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おちゃめくらぶ掲示板
Windows7ケータイ発表
昨日、ドコモの2011年夏モデルが発表されたにょ。
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20110516_445088.html
フィーチャーフォン(ガラケー)が12モデル、スマートフォンが9モデルということで
スマートフォンの占める割合がかなり高くなってきているにょ。
その中で異色の存在となるのが富士通から発売のLOOX F-07Cにょ。
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20110516_445111.html
こちらには何とWindows7が搭載されているにょ。
Windows Phone 7ではなくPC向けの普通のWindows 7にょ。
まずはF-07Cのスペックを見てみるとこのようになっているにょ。
OS Windows 7 Home Premium(32bit)
モニタ 4インチWSVGA(静電容量方式タッチパネル)
CPU Atom Z650(1.2GHz) ※600MHzで動作
メモリ 1GB
ストレージ 32GB SSD
サイズ 125x61x19.8mm
重量 218g
バッテリ駆動 公称 約2時間
PC向けのWindowsを載せたケータイというとWILLCOM D4が真っ先に思い浮かぶと思うにょ。
このF-07CがD4と根本的に異なる点は下記の2つにょ。
(1)PC機能とケータイ機能の分離
(2)筐体サイズ、重量
(1)やはり、D4とF-07Cの最も大きな違いはその仕組みにあるにょ。
D4ではケータイ(というかPHS)の機能はWindows上でソフト的に実現されており基本的に
Windowsを起動していないとケータイとしての機能が発揮出来なかったのだけどこの
F-07Cではその機能を完全に分離しているにょ。
つまり、このF-07CはWindows7スマートフォンではなくi-modeケータイ+Win7 UMPCという
わけにょ。(ケータイをPC-8801、D4をPC-88VAとするならF-07CはPC-98DOか)
分離することでの最大のメリットとなるのはやはり待ち受けにょ。
D4はスリープ状態でも待ち受けが可能だったとはいえ、その時間はわずか8時間程度にょ。
待ち受け処理を行うためにD4はスリープ中の消費電力がUMPCの中でも大きめとなっており
そのように短い待ち受け時間しか確保できなかったにょ。(休止中でも待ち受けが可能
とはいえ、復帰に時間がかかるため現実的ではない)
これではケータイとして使用できるレベルには達してないにょ。(公称1.5時間で実駆動は
1時間以下だからPCとして考えてみてもとても満足に使える時間でもないけど)
しかし、F-07Cはケータイとして使用する場合には普通のケータイであるため最大600時間
の待ち受け時間を可能にしているにょ。
そのWindowsとケータイは切り替えスイッチを動かすことで瞬時に可能となっているにょ。
このハード的に完全に分離していることによりWindowsを使用時にもバックグランドで
i-modeケータイとして動作しており着信時には自動的にWindowsからケータイへとモード
切替が行われるにょ。
そのため待ち受け時間最大600時間という実用レベルの時間を確保しているにょ。
もっともこれはPCとして使用せず純粋に待ち受けオンリーの時間であるため消費電力の
大きなPCモードを使用しているとその待ち受け時間は大幅に短くなってしまうわけだけど
どう考えても実用的ではなかったD4と比べるとまさに雲泥の差があるにょ。
(2)F-07Cは(1)で書いたようにその筐体内にUMPCとi-modeケータイを内蔵したものなの
だけどそれを行いつつも一般的なケータイやスマートフォンに近いサイズを実現している
というのがやはり素晴らしいにょ。
フットプリントでいえばW-ZERO3よりも小さく(手に持った際の幅が狭く)、リナザウと
比べても短辺が約2cm小さいにょ。
W-ZERO3でもケータイとして考えるならば幅が広く決して持ちやすくは無かったのだけど
このF-07Cならばその心配は無さそうにょ。
これが可能になったのもOakTrailの恩恵にょ。
OakTrailは低TDP、低消費電力、パッケージサイズが小さいというメリットがあるけど
これはタブレット端末であれば低TDPを活かして薄型化、低消費電力を活かして長時間
駆動が可能になって始めてその本領を発揮できるにょ。
少なくとも昨日書いたLIFEBOOK THでは従来のMenlowプラットフォームと比べて差別化
できるほどの違いはなくOakTrailを採用した意味や必然性が感じられないだけではなく
OakTrailの価値さえもよく分からないものになってしまっていたにょ。
しかし、このF-07CはOakTrailだからこそ実現可能になったと言っても過言ではない
レベルにょ。
シングルコアCPUながらノースブリッジ(GPU)込みでTDP3WというOakTrailはWindowsを
動作可能なx86CPUの中では最も低いレベルに位置するにょ。(サウスブリッジに相当する
Intel SM35がTDP0.75WであるためCPU+チップセットの合算でも3.75Wとなる)
それでもケータイサイズで納めるためにはTDPが高すぎるためクロックを半減させて動作
しているにょ。(組み込み用途向けのx86CPUにはTDP1W未満のものが数多くあるけど
Win7が動作可能な中ではAtom Z650は最もTDP、消費電力の低いCPU)
単純に考えるならばTDP1.5W相当にょ。(実際は1.5GHzの上位モデルであるZ670のTDPが
3Wであるため600MHz駆動のZ650はTDP1.5Wよりも低いと推測される)
TDPの問題だけではなくCPUのパッケージサイズの問題もあるにょ。
リナザウサイズのWindows PCであるOQOが発売されて長らく経つけで未だにそれを越える
小さなWindows PCが登場しないのはTDPだけではなくCPUのパッケージサイズに問題が
あるからにょ。
TDPだけであればOQOに搭載のCrusoeよりもAtom Z+US15Wの方が小さいため小型化には
有利だけどパッケージサイズを見てみるとOQOに搭載されている省パッケージ版の
Crusoeは22mm四方でありこれはAtomのCPUそのもののパッケージサイズとほぼ同じにょ。
いくら合算TDPが小さくてもCPUよりも大きなチップセットUS15Wがお荷物となってPCの
小型化はできるはずがないにょ。
しかし、OakTrailは上記のようにノースブリッジを内蔵して13.8mm四方と小型化された
ためにTDPだけではなくパッケージサイズがボトルネックになっていた超小型PCも実現が
可能になったにょ。
こうしてみると待ち受け時間の拡大、実用レベルの小型化とD4とは隔世の差を感じられ
不満な部分が無くなったかのように思えるけどやはりネックとなるのは下記の2つにょ。
(a)PCとしてはスペック不足
(b)駆動時間の不足
(a)7はVistaよりは軽量化されたとはいえ、XPよりは重いにょ。
環境によるため必ずしもそうとはいえず、Aeroが十分に動いたりメモリが十分にあれば
XPより快適になる場合もあるもののこのようにスペックが低いPCではほとんどの場合に
おいてXPより重いと思われるにょ。
低性能のAtom+メモリ1GBという2008年の新型PCとしては非常に貧弱だったネットブックも
XPであったからこそその貧弱さは表に出ず(重いアプリやネット動画を再生した場合のみ
CPUの性能不足を感じることになる)それによってネットブックは安くてそこそこ使える
PCとしてヒット商品になったにょ。
しかし、それはXPから7への世代交代で変わってしまったにょ。
シングルコアAtomでは7を快適に動作させるだけのCPUパワーはないにょ。
F-07Cに採用されているAtom Z650は2種類発表されたOakTrailの下位モデル(低クロック
版)の方であり、F-07CではTDPの問題から上記のように動作クロックは半減させて動作
しているにょ。
つまり、「Atom 600MHzを搭載している」というのと変わらないにょ。
これは初期のネットブック(Atom N270)と比較してもその4割程度のCPU性能しかない
ことを意味するにょ。(OakTrailではCPUコア部分は従来のAtomと変わらないため)
それだけを見てもWin7を動作させるには不十分ということは分かるけど実際にどの程度か
というのはやはり動いている様子を見てもらうのが一番にょ。
http://gigazine.net/news/20110516_windows7_phone_f07c_docomo_movie/
これらの動作時の動画を見ればこの端末の速度が概ね分かるにょ。
普通にWeb閲覧をするにもややもたつくレベルであり、ピンチイン/ピンチアウトによる
拡大縮小を行う場合に完全にワンテンポ遅れていることが動画からも良く分かるにょ。
とはいえ、一旦読み込んだページを見る際には比較的スムーズに閲覧できるているにょ。
これは表示だけならばCPU性能にあまり影響が無く普通に画面表示を行うにはそれなりの
性能のGPUがあれば問題ないからにょ。
ただ、その際に問題となるのはメモリが1GBしかないという点にょ。
XPならばメモリ1GBでも一般的な用途に十分対応できていたけど7では決して十分とは
いえないにょ。
最もD4は7よりも多くのメモリを必要としていたにも関わらず1GB固定であったためそれと
比べると若干マシかもしれないにょ。
D4のもっさり感の原因はメモリ不足だけではなく1.8インチHDDにもあったにょ。
1.8インチHDDはディスクの直径が小さいため転送速度がどうしても遅くなるのだけど
さらに回転数も抑えられているものが多いためランダムアクセスも遅いにょ。
シーケンシャルもランダムも遅いというわけにょ。
私も1.8インチHDDを搭載したVAIO UXを持っているけどこのUXと同じCPUであるCore Solo
1.2GHzを搭載しているLet'snote R5と体感速度を比較してみるとその差は歴然にょ。
CPUは同一なのに明らかにランクが異なる性能のPCに感じるにょ。
それくらい1.8インチHDDは致命的に遅いにょ。
それがF-07CではSSDによって改善されているにょ。
「SSDだからHDDより速い」とは一概には言えないのだけど今時のSSDならば数年前の
SSDと比べてコントローラ性能は革新的な進化を遂げているためPC用のSSDとして発売
されている製品であれば極端に遅いものは滅多にないにょ。
少なくとも1.8インチHDDよりは確実に快適動作が期待できるにょ。
F-07Cは600MHz動作のAtomのCPUパワー不足によってCPU性能を要求する場面ではD4より
確実に遅さを感じるだろうけど上記の理由によって体感速度であればD4よりも快適と
思われるにょ。
それでもあくまで最低レベルのD4と比較した場合の話であってPCとして考えた場合には
やはり、とても十分な速度であるとは言えないと思うにょ。
単なるWebブラウジングであれば普通のAndroid採用スマホの方が遙かに快適のレベル
だろうし、アーキテクチャが異なるため単純比較はできないもののデュアルコアARM
搭載の最新スマホの方が格段にCPUパワーも上だと思われるにょ。
(b)D4で大きく不満だったのは駆動時間にょ。
Atom採用で長時間駆動を夢見ていた人が多かったけど現実はそんなに甘くはなく標準
バッテリで公称1.5時間(実駆動1時間以下)であり、3倍容量のLバッテリでようやく
公称4.5時間だったにょ。
これはやはり標準バッテリが7.4V、980mAh(7.2Wh)しかなくPCとしては非常に低容量
だったにょ。(これは小型軽量化のため意図的にこのサイズのものを搭載している)
F-07Cは3.7V、1400mAh(5.18Wh)ということで一般的なスマホと変わらないレベルの
小さなバッテリしかないにょ。
これではいくらOakTrailが従来よりも省電力になったといっても長時間駆動はとても
望めないにょ。
とはいえ、容量当たりの公称駆動時間でいえばF-07CはD4の1.8倍となっており、モニタ
サイズが小さいことを考慮してもOakTrailの恩恵は感じられるにょ。
iPad(25Wh)と同レベルのバッテリを搭載すれば公称9.6時間駆動となるわけだからね。
ただ、その場合は本体+標準バッテリで218gなのに対してバッテリだけで150g程度に
なってしまうのでせっかくの小型軽量がかなり台無しになってしまうけど300g台半ばで
10時間近い公称駆動時間が実現できるというのはかなり大きいにょ。(15Whに減らし
300gを切って公称6時間程度というのもいいかもしれない)
したがって大容量バッテリのオプションが欲しいところにょ。(外部ユニット式に
すれば内蔵型よりも重量効率が落ちるため300gで公称6時間駆動は厳しそうだけど)
いろいろ不満な点はあるけどF-07Cは私がOakTrailに望んだ真のポケットサイズPC(超
小型PC)の1つの形を具現化したものでありこのような製品がただのコンセプトで終わらず
実際に国内の市場に投入されるのは非常にうれしく思うにょ。
せっかくのOakTrailなのに発表されている製品はタブレット端末ばかりだったからね。
また、このF-07Cは4インチながらWSVGA液晶を搭載しているのもいい感じにょ。
このクラスならば海外製品であれば安易にWVGA液晶を搭載する場合が多いのだけど
ハイスペック指向の強い国内のマニア向けとして考えるならばこれで正解にょ。
4インチWSVGAは細かすぎるという人もいるかもしれないけど計算上では297ppiにしか
すぎずiPhone4の326ppiよりは細かくないということを考えると「細かすぎる」という
ことはないと思われるにょ。
ただ、Windowsを使用する場合には正確にポインティングしなくてはならずそのため
細かすぎると静電容量方式のタッチパネルでは操作不能に陥ってしまう(スタイラスに
よって細かいポインティング操作が可能な感圧式のタッチパネルでも300ppiになると
かなり厳しくなる)ということで別途ポインティングデバイスが用意されているので
その心配は要らないからね。
今後はこのような製品が増えるか・・・と思いたいけどニーズが少なそうなので難しい
かもしれないにょ。
次世代WindowsはARM対応であるためPC版と同一Windowsが動作するケータイは将来には
多数登場しそうだけどバイナリレベルでアプリに互換性がある(つまり、x86CPUを搭載
した)ケータイはF-07Cに続いて発売されるかは微妙であるため良い製品が出たら買う
と待っていたら買えなくなるかもしれないにょ。(ケータイの機能は要らないから単に
超小型UMPCを期待しているけどそれさえも登場が危うい状態)
買うかどうかは抜きにしてレビューが楽しみな製品にょ。
Windows使用時に様々な制約がある(Windowsではカメラ、GPS機能に制約があったり
ケータイとのデータの共用はmicro SD経由のみ可能だけどそれはバッテリをはずさないと
いけない等)ために地雷臭がするということでそれを気にしない人にしか購入をおすすめ
できないような製品っぽけどね。
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