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おちゃめくらぶ掲示板

826御茶目菜子:2012/01/07(土) 18:19:50
ニコンD4はXQDカードによって進化する
ニコンからプロ用デジタル一眼である「ニコンD4」が発表されたにょ。
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20120106_502675.html
プロ用デジタル一眼は基本的にオリンピックに合わせてリリースされているにょ。
前作のニコンD3は2007年11月発表ということで2008年の北京オリンピックに合わせて
発売されたものだし、そのマイナーバージョンアップ機であるD3sは2009年11月という
ことでバンクーバーの冬季オリンピックに合わせて発表されたものだと思われるにょ。
D3の上位機種となるD3Xは2008年12月という中途半端な時期に発売されているけれどこれは
5コマ/秒という連写速度を見てもスポーツ用途ではなくスタジオや風景写真用として
考えられるためオリンピックとは無関係の時期になっていると思われるにょ。
そうなるとD3Xの後継ではなくD3sの後継モデルといえるにょ。

ライバル的にはすでにキヤノンが発表したEOS-1DXがあるにょ。
価格帯もほぼ同じなのでガチンコ対決となるにょ。
キヤノンの場合はスポーツ、報道用途のEOS-1Dとスタジオ、風景用の高画素モデルである
EOS-1Dsの2モデルのプロ機があったのだけどそれは1DXで統合した(つまり、APS-Hを
搭載した1D系は事実上無くなった)のに対してニコンはそれを統合したということは
発表されてないため高画素モデルをどのように投入するのかということが1つの話題に
なっているにょ。(D700後継のフルサイズ機は上位機種と下位機種の2つが用意されて
上位となる高画素モデルがD3Xの後継となるスタジオや風景用途に使用されるという
可能性が高い)

というわけで、従来モデルのD3sとライバルであるEOS-1DXのスペックとを比較してみるにょ。

             ニコンD4      ニコンD3s      キャノンEOS 1DX
センサーサイズ      35mmフルサイズ   35mmフルサイズ   35mmフルサイズ
画素数          1620万画素     1210万画素     1810万画素
感度 通常時       ISO100-12800    ISO100-12800    ISO100-51200
   拡張時       ISO50-204800    ISO100-102400    ISO50-204800
AF測距点         51点(クロス15点) 51点(クロス15点) 61点(クロス21点)
最高シャッター速度    1/8000秒      1/8000秒      1/8000秒
連写速度 AF/AEの追従あり 10コマ/秒      9コマ/秒      12コマ/秒
     AF/AEの追従無し 11コマ/秒      11コマ/秒      14コマ/秒
動画           1080/24/25/30/60p  720/24p       1080/30p
             H.264        Motion JPEG     H.264
記録メディアスロット   XQDx1、CFx1     CFx2        CFx2

やはり、ニコンD3sと比較した場合には下記の4つの点が大きな変化になりそうにょ。

 (1)高感度性能の向上
 (2)AE・AF性能の向上
 (3)動画性能の向上
 (4)XQDカードに対応

(1)デジカメにおいては高画素化がどんどん進んでいるのだけど実際は一定以上の画素数が
あれば困る場面というのはあまりないにょ。
画素数が増えれば基本的に高感度に弱くなるし、処理が重くなってしまうからね。(この
処理というのはカメラ側の処理と撮影後にPCで扱う際の処理の重さの両方がある)
この一定以上の画素数という落としどころが難しいのだけどキヤノンは1D系と1Ds系を
統合して1810万画素の1DXを発売したように「特定用途以外は2000万画素は要らない」と
判断していると思われるにょ。
画素数を抑えることで高感度と高速処理に割り振ることが可能になり、過酷な状況で使用
する場合もあるプロ機においてはかなり有用なものになっているにょ。

ニコンD4は1620万画素ということで1810万画素のEOS-1DXよりは画素数が抑えられている
ものの従来の1210万画素のD3sよりは増えているにょ。
さすがに1200万画素では十分な画素数とはいえないための措置だと思われるけどAPS-Cでは
680万画素相当の画素ピッチであり画素ピッチはかなり広いことが分かるにょ。(この
画素数でのクロップ撮影も可能となっている)
D3sは現行のデジタル一眼レフの中で最も高感度画質に優れている機種なのだけどD4は
それを超えるために1620万画素に抑えることが必要と判断したのかもしれないにょ。
もっともニコンは自社でセンサーを作っていないため既存センサーを使用する場合にその
センサーが最善と判断したというだけだろうけどね。

D4がD3sより優れていると仮定しても1DXと比べた場合にどうなのかは気になるところにょ。
両機種とも発売はされておらず、実機(市販版)の実写レビューはまだ公開されてない
ということでスペックから判断すると両機種ともに上限ISO204800ということで互角に
見えるにょ。
ただし、1DXが常用ISO51200に対してD4は常用ISO12800に止まっているにょ。
これは1DXの方が優れていると捉えられるかもしれないけどニコンの場合は常用ISOは
「本当に常用できるレベルの画質」を意味していると思われるためその基準がキヤノン
とは異なると思われるにょ。
そのためこのスペック表から単純に優劣は分からないにょ。(単純に考えると画素数の
少ないD4の方が有利に見えるけどこの程度の差であればセンサーそのものの差と画像処理
エンジンの差で十分に埋められる)

(2)AEに関しては1005分割から91000画素のセンサーとなっており、大幅に強化されている
ことが分かるにょ。
AFセンサーも測距点の数こそD3sと同じだけど新開発のセンサーを使用して新アルゴリズム
採用によって大幅に向上している模様にょ。
やはり、変わったのがF8までAFが使用可能になったことにょ。
1DXは実現できなかったF8対応によってF4の望遠+2倍テレコンやF5.6の望遠+1.4倍
テレコン使用時のAF使用が可能になるにょ。
このAFの速度向上がD3sと比べてAF追従時の速度アップに繋がっていると思われるにょ。

ただし、連写速度そのものは新シャッターユニットを搭載した1DXには及ばないにょ。
AF連動時で12コマ/秒、非連動時ならば14コマ/秒というすさまじい速度の1DXよりは
劣るけど実際に撮影する場合にはレリーズタイムラグも考慮する必要があるにょ。
ニコンD4は42m秒というレリーズタイムラグを実現しており、1DXは55m秒でありD4と比べて
13m秒遅いにょ。
つまり最初の1枚目の撮影はD4の方が上になるにょ。
その次のカットはD4が100m秒(1/10秒)かかるのに対して1DXが83m秒(1/12秒)であるため
すぐに逆転されるためD4の方が上とは言えないものの決定的瞬間を捉えようとするならば
レリーズタイムラグが短い方が有利になるため連写性能に優れた1DXが必ずしも勝っている
というわけではないにょ。

(3)ニコンD90によってデジタル一眼レフに動画機能が初めて搭載されたのだけどそれ以降は
ライブビュー機能の標準化に伴ってデジタル一眼でも動画対応が今となっては当たり前と
なっているにょ。
プロ用のデジタル一眼に動画機能が必要か否かは賛否が分かれるところだけど搭載する
ということが大きなデメリットにはならないし、むしろそれをウリとすることで購入
ユーザー層が広がることを考えると搭載は問題はないと思われるにょ。
キヤノンもフルサイズのEOS-5D MarkIIにおいて搭載された動画機能は多くの人に好評を
得ておりドラマや映画の撮影にも使用されたこともあるくらいにょ。
すでにデジタル一眼における動画撮影機能は市民権を得ているといっても過言ではないの
ではないかと思われるにょ。

そうなると中途半端でイマイチな動画機能ではなく実用レベルに使えるものに変わっていく
というのは自然な流れであり旧機種となったD3sと比べて大幅に強化されているのは
極めて当然にょ。
フルHDで24p〜60pでの動画撮影が可能なため解像度や撮影コマ数で不足することはない
のではないかと思われるにょ。
連続撮影時間においてはEUでのビデオカメラの関税対策として30分未満になっているけど
1カットで30分を撮影することはあまりない(というか、センサーの発熱対策を行う必要が
あるため結局は時間制限をするか冷却機能を導入するしかない)のだけどむしろ問題は
絞りとAFにあるのではないかと思われるにょ。
絞りはリアルタイムで変動ができないため露出はシャッター速度で変えるしかないにょ。
AFはデジタル一眼で使用している位相差検出方式は動画撮影時のライブビューでは使用
できず低速のコントラストAFになるためコントラストAFの強化が必要になってくるにょ。
この辺はどの程度可能になっているかは実機レビューを待つことにするにょ。

(4)やはり、D4の最大のウリの1つといえるのがこのXQDカード対応にょ。
新記録メディアということで「これ以上記録メディアが増えるのは嫌」という人からは
不評の声も上がっているけどこれは現実的にはやむを得ない措置にょ。
それはCFカードがすでに限界を迎えているからにょ。
CFカードは現行で販売されているカードタイプの記録メディアの中では最も登場が古く
1994年に登場したものにょ。
これはPCカードとピン互換を持つATAカードであり、フラッシュメモリのチップだけでは
なくコントローラも内蔵しているにょ。
これが後発のスマートメディアやメモリースティックやSDカードと異なる部分にょ。

スマートメディアをはじめとするデジカメ用として開発された記録メディアはカード本体
にはコントローラを内蔵せずカードはシンプルにすることで小型軽量化と同時に低価格化を
実現しているにょ。
ただし、それ故にメモリとコントローラとの相性問題が出てしまうし使用できる記録
メディアの容量に制限が出る場合もあるにょ。
そして、その記録メディアにはフォーマットも定義されている(SDカードはFAT16、SDHC
カードはFAT32、SDXCカードはexFAT)ということで古いデジカメで新しいメディアを使用
することはできないにょ。

これはCFカードが進化していないということではないにょ。
当初はPIOのみだったのがDMAに対応し、最新のカードではUltraATAモード7(166MB/s)に
まで対応しているし、BigDriveにも対応しているため137GB制限も克服しているにょ。
これはPATAのHDDがピン互換を維持したまま進化していった過程と全く同じにょ。
しかし、PATAのHDDも限界を迎えてSATAへと進化したにょ。
そして、CFastと呼ばれるSATA対応のCF後継カードは発売されたにょ。
当然ながらピン互換は無くなるためCFカードとは呼べず新しい規格となってしまうの
だけど実際のところ規格化と製品化はされたもののそれに対応した機器が無ければ単なる
宝の持ち腐れにょ。
CFカードは登場時には汎用のメモリーカードとして重宝されたものの安価なカードが
多数登場して、さらに容量の面でのアドバンテージもあまり無くなった(スマメが4MBの
頃にはCFは15MBを実現していたために容量のアドバンテージは大きかったけど今は
SDXCで64GBで多くのユーザーにとってはそれほど不満に感じないためCFのアドバンテージは
相対的に小さくなった)ということでメリットは年々薄れつつあるにょ。

しかし、CFカードにはメリットがあるにょ。
それは高信頼性、高耐久性、高速性にょ。
接点が剥き出しの他のメモリーカードとは異なりCF接点不良が起きにくいにょ。
そして、上記のようにフォーマットが定義されている記録メディアと異なりより信頼性の
高いフォーマットを採用することでさらに信頼性が上がるにょ。
薄型化を目指した他の記録メディアは簡単に破損してしまうけどCFは非常に頑丈であり
滅多なことでは破損はしないにょ。

ただし、速度面においては若干変わってくるにょ。
これはCFがPIOからU/ATAモード7に進化する過程において一時的にSDカードに追い抜かされた
時期があるからにょ。
そのためにEOS-1DXの前身となるEOS-1D Mark IVとEOS-1Ds Mark IIにおいては速度重視に
よってCFx2ではなくCF+SDHCのデュアルスロットが搭載されているにょ。
SDXCカードの登場によってSD系のカードの速度は大きく向上したけどCFカードはそれより
さらに大きく向上しているためもはやSDXCカードが高速性を優先する用途には使用される
ことはないと言えるにょ。

とはいうもののそのCFもすでに上記のように限界を迎えているからね。
現在のCFの多く(特に高速性を要求する用途)はハイエンドなデジカメでの使用がメイン
となっているためデジカメメーカーの賛同が必要不可欠であり、そういったメーカーを
手動にして作られた規格がXQDカードとなるにょ。
これはニコン、ソニー、サンディスクが主体となって作られたCFA公認規格であり事実上の
CF後継規格といえそうにょ。
つまり、記録メディアが乱立するのではなくスマートメディアがxDピクチャーカードに
変わったように限界を迎えた旧規格の後継して登場すべく登場した期待された規格と
いえるにょ。

ソニーが発売したメディアだからソニーの独自規格と勘違いしている人もネット上に多く
見られるけど全くそんなことはないにょ。(名称にxDとかQDとか不遇の規格名が含まれて
いるというのが不安要素と言えなくはないけど)
xDピクチャーカードのように短命で終わってしまうということを懸念してしまうかも
しれないけど富士フイルムとオリンパスのみに採用されたxDと比べてXQDはニコン、
キヤノン、ソニーが賛同しているため遙かにシェアが大きいというだけではなくローエンド
向けに販売しなくてはならずシェアが伸びず低価格化ができなかったxDとは異なり
プロ向け、ハイエンド向けであるXQDは低価格化の必要性はなく、xDと同じ運命を辿る
という短絡的な考えは通用しないにょ。(xDはSDカードと同じレベルまで価格を下げる
必要があったのだけどXQDはSDカードと同レベルの価格にする必要性は全くない)

問題はその規格のメリットがどれくらいあるかということにょ。
現在のSDXCカードの実効転送速度は速いものでせいぜい40〜60MB/sなのに対してCFカード
においては既に実効で90MB/sに達しているにょ。
このXQDカードは現時点ですでに実効125MB/sに達しているということにょ。
CFと比べてあまりアドバンテージは大きいようには見えないけどバッファフルになって
から開放される時間においてはその速度差以上に大きくなるにょ。
RAWが1枚20MBでバッファが計算しやすいように400MBと仮定すると20枚でバッファフルに
なってしまうにょ。
10コマ/秒で撮影時にはこれは2秒であり、バッファフルになってから記録メディアに
書き込むデジカメならば90MB/sのCFで4.4秒、125MB/sのXQDで3.2秒ということで1.2秒の
差ができるにょ。
実際はバッファフルになる前に常時記録メディアに書き込むことで低速連写であれば
無制限に連写が可能な機種も多いにょ。
それを考えると90MB/sのCFは3.6秒でバッファフルになり、125MB/sのXQDは5.3秒でバッファ
フルになり1.3倍の速度差でありながら1.5倍の時間連写できるようになるにょ。
ニコンD4ではXQD採用によって10コマ/秒で撮影時でも10秒間(100コマ)の連写が可能に
なっているにょ。
これは100m走を撮影する場合にはスタートからゴールまでフルスピードで連写できることを
意味するにょ。

すでに上がないCFカードとは異なり、XQDカードはPCI-Expressを採用しているため将来的
には5Gbpsの転送速度が実現可能になっているにょ。(PCカードに対するCFカードの
ExpressCard版みたいなものかも)
8b/10b変換で転送するならば500MB/sが可能になるにょ。
上記はRAW1枚20MBで10コマ/秒という仮定で計算したのだけどこの計算だと200MB/sの実効
速度が実現出来れば無制限の連写が可能になるにょ。
それほど遠くない将来にはこれは実現できそうにょ。
そうなった時にニコンD4にとってXQDはすごい武器になるにょ。(ニコンD4が5Gbpsを
サポートしておらずPCI-E1.0相当の2.5Gbpsならば結構ギリギリの数字になるけど)
SDXCも将来的にはバス速度は300MB/sに達する見込みだけどそれはいつになるのか全く
不透明にょ。
SDXCの規格化においてはキヤノンやニコンといったカメラメーカーの力はあまり強くない
ため現時点で高速性が見えている規格ということで速度重視の場合はCFカードに後がない
ことを考えるとその後継となるXQDを規格化した意味が非常に大きいことが分かるにょ。
これは将来4K2Kの動画が普及した際にもかなり有用な記録媒体になると思われるにょ。

このD4登場によってロンドンオリンピックに向けたニコン、キヤノンの対決はいよいよ
火蓋を切ることになったにょ。
どっちが優れているかは用途によって異なると思われるけど両機種ともスポーツや報道
写真を撮影するプロにとっては非常に大きな武器になるのではないかと思われるにょ。




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