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おちゃめくらぶ掲示板

629御茶目菜子:2011/06/28(火) 15:00:16
同人誌のあり方は・・・
昨日、某同人サークルの「ボカロ絵師100人プロジェクト」がネット上で話題になったにょ。
http://yaraon.blog109.fc2.com/blog-entry-2523.html
昨今はネットの普及によって自分の絵を発表できる場というのは増えているにょ。
それでも紙の同人誌というのは未だに根強い人気となっているにょ。
むしろ、絵描き人口が増えたのとWebによる交流が増えたのとが合わさって昔よりも
活発化しているのではないかと思わせるほどにょ。

ただ、同人誌というのは2つの難しい側面を持っているにょ。(昨年末に改正された都条例が
発端となる規制問題もあるけど具体的な影響が明白に出てないので今回は加えていない)

 (1)著作権問題
 (2)お金の問題

(1)完全に自分の手によって考えられたキャラ、ストーリーなどを描いたものならば問題は
なけど版権ものの二次創作の場合は著作権法が絡んでくるからね。
これは二次創作を全面的に認めている作品であれば全く問題はないけどほとんどの作品の
場合は黙認されているというだけにすぎないにょ。(二次創作が容認さえていても条件付き
だったり、同人の範疇を越えた場合には警告の可能性はある)
あくまで個人(および仲間内)の趣味による活動に過ぎないからね。
コミケで壁サークルとも言われている大手の場合は売上部数が非常に多いため趣味による
活動とは見なされにくいけどこれは結果として利益が出ているというだけなのでこれが
同人流通ではなく一般流通に流れなければお咎め無しという場合がほとんどにょ。

(2)難しいのは100%個人で作るいわゆる「個人誌」ではない場合にょ。
昨今は同人誌の多くはこの個人誌となっているにょ。
この「おちゃめくらぶ」もコミケ参加用に私が作った個人サークルだしね。
イベントに参加する場合には代表者名とサークル名が必要不可欠となるため97年にこの
おちゃめくらぶは発足したにょ。
最近はイベント参加をしていないのでもう完全にただのサイト名になっているけどサイト
立ち上げ当時はサークル「おちゃめくらぶ」の公式サイトだったにょ。
個人サークルによる完全個人誌ならばいいけど仲間内や同じ趣味の人の寄稿によって
作られている同人誌の場合はトラブルが発生する場合もあるからね。
売上金額の配分や原稿を寄稿してくれた人へのお礼がやはり難しいにょ。
お金というのはトラブル発生の最大の要因となっているにょ。

寄稿された場合は大手サークルであれば売上部数が読めるため1ページいくらという原稿
料金を支払う場合もあるけど基本的には同人誌というのは趣味の活動であるため無償寄稿
というパターンも少なくないにょ。(前回寄稿してもらったから次は自分がその人に寄稿
しようという感じでつながりの方が重要となる)
お礼といえば大抵は見本誌の提供というのが多いにょ。
それくらいならば弱小サークルでも可能だからね。


この同人の基本的な考え方を把握した上で「ボカロ絵師100人プロジェクト」がどのような
ものだったのか見てみるにょ。
まずは、サークル主催者がpixivでボカロ絵(ボーカロイドのキャラの絵)を描いている人に
参加呼びかけのメッセージを送りまくったことから始まるにょ。
ある程度面識のある人ならいざ知らず初対面に人に無差別にメッセージを送りまくると
いうのは好ましくないけどこれだけなら大きな問題になることは無かったにょ。
問題は寄稿の謝礼にょ。
寄稿すれば3500円・・・とのことにょ。

「3500円くれるのか」と思いきや「(載せるから)3500円払え」ということにょ。
上記の同人誌の基本的なやりとりを見たらこの時点でおかしいことに気づくにょ。
みんなで力を合わせて作ろうというのではなくお願いしている立場なのにお金を払えと
言っているわけだからね。
同人誌は印刷にお金がかかるから融資して欲しいということらしいにょ。
しかも、今ならば通常価格7000円なのが3500円で済むためお得というわけにょ。
融資となると寄稿者に利益配分でもあるのかと思いきやそんなものは全くないにょ。
掲載されれば有名人になってファンレターが来たりイラストレーターとして仕事の依頼が
くることもあるという大きなメリットがあることを主張しているにょ。
これって、「ウチの事務所からアイドルデビューさせて上げるからレッスン料を振り込んで
くれ。通常なら20万円かかるけど今ならば10万円でいいよ」という詐欺スカウトと
同じようなやり口にょ。

お金を集めるということ自体にはそこまで否定することはできないけどトラブルの元に
なりやすいので発行部数とそれにかかる予算を事前に提示しておく必要があるにょ。
「100人分で56ページとして2000部発行で35万円かかるから1人3500円融資してください。
その代わり1冊1000円で販売して利益(1000円から1冊の印刷原価である175円を引いた
825円×販売部数)が出た分は分配します。」というのならば分かるにょ。(発行部数や
ページ数は私の推測によるものであり、サークル主催者側から発表されたものではない)
しかし、今回のは分配が無いため「融資」ではなく「寄付」という言葉を使うべき
だったにょ。
寄付といっても強制なので「スポンサー募集」として広告枠として販売というという形に
すべきだったかもしれないにょ。
しかし、それならばなおさら発行部数や枠のサイズ(今回は1ページに1作品などの設定が
ないため下手なイラストは小さく掲載される可能性もある)などを事前に明確に発表する
必要があるにょ。

融資と考えたのに分配するのが嫌とか面倒ならば1冊当たりの実費である175円という
金額(これは私の推定金額だけど)が本来要求すべき金額となるにょ。
同人誌の場合は部数によって単価が大きく変わってくるので寄稿された100人分しか印刷
しないというのであれば単価は1000円くらいになるのでこれが上限にょ。(フルカラー
100ページで印刷代に1冊3500円かかるというのであれば納得できなくはないけどサイトの
文章からしてそれは考えられないため3500円という金額が明らかに印刷実費を超えて
利益を得るためのものだと分かる)
ただし、その場合は完全に仲間内向けとなるため掲載による宣伝効果はほとんど期待が
できなくなるためそのウリ文句がウソになるにょ。(というか、2000部程度でも十分な
宣伝効果があるとは言えないけどね)

pixivに投稿すれば(premiumに加入してない限り)お金は一切かからないにょ。
自分の絵を不特定多数に見てもらうというのならばこれが最もお手軽かつ安上がりにょ。
版権絵を描けば画力は大して高くなくてもサムネ力さえあれば閲覧は1000や2000くらい
簡単にいくので下手な同人誌よりもよほど多くの人にみてもらえるにょ。(私も画力は
底辺レベルだけどpixivでの最高閲覧数は2.4万なので同人ならば大手サークルクラスで
ないと発行部数でこれを越えることはできない)
しかし、同人誌には同人誌の良さがあるにょ。
イベントなどに直接出向くことで読み手と描き手が直に触れあうことが可能になるからね。
それにネット上のデータよりも紙という物理的な媒体の方を好む人も少なくないにょ。
今回の件ですでに3500円という料金を支払った人もいるけどその人は恐らく自分が描いた
絵を紙媒体で流通させる(同人に載せる)というのが夢だった人なのかもしれないにょ。
同人誌を自分で作ればいいけど一定ページ数以上描くのは大変だし、印刷にかかる金額も
3500円どころでは済まないし(コピー誌ならいいけどオフセットだと最低でも50部は必要)
イベントに参加するのも大変だし(地方だとあまりイベントがないし、サークル参加は
お金がかかる)、何より参加しても買って読んでもらえる保証はほとんどないからね。
無名の初参加サークルだと10部も売れない可能性大にょ。

何百人、何千人という人に見て貰えるならば3500円という金額を支払うことには大きな
抵抗は無い人がいてもおかしくはないにょ。
しかし、弱い立場に付け入り同人というものを悪用しようとしたことは許せるものでは
ないにょ。
今回は騒ぎが大きくなったためすぐに主催者のサイトやブログも閉鎖され自体は終息した
けれど似たようなものは他にも存在する(していた)みたいにょ。
「3500円くらい大した金額ではないから騒ぐほどではない」という考えは怖いにょ。
「これくらいならば問題ないかも」という考えは詐欺にあってしまう典型的なパターンとも
いえるからね。
したがって、いくらお金欲しさによる軽率なものだったとはいえ、今回の「ボカロ絵師
100人プロジェクト」の主催者が非難されるのはやむを得ないことだと思うにょ。
しかし、同人誌を作っている人は今回のような詐欺まがいの行為をしたりアコギなやり方で
お金を儲けたりしている人ばかりではなくほとんどの人は自分たちが好きだから作って
いるにょ。
したがって、こういった行為をする人が現れるたびに同人という存在そのものが非難対象と
なるのは非常に辛いものがあるにょ。




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