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おちゃめくらぶ掲示板
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スパコンは1位のものが最もコストパフォーマンスが高い!?
独立行政法人理化学研究所と富士通株式会社が共同開発したスーパーコンピュータ「京」が
スパコンランキングTOP500で1位になったにょ。
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/20110621_454717.html
日本のスパコンが1位になるのは2004年の地球シミュレータ以来7年ぶりとのことにょ。
この京は蓮舫大臣が発言した「2位じゃ駄目なんでしょうか?」で一時予算凍結となった
曰く付きのものにょ。
結局予算増額に対しては受け入れられなかったので本来予定していたスペック(京の
名前のように1京Flops=10PFlopsを実現予定だった)には届かない8.162PFlopsとなって
いる(来年の完成時には10PFlopsとなる予定)もののそれでも2位に3倍の差を付けて
圧勝となっているにょ。
それならば予算が減額されても1位になったと考えられるけど北米や中国が年内に10PFlops
クラスのスパコンを投入予定であるため京が1位の座に居られるのもそれまでとなって
しまうからにょ。
多額の予算をかけて作られるスパコンの場合はコストパフォーマンスよりも「1位の座」
というものが重視されがちにょ。
これはミラーレスデジカメのNEX-C3やGF3が「世界最小最軽量」を欲しているのと同じ
ようなものと考えると分かりやすいにょ。
条件付きであっても世界1位というのは企業的にはそれ自体に大きな意味を持つからね。
1位と2位では越えられない差が存在するにょ。
とはいえ、やはりコストの問題は無視できないにょ。
スパコンにおいては絶対性能を重視する傾向にあるけど近年注目されているのが電力
あたりの性能にょ。
スパコンというのは確かに開発や製造には多額の金額(世界トップの性能を実現するには
数100億円かかる)が必要になるとはいえ、それ以上に問題となるのは設置コストや電力
コストにょ。
要するに維持費にょ。
古くて遅いスパコンを100時間稼働させるよりもそれより20倍速いスパコンを5時間稼働
させた方が時間の節約だけではなく電気代も節約できるにょ。
何せ京も現時点でも672台のノードを接続しており搭載しているCPUは68544個に達して
いるからにょ。
京に搭載しているCPUは富士通が開発した「SPARC64 VIIIfx(2.0GHz)」でありSandyBridge
と同じく256bitのSIMD演算基を搭載しているにょ。
2GHzとはいえ8コアのCPUであるためCPU1つ当たりの性能は8Flops×2GHz×8コア=128GFlops
となっているにょ。
これは今年発売されたばかりのSandyBridgeの最上位モデルとほぼ同レベルの性能にょ。
SPARC64 VIIIfxは昨年出荷が始まっており登場時点では世界最速のCPUだったにょ。
しかも、8コアでありながら消費電力はわずか58Wにょ。
これはメーカー発表では性能は当社比3倍、消費電力は半分で電力効率は6倍になっている
とのことにょ。
単純計算では京がフル稼働した場合にはCPUだけで58W×68544個=3,972,552Wとなって
いるにょ。
東京電力の法人向けの電気料金表がWeb上で確認できないため仮に1kwh=20円として計算
すると京の1時間当たりの電気料金は79511円となるにょ。
CPUだけということはなく実際はメモリやHDDやチップセットなどのコンピュータ内の
電力消費に加えて冷却装置の電力消費を考慮する必要があるため実際にはこの電気料金の
数倍に跳ね上がる可能性があるにょ。
あまりに不確定要素が大きいためちょっと規模をスケールダウンして考えてみるにょ。
個人向けのデスクトップPCで考えてみるにょ。
一般的なデスクトップPC(CPUはTDP90〜100Wクラス、GPUはチップセット内蔵)の場合は
フル稼働時のモニタ込みのシステム全体の消費電力は150〜200Wにょ。(CPUやマザーボード
によっても変わるため正確に計算するならばちゃんと製品名指定しないと駄目だけど
ここではそこまで厳密な値を欲しているわけではないのでこれで良しとする)
計算しやすいように消費電力を200W、電気料金を1Kwhあたり20円とするにょ。
このデスクトップPCを毎日24時間365日稼働させた場合を考えてみるにょ。(本来であれば
深夜料金は安くなるけどそれは今回は概算値ということで無視して考える)
0.2KW×24h×365日×20円/kwh=35040円
これを7年前のPC(Pen4搭載機)と比較すると仮にシステム全体の消費電力が同じで
あっても性能面を見ると6月18日に書いたようにPen4 3GHzはSandyBridge 3.5GHzと
比べて20分の1の性能となっているにょ。
これはあくまでピーク性能であり、実効性能は10倍であるとすればPen4のシステムで
1日24時間365日かかる演算はSandyBridgeだと36.5日で済んでしまうにょ。
そうなると電気料金は10分の1となり年間31536円の節約ができる計算になるにょ。
新しいPCを導入するのに9万円かかるとしても3年分の電気料金でペイできる計算になる
といえるにょ。
あくまで24時間365日フル稼働させた場合であり1日8時間だとその3倍の9年かかるため
電気料金だけでペイするのは難しいけどその分は処理性能アップというメリットが
あるため問題ないにょ。
新規に導入するならば維持コストが安くなるというだけでは厳しいからね。(導入コストを
ペイするためにかかる年数次第だけど)
電力効率だけを見ればx86CPUではAtomが最強だけどこれはAtomの性能で問題ない場合に
おいてのみいえる話にょ。
スパコンに話を戻すと性能アップによるメリットとこの電力効率アップによる維持コスト
ダウンの両面から考えていく必要があるにょ。
遅い旧システムを長年使い続けるのは上記の例のPen4マシンを使い続けるようなものであり
決してコスト的に有利とは言えないにょ。
よって単純に導入コストに○○億円かかるから駄目というのではなくそのシステムを
××年間使用した場合のトータルコストで考える必要があるにょ。
まぁ電力効率で考えるならば同じ世代の同じシステムであれば同じになるため予算に
よって変わるのはノード数となるにょ。
定期的に新しいシステムに入れ替えることは計算上コスト面で有利になる可能性がある
とはいえ、性能アップ比率がその予算に似合うかどうかとういうことが問題にょ。
これは個人のPCにおいても同じであり買い換えるならば2倍の性能が欲しいか3倍の
性能が欲しいかは人それぞれだからね。
中には電気代が安くなるなら性能は今と変わらなくていいよという人もいるかも知れない
けれど速度も求められるスパコンの場合はなかなかそういうわけにはいかないにょ。
1位に拘る必要はないけど新システムを導入するならそれなりの高性能なものが必要だし
PCではコスト的にはメインストリームクラスが最もお得となっており、ハイエンドクラスは
性能と価格を比べた場合には割が合うとは言えないけどいるけどスパコンの場合は
予算に比例した性能であるためPCの感覚で言えば性能の高いシステムの方がお買い得感が
高くなるため相対的に考えると性能が高いスパコンは最もお買い得といえるにょ。(CPUも
GPUもメインストリームの2倍の性能のPCは2倍の価格では手に入らない)
まぁ、あくまでこれはPCの感覚でいえば・・・というだけの話だけどね(笑)
とはいえ、開発コストも加味するとノード数を増やせば増やすほど1ノード当たりの金額が
下がるため感覚的な問題ではなく実質的にコストパフォーマンスも高くなるにょ。
それに加えてトップの性能になれば「世界1位」という看板も手に入るにょ。
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