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おちゃめくらぶ掲示板

747御茶目菜子:2011/10/13(木) 15:01:06
AMDの新CPU「Bulldozer」ついに登場
AMDがBulldozerアーキテクチャのCPU「AMD FXシリーズ」を発表したにょ。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20111012_483031.html
このCPUはサーバ用ではない一般向けのCPUで初めての8コアを実現しているにょ。
これが実現できたのも従来よりもコア1つあたりのトランジスタ数を減らしているためと
なっているにょ。
このBulldozerアーキテクチャではCPUはモジュール単位での構成となっているにょ。
1つのモジュールは2つのコアで構成され使用頻度の低いユニットは2つのコアで共用
することでコア1つあたりのサイズを小さくしているわけにょ。
FPUが共用となっているのは昨今は高速性を要求される浮動小数点演算はSSEなどの拡張
命令を使用することが多いためだと思われるにょ。

CPUの歴史上コア肥大化がずっと続いていたけど(Atomなどの従来とは別のターゲット層の
CPUは除きあくまでメインストリーム向けのCPUにおいて)今回のような措置が執られた
のはやはり「ポラックの法則」の存在があるためだと思われるにょ。
ポラックの法則は経験則による法則だけどダイサイズを2倍にしても性能はその平方根で
ある1.4倍しか上がらないというものにょ。
しかし、昨今は主に拡張命令やキャッシュの増大で性能向上を行っているためポラックの
法則以下の性能向上となっているにょ。(だからこそマルチコアに舵取りするしかない)
ただし、そのポラックの法則を逆に利用すればダイサイズを半分にしても0.7倍にしかなら
ないということを意味するにょ。
その場合においてダイサイズを半分にしてコア数を2倍にすれば性能は最大1.4倍が実現
可能にょ。
もっとも、これはH.264エンコなどの極めて並列性の高い作業に限られてしまい並列性の
低い作業においては性能ダウンの可能性さえあるけどこのBulldozerアーキテクチャの
場合は高クロック化しやすい構造になっており、クロックを従来モデルより上げることで
シングルスレッド性能の低下を抑えるようになっているにょ。
つまり、シングルスレッド性能では従来モデル並かやや下だけどマルチスレッド性能に
おいては従来CPUを遙かにしのぐものがこのBulldozerアーキテクチャというわけにょ。

では、実際にどの程度速いのかベンチで見てみるとするにょ。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/20111012_483000.html
ベンチに使用されているFX-8150は今回発表された3モデルの中では最上位に位置する
もののメーカー希望小売価格33800円ということでハイエンドに位置するものではなく
ミドルクラスのCPUといえるにょ。(水冷ユニットが付属しているため通常の空冷式の
ファンが付属ならば2万円台になっていたと思われる)
その比較用に使っているのがPenomIIx6 1100TとCore i7-2600Kにょ。
1100Tは従来アーキテクチャの中では最上位(といってもこれもミドルクラス)に位置する
CPU、2600KはSandyBridgeコアの中では最上位に位置するもの(現時点ではハイエンドと
なる6コア版のSandyBridgeはサーバ向け以外には販売されていない)となっているにょ。
1100Tは残念ながら2600Kに全く歯が立たなかったのだけどこの期待のBulldozerとなる
FX-8150が2600Kにどこまで迫り、あるいはそれを越えることができるのかということが
焦点となってくるにょ。

 ◎Sandra2011(CPU)
            FX-8150   PhenomIIx6 1100T Core i7 2600K
 Dhrystone ALU     107.70(146%)   73.84       136.00
 Whetstone FPU      66.00(111%)   59.36       84.43
 Multi Media integer  284.50(332%)   85.60       211.47
 Multi Media float   157.35(111%)  141.55       287.29
 Multi Media Double   84.12(109%)   76.86       163.38
           ※カッコ内の数字は1100Tと比較した場合の値

まずはSandraで基本性能を見てみると整数演算性能はコア数が増えた分以上にスコアが
伸びているのには驚きにょ。
最大では1100Tの3倍以上に達しており従来では全く歯が立たなかった2600Kを部分的には
凌駕しているにょ。
Sandraでは拡張命令を使用して計測してくれるため新しい拡張命令に対応しているか否か
ということがベンチのスコアに大きく影響しているのだけどSandyBridgeから搭載されて
いるAVX命令にBulldozerも対応しているということがベンチのスコアの底上げにかなり
有用に働いているのではないかと思われるにょ。

 ◎CINEBENCH R10
            FX-8150   PhenomIIx6 1100T Core i7 2600K
 Single CPU        4078( 97%)   4222        5789
 Multiple CPU      20611(109%)   18856       23180

続いてCINEBENCHを見てみるとFX-8150はSandra2011と違ってシングルスレッド性能に
おいては1100Tよりわずかに下がっているにょ。
2600Kと比較するならば完敗にょ。
これは2600Kは元々高いシングルスレッド性能なのにに加えてシングルスレッド動作時には
ターボブーストによってクロックが大幅に引き上げられているというのが大きいにょ。
全コアを使ったマルチスレッド性能でみるとFX-8150は1100Tと比べて逆転しているにょ。
2600Kは全コア動作時にはターボブーストは働かないもののHTTによって4コアであっても
8スレッドで動作しているため1コア時の4倍のスコアが出ているにょ。(このベンチでは
ターボブーストとHTTが同程度の有効性といえる)

 ◎Sandra2011(メモリ)
            FX-8150   PhenomIIx6 1100T Core i7 2600K
        DDR3-1866 DDR3-1333   DDR3-1333    DDR3-1333
 Integer B/F  19.20(155%)?? 16.09(130%)  12.39      17.45
 Float B/F   19.17(155%)  16.07(130%)  12.40      17.47

Sandra2011のメモリベンチを見てみるとPhenomIIx6 1100Tと比べて同じDDR-1333であっても
30%アップの値となっており、高速なDDR3-1866を使用することで55%アップにまで達して
いるにょ。
これはCore i7をも凌駕しておりメモリアクセスにおいては完敗だったのが十分に対抗
できるレベルに達していると考えられるにょ。

では、次に3D系のベンチで見てみるにょ。

 ◎3D Mark06
            FX-8150   PhenomIIx6 1100T Core i7 2600K
 3D Marks        17984( 87%)   20599       24907
 SM2.0          6256( 85%)   7381        9593
 SM3.0          8712( 85%)   10288       12194
 CPU Score        5897( 99%)   5964        6713

 ◎3D Mark 11
            FX-8150   PhenomIIx6 1100T Core i7 2600K
 Entry          7777(111%)   7009        8712
 Performance       5454(110%)   4963        5751
 Extreme         1834(104%)   1756        1848
 CPU Score(Entry)     6372(120%)   5305        8150

3DMark06のスコアを見てみるとFX-8150は1100Tと比べて劣るという結果になっているにょ。
これは3DMark06はマルチスレッド対応とはいえ最大4スレッドまでとなっているためだと
思われるにょ。
つまり、3DMark06における1コアあたりの実効性能はFX-8150は1100Tと比べて85〜87%と
いえそうにょ。
これが8スレッドにも対応している3DMark11だとコアがすべて有効活用できるため1100T
とのスコアは逆転しているにょ。
ただし、それでも2600Kと比べると大きく負けているにょ。

 ◎FF XIV オフィシャルベンチ
            FX-8150   PhenomIIx6 1100T Core i7 2600K
 LOW           4464( 92%)   4839        6879
 HIGH           4371( 94%)   4627        5147

 ◎MHFベンチマーク
            FX-8150   PhenomIIx6 1100T Core i7 2600K
 1280x720        18369(109%)   16915       24139
 1920x1080        10875(111%)   9824       14316

3DMarkで見られた傾向は実際のゲームベンチでも見られるにょ。
FFベンチにおいては従来のFF XIベンチにおいては作られた時期が古いということで
シングルスレッドベンチとなっており、マルチコアが当たり前の昨今においては時代遅れ
となっていた(シングルスレッド性能を測定するならば悪くはないけどすでにハイエンド
CPUではスコアがほとんど頭打ち状態だったのでそれも厳しかった)けれどFF XIVベンチは
マルチスレッド対応となっているにょ。
ただし、3Dmark06と同様に最大4スレッドであるためかFX-8150は1100Tに劣る結果となって
しまったにょ。
それに引き替えMHFベンチは8スレッド対応であるため8コアのFX-8150はその性能を発揮
することができ1100Tを上回っているにょ。
ただし、それでも2600Kには全く歯が立たないにょ。


こうしてみるとBulldozerアーキテクチャではアーキテクチャの変化によって必ずしも
性能向上しているとは言い難いものになっているにょ。
特にコアサイズ減少のトレードオフとして実際のアプリにおけるシングルスレッド性能は
PhenomIIと比べて1〜15%程度(平均すると1割弱)ダウンしている感じにょ。
これは8コアフルに使用することで逆に1割程度のアドバンテージがあるものの8スレッド
フルに使ったアプリは極めて限られるというのが難点にょ。
あとSandraではPenomIIと比べて大きな向上が見られたように新たに搭載された拡張命令を
使用すればシングルスレッド動作時であってもPenomIIと比べてアドバンテージは十分に
あるにょ。
特にAMDの独自拡張命令であるXOPやFMA4を使用した場合にはSandyBridgeに迫るもしくは
追い抜くことが十分可能ではないかと思われるにょ。

しかし、このFX-8150に買い換えるかと聞かれたら私は買い換えないにょ。
8コアフルに使ったアプリが増えれば印象が変わってくるだろうけどそれでも4コア、
8スレッドで動作するSandyBridgeコアのCore i7を越えられるわけではないからこの価格
では論外にょ。
また消費電力を見るとなおさらそう感じてしまうにょ。

 ◎システム全体の消費電力
            FX-8150   PhenomIIx6 1100T Core i7 2600K
 アイドル         86W( 88%)    98W        83W
 CINEBENCH 1スレッド   138W( 93%)   149W        107W
 CINEBENCH 4スレッド   209W(126%)   166W        132W
 CINEBENCH フルスレッド  219W(115%)   190W        140W
 CPUフルロード      234W(118%)   198W        149W

確かにアイドル時の消費電力は抑えられているものの使用コア数が増えればPhenomIIと
比べて消費電力の増大は激しいにょ。
製造プロセスが45nmのPenomIIより1世代新しい32nmでこれなのだからどうすることも
できないにょ。(同じ製造プロセスで製造プロセスの刷新で消費電力減が期待できるなら
まだしも製造プロセスが刷新されたばかりでこれだとどうしようもない)
2600Kと比べると性能、価格、消費電力のすべてで劣っているためコストパフォーマンス
だけではなくワットパフォーマンスも下回っているにょ。
しかし、この消費電力はFusion APU、Aシリーズ(Llano)を見る限りは32nmプロセスに
おける問題であるとは言い切れないのでそうなると省電力化はリビジョンアップ次第では
何とかなるかもしれないにょ。(あくまで淡い期待でしかないけど)
実際は高性能化を高クロックで補うという発想がPentium4の失敗を見ても明らかだった
ため同じ轍を踏んでしまったように見えるにょ。

私は個人的にはコストパフォーマンスとワットパフォーマンスを重視しているためFX-8150は
全く眼中にないにょ。
それに加えて最近はゲームやエンコをほとんどしなくなったというのも1つの理由にょ。
3年前に組んだCore2Duo E8400(3GHz)で性能不足を感じることがなく1月11日に書いた
ように高性能かつ省電力なSandyBridgeへの組み替えさえも不必要だと感じているくらい
だからね。(というか、Core2Duo T7250、2GHzのノートPCで十分なくらい)
SandyBridgeさえも組み替えを行う対象にならないのにこのFX-8150を使用する気には
なるはずがないにょ。
前々回自作した時(2005年)にはPen4ではなくAthlon64 3500+を自信を持って選択
できていたのだけど期待のBulldozerがこれでは・・・。
Intel独占を防ぐためにもAMDには何とかもう少し頑張って欲しいところにょ。




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