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おちゃめくらぶ掲示板
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リコーのペンタックス買収は利口なのか?
先日、リコーがHOYAからペンタックスのカメラ事業を買収すると発表したにょ。
http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20110701_457596.html
ペンタックスは2007年にHOYAの子会社となり2008年には合弁化となり戦前から続いたその
会社の歴史が完全に終了したにょ。
ペンタックスの旧社名は旭光学工業で1919年創業の老舗カメラメーカーだったにょ。
日本初の一眼レフ「アサヒフレックスI」もこのペンタックスの手によって作られたくらい
だからね。
さすがにそこまで長く続いたブランドに敬意を表してHOYAもペンタックスブランドだけは
維持をしたにょ。
HOYAが欲しかったのはペンタックスの医療機器などの事業であってカメラ事業ではなかった
と思われるにょ。
しかし、せっかく手に入れた老舗カメラメーカー(ブランド)を簡単に手放すというのも
勿体ないにょ。
しかも、最近は赤字続きだったのでカメラ事業だけを欲しているような企業なんて他に
居そうも無かったからね。
したがって、まずはカメラ事業単体での黒字化が望まれたにょ。
それはすぐに達成できたにょ。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-11068420090818
HOYAに買収されたことはペンタックスにとっても事業継続の面で良かったにょ。
良い開発者が居ても資金力がないため製品化することができなかったからね。
唯一のセンサー一体型の中判デジカメとなる645DもHOYAの資金力が無かったらそのまま
開発中止で終わっていたかもしれないくらいにょ。
とはいえ、HOYAがカメラ事業に強い興味を持っていたのかというとそうではなく幾度と無く
売却のうわさが流れていたにょ。
正式発表されたのは今回が初だったので恐らくうわさになった背景には金額面での折り
合いがつかず交渉が決裂してしまったのが理由だと思われるにょ。
そうなると今回は交渉が成立したのは金額面の折り合いがついたというのが理由になった
といえそうにょ。
それだけではなくリコーがペンタックスの買収を望んだというのが大きいと思われるにょ。
では、なぜリコーがそこまでペンタックスのカメラ事業を欲しがったのかということを
まず考えてみることにするにょ。
カメラメーカーというと世界トップ2となるキヤノンやニコンが思い浮かぶかもしれない
けれど実はそれよりもリコーの方がカメラメーカーとしての歴史は古いにょ。
戦前より、リコーはコンパクトカメラや二眼レフを作っており、日本国内における
ライカ版(35mmフィルム)のいち早い導入や二眼レフの普及に大きく貢献したにょ。
戦後、カメラの低価格化によって一眼レフも需要が伸びていったにょ。
その際にリコーが採用したのはプラクチカスクリューマウント(M42マウント)にょ。
これはドイツのカメラメーカーから発表されたプラクチカフレックス2で始めて採用され
国内でもペンタックスにおいて採用されていたにょ。
その後、カメラのAE(自動露出)化によってM42マウントは廃れペンタックスは自社独自の
Kマウントを考案したにょ。
Kマウントの仕様は公開されリコーもそれに賛同し自社製品にKマウントを採用したにょ。
つまり、銀塩時代からリコーとペンタックスはすでに交流関係にあったというわけにょ。
ただ、リコーは銀塩時代に一眼レフの製造をやめてしまったにょ。
これはレンズ交換式カメラを維持するためには多額の資金が必要になるからではないかと
思われるにょ。
それはカメラの電子化によって各メーカーのマウントの互換性が無くなった(Kマウントも
プログラムAE化によってKAマウントが考案されたけどこのKマウントとは異なりこの仕様は
公開しておらず、リコーはKマウントを独自拡張したRKマウントを考案した)というのも
大きな理由になっていると思われるにょ。
一眼レフを初めとするレンズ交換式カメラは必要ではないという経営判断もあったのかも
しれないにょ。
リコーは老舗カメラーメーカーでありながら廉価カメラを作るメーカーとしての認識が
徐々に強まっていたけど1996年に発売した高級コンパクトカメラGR1では高い評価を得る
ことができたにょ。
一眼レフに手を出さずともコンパクトカメラだけでやっていけるという自信があったの
かもしれないにょ。
カメラメーカーが一眼レフをラインナップに揃える理由はコンパクトカメラ(デジカメが
主流になっている今ならばコンデジ)からのステップアップの重要性を考えているからだと
思われるにょ。
特に昨今はコンデジの低価格化が進んでおりコンデジだけで利益を出すというのはよほど
多くのシェアを取っているメーカーでないと厳しくなってきているにょ。
しかし、デジカメを作っているメーカーが必ずしも一眼レフを作っているわけではないと
いうのは上記のように資金面の問題があるからにょ。
1つのマウントを維持するためのコストというのは非常に大きいからね。
したがって、かつては富士フイルムもニコンFマウント互換の一眼レフを作っていたにょ。
最近は中間ステップアップとしてミラーレスカメラが大きくシェアを伸ばしており、レンズ
交換式ミラーレスとして大きく普及に貢献したオリンパスのE-P1が登場して以来各社が
この市場に参入し今も尚参入を計画しているメーカーもあるにょ。
しかし、ミラーレスカメラは一眼レフで知名度があってこそ成功に近づくと思われるにょ。
あくまでミラーレスカメラというのはコンデジからのステップアップとして一眼レフでは
大きすぎるという人をターゲットとしているわけだからね。(それと現在一眼レフを
使用している人にとってはそのサブ用となる)
つまり、コンデジと一眼レフをラインナップに揃えていないメーカーは苦戦が必死となる
わけにょ。(唯一の例外がPanasonicだけどG1やGH1のような一眼レフスタイルのミラー
レスカメラは一眼レフとして考えた場合には上記と同じ考えが成立する)
ソニーはコニカミノルタ(旧ミノルタ)がカメラ事業から撤退する際にカメラ資産を
受け継ぐことで容易に一眼レフシステムを構築できたにょ。
一から新規にマウント開発し、それに合ったレンズを開発するとなると莫大な資金と
時間がかかるのだけど引き継ぐだけなら簡単だからね。
これによってソニーはキヤノン、ニコンに次ぐ世界三番手のカメラメーカーへと成長
することになったにょ。
いくらソニーのブランド力が強いといってもコンデジだけで3番手になるというのは不可能
であったため一眼レフシステム(αマウントシステム)を入手したということがいかに
大きいかが分かるにょ。
リコーがペンタックスを買収した背景にはカメラ事業の拡大を狙っているというのが
あるにょ。
ペンタックスの最大の強みとなるのはコンパクトカメラから中判までラインナップされて
いるということにあると思われるにょ。
多くのカメラメーカーはコンデジオンリーだし、せいぜいコンデジと一眼レフだけなの
だけど中判もラインナップされている富士フイルムは一眼レフを現在は作ってないわけ
だからペンタックスのすごさが分かると思うにょ。
ペンタックスを買収したリコーは唯一コンデジから中判までラインナップするメーカーと
なるわけにょ。
新規に中判に参入するのは新規に一眼レフ(35mm、APS-C)に参入する以上に難しいため
他社の追従はほぼないと思われるにょ。
リコーがペンタックスを買収によってそのカメラ事業を子会社化したのと同時に自社の
カメラ事業もその新会社に移管する計画をしているにょ。
これは資本の集中化のためだと考えられるにょ。
開発部署を一本化すればコスト削減にもなるしね。
しかし、そこで問題となるのは現行機種のラインナップの統合や廃止にょ。
まず中判の645マウントやKマウント機種を廃止するということは考えられない(というか、
これらはむしろ買収の大きなメリットとなっていたわけだし)ため廃止の危険性がある
のは自社が持っていたコンデジ事業と重なってしまうOptioシリーズにょ。
ラインナップの重複を見直し大幅な再編成が行われると思われるにょ。
高級コンデジであるリコーのGRDシリーズは高級コンデジの需要がある限りは存続されると
思われるし、人気の高いCXシリーズも存続の可能性が高そうにょ。
発表されたばかりのPENTAX Qの動向が気になるところだけどリコーの社長はQマウントにも
興味を示しているためビジネス的に失敗にならない限りは存続すると思われるにょ。
存続が危ないのはPENTAX QよりもむしろGXRにょ。
リコー社長も会見にてGXRについては、「今日は答えを持っていないので、勘弁して欲しい」
と述べたくらいだからね。
GXRは陳腐化が大きいセンサーをユニット式にレンズに内蔵することで常に最新のセンサーを
使用できるというメリットがあったもののユーザーからしてみればコストがかかるため
あまり受け入れられなかったにょ。
レンズユニットもラインナップがあまり揃わず「マウント式のユニットを発売して欲しい」
というニーズに応えるためライカMマウントの販売が決定したにょ。
今回ペンタックスを買収することでGXRのKマウントユニットやQマウントユニットの発売の
可能性が濃厚になるもののそれでGXRは最後の役目を終えそうな感じにょ。(Kマウント
ユニットはフランジバックの長さを考えるとコンパクトサイズなGXRの設計思想に似合う
ものであるとはいえないためQマウントユニットは登場してもKマウントユニットの登場は
かなり厳しそうではある)
設計思想こそ異なるけどGXRは一眼レフやミラーレスを作らないという前提によって開発
されたようなものだからね。
こうやって、考えてみるとHOYAの経営陣の側からすれば大して興味がなかったカメラ事業の
売却に成功して喜んだわけだし、リコーの経営陣の側からすれば本格的にカメラ事業を
拡大する際に大きくプラスになるため両者の利害が一致した良い売却だと思われるにょ。
ただし、ペンタックス、リコーの両者のファンの側から考えるとカメラ事業の大幅再編が
されるため好みの機種(特にコンデジ)が廃止される可能性が非常に高くなりそうにょ。
再編後もしばらくの間、確実残ると断言できるのは645DとKマウント採用の一眼レフくらい
だからね。
とはいえ、法人サポートにも定評があるリコーなのでより多くの販売網が確保されシェアの
拡大はほぼ確実だと思われるにょ。
私はどちらかというとリコーよりもペンタックス派(一眼レフのK200D、コンデジの
Optio S、Optio I-10も持っているし)でありそちら寄りの意見ではあるけど今回の買収は
HOYAに買収された時よりも喜ばしいことだと思われるにょ。
やはり、必要と感じている人(というか企業)に買収される方がいいに決まっている
からね。
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