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おちゃめくらぶ掲示板
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IntelはAtomを捨てない限りARMで勝てない!?
IntelがARM系CPUを投入するといううわさがあるみたいにょ。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/20110802_464689.html
かつて、IntelはStrong ARMを買い取ってXScaleというARM系CPUを作っていたにょ。
このことは7月28日にも書いたけど恐らくAtomの開発開始したことによってARM部門は他社へ
売却してx86一本へと絞ることにしたと思われるにょ。
IntelがARMを売却したのは2006年、そしてその翌年にAtomが発表され、2008年発売が
開始されたにょ。
では、なぜ今になってこのようなうわさがでるのかというとそれは下記の2つの問題点が
あるからにょ。
(1)AtomではARMに勝てない
(2)Atom発表時と大きく情勢が変化した
(1)勝てないのはまずは消費電力にょ。
CPU単体ならばピーク時でさえ消費電力が1Wを大きく下回るARMに対してAtomは約2Wにょ。
アイドル時を含めた平均消費電力であればその差はさらに大きくなるにょ。
小型端末であればあるほど熱設計と駆動時間においてAtomの出番は無くなってくるという
わけにょ。
確かにAtomも省電力化をしなかったというわけではないにょ。
徐々に省電力化をしてきたものの登場から3年経った今も登場時と同じ45nmプロセスで製造
されているため大きな変革は見られないにょ。
富士通が発売したWindows 7ケータイ「F-07C」も最新のOakTrailを採用し、動作クロックを
定格の半分以下まで落としているもののそれでも使用時に発する熱は相当大きいみたいだし
実駆動時間は標準バッテリで1時間半程度しかないにょ。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hothot/20110722_462068.html
Atomは消費電力こそ大きいけど性能面はARMに優れる・・・というのがAtom発表時において
Intelが主張したことだけどそれは今となっては大きく変わってきているにょ。
3年間でほとんど性能が伸びていないAtomに対してARMはここ数年で著しく性能が向上して
きているにょ。(Atomの性能がほとんど伸びてないのは登場時と同じ45nmという製造
プロセスに加えて上位となるULV版CPUとの差別化もある)
Atomは消費電力を落とすためにクロック当たりの性能は落ちる旧来(IntelのCPUでいえば
P55Cまでに採用されていた)のインオーダ型のものが採用されているにょ。
それに対してARMは性能向上のためにインオーダからCortex-A9からはアウトオブオーダに
なったにょ。
現在スマホやタブレット端末で主流となっているARMベースのCPUはこのCortex-A9コアが
使用されているにょ。
アーキテクチャが異なるためAtomと単純比較はできないものの同一クロックでAtomよりも
ARMが劣るとはもはや言えない状況であり、さらにデュアルコア、クアッドコアが進んで
いるARMに対してネットブックやネットトップ用Atom(Atom N系、D系)のみがデュアルコア
採用モデルが用意されているだけで省電力をウリにしているAtom Z系はシングルコアの
ものしか用意されてないにょ。
もはや、AtomはARMに対して性能面で逆に劣っているといってもいいにょ。
ただし、Atomも何もしないというわけではないにょ。
Atomは来年以降年に1度製造プロセスを刷新し大幅な性能向上と省電力化を行う予定と
なっているにょ。
4月15日に書いたように3年後のAtomは今とは比較にならないレベルになっていると考える
ことができるにょ。
そうなれば3年後にはIntel(Atom)の勝機がある・・・と単純に言えるわけではないにょ。
というのも3年間ARMが進化しないというわけがないからにょ。
3年後にようやくARMと戦えるレベルに達する(可能性がある)というだけであってAtomが
不利の現状を打破できるレベルではないにょ。
(2)PCの需要増というのはもはや先進国では微々たるものになってきているにょ。
これはほとんどの家庭や職場にPCがあり大きな普及が望めないにょ。
確かに新興国では急激に需要が伸びているとはいえ頭打ち状態になるのは時間の問題にょ。
これを改善するには性能を向上するだけではなく一家に1台ではなく一人1台のPCを持つ
ようにすることや所得の低い途上国でも入手可能な安さに抑えることが求められてくると
いうことにょ。
こういう観点からするとネットブックはAtom開発当初からすると想定外の使い方(この
転換になったのはDothanコアのCPUを搭載したEee PCが成功したことが大きい)とはいえ
成功したのはたまたまではなくそういう下地があったといえるにょ。(ただし、進化しない
Atomは先進国の自分専用PCとしてはすぐに廃れてしまいネットブックは短命に終わって
しまった)
では、Intelが想定していたAtomの使用方法といえばARMの領域への侵攻にょ。
需要増に限界が見えてきたx86とは異なりARMの需要が急激に伸びているからね。
これは市場の変化だけではなく小型の端末に載せられるCPUとして選択肢がARMくらいしか
なくなったということが挙げられるにょ。
かつてはPDAではMIPS系、SH系が大きな勢力となっていたけどこれらはARM系の前に敗れて
しまったからね。
初代のAtom(Silverthorne)はまだARMに勝負を挑めるレベルではなかったにょ。
最終的にはケータイやスマホなどへのAtomが導入されることを目論んでいるわけだけど
やはりPCよりは市場が桁違いに大きいことが理由として上げられるにょ。
ただし、WILCOM D4を見てのようにまだ当初のAtomはケータイに搭載可能なレベルには遠く
及ばないことが分かるにょ。
そこでIntelが提案したのがMID(モバイルインターネットデバイス)となる端末にょ。
5〜8インチの液晶モニタを備え、LinuxベースのOSを使いPCレベルのネット環境をどこでも
使用可能にしようということで考え出されたものにょ。
このネットをフルに体験できるMIDは当時(2007年)のARM系CPUでは性能面や対応OSの
問題から厳しかっただけにIntelもMIDが成功する自信を持っていたと思われるにょ。
しかし、このIntelのMID構想はスマホの急激な普及で雲行きが怪しくなったにょ。
スマホ普及の引き金となったのはやはりiPhoneのヒットにょ。
初代モデルはGSMのみとなっており日本では使用できなくて主に北米のみで販売された
けれど2代目となるiPhone 3Gでは3G(W-CDMA方式)に対応し、日本でもソフトバンクから
発売されることになったにょ。
アップル社の携帯電話端末への参入は恐らくIntelも想定してなかっただろうし、その
iPhoneが爆発的ヒットになるなんて2007年1月に初代iPhoneが発表されたときには思って
なかったに違いないにょ。
しかし、アップル社の戦略が成功し、iPhoneはヒットしそれはスマホの普及への大きな
第一歩となったにょ。
そして、スマホの普及の立役者となったのはAndroidにょ。
2007年11月に発表されたAndoroidは翌年から搭載端末が徐々に発売され2009年に発表された
Andoroid 1.6でようやく日本からも搭載端末が発売されそれ以降急激にシェアを拡大して
いったにょ。
1.6でようやく日本に入ってきたのは日本においてはスマホというのはハイスペックな
端末のイメージがあるけど1.6でようやくWVGAに対応したため国内で普通に使用されている
ケータイと同レベルの解像度の液晶を搭載可能になったからにょ。
すでに日本と北米ではAndoroidのシェアはiPhone(iOS)を越えているにょ。
そして、このAndoroidの爆発的な普及によって来年度は世界における携帯電話出荷台数の
約半数がスマホになると予想されているにょ。
そして、そのスマホによって引っ張られているのがタブレット端末にょ。
タブレット端末のヒットの要因は7月20日に書いたように空白の領域があるからにょ。
では、そんな領域に需要があるならばなぜIntelが考案したMIDが普及しなかったのか
ということが疑問になると思われるにょ。
それは何ができるのかをユーザーに認識させることができなかったためにょ。
PC(Windows PC)とも違う、携帯とも違うインターネットのためだけの端末を高いお金を
出して購入する人は非常に限られるからにょ。
これがWindowsを搭載したいわゆるタブレットPC(今で言えばSlate PC)ならば小さいPC
ということでそれなりには需要があったのだろうけどそれだと高いスペックが求められる
ために高価になってしまうし、OSの価格もバカにならないし、その上ここで何度も書いて
いるようにWindowsがマウスとキーボードを前提に作られたOSであるためタッチパネルのみで
完結させるのは特定業務用以外では難しいからにょ。
しかし、7月28日に書いたようにスマホが普及することでスマホ用OSをベースとしたOSを
搭載のタブレット端末がヒットしているにょ。
スマホユーザーはタッチパネルで完結させることに不満を持っているわけではないし、
OSそのものがタッチパネルを前提として作られているためWindowsと比べて操作性も良好
だからね。
そして、スマホで不満となる画面の小ささもタブレット端末と併用することで大きく改善
することができるにょ。
つまり、MIDを発表した当時のIntelの予想は大きく外れたとともにその戦略は完全に
Andoroid+ARMに食われてしまったといえるにょ。
たしかに3年後にはAtomはARMと同じ土俵に立てるかもしれないけど3年後まで何もしないで
待つというわけにはいかないにょ。
年末から来年にかけて登場するUltrabookは一人1台のPCを持つようにするということで
PCの需要の底上げを狙うものになるけど本質的には7月26日にも書いたように高性能化が
続くARMのPCへの侵食を食い止めるための役割を担うものだと思われるにょ。
肝心のAtomはというとメインはタブレット端末への搭載となりそうにょ。
しかし、上記のように現状ではWindowsはタブレット端末には向いてないためタブレット
端末用のUIを搭載した次世代Windows(Windows 8?)が普及するのを待つ必要があるにょ。
別にWindowsに頼らずともLinuxベースのOSを搭載すればいいとはいえそれではMIDのように
普及させるのはかなり難しいにょ。
Andoroidのx86版はあるけどAndoroidを使うならばARMベースのCPUを採用した端末の方が
軽量かつ長時間駆動が可能なのでAtom+x86版Andoroidという組み合わせにはデメリット
しかないにょ。
MSもタブレット端末においてx86CPUの苦戦を考えているため次世代のWindows 8ではARM版も
用意しているわけだしね。
ここまでARMが急増した背景にあるのはARMは自由にカスタマイズして使用できることに
あるにょ。
CPUだけで性能が決まるわけではなくGPUの性能が重要になっているというのはPCの世界でも
当たり前の認識となりつつあるのだけどモバイル端末においては早くからCPUメインから
脱却してDSPなどで分散作業することが当たり前になっているにょ。
したがって、CPUに様々な機能を含有したSoCが当たり前になっているというわけにょ。
これがx86の場合は簡単にはいかないにょ。
それは開発、製造するためにはIntelからのライセンスが必要になるからにょ。
開発できるメーカーが限られるだけでなく製造できるメーカーも限られてくるわけにょ。
当然細かいニーズに合わせてカスタマイズできるわけがなく一般的にPCとして使用するのに
不足無いようなCPUばかりが作られているにょ。
x86のSoCにおいてはIntelは2009年に登場した新Atom「PineView」によって実現されて
いるし、AMDは今年になってようやく登場したFusion APUによって実現されているにょ。
しかし、もう少し高いGPUと組み合わせて使いたいとか、GPUは低くてもいいから動画
再生支援機能だけは欲しいとかいってもそれに合わせたCPUは無く既存のCPUを使うか
それで性能面に不満があるならば別途その機能を搭載したチップを内蔵(GPU性能に不満が
あれば独立GPUを搭載など)するしかないにょ。
不安要素が極めて大きいAtomに対して需要が急拡大しているARM系CPUのSoCであれば
失敗する可能性はほとんどないにょ。
Intelはその大きな資本を生かして最新の製造プロセスを使用できることがライバルである
AMDに対するアドバンテージになっているのだけどこれはARMに参入しても生かすことが
できるにょ。
ライバルよりも高性能かつ省電力のARM系CPUとなれば需要も多いだろうからね。
それにARM系CPUを搭載した端末のPCの市場への侵食をUltrabookで食い止められるという
保証はないため自社でARM系CPUを作るということはPCが侵食された場合のことを考えても
非常に有用なものといえるにょ。
そもそもIntelは2006年の段階でARMの製造をやめる必要はなくAtomが本当に起動に乗るまで
併用しても良かったにょ。
まだAtomはARMの土俵にたどり着いてさえいないのでお互いが競合することはないわけ
だしね。
しかし、それをやらなかったのは2006年の段階ではARMはインターネット端末としては
十分な性能ではなかったのとAtomに対する自信があったためだと思われるにょ。
Atomは設計の際にはネット用として使えるCPUとしては最低限必要なレベルを確保して
省電力化に努めたと思われる(組み込み用のx86CPUにはAtomより省電力なCPUはいくらでも
あるけどWindowsを普通に動作させたり、普通にWebブラウジングさせるだけの性能はない)
からね。
そして、Atom発表時にARMとの性能差をアピールすることでAtomが(ARMと比べて)高性能
であるという認識を植え付けようとしたにょ。
つまり、ARMを踏み台にしたということにょ。
2006年当時においてARM(XScale)はIntelにとっては不必要になりつつあるものだったと
いうことが言えるわけだけど最新のARMはAtomをすでに凌駕しており性能不足ではない
ことからIntelがARM系のSoCを投入しても何らおかしくはないにょ。
その際に問題となるのはAtomとの競合にょ。
Atomはムーアの法則を越える1年に1世代の製造プロセスの微細化を行うことで大幅な
性能向上と省電力化ができ高性能なARM系SoCと戦えるレベルになる可能性があるけど
その際には完全に競合してしまうからね。
Intelがただの保険ではなくARM系SoCでライバル他社に勝つつもりならばAtomを踏み台に
していくというのがベターな選択となるにょ。
それはかつてIntelがAtomを普及させるためにARMに対して行ってきたことにょ。
「Atomの市場を食わない程度にARMを頑張る」というのであればせっかく資本力があり
優位に立つことが可能になるにも関わらず本気を出すことができないにょ。
CULVとの差別化をするためにAtomの性能を意図的に引き上げなかったようにAtomと差別化の
ためにARMはAtomと差別化できるレベルの性能に抑える可能性があるからね。
つまり、Intelが勝つつもりならば、求められることは「Atomを捨てる覚悟を持つ」という
ことだといえるにょ。
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