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おちゃめくらぶ掲示板

836御茶目菜子:2012/01/11(水) 14:34:45
ミラーレスも画質や操作性が重要・・・?
富士フィルムがレンズ交換式ミラーレスカメラ「FUJIFILM X-Pro1」を発表したにょ。
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20120110_503274.html
富士フイルムとしては久々のレンズ交換式デジカメにょ。
前回はニコンFマウントを用いた「FinePix S5 Pro」だったので今回もニコンとの協業の
可能性もあったはずだけど画質重視するという事前予告からするとNikon1に用いられている
CXマウントは考えにくかったにょ。
昨年10月6日にどのマウントで行うのかを予想を書いたけど最も可能性が高かった独自
マウントになったにょ。

ユーザー側の立場からするとマウントが増えるというのはレンズを一から構築する必要性
というものを考えるとあまり望ましいものではなく既存マウントを用いてもらった方が
いいのだけどメーカー側、つまり、作る側の立場からするとより良いものを提供するため
その時点でできる最善策を採るということは決して悪いことではないにょ。
問題はそのマウントだけどこのXマウントは画質を最優先して作られたみたいにょ。
フランジバックは17.7mmと短いのだけど10月6日にも書いたようにフランジバックが短く
なるとセンサーの周辺部への入射角がきつくなってしまうにょ。
フィルムとは異なりイメージセンサーはフォトダイオードの上面に配線層が位置している
(裏面照射型CMOSセンサーを除く)ために例えるならば井戸の底に光を導くような状況に
なっているにょ。
当然ながら十分な光がフォトダイオードに届かないと被写体を撮影しても十分に解像は
できないにょ。
したがって、周辺部の角度が少しでも緩くなるようにフランジバックはセンサーサイズに
対して長い方が有利になるにょ。
もっとも、これは誰でも分かることなのでどのメーカーであってもその対策は行って
いるため現行製品においてはフランジバックによる画質の差はほとんど存在しないにょ。
そうした上でレンズ設計の難易度が上がってもフランジバックが短い方が高画質に繋がる
と判断したために独自のXマウントを作ったと思われるにょ。

やはり、画質はセンサー、レンズ、画像処理エンジンの3要素で決定するのだけどそこで
考えるべきなのは3要素の中でどれがボトルネックになっているかということにょ。
センサーと画像処理エンジンが非常に優秀であってもレンズが駄目だったらそれがボトル
ネックになってしまうわけだからね。
そこで富士フイルムが考えたのはセンサーにょ。
解像度を優先するならばFoveonのような三層構造が有利なのは確かにょ。
Foveonのような鏡餅形状の構造だと色分離の問題があるし感度を上げるのが難しいという
問題や三層構造であるためテレセン性が単層とは段違いに要求されてしまう(上記に書いた
ようなフランジバックの問題がより顕著になってしまう)という問題があるにょ。
キヤノンも富士フイルムも三層センサーは開発中だけどまだ実用化には時間がかかりそうな
感じにょ。

画質の面でボトルネックになっているといえばやはりローパスフィルタだと思われるにょ。
一般的なRGGBのベイヤー配列のセンサーの場合は1つの画素では1つの色しか受光することは
できないにょ。
それを画像処理エンジンによって周辺情報を元にフルカラーの画像を生成しているにょ。
ただ、その際に問題となるのは画素ピッチを超えるような細かい規則的な配列をした
被写体を撮影時にはモアレが出てしまうということにょ。
そのモアレを軽減するために一定以上の周波数成分をカットするローパスフィルタを
センサーの前に付けているにょ。
ただし、ローパスフィルタというのは簡単にいえばセンサーに入る光をぼかすような
働きをしているため解像度低下の原因にもなっているにょ。

そこで、ローパスフィルタ無しでモアレを軽減するためのセンサーをこのXマウントの
ために開発したにょ。

一般的なRGGBのベイヤー配列のセンサーは下記のようになっているにょ。

 GBGBGB
 RGRGRG
 GBGBGB
 RGRGRG
 GBGBGB
 RGRGRG

これは任意の場所から2x2の画素を取り出した場合にはすべてRが1つ、Gが2つ、Bが1つに
なっているにょ。
これを元に1つの画素が1つの色しか解像できなくてもフルカラーでの画像生成は容易に
なっているにょ。
Gが2つあるのは解像力アップのためであり、本来ならば画素数の1/4の解像力しかない
ベイヤー配列のセンサーはピーク時には1/2の解像力になるにょ。

富士フイルムが考案したのは次のような配列にょ。

 GBGGRG
 RGRBGB
 GBGGRG
 GRGGBG
 BGBRGR
 GRGGBG

一般的なベイヤー配列センサーが2x2を基本単位として規則的に並んでいるのに対して
富士フイルムの方は6x6を基本単位としているにょ。
デジカメで発生するモアレがフィルムカメラでは発生しないのはフィルムは受光する粒子が
ランダムに配置されているのに対してベイヤー配列センサーは狭い間隔で規則的な配列に
なっているからにょ。
つまり、その規則的な配列の間隔を長くしてやればローパスフィルタの必要性は無くなる
というのが簡単な理由にょ。(6x6の配列だと2x2と比べて単純計算では3倍細かい周波数
成分まで対応可能になる)
あくまでモアレが出にくくなるというだけとはいえ、ベイヤー配列センサーではモアレを
軽減しようとローパスフィルタを強めにすれば解像力が落ちるし、弱めにすれば解像力
アップになってもモアレが起きやすくなってしまうというジレンマがあっただけに
これはかなり画期的なものにょ。
ただし、そのためには単純計算で9倍の演算性能が必要になってくるので画像処理エンジンの
速度に自信がないとできないにょ。

センサーや画像処理エンジンにはかなりの自信を持っているみたいだけどレンズもかなり
自信がありそうにょ。
一般的にはミラーレスの発売時のラインナップは標準ズームとパンケーキレンズという
組み合わせであることが多いにょ。
これは標準ズームは多くの人の需要を満たすためのものであり、パンケーキレンズは
小型ミラーレスを生かすためのレンズだからにょ。
レンズ交換が可能ということを生かしてその2本をベースにしてレンズラインナップを
拡充するのがセオリーにょ。

しかし、富士フイルムが最初に発表した3本のレンズは18mm(フルサイズ換算27mm)F2、
35mm(換算47mm)F1.4、マクロ60mm(換算90mm)F2.4の3本にょ。
広角レンズ、標準レンズ、マクロレンズというラインナップはかなり玄人志向のものと
いえるにょ。
9月22日にはNikon1について書いたのだけどそこで最初にラインナップされたレンズは
広角レンズ、標準ズーム、望遠ズーム、高倍率ズームにょ。
Nikon1がデジタル一眼を使っている中級者以上がサブとして使うことよりもデジタル
一眼では大きいと感じている人がコンデジからのステップアップとして考えていると
いうことを考えるとこのようなズーム中心のラインナップはバランスが非常に良いと
考えたからにょ。
それにNikon1はレンズ交換式カメラの中でもトップレベルの動画性能を持っておりそれを
生かすためにはズームレンズは非常に有用だからにょ。

ところが、X-Pro1は筐体デザインからしてコンデジからのステップアップの層や初心者を
相手にしているのは微塵も感じさせないにょ。
価格面も国内での本体価格が15万円程度になるらしいので初心者が気軽に手を出せる価格帯
ではないにょ。
つまり、初心者が気軽に使うためのデジカメではなくある程度分かっている人が画質を
求めて買うデジカメと言えるにょ。
すると必然的に画質面で不利になるズームレンズは当初のラインナップから外れることに
なるにょ。(当初から用意するとそれを元に比較されてしまうため「画質面で優れている」
ということをアピール点がどうしても弱くなってしまう)

ただ、画質面や操作性を重視している反面でサイズや重量が犠牲になっている部分も
無いわけではないにょ。
サイズは139.5×81.8×42.5mm、450gということで昨日書いた各社が用意しているミラー
レスカメラの上位モデルと比較しても大きく重いにょ。

         X-Pro1     Nikon 1 V1   GX1       NEX-7
センサーサイズ  APS-C      1インチ     4/3インチ    APS-C
本体サイズ    139.5x81.8x42.5 113x76x43.5   116.3x67.8x39.4 119.9x66.9x42.6
本体重量      450g      383g      318g      350g

これでも一眼レフよりは小さく軽いのだけどレンズも全く小型軽量化を考えてないと
思わせる感じにょ。
十分な幅のピントリングがあるだけではなく昨今の電子化が進んだレンズにおいては
省略されがちな絞りリングも省略せずに装備しているからね。(しかも1/2段単位では
なく1/3段単位という過去に例がないような仕様)
これはNikon1のレンズがピントリングさえも省略しているというのと完全に対極的な
存在にょ。
ミラーレスは廉価化が進み利益を出すことが難しくなった上にスマホのカメラ機能向上で
売上台数そのものも低下してしまったコンデジを救うものであり、メーカーはこぞって
初心者の獲得を目指すべく手軽に使えるようにし、小型軽量化をしてきたのだけどその
反面で画質重視、操作性重視のものが欲しいというニーズも生まれて来たにょ。
それに応えるべく登場したのがX-Pro1だと思うにょ。
これで国内大手カメラメーカーでレンズ交換式ミラーレスカメラを作ってないのは
キヤノンだけになったのだけど果たしてキヤノンがどのようなコンセプトのものを投入
するのかが楽しみにょ。




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