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おちゃめくらぶ掲示板

860御茶目菜子:2012/02/08(水) 14:49:11
デジタル一眼にさらなる高画素化は必要なのか・・・?
ニコンがデジタル一眼レフ「D800」を発表したにょ。
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20120207_510123.html
35mmフルサイズセンサーを搭載した上級機であり、これよりグレードが上となるとプロ用の
D4のみになるにょ。
フルサイズセンサーを搭載した機種といえばプロ用を除けばニコンではD700のみにょ。
D700はプロ機であるD3に初搭載されたフルサイズセンサーを買いやすい価格(といっても
当初の価格は本体のみで30万円程度だったけど)で提供することでヒットしたにょ。
D800は型番を見てのようにD700の後継モデルとなるにょ。
前モデルとなるD700と比較すると下記のようになるにょ。

           D800        D700
画素数        3630万画素     1210万画素
常用感度       ISO100-6400     ISO200-6400
拡張感度       ISO50-25600     ISO100-25600
ファインダー倍率   100%        95%
連写         4コマ/秒      5コマ/秒
記録メディア     CF/SDXC       CF
動画         フルHD       無し
サイズ        146x123x81.5mm   147x123x77mm
本体重量       900g        995g

このニコンD800の主な特長は下記の2つだと思われるにょ。

 (1)3630万画素センサー搭載
 (2)ローパスレスモデル(D800E)を用意

(1)3630万画素というのは35mmフルサイズセンサーとしては現時点で最高画素数になって
いるにょ。
プロ機となるニコンD4は1620万画素であるためそれと比べると2.2倍の画素数にょ。
D4はフルサイズセンサーとしては極めて画素数が少ないのだけどこれでも前モデルとなる
D3の1200万画素よりは増えているにょ。
ただ、ニコンのプロ機は従来の連写重視のD3と画素数重視のD3Xがあったにょ。
その画素数重視のD3Xでさえ2450万画素であり、D800はその1.5倍の画素数にょ。
キヤノンもプロ機において連写重視のEOS 1Dシリーズと画素数重視のEOS 1Dsシリーズが
あったのだけどそれはEOS 1DXで統合されたにょ。
公式発表こそされてないけどニコンもD4で統合という可能性が高いにょ。
するとこのD800がしばらくの間ニコンのデジカメで最高画素数になりそうにょ。

「高画素=高画質」とは限らないということはここで何度も書いたにょ。
画素数だけでみればライバルは中判デジカメになるのだけど画素数だけで判断するならば
1月31日に書いたコンデジ「TX300V」は1800万画素であるため1200万画素クラスのデジタル
一眼レフを「画素数」で越えているにょ。
TX300VがD700よりも高画質と思っている人は恐らくこれを今読んでいる人の中には居ない
と思われるにょ。
デジカメの画質を主に決めるのはセンサー性能、レンズ性能、画像処理エンジン性能の
三要素にょ。
仮にTX300がセンサーに対して十分なレンズ性能を有しているならば好条件下(十分な
明るさかつ輝度差のない被写体)においてRAWではなくJPEGでの画質比較を行った場合
には画素数が多い分だけD700を越える可能性があるといえるにょ。
しかし、これはあくまであり得ない仮定であり、現実的には1/2.3インチという極小
センサーで十分に解像するレンズというのは一般的なコンデジには搭載されておらず、
さらに回折による影響を考えるとボトルネックになっている部分が大きい(単純計算では
400本/mm以上の解像力とF2の明るさで収差のほぼないレンズが必要となる)ためTX300Vが
D700の1.5倍の画素数にも関わらずどれだけ好条件下であってもD700に確実劣ってしまう
と思われるにょ。

ただし、これは30倍以上の面積差があるセンサーだからやむを得ないにょ。
これがAPS-Cとの比較であれば面積差は2.3倍まで縮まるにょ。
APS-Cサイズでも現在2400万画素まで達しており、現時点では国内メーカーではNEX-7など
ソニーの機種に採用されているにょ。
APS-Cで2400万画素となると明らかに過剰な画素数に感じるけど単純計算ではレンズに
求められる解像力は128本/mmであり、それほどハードルは高くないにょ。
単焦点レンズならば容易に実現可能なレベルにょ。
とはいえ、ズームレンズだとやや厳しいし、F8で回折限界を超えるためやはり厳しいという
のは否めないにょ。
それでも、十分な性能なレンズを装着して好条件下ならばNEX-7はD700を越える画質を得る
ことが可能にょ。
というか、ボトルネックになる部分が無ければ画素数が多い方が有利なのは確かにょ。

しかし、これはあくまでそのデジカメの基本感度(ISO100程度)においてのみ言える話
となっているにょ。
高画素化が行われると必然的に1画素あたりの光の量は減ってくるにょ。
センサーの世代が進むことによって感度がアップしたり、画像処理エンジンの世代が
進むことでノイズリダクション性能がアップすることで高画素化が行われても高感度時の
画質は上げることが可能にょ。
600万画素の機種(2005年頃の機種)と最新の2400万画素の機種を比較して同じAPS-C
サイズで画素数が4倍に増えているから高感度時の画質は落ちているかというとそんな
ことはなくむしろ大幅に高感度画質は向上していると思われるにょ。
ソニーやニコンのデジカメに採用されているソニー製のセンサーは画素数を上げながら
高感度時の画質も上げてきたのだけどこの2400万画素のセンサーは従来の1600万画素の
センサーと比べると上記のように好条件下では勝っているとはいえ、高感度時の画質は
ダウンしているように感じているにょ。
それに高性能なレンズを使えばAPS-Cで2400万画素の性能を生かせるとはいえ昨年11月
19日に書いたように入門機であるα65にまで2400万画素センサーを採用するのは不可解
といえるにょ。
一眼レフだから高性能なレンズを使えばいいだけの話だけど入門機を買う人でそのような
レンズを購入する人は極めて限られるからにょ。
そうではない人にとってはデメリットを強いられているんだ!(集中線)

では、D800に話を戻すとフルサイズで3600万画素センサーというのは確かに多いけど
これは画素ピッチで考えるとAPS-Cだと1500万画素程度にすぎないにょ。
すでに1600万画素以上が当たり前で2400万画素の機種もあるというAPS-Cにおいては
最新センサーを搭載しながらこの数字は決して大きなものではないにょ。
D800ではフルサイズのFXフォーマットの他にDXフォーマット(APS-C専用)のレンズも
クロップ撮影によって使用可能になるにょ。
その際は4800x3200の1536万画素になるにょ。
APS-Cで1600万画素のD7000を最新のセンサー、画像処理エンジンに置き換えた性能と
いえそうにょ。
したがって、D800は画素数が多いといっても高感度時の画質はAPS-CのD7000よりも確実に
優れていると言えそうにょ。
そして、このクラスの上級機を買う人であればレンズもそれなりのものを選択するという
人も多いため画素数が多いからレンズの性能不足で解像できないということもあまり
ないのではないかと思われるにょ。(廉価ズームや高倍率ズームではさすがに厳しい
けれど)

では、D700との比較ではどうなのかというと微妙にょ。
D700が発売されて3年半経つとはいえまだAPS-Cセンサー搭載機に高感度画質負けるような
レベルではないからね。
D700では常用感度がISO6400に設定できるけど単に設定できるというだけではなくISO6400
でもそれなりに使える画質になっているにょ。
D7000はどうなのかというとISO3200ならばD700のISO6400と比べてアドバンテージがあり
そうなレベルだけどISO6400になるとかなり厳しくなってくるからね。
しかし、D800は上記のようにD7000を越える高感度画質であることはほぼ確実にょ。
そうするとD800はD700と同レベルの高感度画質がありそうな感じにょ。
実際メーカーもD800はD700と同レベルという主張をしているにょ。
常用感度設定もD700と同じISO6400までだしね。

(2)画素数が増えることによる最大の恩恵は精細な描写が可能になることにょ。
もちろん、それに似合ったレンズを使用することが大前提だけどね。
スタジオ撮影や風景撮影などの高画素のメリットが大きい場面ではD800はD700よりも
確実に有利になるにょ。
従来のD700はそういった用途にはあまり向いていない機種だったにょ。
それは画素数が発売当時としてはそれほど多くなかったということに加えてローパス
フィルタが強めの機種だったからにょ。

多くのデジカメに採用されているRGGBのベイヤー配列のセンサーは各画素は単色の輝度
情報しか含まれておらず、周囲の画素情報を元にフルカラー画像を生成しているにょ。
しかし、ここで問題はセンサーが規則正しい配列であるため細かくかつ規則正しい被写体を
撮影時にはモアレが発生してしまう場合があるにょ。
そして、ベイヤー配列の場合はそれによって偽色が発生してしまうにょ。
それを軽減するのがローパスフィルターにょ。
高周波成分をカットして低周波のみを通すからその名前が付けられたのだけど要するに
入ってくる光を分散させる(要するにぼけさせる)ということにょ。
つまり、一般的なデジカメはモアレ軽減のためローパスフィルタを使いわざわざ解像感を
落としているということにょ。
コンデジの場合は極小画素ピッチのためすでにレンズの性能が不足しており、それによって
レンズがローパスフィルタのようなぼかす働きしているため昨今のコンデジはローパス
フィルタを搭載していないのではないかと思うにょ。

ローパスフィルタの強さとモアレの出やすさは極めて高い相関性があるためそのバランスを
とることが重要になってくるにょ。
比較的ローパスフィルタが強めだったD700はモアレが出にくいということが言えるわけにょ。
D800のローパスフィルタの強さは分からないもののローパスフィルタの効果を無くした
モデル(D800E)も発売されるにょ。
ローパスフィルタというのは高価でありそれを搭載しないD800Eは通常版よりも安価かと
思ったら通常版よりも5万円高価となっているにょ。
さすがに普通に考えたらこれは解せないにょ。

実はD800Eはローパスフィルタが搭載されていないのではなくてローパスフィルタの効果を
無くしているだけにょ。
わざわざ分散した光を再結合させるという二度手間になる作業をしているのはローパス
フィルタを搭載しない場合はセンサー面までの距離(フランジバック)が変わるためにょ。
つまり、ローパスフィルタがない分だけ微調整が必要ということにょ。
D800とD800Eをローパスフィルタ以外共通のパーツを使い工場で同じ製造ラインで製造する
ためには単純にローパスフィルタを取り除くということはできなかったにょ。(もしも
ローパスレスモデルのみラインナップしたのならば完全に取り除くことが可能になるけど
モアレが非常に出やすくなってしまうため撮影対象を選んでしまうにょ。
中判デジカメであるペンタックス645Dはある程度ユーザー層が限られるためそれでも問題
無かったのだけどそれよりも広い層に販売していくであろうD800ではそれでは都合が
悪かったのではないかと思われるにょ。
ただし、ローパスフィルタの効果を無くした影響は大きいみたいで高画素と合わせて
D800Eは風景をメインに撮影している人には待望の機種かもしれないにょ。(風景では
規則正しいパターンを撮影する機会はほとんどないため)
今まで中判でしか撮れなかったような写真を撮ることが可能になるからね。

画素数が多いことで4画素混合を可能にすれば900万画素ではD4を越える高感度時の画質を
実現できるのではないかと思うにょ。(フル画素で撮影してから4分の1にリサイズした
ものと4画素混合で撮影したものとではノイズ量そのものが変わってくるため)
センサーサイズに対し画素数が多いコンデジでは一部の機種で採用されている(例えば
キヤノンならばローライトモードで使用している)けれど実はニコンも初のデジタル
一眼レフであるD1にて採用されているにょ。
99年に登場したD1は公称266万画素だけどこれは当時のセンサーが高感度画質が極めて
低かったためプロの要求に耐えられるように1000万画素超のセンサーを搭載しながら
4画素混合のみとなっているためにょ。
D800では3600万画素センサーを搭載というリーク情報が流れた時にこのような4画素混合に
期待を寄せていたけどそれが実現されなかったのはやや残念なところにょ。(つまり、
高感度画質を求めるならばD4を買ってくれということかも・・・)


というわけで、D800は上位モデルとなるプロ機のD4とは全く性格の異なる機種であることが
分かると思うにょ。
D4はスポーツや報道写真においては連写速度、AF速度のアップや高感度画質の向上によって
非常に強力な武器となっているのだけどその反面今となっては画素数が少ないことで
風景メインの人にとってあえてD4を選ぶメリットは堅牢性以外には無かったからね。
D800は逆に言えばスポーツなどにはそれほど向いている機種ではないにょ。
連写速度は従来モデルのD700の5コマ/秒を下回る4コマ/秒だからね。(そのためあまり
書き込み速度を要求しないせいか、D4で採用されたXQDメモリーカードへの対応はD800では
行われていない)
これは単純に数字で比較すると昨今の入門機にさえ劣るレベルにょ。(とはいえ実際に
動体撮影に使用する場合はAF性能で圧倒的に優れているD800の方が有利になるだろうけど)

D800のウリというほどではないけどD700には無かった機能としては動画機能があるにょ。
これはデジタル一眼で初めて動画機能が搭載されたD90よりもD700の方が先に登場している
からやむを得ないにょ。
昨今はセンサー性能の向上(CMOS化によって低消費電力かつ高速読み出しが可能になった)
によってデジタル一眼でも動画機能は当たり前のものになっているにょ。
動画機能搭載がウリとなる入門機ならともかくあまり動画を使うとは思えないプロ機で
さえも動画機能が搭載されているくらいにょ。
これもフルサイズセンサーを使った被写界深度の浅い動画はEOS 5D MarkIIが実際に映画や
ドラマ撮影で使われたのを見てのように同じフルHDでも普通のデジカメの動画機能とは
全く異なる描写が得られるからにょ。
D800の画素数は4K動画(800万画素クラス)を越えスーパーハイビジョンレベルにょ。
読み出し速度がアップすれば将来はそういった超高解像度動画撮影への期待が高まる
ところにょ。

予価はD800で30万円、D800Eが35万円というのは低価格化が進んでいるデジタル一眼に
おいては高価だけどD4と比較するならば非常に安価にょ。
フルサイズということでAPS-Cでは実現できないような高感度時の画質を期待している
人もいるかもしれないけどD800では上記のように高画素へと舵取りされているため高感度
よりも解像感に期待すべきにょ。
その高画素を生かすためにもD800を使用する場合には解像力の高いレンズを選択したい
ところにょ。
高画素化に反対している人もそれなりに多いことだと思うけど高画素化がないと高価な
レンズを売りにくくなってしまうにょ。
高価な大口径レンズは超低分散ガラスなどの採用にとって高解像力を実現しているのだけど
画素数が少なく画素ピッチの広い機種ではただの明るいだけのレンズになってしまうだけ
ではなく高感度画質が高まればその大口径の明るさも相対的にメリットが低くなってしまう
わけだからね。
一眼レフは交換レンズが売れることによって大きな利益を生むビジネスモデルとなっている
ためにメーカーにとっては高価なレンズを売るためにも高画素化は必要なことと言えるにょ。
これがコンデジなどのレンズ一体型のものや入門機のように高価なレンズを買うとは
思えないユーザー層に向けて発売している機種(実際キットレンズのみで他の交換レンズを
購入しない人が大半だと推測される)の場合だと「高画素=高画質」という正しいとは
いえない認識を持っている人に対して「高画素をウリにしている」というだけであり、
D800は高画素であってもそれとは全く異なる意味合いを持つものと言えるにょ。




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