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おちゃめくらぶ掲示板
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アニメビジネスの崩壊を防ぐためには・・・?
「2:8の法則」というのは聞いたことがある人も多いかと思われるにょ。
これは「パレートの法則」と呼ばれ19世紀にイタリアの経済学者のヴィルフレド・パレート
によって発見された一種の経験則ともいえる法則にょ。
「ビジネスにおいて、売上の8割は全顧客の2割が生み出している」などのように全体の
2割によって8割が賄われているというのは多くの分野において当てはまっているにょ。
しかし、アニメ業界ではそのパレートの法則が崩れかけているにょ。
わずか4.1%のユーザーが全体の67%を支えているみたいだからね。
http://blog.livedoor.jp/inthedark/archives/52291111.html
さて、ここで出てきた4.1%というのは年間にアニメDVD、BDに3万円以上費やすヘビー
ユーザーを示しているとのことだけど現実問題からすると3万円というのはヘビーユーザー
でも何でもないにょ。
というのも深夜アニメの場合は1話当たりの金額が2〜4000円(安いもので3話6000円、
高いものでは2話8000円)となっており、一般的な1クールアニメ(12〜13話のアニメ)の
DVD、BDを買いそろえるとそれだけで3万円を越えてしまうからにょ。
季節毎に数10タイトル、年間100タイトル以上のうちの1つを揃えるだけでヘビーユーザーの
仲間入りとして考えた数字(実際にヘビーユーザーとなるのはその4.1%よりもずっと
少ない)であるにも関わらずそれで全体の67%となっているというのはアニメが他の
分野と比べてかなり特殊だからにょ。
どれくらい特殊かというのは売り上げデータを見ても分かるにょ。
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20110308_431899.html
日本映像ソフト業界(JVA)が調査したところ昨年(2010年)の年間の映像ソフトの売上は
前年比で97%となり6年連続の前年割れとなっているにょ。
この最大の原因となるのはDVDからBlu-rayへの普及が進まないことにあると思われるにょ。
確かにDVDが前年比88%へと減少したのに対してBDは前年比195%ということで2倍近くまで
金額ベースで増えているといっても依然としてDVDのシェアは82%もあるにょ。
つまり、BDは全体の6分の1程度しかないということにょ。
そんな中、BD売上のシェアはダントツの1位がアニメ(56.9%)となっているにょ。
2位の洋画が24.5%だからいかにアニメの割合が多いかということが分かると思うにょ。
「化物語」が作ったTVアニメのBD売上記録を抜いた「魔法少女まどか☆マギカ」第1巻
だけど発売週のBD売上が5.3万枚に対してDVDは0.9万枚に止まっており一般的なBD、
DVDの売上比率とは完全に真逆でDVDの方が6分の1しかないにょ。(ちなみに本日第2巻が
発売され1巻で作ったTVアニメのBD売上記録を更新するのはほぼ確実視されている)
ここまで書けばアニメが一般的な映像ソフトと明らかに何かが違うというのが分かると
思うにょ。
そもそも「なぜTVで放送されたものをわざわざ買うのか」という疑問点を持っている人も
多いかと思うにょ。
その疑問こそがアニメの特異性を説明するためには重要な要素と言えそうにょ。
恐らく多くの人が感じている理由としては下記の4つがあると思われるにょ。
◎アニメのDVD(BD)を買う理由
(1)高画質で見たいから
(2)繰り返して見たいから
(3)DVD(BD)化での修正を見たいから
(4)コレクターズアイテムとして
(1)これは映像ソフトであればアニメに限ったことではないので誰もが実感すると思うにょ。
ただ、HDTVの普及や地デジの普及によってDVDでは画質的に物足りない(DVDよりも録画
した地デジ放送の方がキレイ)という問題があるにょ。
これこそアニメのBD比率が異常に高まっている理由にょ。
アニメの場合は輪郭線がはっきりしているためSDとHDの違いが実写以上に明確に出て
しまうからね。
(2)これも好きな作品であれば実感できると思うにょ。
特に購入には至らない作品の場合はレンタルで済ますという方法もあるけどあまり数量が
出ず種類だけは多いアニメにおいてはレンタルでも十分なラインナップを揃えるのは
難しいにょ。
つまり、「見たい作品をレンタル入荷待ち」なんて考えていたら見れない可能性さえ出て
くるということが起こり得るわけにょ。
洋画の場合はある程度メジャー作品ならば金曜ロードショーなどの全国放送で後日放送
される可能性が極めて高くレンタルの必要性さえないのだけどTVアニメの場合はなかなか
そうもいかないにょ。
そもそもTVアニメの場合は制作委員会制度が導入されておりいくつかの企業で出資しあう
ことで利益とリスクの分散化をしているにょ。
放送局が主体となって作っており、その利権のほぼすべてを放送局が握っている一般的な
バラエティー番組などとは異なり利権関係が非常に複雑ということにょ。
そのTV放送もパイそのものが小さいために全国放送されるTVアニメは子供向けとして
展開されているアニメ(玩具を販売することで回収するビジネスモデルを導入している
アニメ)を除けば「サザエさん」などの高視聴率が取れるもの以外はあり得ないにょ。
一般的な深夜アニメの視聴率は1%前後(0%台はザラであり2%を越えればかなりの
高視聴率といえる)となっているため視聴率だけで考えるとビジネスモデルは完全に
破綻しているため映像ソフトの販売が無ければビジネスとしては成立しないにょ。
そのためある程度放送地域を絞ってコストダウンしているにょ。
放送料金が安い独立U局(MX、TVK、SUNなど)のみに絞ったり、キー局だと東名阪もしくは
東京・大阪のみに限定して放送することで大幅にコスト節約できるからね。
その放送地域内に住んでいる人の場合は録画して繰り返して見ることが可能といっても
(1)(3)(4)を理由に購入するだろうし、地域外の人はそのTV放送という宣伝効果による
知名度アップによって購入を喚起させることが可能になるにょ。
昨今増加しているネット配信もそういう意味では非常に大きな効果があるにょ。
1クールアニメでも揃えるのに3万円以上かかるため「内容はよく分からないけど少し興味が
ある」というレベルではあまりに購入のためのハードルが高いにょ。
そういう意味ではネット配信で内容を把握することで購入へのハードルを下げることが
可能になるにょ。
しかし、ネット配信で恒常的に全話視聴ができる状態だと「高画質は望まないけど繰り
返してみたい」という人の購入を阻害してしまう可能性があるため基本的に最新話のみ
1週間限定配信というパターンを取っているものが大半となっているにょ。
(3)TVアニメは1話作るのに数週間かかっているのだけど複数のチームで制作を行うことで
毎週の放送が可能になっているにょ。
しかし、よほどスケジュールに余裕を持たせている制作会社でない限りは毎週ギリギリの
状態であり、それは作画にも現れているにょ。
もはやアニメ業界用語となった「ヤシガニ」だけどこれはアニメ「ロストユニバース」
第4話「ヤシガニ屠る」において作画が崩壊していることからこう呼ばれているにょ。
私もこのロストユニバースのDVDを買ったけどその第4話はDVDでは別物といっていいくらい
修正が加えられているにょ。
昨今はアニメ放送数はロスユニ放送当時とは格段に増えており小規模の作画崩壊は頻繁に
起きているにょ。(作品数が増えてアニメを見る人の目が肥えてきたというのも作画崩壊を
指摘する人が増えた理由だろうけど)
深夜アニメの場合は大抵の場合において放送時から作画が修正されているためどこが
変わったのかをチェックするというのも1つの楽しみになっているにょ。(映像ソフトの
販売をビジネスモデルとした深夜アニメとは違い玩具販売をビジネスモデルとしている
はずの「ジュエルペットてぃんくる☆」のDVD版で大幅な作画修正があったのには私も
少々びっくりしたけど)
また、TV放送では放送コードによって意図的に放送用では規制が加えられている場合も
少なくないにょ。
90年代末から目立ってきたいわゆる「テレ東規制」はその規制の中ではかなりメジャーな
ものだけど規制が比較的緩い独立U局でもそういった規制が加えられている場合もある
ため近年ではテレ東系だけの問題では無くなっているにょ。(規制無しを放送するためには
AT-Xなどの有料CS放送で年齢区分を変えて放送するしかない)
ただ、そのDVD、BD化に際して明らかに規制解除されるであろう意図的な規制が加わって
いる作品も非常に目立ってきているにょ。
この辺は「規制解除されるから買う」という人がいる反面で明かな規制が嫌で「その作品
そのものが嫌いになったから買わない」という人も一部にあり、DVD、BD化による規制解除
ビジネス(?)というのは今後も成功し続けるかどうかは微妙なところにょ。
(4)その作品のコアファンならばその作品に関係するアイテムを揃えたいというのは
当然出てくることであり、これはアニメに限ったことではないにょ。
しかし、アニメの場合は洋画などと比べて「コアファンの割合が多い」ということが
挙げられるにょ。
根拠となる具体的なデータはないけど絶対数が少ないからこそコアなファンの割合は必ず
多くなるからね。
アニメのDVD、BDはアニメグッズの1つとして購入するという考えはライトユーザーには
ほとんど理解できないかもしれないけどそれこそがコアユーザーの考えにょ。
中には保存用、鑑賞用、布教用と同じものを複数買いする人もいるわけだしね。
これには複数のショップ特典欲しさで買ったため結果的に複数買いとなったという人も大勢
含まれそうにょ。
また、最近は初動でコストを回収させようと初回版には様々な特典を同封しているにょ。
人気を博した「化物語」も初回版にはOPテーマソングCDを同封しているからね。
化物語のテーマソングCDは市販されておらずそれが欲しい人は必然的にDVDやBDを買う
必要性があるわけにょ。
ここまで書くとTVで放送されたアニメを録画だけで済ませず映像ソフトとしてを別途買う
というファンの心理は粗方理解できたと思うにょ。(100%理解するためには何かの作品に
どっぷりはまるしかないのだけど)
さて、ここで問題なのはTVアニメのコアユーザー化にょ。
冒頭で書いたパレートの法則にあるようにターゲットを一部に絞りそのターゲットに
合わせたビジネス展開をするということが効率アップに繋がるのだけどそれを続けて
いけばどんどんコア化してしまうという欠点があるにょ。
一般レベルまで知名度がある人気原作をアニメ化する・・・という方法もあるけど
5月5日に書いたように人気原作はほぼ枯渇化しておりそれは難しくなっているにょ。
それならばライトユーザーにも買いやすい価格に引き下げるという方法を考える人も
いるかもしれないにょ。
確かに日本のアニメは異常に高価だからね。
同じ作品であっても後から販売される北米版などは日本の価格の数分の1となっている
ためそれを逆輸入した方が安上がり(都会であれば輸入DVD、BDを扱っているショップも
あるし、DVDの場合は日本と北米ではリージョンコードが異なるため北米のDVDが再生
できるプレイヤーを用意しなくてはならなかったのに対してBDではリージョンコードが
北米と同じであるためそのハードルは極めて低くなった)
これは日本では高くても売れ、北米はそれでは売れないから安くしているというのでは
なくてゲームにおいて後から発売するベスト版が安いのと同じ原理であり、日本で
粗方コスト回収が出来たから北米版は安くなっているというのが正しいと思われるにょ。
日本でも最初から安ければそれに越したことはないにょ。
確かにそうすることで購入数が増えるのは間違いないにょ。
ただ、それでビジネスモデルとして成立するかとかユーザーの層が広がるかということを
考えるとそれが正しいとは言えなくなってくるにょ。
現在のアニメ業界は数作品に1つのヒット作品の利益によってによってそれ以外の作品の
赤字を補填することで何とかビジネスとして成功している状態となっているにょ。
そんなに多数の赤字作品があるなら最初から作らなければいいのに・・・という人も
いるかもしれないにょ。
しかし、最初から赤字を分かって制作するなんてことはなく制作委員会での出資も回収
可能な目処があるからこそ行われるわけだから赤字作品を作らなければいいという考えは
本質的に間違いであることが分かるにょ。
では、なぜ赤字になるのかというと映像ソフトの売上が主流となる深夜アニメの場合は
その制作費や宣伝費をそのソフトの売上で回収する必要があり、損益分岐点となる採算
ラインに達しないから起きているにょ。(これはあえて書くまでもなく当たり前のこと
だけど売れるはずのものが売れないというのは商売ではよくある話)
「だからこそ価格を下げるべき」という考えに至る人もいるけど価格を半分に引き下げた
場合には販売数が2倍(流通コストを考えると2倍以上)になってようかう従来の採算
ラインへと到達可能になるにょ。
これが極めて一般レベルまで浸透している製品であれば価格半減によって2倍どころか
それ以上の数量売れる可能性は出てくるのだけど「TV放送されたアニメのBDを買う」と
いう層がかなり限られており、「1クール5000円くらいでないと買わない」とかいう
人も少なくないにょ。
1クール3万円(1話2500円と考えて全12話で3万円)の作品の場合、5000円まで価格を
引き下げると6倍の数量売れる必要があるにょ。
アニメファンの絶対ユーザー数が増えるわけではないため出せる合計金額に大きな増加が
無く結局は「売れる作品が売れるだけ」という状態がさらに加速化するだけにょ。
そう考えると売れる作品はもっと価格を下げていい気がするけど制作側は基本的に売れる
と思って作っているわけだし、売れる作品というのは多少高くても売れるためあえて
価格を下げる必要もないからね。
したがって、自社ブランドに誇りを持っている角川などはそれが価格に反映されている
ため角川価格(BDなら1話4000円程度)とも呼ばれているくらい高値となっているにょ。
結局のところパイの大きさ(アニメファンが出せる金額の合計)というのは大きくなる
わけではなく一般人に「TV放送されたアニメの映像ソフトをあえて購入する」という
習慣も根付くはずもなくアニメビジネスはもはや崩壊の危険性が高まっているにょ。
まどか☆マギカ第1巻が作ったBDの発売週売上5.3万枚という記録だけど大多数のアニメは
その10分の1にも達してないにょ。
そのダントツの売上を誇るまどマギもネットでは爆発的に流行したもののまだまだ一般への
知名度となるとかなり厳しいのではないかと思われるにょ。
ネットでの流行となると「そんな装備で大丈夫か?大丈夫だ、問題ない」というPVが
大ブレイクしてネットの流行語大賞にまでなったPS3用ゲーム「エルシャダイ」だけど
発売週売上は6万本に止まったにょ。
これはミリオンセラーが年間2桁作品出ているコンシューマゲームの中で見ると完全に
埋もれてしまうレベルの売上にょ。
ネットでの流行によってエルシャダイを買った人というのはかなり少ないと言っても
よいレベルだと言えそうにょ。
これからゲームファンへの浸透性は高くても一般人への浸透性がかなり低いものである
と考えられそうにょ。
アニメにおいて一般人にも浸透していると考えられるレベルとなると国内の作品では
ジブリアニメくらいだと思われるにょ。
つまり、パイの大きさを広げる(アニメファン以外に映像ソフトを買ってもらおうとする)
ならばどの制作会社もジブリレベルを目指す必要があるというわけにょ。
それは、どう考えても不可能にょ。
確かにまどマギクラスのヒット作品を連発できればビジネス的には十分といえるけど
まどマギは一種のイノベーションによるヒットであり、二番煎じ、三番煎じでは極めて
ヒットは困難にょ。
それならば少しでも多くの販売が見込める方法に転換するしかないにょ。
そこで有用なのが映画化にょ。
2006年をピークに制作本数は前年割れが続いているTVアニメだけど劇場版アニメはここ
10年で最高を記録しているからね。
http://www.animeanime.biz/all/11571/
今年も「けいおん!」を始め多くの劇場版アニメが予定されているにょ。
この背景にあるのはTV放送によって獲得したアニメファンへの知名度を売上に直結させる
というものがありそうにょ。
TVアニメの場合は買わない理由として「TVで放送されているから録画で十分」というのが
トップに挙げられるだろうけどそれが劇場版では理由に挙がってこないわけだからね。
そして、中間搾取が多いTVアニメよりも劇場版の方が回収効率が高いというのも理由に
挙げられそうにょ。
ただ、これも知名度のないまま劇場版を放映しても売上は不振に終わり、コスト回収は
困難であるためTV放送である程度の人気があるというのが必要不可欠となるにょ。
今後はTVアニメのヒット→劇場化という流れがポピュラーになりそうにょ。
そうなるとまどマギの劇場版ももしかすると・・・。
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