どうでもいいことを語るスレ

657：伯爵：2005/07/03(日) 09:35:56: 　初夏と言うにはいささか暑い、七月一日の事であった。
　旧友が我が家に突然、二人の娘を連れて遊びに来たのだ。
「ま、大したもてなしは出来ないが上がってくれ」
　俺はそう言って三人を居間に上がらせると、台所でスイカを半分に割り、それを更に四等分して皿の上に並べる。
　コップを四つ用意してなみなみと麦茶を注いだ後、それらをお盆に載せて居間へと持っていった。
「お、気が利くねぇ」
「今日たまたま、お隣さんから二玉お裾分けを貰ったんだ」
　旧友の二人の娘は、目を輝かせてスイカを食べ始める。
　今も昔も、夏のデザートと言えばやはりスイカだよな。俺もそんなことを考えながら、塩をふりかけてシャクシャクと夏の味わいを楽しんだ。
　ふと机の下に目が行くと、旧友の娘が二人とも、ちょっと変わった格好をしていることに気付いた。
「なあ、どうしてパンツを穿いてないんだ。お前の趣味か？」
　取り敢えず聞いてみた俺に、旧友は笑って答えた。
「馬鹿言え。今日、二人を連れて海に行って来てな。そこでちょっと濡らしちまったんだ。二人とも気持ち悪いっつーんで、脱いで車に置いてあるっつー訳さ」
「へぇ、そういやもう海開きか。最近行った記憶ねぇなあ」
　何気なく外を見てみると、薄青色の空とチリンと鳴る風鈴が目に着いた。

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