にはできない。
こと瞬発力に関しては、人一倍優れていると自他共に認めていた。
それと、己のプライドが、『命を甘く見る奴らへの怒り』が、ウララーを突き動かす。

刹那、冷静さを取り戻したウララーは、素早く後方へ跳躍した。
しかし、それだけでは化け物の爪は回避できない。
ならばと、ここで初めて威嚇だけに留めていた銃を『殺す』為に扱う事を決意。
AAでないAAを裁く事など、誰が出来ようか。




化け物の爪が肩に触れる。
皮膚を裂き、肉を刔っていく。
熱いものが頬に当たり、鋭い痛みが身体を貫く。
持ち手の肩をやられたので、引き金はまだ引かない。
互いの顔が、目と鼻の先まで近付く。
狙いが定まっていないので、引き金はまだ引かない。
空いた手で化け物の腕を掴み、背中から倒れ込む。
ほぼ同時に腹を蹴り上げ、後方へと投げ飛ばす。
目標が視界から消えたので、引き金はまだ引かない。
直後に鈍い音と短い悲鳴が聞こえ、それに併せ立ち上がる。
化け物はガードレールにぶつかったようで、まだ俯せていた。

目標は視界に完全に捉らえた。
銃口も完璧に相手を狙っている。
切り裂かれた肩口は空いた手でしっかりと握り、反動に備える。

もう何も問題はない。





化け物が顔を上げるのと、ウララーの銃から銃弾が吐き出されるタイミングはほぼ同じだった。
増薬した訳でも、弾頭に切り込みを入れている訳でもない唯の鉛弾。
そんなものが、この化け物に通用するのか。
誰にもその答えはわからない。
鉛はそんな事を気にすることなく、目標の右胸を貫き、身体の中で進む事を止めた。


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