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おちゃめくらぶ掲示板

659御茶目菜子:2011/07/18(月) 14:56:41
アニメ最萌から考えるネットコミュニティーの変化
昨日、毎年恒例となっているアニメ最萌トーナメントがスタートしたにょ。
http://ast2011.sitemix.jp/
アニメ最萌は2001年に開催された葉鍵最萌トーナメントを元に考案された2chのアニメ系の
板の住人が主催となっている一種の人気投票にょ。
ただの人気投票とは異なるのはトーナメント形式で勝敗が争われるということに加えて
その投票を行っているスレ内で「支援」と呼ばれる宣伝行為(文や絵や動画を使ってその
キャラを応援する行為)も認められているということにょ。
このアニメ最萌も今年で10回目となるわけだけど今年は開催が危ぶまれていて例年よりも
1週間遅れのスタートとなったにょ。

昨日開催された一次予選初日の票数を見ると例年よりもかなり少なめになっているにょ。
例年、大会初日は最も票数が少なくなるけどそれを考慮して考えても昨年の3分の2しか
ないわけだからね。
アニメ最萌における投票人数は2006年の大会をピークに右肩下がりの傾向があるけど
それにはいくつかの理由が考えられるにょ。

 (1)アニメ自体がピークを過ぎた
 (2)投票コードの発行制限
 (3)2chの衰退

(1)TVアニメの放送本数の推移を見てみると2006年をピークに右肩下がりになっているにょ。
これは何度も書いているようにアニメのビジネスモデル(深夜アニメの場合は主にDVDなどの
映像メディアの売上によって制作費を回収するビジネスモデル)が限界になっているため
というのと人気原作の枯渇化が理由だと思われるにょ。
確かにアニメDVDの売上金額の減少は大きいけどこれはアニメ人気の下落よりもむしろ違法
動画の流通によるものが大きいと思われるにょ。

(2)基本的に1人あたり1日1票となっているけどネット投票でそれを遵守させるのは極めて
困難にょ。
したがって、1人で複数回投票するいわゆる「多重投票」のハードルを下げるべく用意
されたのが投票コードと呼ばれるものにょ。
別のサーバにアクセスして投票コードを取得して2chの投票スレに投票したいキャラと
投票コードを一緒に投票することで多重投票をある程度防ぐことができるにょ。

このコード発行は葉鍵最萌の途中から導入されアニメ最萌でも導入されたにょ。(導入
には反対意見も多かったため導入当初は必須ではなく推奨に止まった)
コード発行の仕組みはブラックボックス化されているけど初期の頃はプロバイダごとに
一定時間発行数があらかじめ設定されており、1つのプロバイダで極端な数を発行させない
仕組みが取り入れられたにょ。
ただし、これでも多重が後を絶たない(クッキーを消して再取得すればいい)ため近年は
1つのIPアドレスに1票という形になっているにょ。
これでもIPアドレスを変えてしまえばいくらでもコード取得ができてしまうためコードは
発行まで最大2時間の待ち時間を取り入れているにょ。
最近はブロードバンド化が進みIPの固定化が進んでいるため昔と比べたら多重の割合は
かなり減ったのではないかと思われるにょ。
言い換えれば投票数が減ったのはこの多重が減ったことにもあると言えそうにょ。

(3)かつてパソコン通信時代はBBS(電子掲示板)がコミュニティーとなっていたにょ。
しかし、いくつかのサービスがあったもののパソコン通信というのは基本的に1つのPCから
1つのサーバへのアクセスとなっており、他のサービスとの連携というものは無かったにょ。
そのため他のサービスのBBSを利用する場合にはそのサービスに加入して一旦電話回線を切り
別のサービスのサーバへアクセスし直す必要があったにょ。

しかし、インターネットでは無数のサーバがクモの巣状態で連なっているにょ。
そのため会員登録が必須のサービス以外は誰もが気軽に利用可能になったにょ。
インターネット黎明期にはパソコン通信の時のイメージから北米のWebサイトを見るためには
国際電話の料金が必要になると誤解をしていた人も少なく無かったけど実際はISP(インター
ネットサービスプロバイダ)が中継しているので電話料金はISPのアクセスポイントまでと
なっているにょ。
そのため匿名掲示板ということもあり、2chは利用者No.1のコミュニティサイトにまで
なったにょ。
しかし、Wikipediaによると2chの書き込み数は2005年をピークに減少傾向にある模様にょ。


こうして見るとアニメ最萌の投票数が減っているのには様々な理由があるのが分かるにょ。
それでは2chの書き込みが減った理由は何なのか・・・。
近年は荒らし行為を行う人への対策として書き込み規制が頻繁に行われておりそれも書き
込み数減少へと繋がっていると思われるけれどやはり大きいのはSNSだと思われるにょ。
自分の情報発信だけならば自サイトを立ち上げるかブログで書けばいいけど不特定多数の
人とやりとりするならば人の多い所に自ら出向くのが一番だからね。
「ネット上では人の多い所にさらに多くの人が集まる」ために2chは栄えていったにょ。

SNSと言えばやはり国内ではmixiの存在が大きいにょ。
当初は完全招待制ということですでに会員登録されている人の招待を受けないとサービスを
利用できなかったのだけど昨年より自由登録が出来るようになったにょ。
確かに完全招待制の方が健全なコミュニティーが期待できるけどそれをやめたのは完全
招待制では会員増に限界を感じたためだと思われるにょ。
他のサービスが複数存在する中で完全招待制を維持していては国内最大のSNSではなくなる
可能性があるからね。
ただし、そのmixiも最近は改悪を連発しておりユーザーのmixi離れが起きつつあるにょ。

やはり、大きいのはTwitterの存在だと思われるにょ。
Twitterも横への繋がりがあるためSNSの一種と考えられるけどSNSとしての機能はmixiと
比べると少ないにょ。
しかし、手軽に利用できることもあってサービスの加入者は急増中にょ。
すでにアカウント数は全世界で2億を突破しており、日本からのツイート数は25%に達して
いる模様にょ。
http://digimaga.net/2011/05/twitter-200-million-accounts
日本からの利用者も多いことを受けて先日ついに日本語ハッシュタグに対応したにょ。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1107/13/news024.html
これによってますます日本での利用が増えそうな感じにょ。

SNSといえば忘れてならないのがFacebookの存在にょ。
しかし、世界最大の会員数を誇るFacebookだけど日本では余りふるわないにょ。
これは実名登録が必須であることが原因ではないかと思われるにょ。
基本的に日本においてはネットは匿名であるという文化が発達しているため実名登録を
受け入れられる人が少ないので今後も日本では厳しい状況になりそうにょ。
あとはGoogleが先日発表したSNS「Google+」も注目の1つにょ。
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20110629_456809.html
現時点では招待制をとっておりまだ未知数ではあるものの日本ではFacebookよりは普及
しそうな感じがするにょ。

アニメ最萌においては「支援」についてもSNSの存在が大きくなっているにょ。
例えばかつてはアニメ最萌の花形であったMADだけど今ではニコニコ動画で普通に公開
されており、その価値は大幅に下がってしまったにょ。
これはPCのスペックが上がり編集作業が簡単になったというだけではなくTV録画もPCで
簡単にできるようになったことが大きいにょ。(とはいえ、デジタル化によって編集作業に
制限が出来てしまっているためハードルが再び高くなってしまったけど)
せっかく作ったMADを公開するならより多くの人に見てもらいたいということがあり
昔はアニメ最萌のようにアニメファンが多く集まる場で公開する人も多かったけど今なら
ニコ動の方が見てもらえる可能性が高いしレスポンスも多い(コメントが多い)ため
作り甲斐もあるからね。

自作絵に関してもこれと同じにょ。
絵に関してはやはりpixivの存在が大きいにょ。
300万人超の会員数ということでお絵かきSNSとしては日本最大ということもあり、やはり
多くの人に見てもらいたいとなればpixivで公開するのが一番となるにょ。
最近はニコ動から派生して出来たニコニコ静画がかなり利用者が増えているにょ。
これもpixivが最近改悪を連発しているためだと思われるにょ。
お絵かきをしている人であれば「アニメ最萌のように人が多く集まる場所で公開することで
多くの人に見てもらおう」とせずにpixivとニコ静へ投稿すれば問題ないといえそうな感じ
になっているにょ。(アニメ最萌の対戦キャラを描くというのはアニメ最萌ならではで
あるため珍重されるけど)

こうして見るとアニメ最萌で投票している人、支援している人の減少にはこういったSNSの
ようなコミュニティーサービスの影響がかなり大きいことが分かるにょ。
しかし、アニメ最萌の場合は「期間限定のイベント」ということに加えて「毎年開催して
いる」ということがかなり大きいにょ。
常時開催しているただの人気投票であればすぐに飽きてしまうけど期間限定(といっても
4ヶ月弱の長丁場だけど)であり、トーナメント形式や支援などによってただの人気投票に
止まらないため毎年新鮮なものになっているにょ。
基本的に前年の7月から開催年の6月までに放送、発売されたアニメのキャラのみが対象と
なっているため昨今の入れ替わりが激しいTVアニメにおいてはどのキャラが(最萌に
おける)人気が高いかは未知数だからね。(とはいえ、人気があれば2期やOVAが作られる
ために2年目アニメのキャラの方が初年度アニメのキャラよりも強いことが多いけど)

また、アニメ最萌は2chのアニメ系板の住人で構成されているとはいえ、実際はアニメ
最萌独自のコミュニティの元に成り立っているにょ。(最萌自体は期間限定だけどその
話題を取り扱うスレは年中無休となっており、アニメサロン板、アニメサロンex板、
アニメキャラ総合板、難民板などに関連スレ住人が散らばっている)
コミュニティというのは「変化を望まない」古くからの参加者と「新しいものを取り入れる
べき」と考える最近からの参加者では意見の食い違いが多く発生しているにょ。
これはどのコミュニティにおいても同じようなことが言えるにょ。
積極的に新しい要素を取り入れるというのは必要なことかも知れないけどそれと同時に
古くから合った良い要素も失われかねないにょ。
運営側が営利団体であればより利益が出る方向に持っていこうとするのは当然であり
その改変を良く思わない人は特に古くからの参加者に多く見られるにょ。

アニメ最萌の場合は運営側と参加側は対等の関係にある(誰でも運営側に加われる)ため
変えるか変えないかはその時点でのコミュニティの主導権によって変わってくるにょ。
実験的に導入した要素が成功すればそれが実績となって翌年も使われる可能性が高くなるし
失敗すればそれが反省材料となりその翌年にも要素が取り入れられる可能性は極めて
低くなるにょ。
しかし、すでにデファクトスタンダード状態になっているものもそのコミュニティに
新しく入った人にとっては関係ないため変革を望む場合もあるにょ。
mixiにおいては足あと機能がそうにょ。
この古くからの参加者に支持されてきたものも今年失われてしまったにょ。
pixivにおいては「ソート機能を取り入れない」ということを謳っていたけどpixiv
モバイルにおいては公式でソート機能が導入されたにょ。
確かに新しい参加者にとってはその方が使い勝手が良いという場合もあるため誰にとっても
改悪というものではないけど「それが良いところ」と感じていた古くからの参加者に
とっては改悪でしかないにょ。

「アニメ最萌」というものを元にネットコミュニティの変化を考えてみたけど一見
コミュニティサービスとは関係ないものに考えられるのに今年で10年ということもあり
それからネット上での変化を感じ取ることができることが分かるにょ。
10年というのは人間であれば入学したばかりの小学生が高校生になるにょ。
変化の早いネットであれば非常に長い時間といえるにょ。
この中で多くのサービスが誕生し消えていったにょ。
アニメ最萌も未来永劫続くとはいえずいずれは開催が終了すると思われるにょ。(というか
2chそのものが未来永劫続くわけでもないし)
変化をしないと生き残れないし、変化をすればいつか終わるからね。(変化しないで
生き残るというのは変化させつつ生き残るよりも遙かに難しい)
ただし、その場合も別の場所で別の形で開催されるだけかもしれないにょ。
まぁそんな先のことを考えず今開催されているアニメ最萌に興味あれば参加すればいい
というだけの話であり、それと同様に特定のSNSに興味があればそれに加入してみればいい
というだけの話にょ。




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